アイテム番号: SCP-2861-JP
オブジェクトクラス: Safe Neutralized Keter
特別捜索プロトコル: SCP-2861-JPの発見報告を受け次第、機動部隊エータ-10("シー・ノー・イーヴル")エータ-11("獰猛な獣たち")指導の下特別対処チームにより周囲一帯の地区の完全封鎖を行い、一般人の出入りを完全に封じ込め被害の拡散防止に努めてください。その後SCP-2861-JP-B1が発生している場合直ちに終了措置を取ってください。全てのSCP-2861-JP-B1の終了が確認できた場合SCP-2861-JPを収容後、封鎖地区内にAクラス記憶処理剤を散布し、SCP-2861-JPを収容、地区の封鎖を解除してください。
特別収容プロトコル: SCP-2861-JPは周囲を骨組で囲みシートで覆い他者からの視認を妨害する事により一時的に収容を可能としています。その際、カバーストーリー「老朽化による修復工事」を適用し、工事業者に扮した担当職員を配置してください。その際収容エリア内に侵入しようとした者はいかなる理由があれ終了してください。
説明: SCP-2861-JPは██県██市で初確認された外見には至って違和感のない普遍的な歩道橋(SCP-2861-JP-A1と呼称)と、その周辺に出現する文書(SCP-XXX-JP-A2と呼称)を初めとする異常性の発現が確認された歩道橋と紙類の総称です。
SCP-2861-JPの異常性はSCP-2861-JPの影響に暴露した者(SCP-2861-JP-B1と呼称)との対話を試みた者(SCP-2861-JP-B2と呼称)がSCP-2861-JP-A2を目にした場合に発現します。異常性発現後SCP-2861-JP-B2はSCP-2861-JP-A1を渡ろうとし、当衝動はいかなる理由があろうとも最優先されます。
SCP-2861-JP-B2の衝動はSCP-2861-JP-B1の終了により消滅します。なおSCP-2861-JP-A2を視認する前にBクラス記憶処理剤の投与によりSCP-2861-JP-A2の視認よる影響の発現を防ぐことに成功致しました。
SCP-2861-JPが現在2█都府県で発見されその際SCP-2861-JP-B1の目撃情報がない事象が発生していることからSCP-2861-JP-B1の早急な発見及び対処とともに異常性の発現条件が複数ある事を検討、早急に検証実験を進めてください。
SCP-2861-JP-A2に暴露した状態でSCP-2861-JP-A1を渡った際、SCP-2861-JP-B1群が神と呼称する存在との接触により、幸福感の増大が起こることが発見されています。なお実態の確認の試みは全て失敗に終わっています。
以下はこれまでに行われた実験の記録になります。
実験記録001 - 19██/07/24 |
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対象 |
D-2861-001 |
手順 |
現場で確保されたSCP-2861-JP-B1とD-2861-001の対談 |
結果 |
D-2861-001はSCP-2861-JP-B1の対談後一切の変化が見られませんでした |
分析 |
当結果からSCP-2861-JP-A2が異常性発現の鍵になっていると思われます
以下にD-2861-001とのインタビューログを添付致します |
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対象: D-2861-001
インタビュアー: H███博士
<再生開始>
H███博士: 先程行った実験のことで幾つか聞きたいことがあるのですが
D-2861-001: 早めに終わらせてくれ、あいつとの会話でだいぶ疲れた
H███博士: まず初めに、SCP-2861-JP-B1と何を話しましたか
D-2861-001: 話したというより、一方的に説得みたいなのをされてただけだな
H███博士: どういう内容を言っていましたか
D-2861-001: なんか…あの███がどれだけ凄いのかってことを言っていたよ
H███博士: すみません、何が凄いと言っていたかもう一度お願いします
D-2861-001: だから███だよ。あの歩道橋のことだろ
H███博士: ふむ…すみませんがSCP-2861-JP-A1と言ってくれませんか。それともう少し詳しい内容をお答えください
D-2861-001: わかったよ、あいつはSCP-2861-JP-A1を渡ると、現実では絶対に体感出来ない様々な幸福を感じられて、まるで天国にでも来たかのようだって言ってたぜ
H███博士: 他には何か言われましたか
D-2861-001: 他には███を…SCP-2861-JP-A1を渡ると、神様に会って人ならざる力を貰えるとか言っていたな
H███博士: なるほど、何か他に情報は得られましたか
D-2861-001: 他って言われてもこっちの話を一切聞こうとしなかったからな、まるで宗教の勧誘のようだったな…あー、しいて言うなら神のお告げの書かれた紙を読めば神に会えるとか言っていたか
H███博士: 神のお告げの書かれた紙ですか
D-2861-001: お前らがSCP-2861-JP-A2って呼んでる紙だろ
H███博士: なるほど、他には体に違和感などは……
<再生終了>
終了報告書: SCP-2861-JP-B1との対談だけでは特に異常性の発現はないと思われる。そして、SCP-XXX-JP-A1は何らかのミーム汚染下にあると思われる。そして、インタビュー中に聞き取り不可能な単語があった為その単語の解明がこのSCP-2861-JPの異常性の解明の鍵となっていると思われる。インタビュー中に神に会える旨の発言をしていたためSCP-2861-JP-A1を渡らせる際にカメラでの記録をさせるべきであろう。
実験記録002 - 19██/08/19 |
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対象 |
D-2861-002 |
手順 |
現場で確保されたSCP-2861-JP-B1とD-2861-002の対談後、SCP-2861-JP-A2を閲覧させSCP-2861-JP-A1を渡らせる |
結果 |
帰還したD-2861-002はSCP-2861-JP-B1と同じ状態であることが確認されました |
分析 |
当結果から SCP-2861-JP-A2の閲覧が異常性の発現の鍵であると考えて間違いないと思われます
以下にD-2861-002とのインタビューログを添付致します |
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対象: D-2861-002
インタビュアー: H███博士
付記: D-2861-002の発言は多々支離滅裂で会話が成り立っていないため、そのことを考慮の上確認してください。
<再生開始>
H███博士: 先程行った実験のことで幾つか聞きたいことがあるのですが
D-2861-002: 貴方も███の神の恵みを授かりたいとは思いませんか
H███博士: えー…まずSCP-2861-JP-A1を渡っているときに何か異常な事はありましたか
D-2861-002: 私達は███の神に会うことによりこの世とはかけ離れた世界へ行き神の恵みを受けることが出来るのです
H███博士: ふむ…そのこの世とはかけ離れた世界とはどの様なところなんでしょうか
D-2861-002: ███の神が統べる幸福に満たされた天国のような世界なのです
H███博士: その幸福とは具体的にはどの様なものなのですか
D-2861-002: 我々は███の世界に行きこの穢れた現世から解き放たれ幸福に満たされた世界へ行くことが出来るのです
H███博士: 質問にお答えください。その幸福とは具体的にはどの様なものなのですか
D-2861-002: ███の神は我々を救ってくださる唯一無二の存在です。共に███の世界に向かいましょう
付記: その後新しい情報を得られなかったため記録はここで終了します。
<再生終了>
終了報告書: SCP-2861-JP-B1は███の神の世界への勧誘を行う以外一切の興味を示さず意思疎通も基本成り立たないものと思われる。
補遺1: SCP-2861-JP-B1との対談を試みた者はSCP-2861-JP-B1の話す言語全てに理解を持ち少なからずSCP-2861-JP-B1に思考が寄っていると思われます。そのことを考慮してH███博士を実験チームから一時的に離脱させることが決定されました。
実験記録003 - 19██/11/██ |
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対象 |
D-2861-003 |
手順 |
D-2861-002と対話後、SCP-2861-JP-A2を閲覧せずSCP-2861-JP-A1を渡るよう指示する |
結果 |
D-2861-003帰還後、一切の異常性が確認されませんでした |
分析 |
SCP-2861-JP-A1自体には異常性は無く、SCP-2861-JP-A2が異常性の中心にあると思われます
なおSCP-2861-JP-B2に見られる変化も消失していたためSCP-2861-JP-B1への対処方法として確立を目指し実験を進めるべきだと思われます |
探査記録001 - 19██/██/██ |
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対象 |
H███博士 |
手順 |
H███博士にカメラと通信装置を持たせSCP-2861-JP-A1の探査を試みる |
結果 |
カメラの記録は破損しており確認できない状態にありました
通信装置での録音記録は以下に添付します |
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対象: H███博士
インタビュアー: 霧崗博士
付記: 一部音声が乱れている部分があります
<録音開始>
霧崗博士: こちら霧崗、H███博士…聞こえますか
H███博士: こちらH███、これからSCP-2861-JP-A1に登る
霧崗博士: 何か変化があれば逐一報告お願いします
H███博士: 了解、所で今███だったかな
霧崗博士: 何か変化がありましたか
H███博士: あー、いや目の前が██に赤いから夕焼けかなと思ってな
霧崗博士: 只今夕方ではありませんし、そもそもそこからだとシートに阻まれて夕焼けは見れないはずですが
H███博士: す█ない…通信█少し悪い█う█
霧崗博士: 何か異常は見られますか
H███博士: 徐々に前██赤く█まっていっ█い██
霧崗博士: 前方が赤くなっているのですか
H███博士: ま█で█獄の██に真███そ█にうめ█声██こえて██
霧崗博士: H███博士聞こえますか、応答願います
H███博士: どうしたそんなに焦って、私はただこの歩道橋を渡っているだけじゃないか
霧崗博士: 通信が不安定な間何が起こっていたか教えてもらえますか
H███博士: 何がとはどういうことだい。この歩道橋にはなんの変化も起きてないぞ
付記: 以上特筆すべき記録はない為録音を終了します。
<録音終了>
終了報告書: SCP-2861-JP-A2を閲覧していないSCP-2861-JP-B2がSCP-2861-JP-A1に侵入した場合異なる異常性がSCP-2861-JP-A1内で発現する事がわかりました。なお当事象発生後SCP-2861-JP-B2は異常性及びSCP-2861-JP-A1内での記憶が消失した状態で帰還することがわかりました。
探査記録002 - 19██/██/██ |
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対象 |
D-2861-004 |
手順 |
D-2861-002とD-2861-004の対談ごSCP-2861-JP-A2を閲覧、SCP-2861-JP-A1を通信装置を持たせて渡らせる |
結果 |
1回目同様カメラの記録は破損しており確認できない状態にありました
通信装置での録音記録は以下に添付します |
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対象: D-2861-004
インタビュアー: 霧崗博士
<録音開始>
霧崗博士: 無事潜入出来ましたか
D-2861-004: ええ、できたわ。私はここを渡ればいいのよね
霧崗博士: そうです、何か異常があれば教えてください
D-2861-004: わかったわ。ところでさっき読まされたあの宗教じみた内容が書かれたものは何だったの
霧崗博士: あなたが知る必要はありません。異常があれば逐一報告してください
D-2861-004: はぁ…わかったわ。ところでここから朝日は見えるのかしら
霧崗博士: それほど長い時間滞在してもらはないのでそのまま進んでください
D-2861-004: それほど長くって、じゃあ今目の前に見えるのは朝日ないってこと
霧崗博士: 今目の前に朝日が見えているのですか
D-2861-004: ええ、朝日にしては少し明るすぎる気もするけど
霧崗博士: 他には何か確認出来ますか
D-2861-004: 遠目に何かが佇んでいるわ
霧崗博士: もう少し具体的に教えて貰えますか
D-2861-004: なんて言えばいいか、██████のような姿をしてるわ
霧崗博士: すみません、もう一度言ってもらえますか
D-2861-004: 徐々にこちらに近づいて来てるわ、どうすればいいの
霧崗博士: それがどういったものかもう少し鮮明に伝えて貰えますか
[ここで唐突に通信が途絶えたため録音を停止します]
<録音終了>
終了報告書: 今回確認された存在がSCP-2861-JP-B2の言っている神であると思われるがその存在への言及は不可能と思われる。
実験記録004 - 19██/██/██ |
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対象 |
D-2861-002 |
手順 |
D-2861-002にSCP-2861-JP-A1を渡らせる |
結果 |
その後D-2861-002の帰還、消息は確認できませんでした |
分析 |
SCP-2861-JP-B2がSCP-2861-JP-A1を渡ると異なる異常性が発現すると思われます |
実験記録005 - 19██/██/██ |
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対象 |
D-2861-005 |
手順 |
現場で確保されたSCP-2861-JP-B1とD-2861-005の対談後、D-2861-005にSCP-2861-JP-A2を閲覧させ、SCP-2861-JP-A1を渡るよう指示する |
結果 |
SCP-2861-JP-B1からこれまでの積極性が消え、SCP-2861-JP-A2を閲覧させる段階でSCP-2861-JP-A2が白紙に変化していることが確認されました |
分析 |
前回の実験でD-2861-002の失踪により、SCP-2861-JPの異常性が消滅したと考えられます
当事象を踏まえ、オブジェクトクラスをNeutralizedに再分類しました |
補遺2:特別収容プロトコルの確立に関する議事録が残っていなかったことについてのサイト担当者との当事象についての対話の記録が残っていたため以下に添付致します。
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霧崗博士: 特別収容プロトコルについての記録がないんだが何処に保管してあるんだ
サイト担当者: そんなもの残していませんよ
霧崗博士: 残してないとはどういうことだ
サイト担当者: どういうも何もあなたが残さなくていいといったんじゃないですか
霧崗博士: 私が言っただと
サイト担当者: ええ、そうですよ。それとこの際だから聞きたかったことがあったんですが
霧崗博士: なんだ、私はそれが残ってないせいで追加の書類を作らなければいけないのだぞ
サイト担当者: なぜSCP-2861-JP-A1の移動を一切試みずにあの場所に特別収容プロトコルを確立したんですか
霧崗博士: あぁ、それはだなH███博士が…確かになぜだ
サイト担当者: それにH███博士やDクラス職員達、SCP-2861-JP-A2の文章をわかるのがさも当たり前かのように取り扱ってますけどあれ読めてたんですかね
[数十秒間の沈黙]
サイト担当者: えっと、どうかしましたか
霧崗博士: 何か…大事な事を見逃している気がする
サイト担当者: と、いいますと
霧崗博士: なにかはわからないが、まだ終わってない気がするんだ
サイト担当者: そんなこと言っても先日オブジェクトクラスがNeutralizedに再分類されたばかりじゃないですか
霧崗博士: まあ、そうなんだが
サイト職員: すみません、██████氏はいらっしゃいますか
サイト担当者: 私ですが、慌ててどうしたんですか
サイト職員: 警察に怪しげな文書を持ち歩道橋で意味不明な文言を叫んでいる人物がいると通報がありまして、警察と共に付近にいた職員が対応に向かったところ、その怪文書がどうやらSCP-2861-JP-A2らしきものだという報告が入りまして…
サイト担当者: なんだって…
当事象を皮切りに各地で現在1██のSCP-2861-JPの発現が確認されました。
なお、発現日時、場所の予測が完全に不可能なため、オブジェクトクラスがKeterに再分類されました。
補遺3: 上記事象の際に発見された文書が唯一解読に成功したためここに記載します。
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SCiP NETver. β
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貴様らは我々の力を封じ込めたと過信しているようだ
だがしかしこうして我々はまた貴様らの地に根を張ることが出来ているのだ
それに貴様らは我々の手段がこれだけだと思っているようだがそれは愚かしいにも程がある
我々の支配下にある者は既に隅々まで広がっている
貴様らは我々を止めることは出来ない
我々への崇拝が広がる今貴様らを支配下に置く日も近い
精々弱々しくあがくがいい
当文書の解読完了と同時に特別収容プロトコルを改変し特別捜索プロトコルの確立、SCP-2861-JPの早急な拡大防止の為機動部隊エータ-10("シー・ノー・イーヴル")エータ-11("獰猛な獣たち")指導の下専門対処チームの設立が行われました。
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