ヘブンズディバイド

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは財団により制圧されています。SCP-XXX-JP-A群全てに記憶処理を施し、日本国へ送還してください。送還の際にSCP-XXX-JP-Aと対になるSCP-XXX-JP-Bを終了してください。SCP-XXX-JPーAの送還後、正常な日常生活に復帰させるために、場合に応じて記憶移植やカバーストーリーの流布が行われます。

SCP-XXX-JPの運営に関与している日本超常組織平和友好条約機構の職員の特定を行い、確保してください。

説明: SCP-XXX-JPは、████国に存在する反ミーム的特徴を持つ異常地域です。SCP-XXX-JP外からでは████国に広く存在する森林地帯の一部であるようにしか認識できず、周辺の未開拓かつ切り立った地形により接近や発見は困難です。SCP-XXX-JP内は約23km2程度の広さであり、複数の高度な人工的施設が存在します。

SCP-XXX-JP内には、SCP-XXX-JP-Aに指定される大量の民間人が居住しており、文明的な社会形態を構築しています。SCP-XXX-JP-Aはいずれも正当な国籍を所持する日本国民であり、特別な異常性を持ちませんが、特筆すべき点として日本国内にSCP-XXX-JP-Aと完全に一致する遺伝子構成を持つ人物(以下、SCP-XXX-JP-Bと呼称。)が必ず存在します。SCP-XXX-JP-A群は、いずれも日本国政府主導のもと日本国からSCP-XXX-JPへ移住したことを証言しており、財団は日本国からSCP-XXX-JPに向かって所属不明の航空機が離発着しているのを確認しています。日本国政府は関与を否認していますが、財団は政府高官へ対する尋問により『日本超常組織平和友好条約機構の仲介により政府系GoI幹部とPoI-81-031"凍霧 陽1"が接触した。』という情報を入手しており、日本政府内の一部派閥による関与が指摘されています。

SCP-XXX-JP-Bは日本生類創研により製造された実体であると推測される人型実体です。SCP-XXX-JP-Aと対になるように存在し、遺伝子構成だけではなく、SCP-XXX-JPに関する知識を除く記憶もSCP-XXX-JP-Aと一致します。SCP-XXX-JP-Bの来歴に関しては補遺を参照してください。

補遺XXX-1: SCP-XXX-JP-A-869へのインタビュー記録です。

対象: 鈴木博士(SCP-XXX-JP-A-869)

インタビュアー: エージェント・時任(以下、時任と呼称。)

付記: 鈴木氏はサイト-81██に常勤している財団職員である。鈴木博士がSCP-XXX-JPから発見されたことにより、サイト-81██に勤務する鈴木博士はSCP-XXX-JP-Bであることが発覚した。

<再生>

鈴木博士: 時任君か。久しぶりだな。

時任: こんにちは鈴木先生。私はつい先日お会いしていますがね。

鈴木博士: そうかそうか。日本の私は良くやっているようだな。

時任: 鈴木先生。財団は今回の件を、日本生類創研への亡命行為と見做しています。なにか弁明はありますか?

鈴木博士: 日本生類創研が関与していることを知らなかったんだ。本当だ。ある日官僚が家に来て、████国への隠居プランを薦めてきた。それだけなんだ。

時任: 亡命先が日本生類創研から政府系GoIにすり替わっただけです。なにより重篤な職務放棄ではありませんか?

鈴木博士: いいや。職務放棄はしていない。日本に残した私が私の代わりに責務を果たしているはずだ。

時任: そもそも財団職員としての行動自体に疑問を感じます。貴方は、貴方の複製品が作られることは知っていたのですよね?財団の管理しないオブジェクトが政府系GoIによって濫用されているとは思わなかったのですか?

鈴木博士: JAGPATO職員の署名があった。多分君も知っている名前だ2。そもそも████国への隠居プランは、企業社長や政府高官などの多忙かつ高齢の高所得者向けのプランであって、財団の福利厚生の一部だと説明されていたんだ。

時任: だとしても鈴木先生ほどの人物が、そんな話を鵜呑みにするのは違和感があります。他にも動機があったのではないですか?怪しいと思っても話に乗ってしまうような。

鈴木博士: [数秒無言]、無いと言えば嘘になる。いや、正直に言おう。財団職員としての正義感を捨てずに、今の現実を逃避できるというのは私には拭い難い誘惑だった。

時任: 以前、鈴木先生とお話しした際、認知症のお母様の話をしていたのを覚えています。それとご関係が?

鈴木博士: それもある。それだけじゃない。私が当時担当していたオブジェクトはSCP-███だったんだ。Dクラス職員以外にも大勢死人が出た。田中君、月形君、比嘉君。彼らの断末魔が耳から離れない、彼らの死に顔が瞼に焼き付いて離れない。私はオブジェクトが怖くなってしまったんだ。

時任: 毎月のカウンセンリングはクリアできたのですか?

鈴木博士: 母を██病院3に入れ続けるためには財団をクビになるわけにはいかない。恐れを表に出すことは出来なかった。母の認知症は深刻だ、旧姓を名乗り、私を見ても誰だかわからない、酷いときは私を泥棒と罵声を浴びせてくる。██病院以上の医療はこの世に存在しない、根治方法の見つからない認知症も、██病院なら1億に1の確立であっても治るかもしれない。私はそう考えている。

時任: それが動機という訳ですね。

鈴木博士: 私は当時55歳だった。財団職員である以上、穏やかな老後なんて存在しないかもしれない。一生オブジェクトに怯えながら働くことにあるかもしれないと思ったら……。それに持病の心臓病もある、私の複製は万が一の時完全に適合する臓器を持つスペアになる。私が自由に老後を過ごし、かつ財団職員鈴木恵三4が存在し続ける方法が目の前に突然現れたんだ。解ってくれ。

<終了>

終了報告書: SCP-XXX-JP-A-869へ記憶処理を施し、サイト-81██へ復職させました。これに際し、SCP-XXX-JP-B-869を終了しました。

事案XXX-1: ████年██月██日にSCP-XXX-JP-A-1369が臓器を摘出された死体で発見されました。 この死体はSCP-XXX-JP-B-1369が交通事故の被害を受けた2日後に発見され、SCP-XXX-JP-B-1369が事故で欠損した臓器と一致する臓器を摘出されています。財団はSCP-XXX-JP-B-1369が入院した医療法人に対し調査を行い、その結果日本生類創研のフロント法人であるという情報を入手しました。以下は、この医療法人へ勤務していた日本生類創研職員への尋問記録です。

対象: 古賀 順(PoI-81-077)

インタビュアー: エージェント・時任(以下、時任と呼称。)

付記: 古賀は身元の保証と金銭を条件に財団への協力を約束しました。

<再生>

[重要度の低い会話のため編集済]

古賀: 隠居施設の年会費はたったの200万円。しかもコピーの方が働いた金が税金に交じって天引きされるおかげで実質年間10万円程度で済む。この金は隠居施設の運営であるJAGPATOの汚職野郎のポケットにインって訳よ。天引きの仕組みにもコイツらが関与してる。

時任: なるほど。今回の事案で何故SCP-XXX-JP-Bが生かされ、SCP-XXX-JP-Aが殺されたのか解りました。天引きされる年会費が主な利権になっているのですね。スペアは本体の方だったとは。しかし政府系GoIに対し影響力を持つJAGPATOとはいえ、税金の徴収に介入というのは難しそうに感じます。

古賀: この隠居施設が連中の天下り先として機能するのがデカイ。施設管理として再就職して退職金丸儲けも良し、隠居施設に入って悠々自適な生活を送るも良し。最近は天下りの締め付けがキツイからな、JAGPATOみたいな世論の外への天下り先は魅力的だろ?

時任: なるほど、根深い問題ですね。官僚の汚職に直結しているとは。ちなみにあなた方日本生類創研には利益はあるのですか?

古賀: もちろんだ。JAGPATOからくるコピー製造の依頼がウチの利権よ。メンテ料も込みでやってるんだが正直ボロ儲けだ。凍霧のいる研究室5の資金になってるはずだぜ。

時任: 日本生類創研にも莫大な利権になるという訳ですね。

古賀: ああ。でもよ。1個噂があってさ。凍霧のヤツ、金が目的じゃないって噂なんよ。

時任: お聞かせ願えますか?

古賀: おうよ。このプロジェクトを進めていくと結果的に、ウチの複製品がドンドン増えていくわけなんだが、凍霧の目的はズバリこの人の入れ替わりらしい。

時任: 入れ替えが?なんのためにですか?

古賀: さぁなぁ。なんか仕込んでるのかも。いや、まぁ噂だからよ。これはあんま深刻に受け止めないでくれよ。人間のシェアナンバーワンでも目指してるのか……、もしかしてコピーの方は人間爆弾になってたりしてな![笑い声]

時任: 笑い事じゃないですよ。もしそんなことになっていたら絶対に阻止しないと。

古賀: おう。阻止してくれよ。俺はあの野郎嫌いだからよ。聞きたいことがあんならいくらでも答えるぜ。[数秒無言]、おお、あと1個思い出した。このプロジェクトもかなり長期プランになってきたから、大分簡素化が進んでるんだわ。近々別の場所にリーズナブルな低所得層向けの隠居施設をつくるって話だぜ。

時任: 解りました。情報提供感謝します。またよろしくお願いします。

<終了>

終了報告書: 古賀に対し記憶処理を施し、解放しました。SCP-XXX-JP-Bに財団の認知しない異常性が存在する可能性が指摘されており、財団は調査を行っています。

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