SCP下書き「伝染性の虚偽記憶」
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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPを保有する人物は一時的に拘束され、通常手順の記憶処理を行った後解放されます。各種メディアを用いたSCP-XXX-JPに関する情報発信は常に監視し、SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-1に該当する情報は適切な形で削除してください。

SCP-XXX-JPに割り当てられた職員はSCP-XXX-JPに曝露する可能性が十分高いことに留意してください。

説明: SCP-XXX-JPは伝染性の過誤記憶です。SCP-XXX-JPは中学校在学中の記憶として想起され、SCP-XXX-JP-1に指定される存在に関する一定水準以上の情報を認識することによって伝播し、曝露者はSCP-XXX-JPを自身の記憶であると確信します。

SCP-XXX-JPは曝露者が本来有していた中学校在学中の記憶に、SCP-XXX-JP-1の存在が挿入されるように発生します。曝露者は他者から指摘を受けない限りその異常性を認識することはなく、認識した後もSCP-XXX-JPについて特別の違和感を抱くことはありません。また、SCP-XXX-JPの内容を陳述できる程度は曝露者毎に異なりますが、これは曝露者の記憶能力の差が関係していると推測されています。

SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPにおいて曝露者のクラスメイトとして振舞う人物です。曝露者はSCP-XXX-JP-1を概ね平均的な身長・体格の女子生徒であると主張するものの、SCP-XXX-JP-1の外見的特徴に関して明確な陳述を行うことができません。SCP-XXX-JP-1と曝露者の関係は概ね良好であるものの、これは必要な会話を円滑に進められる程度であり、積極的に会話を行うことはありません。現在までSCP-XXX-JP-1に該当する人物の特定は成功しておらず、その存在を説明する物理的な証拠は発見されていません。

SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1が第2学年夏季連休以降認識されることで始まり、第2学年から第3学年に進級する間にSCP-XXX-JP-1が消息を絶つまで継続します。多くの曝露者はSCP-XXX-JP-1が消息を絶った理由について関心を寄せることはなく、それに関する記憶を想起することを避けようとします。

補遺1: SCP-XXX-JPの調査が複数の曝露者に対して行われたにも関わらず、SCP-XXX-JP-1が消息を絶った経緯に関する情報は乏しく、一貫した証言を得ることができていません。これを受け、意図的にSCP-XXX-JPに曝露した被験者に対し記憶補強剤を投与し、記憶の想起を亢進させたうえでSCP-XXX-JPの調査を行う実験が行われました。

調査記録SCP-XXX-JP-2█

対象: D-302647

補佐: 勝山研究員

付記: D-302647は事前にクラスY記憶補強薬1を服用した上でSCP-XXX-JPに曝露した。また、D-302647は他の職員と比べ記憶の想起能力が非常に高いことが判明している。

<録音開始>

勝山研究員: 事前に連絡した通り今回の調査はSCP-XXX-JP-1が消息を絶つ直前の記録をとることを目的としています。現時点で全てのSCP-XXX-JP曝露者はSCP-XXX-JP-1と帰路を共にしたという証言をしていますが、その際に行われた会話やその後の行動について明確な記憶を想起できていません。D-302647にはSCP-XXX-JP-1と共に帰宅する直前からSCP-XXX-JPの検索をお願いします。

D-302647: はい。そうですね、あの子と帰ったのは19██年3月██日、私は帰宅部だったので、帰り始めた時間はちょうど16時ころですね。天気は、軽く曇ってましたが日は出てて、気温はその時期にしては寒かったです2。それで、私が丁度校門を出ようとしたときにあの子が声をかけてきたんです。まあ断る理由も無かったので、珍しいこともあるもんだと思って承諾しました。

勝山研究員: SCP-XXX-JP-1は何と声をかけてきましたか?

D-302647: 単に「一緒に帰らない?」と。理由についての言及はありませんでしたね。

勝山研究員: なるほど、続けてください。

D-302647: ええ。それで、あの子は歩きだったんで私は自転車を押して歩きました。しばらくは車通りの多い細い道を歩いたんで、縦列になったまま無言で。それで、話し始めたのは校門を出て10分くらいのところでしたね。

勝山研究員: 会話の内容はどんなものでしたか?

D-302647: いや、アレは会話というかひたすらに質問されてたんですよ。まあ、その質問の内容も結構変なものでしたがね。学校での生活は楽しいかって聞いた後に人を殺したことはあるかって聞いてきたり。そう思ったら自分はクラスに馴染めているかって聞いてきたり。で、最後に私の怖いものは何だと。

勝山研究員: それぞれに対しどのように回答しましたか?

D-302647: 学校はまあまあ楽しかったんでそう答えて、その時はまだやってなかったから2つ目の質問は「そんなことあるわけないだろ」と。3つ目の質問は、普通に溶け込めてるって言いましたね。4つ目は確か虫って言いましたね。苦手なんですよ、虫。

勝山研究員: なるほど、それに対するSCP-XXX-JP-1の反応はいかがでしたか?

D-302647: いや、別に、特に不満そうにするわけでもなく、かと言って嬉しそうにするわけでもありませんでしたね。

勝山研究員: そうですか。あなたの方からSCP-XXX-JP-1に話しかけることはしなかったのですか?

D-302647: はい。私はあの子の事なんてほとんど何も知らなかったんで、どんな話をすればいいかもわかんなくてですね。あの子の質問攻めが終わったら、また無言になりました。別にそのまんま無言でも良かったんですがね、あの子がもう一度質問をして来たんですよ、さっきと同じ質問を、さっきと同じ順番で。

勝山研究員: それで、どうしました?

D-302647: いや、なんかこいつおかしいのかと思いながら、同じように答えました。そうしたらまた同じ質問をしてきましてね。お前おかしいぞと言ったんですけど無視されて、しょうがなく同じように答えたんですよ。

勝山研究員: 無視はしなかったのですか?

D-302647: 無視すると何度でも同じ質問をしてくるんですよ。それで、最後には追加っとなって顔を上げちまったんです。

勝山研究員: 顔を上げた?それまであなたは俯いたままだったのですか?

D-302647: 当たり前でしょう?あんなもの見たいわけないじゃないですか。でも私はあの子の顔を見てしまったんです。いやあ、なんで今まで忘れてたかな、あんな怖いものを。

勝山研究員: D-302647?

D-302647: そう、それでですね、研究員さん。私はその時怖いものはわからないって答えたんですけどね、あの子の顔を見て、それであの子に「一番怖いものはお前だ」って言ったんですよ。あんなのは初めてだった。不思議とか不気味とか、気味が悪いとかそういうんじゃなくてただただ怖いんですよ。怖くて怖くて、それで、そんなあの子がこの世界にいて、しかも私と同じクラスにいて、一緒に過ごしていたことが嫌で嫌で。だからですね、私はあの子を殺して埋めたんです。あの子を引き倒しましてね、馬乗りになって首を閉めました。

勝山研究員: D-302647、それは  

D-302647: いや、研究員さん、わかってますよ。私だってあの子に触れるのは死ぬほど嫌でしたよ。あの子の首に触れたときの感触は、ああ、口に出したくもない。でも、必死で私はあの子の首を締めました。あの子には悪いけれど、そうしなくちゃ私はこの先怖くて怖くて生きていけないから。それでね、たぶん3分くらいであの子が動かなくなったんで手を離しました。たぶん死にました。でも、それでもあの子の死体はそこに残ってたんですよ。これは怖いですよ。だから私はあの子を引き摺って、ちょうど帰り道の途中にある██山の中にあの子を埋めました。国道から林道に入って、しばらく行ったところで道を外れてですね、そこらへんに。近くにあった山小屋のスコップで出来るだけ深く掘りましてね。そうしてあの子を穴の中に押し込んで、上から土を被せました。念入りに土を踏み固めたんで少しそこだけ地形がへこんじゃいましてね、他のところの土を持ってきました。

勝山研究員: いや、あなたの発言は良く精査する必要がありますが、確かに私もSCP-XXX-JP-1を殺害したという漠然とした感覚があります。しかし  

D-302647: 研究員さん、あなたがこの記憶を忘れちまったのは無理も無いですよ。あんなものを覚えてたら人生堪ったもんじゃない。私だってこうしてあの子の顔を思い出しちまったことに後悔しかないんですから。それにね、忘れても問題ないんですよ。あんだけ念入りに殺して埋めたんですから、もう安心なんですよ。安心して、忘れていいものになったんですよ、あの子は。

勝山研究員: D-302647。あなたがSCP-XXX-JP-1を埋めたのは██山の山中と言いましたね。

D-302647: ええ、間違いないですよ。

勝山研究員: 私がSCP-XXX-JP-1の死体を遺棄したのは████川にあるダムの近くです。そんな山聞いたこともありません。本当にあなたはSCP-XXX-JP-1の死体をその山に埋めたのですか?

D-302647: そんな、でも、私は確かにあの山に埋めました。いや、別にどこにあの子が何人埋められてようといいんですよ。研究員さんもあの子をしっかり殺したんでしょう?

勝山研究員: ええ、それだけは確かです。

D-302647: なら、それで安心なんですよ。

<録音終了>

調査SCP-XXX-JP-2█の後、D-302647の証言に基づいた調査が行われました。その結果、他の事例と同様にSCP-XXX-JP-1に該当する存在が実在したことを示す資料は発見されませんでした。しかしD-302647がSCP-XXX-JP-1の遺体を遺棄したと主張した地点は、過去に一度掘り返されていることが判明しました。これを受け当該地点の発掘調査が行われましたが、土壌中にSCP-XXX-JP-1の遺体は存在しませんでした。ただし発掘前の予備調査で、土壌硬度が他の地点に比べ著しく低下している地点が確認されており、当該地点において何者かが土壌中から脱出した可能性が示唆されています。

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