odssのアレ

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20XX/03/24 13:35 

季節は春。まだ肌寒い、3月の昼下がり。
 曇り空の下、思い思いの格好をした住民たちが、緩慢な足取りで境内を進む。
 小さな霊園が併設された、東京郊外の寺院。玉砂利の海を割るように石畳の敷かれたその空間は、住宅地の中心部にあってなお、奇妙な静けさを保っている。
 霊園と寺院の境界付近には、墓石を洗うための手桶が並ぶ洗い場がある。建物の影になり人目につかず、法要の前後以外は立ち入る者も少ないその場所が、彼らの集合地点だった。
「全員揃ったな」
 全身黒一色のスーツ姿。喪服に見えないこともないが、着る側の体格によっては威圧感を発するであろう、そんな服装だ。洗い場に集まったのは5人、年齢も性別もばらばらな全員が同じ服装を纏っている。
 30代後半であろう細身の男が一歩進み出た。左腕を振るようにして腕時計を確認する。
「ヒトサンサンゴ現着。装備確認は」
「完了しました」
「現地の状況は」
「霊園は封鎖済み。今後30分内は無人です」
「後退時のルートは」
「支援部隊が確保済み」
 声を細めての矢継ぎ早の確認に、残りの4人から次々と応答が飛ぶ。そのひとつひとつに頷いて、最後に男は首元に手を当てた。
「指揮通信車1、こちら弓切り2。配備完了。作戦開始の許可を」
 虚空に向かって一人で話す男を、4人は当然のように眺めている。べつだん、彼が独語癖を持っているわけではない――ある種の異常性を抱えてはいるけれど。
 8つの視線の見つめる先、男は静かに何回か頷き、最後に小さく、
「了解」
 そう言って静かに手を首元から離すとスーツの襟を直した。
「班長、それでは?」
 短く刈り込んだ茶髪の男が問いかける。班長と呼ばれた男はすぐには答えず、

 足早に進む闖入者たちは、本堂の前で立ち止まって両手を合わせる住民たちを横目にしつつ、どこか居心地の悪い感覚を味わっていた。
「本当にあるんですかね、ここに」
30代半ばの

「本日は皆さま、お参りにお出で下さり、まことにありがとうございます。これより、春季彼岸会法要を始めさせていただきます。今季は住職急病により欠席、さらには日程変更ともなりましたことをお許しください。わたくしはお勤めを代理させていただきます、山の手の縣縁寺より参りました――」
 本尊の阿弥陀如来像が鎮座する本堂は、おそらくは歴史の古いであろう黒ずんだ木造建築である。綺麗に並べられた木椅子に座る住民たちのほとんどは白髪だ。簡素な袈裟を着た若い僧侶が壇上に座り、張りのある声で挨拶を述べている。
 最後列に座る若い痩身の男――育良啓一郎は、居心地悪げに身じろぎをした。
 彼の二十余年の生活は、仏教寺院とは無縁のものだ。法要というものは知識としては有していれど、実際に参加したことはない。
 彼がここにいるのは、任務あってのことである。
「本堂より霊園。法要始まりました。席取りは問題なし。このまま進行を見届けます」
『了解。こちらは霊園に侵入。これより収容作業を開始する』
 返答は簡素だ。

「――したがって、阿弥陀さまのお慈悲はわたしたち、等身大のひとびとを救うということに捧げられております。」

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