SCP-XXXX-JP 大地を支えるもの

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Archon(潜在的Thaumiel)

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の低脅威度物品保管庫内に衝撃吸収材に梱包された状態で保管されます。

SCP-XXXX-JPは研究用ストックを除き収容されません。何らかの理由でSCP-XXXX-JPが回収された場合、回収されたSCP-XXXX-JPは発見場所付近または地下12000mに破棄されなくてはいけません。SCP-XXXX-JPを用いた実験はラピュータ・プロトコル参加職員にのみ限定的に許可されています。また、研究用ストックが枯渇した場合はSCP-XXXX-JP担当主任がO5評議会から許可を得た上で必要最低限の量だけ回収及び収容が許可されます。

SCP-XXXX-JPと接触したとみられる鉱山や洞窟は発見次第封鎖し、関係者にはクラスA記憶処理を施した後に適切なカバーストーリーを流布してください。また、民間によるSCP-XXXX-JPに関するいかなる記事や論文も速やかに削除または廃棄し、関係者及び閲覧者にはクラス-A記憶処理が施されます。

現在、SCP-XXXX-JPの生成方法の確立が最優先事項に指定されています。研究用ストックの収容場所や取扱方法、及びラピュータ・プロトコルの詳細はラピュータ・プロトコル参加職員以外には秘匿されます。ラピュータ・プロトコル参加職員はSCP-XXXX-JP担当主任より開示される資料を確認の上、研究を行ってください。

説明: SCP-XXXX-JPは地球の地殻内部にのみ存在が確認されている赤紫色かつ半透明でうっすらと光を放つ六方晶系の結晶を作る化合物です。SCP-XXXX-JPは██種類の既知の元素とIUPAC1において認定されていない3種類の未発見元素(各元素の陽子数は███、███、███)によって構成されており、これら構成元素自体には何ら異常性が無いことが確認されています。SCP-XXXX-JPの生成は、未発見元素の極端に短い半減期とSCP-XXXX-JP自体の非常に複雑な分子構造故に現存するあらゆる技術を用いても成功していません。なお、SCP-XXXX-JPに含まれる全ての元素はSCP-XXXX-JP中においては本来の性質にかかわらず放射性崩壊を引き起こさないことが判明しています。

SCP-XXXX-JPは不明なメカニズムによって常にエネルギーを生成し、重力に対して負の方向へ向かう運動エネルギーとして放出する性質を有しています。SCP-XXXX-JPが単位時間ごとに生成するエネルギー量はSCP-XXXX-JPの質量に応じて指数関数的に増加します。これにより、SCP-XXXX-JPはある一定の質量に達すると重力と釣り合い、その質量を超過すると重力の反対方向へと上昇するように振舞います。SCP-XXXX-JPが単体で重力と釣り合う質量は地球上では約██.██gです。なお、無重力またはかかる重力が極端に弱い空間内では発生する運動エネルギーはSCP-XXXX-JPの中心から外側へ向かって放出されるため、SCP-XXXX-JPは膨張し最終的には自ら破壊されます。

SCP-XXXX-JPは何らかの物理的衝撃によって損傷または破壊された際に、エネルギーの生成及び放出を停止し、余剰エネルギーを熱エネルギーとして放出します。この際に発生する単位時間ごとの熱量はSCP-XXXX-JPの質量の他、損傷の度合いにも比例し、プレス機を用いてSCP-XXXX-JPを破壊する実験の際に単位時間ごとに放出された熱量は同質量の石炭を燃焼した場合の約███倍であるとの結果が示されました。熱エネルギーの放出後、SCP-XXXX-JPは化学分解され異常性を喪失します。

SCP-XXXX-JPは、19██年██月██日に████鉱山で採掘作業を行っていた作業員によって発見され、未発見の鉱物の調査として派遣された調査隊に潜入していた財団エージェントにより回収されました。関係者にはクラスA記憶処理が施され、カバーストーリー「鉱量の減少」が流布された後に████鉱山は閉山されました。

その後、同年██月██日に████洞窟内で地質調査を行っていた研究チームが偶然SCP-XXXX-JPを発見し、研究チーム内に潜入していた財団エージェントによって回収されたことでSCP-XXXX-JPは地下に複数存在することが判明しました。なおその後、関係者にはクラスA記憶処理が施され、████洞窟はカバーストーリー「崩落の恐れ」によって封鎖されました。

現在、SCP-XXXX-JPは████.██kgが収容されており、年間平均で██kgが新たに収容されています。オブジェクトクラスの再分類に伴い、収容されていたSCP-XXXX-JPは全て破棄されました。詳細は補遺を参照してください。

補遺: 20██年██月██日、地殻内部の温度分布を調査していた████大学の研究チームが、増減を繰り返す正体不明の熱源が地殻全体に分布していることを突き止め、それを書き留めた論文を████に掲載しました。当該熱源は主にプレートの境界に沿って増減を繰り返していること、地中深くであるほど絶対量が多いことが論文中に書かれており、異常存在を危惧した財団研究員が調査に乗り出しました。調査の結果、観測された当該熱源の内、最低でも約73%がSCP-XXXX-JPであることが明らかになりました。当論文は速やかに削除され、関係者及び閲覧者にはクラスA記憶処理が施されました。

現在、SCP-XXXX-JPは地殻内部におよそ███億t程存在すると推測されています。特に、モホロビチッチ不連続面2から地表へ3kmの範囲には地球上のSCP-XXXX-JPのうち少なくとも60%が存在していると考えられており、これによって地殻は重力と釣り合った状態にあることが判明しています。

現在地殻内部に存在するSCP-XXXX-JPが█.█%以上減少すると地殻は地球中心へと落下し、マントル内部の圧力が急激に上昇します。これによって世界規模の地殻変動やマントルの噴出、地磁気の崩壊、SCP-XXXX-JPの熱放出による地殻の融解、それらに付随する異常存在の解放、その他複数の事象が同時多発的に発生することにより、IK-クラス:世界文明崩壊シナリオが引き起こされると予測されています。この事象は事象980-イプシロンに指定されており、仮に事象980-イプシロンを回避したとしてもSCP-XXXX-JPが地殻から減少することは巨大地震の発生や大規模な火山噴火などの予測不能かつ深刻な事態を引き起こしうると考えられています。

プレートの移動や地震活動、火山活動等の地球活動によって地殻内部に存在するSCP-XXXX-JPの総質量は年々減少を続けており、SCP-XXXX-JPの減少が現在の速度で続いた場合████年までに事象980-イプシロンが開始されることがコンピュータモデルにより予測されています。また、このモデルは財団を含む人類活動を考慮していないものであり、SCP-XXXX-JPの回収及び収容、または破壊、或いはSCP-XXXX-JPに関する情報の漏洩は事象980-イプシロンを促進する可能性が高いと考えられています。

この結果を受け、SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスはArchonに再分類され、特別収容プロトコルの改定が行われました。

現在、SCP-XXXX-JPの生成及び量産方法を確立し、事象980-イプシロンを阻止するラピュータ・プロトコルが進められています。SCP-XXXX-JPの生成が成功した場合には事象980-イプシロンを阻止できる可能性があるものの、当プロトコルには不確定要素が多数存在するため現在SCP-XXXX-JPは暫定的に潜在的Thaumielクラスに指定されています。

事象980-イプシロンは何としても阻止しなければならない。それができなければ、我々はこの星を捨てるしかないだろう。文字通り、大地はこの異常存在に支えられており、我々もまたこの異常存在に支えられている。

ただそれとは別に、いくつか疑問が残る。SCP-XXXX-JPが地球活動によって減少しているなら、逆を言えば過去には現在より多くのSCP-XXXX-JPが存在したことになる。だが、もしSCP-XXXX-JPが現在の█.█倍以上地殻内に存在した場合、地殻はSCP-XXXX-JPがもたらす反重力作用によって剥がされてしまうはずだ。仮に今の速度でSCP-XXXX-JPが減少し続けていたのだとしたら、少なくとも█万年前にはそれだけの量のSCP-XXXX-JPが存在していたことになる。だがそのような事象の痕跡は一切確認されていない。例の未発見元素についても不可解だ。粒子加速器などの人工的な手法を用いずに自然にあれが生成されるとも、半減期が1ミリ秒にも満たない原子があれだけ複雑な化学反応を起こす環境が自然に作られるとも考えにくい。

だとしたら、SCP-XXXX-JPはいつ、どうやって作られた? - SCP-XXXX-JP担当主任██████

付与予定タグ: scp jp archon k-クラスシナリオ 結晶 地下 地質 重力


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