Hey Kounoike 2 801d(熊に潜るVer.1 バックアップ用)

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8169の標準型飼育室内に収容してください。B1からB7までの階層には、無線型監視カメラを設置してください。担当研究員はSCP-XXX-JPの行動を常時記録してください。また、機動部隊はSCP-XXX-JPの同型個体の出現予想地域を常時監視し、同型個体の出現に備えてください。飛行イベント発生後、同型個体の出現が確認された場合収容プロトコル「フナラパ」を発動、同型個体を確保・収容してください。

説明: SCP-XXX-JPは、1匹のヒグマ(学名:Ursus arctos)です。体長は2.8m、体重は780kgです。食性は一般的なヒグマと違い、食事・水分補給・排泄を一切行いません。また、動物や人間に対して攻撃的になる事はなく、ほとんど動くこともありません。時折、口腔内部から橙色の液体を100〜500mmlほど吐き出す事があります。液体は腐敗臭を放っており、粘性を持ちます。液体の粘度は0.058Pa・sです。この液体の成分をLC/MS(液体クロマトグラフィー質量分析機)で解析し、成分を下記にまとめました。

諸成分一覧
液体の構成比:水と化学物質が9:1
化学物質は下記の3群に分類される。
1群:タウロウルソデオキシコール酸等の胆汁酸代謝物。
2群:血漿、ヘモグロビン、タンパク質、脂質、グリコーゲン、ブドウ糖等の鉄分等の血中液体成分。
3群:塩化ナトリウム 塩化マグネシウム 硫酸マグネシウム 硫酸カルシウム 塩化カリウム等の塩分 。

以上の解析結果から、SCP-XXX-JPが吐き出した液体は、胆汁と血液と海水の混合物である事が判明しました。

SCP-XXX-JPの異常性は、背や腹に手で直接触れた時に発現します。SCP-XXX-JPに接触すると、SCP-XXX-JPの体内に潜り込む事が可能となります。SCP-XXX-JPの体内に潜り込んだ人間(以下対象と表記)はSCP-XXX-JPの体内を泳いで移動する事が可能です。SCP-XXX-JPの体内はSCP-XXX-JPの体毛・血液・筋肉・内臓が混ざり合った空間となっています、空間の広さは10×25×50mであり、対象は空間内部を満たす液体を吸引することにより、空間内での呼吸が可能となります。対象は「下を目指したい」という欲求を抱き、空間の下層を目指して泳ぎ続けます。

50m下降した時点で、対象はSCP-XXX-JP-1の天井部に到達します。SCP-XXX-JP-1は、5×5×5mの広さを持った部屋です。SCP-XXX-JP-1の天井部はゼリーのようになっており、物理的破壊を行わずとも容易に通過する事が可能です。対象は水中を降下するように、緩慢にSCP-XXX-JP-1の床へと降着します。SCP-XXX-JP-1内部は明かりで満たされています。その光源は壁から放射されている事が判明しており、動作原理は不明です。壁の素材は外見からモルタル製のように見えますが、素材自体は強固であり、破壊には成功していません。SCP-XXX-JP-1の壁面を壁透過レーダーでスキャンしましたがレーダーには何も映りませんでした。壁の向こう側に何があるのかは現在も不明です。また、この調査の過程で、SCP-XXX-JP-1はあらゆる周波数の電波を透過する事が判明しています。この特性により、SCP-XXX-JP-1内部に無線型監視カメラの設置が可能となっています。

SCP-XXX-JP-1の中央にはSCP-XXX-JP-2が存在します。SCP-XXX-JP-2はクマ科の個体であり、複数の種類が存在します。SCP-XXX-JPと同様、背や腹を触ると内部に潜り込む事ができ、空間内部で50m下降するとまた同じデザインのSCP-XXX-JP-1に到達します。現在、SCP-XXX-JPの体内空間は7つの階層に分けられている事が判明しています。これらの階層をB1及びB7と呼称します。

以下は、B1からB7に存在するSCP-XXX-JP-2を表にしてまとめたものです。

階層 SCP-JP-2 付記
B1 ツキノワグマ
学名:Ursus thibetanus
東アジア全域に生息する個体。胸部に偃月状の白い斑紋がある。
B2 アメリカグマ
学名:Ursus americanus
アメリカ北東部に生息する個体、体色はヒグマと似通っているが顔が長い。
B3 メガネグマ
学名:remarctos ornatus
南アメリカに生息する個体。目の周囲ににメガネの状白い輪がある。
B4 ナマケグマ
学名:Melursus ursinus
インド・アッサム・スリランカに生息する個体。黒色の長い毛を生やしている。
B5 マレーグマ
学名:Helarctos malayanus
マレー半島、スマトラ島、ボルネオ島に生息する個体。小型であり、毛が短い。
B6 ジャイアントパンダ
学名:Ailuropoda melanoleuca
中国に分布する個体。体毛は白と黒に別れている。
B7 ホッキョクグマ
学名:Ursus maritimus
北極圏及びカナダ北部に分布する個体。体毛は透明に近く、光の反射によって白く見える。

B7まで降下した対象は、B7に存在するSCP-XXX-JP-2の体表に触れ、体内へと潜り込みます。SCP-XXX-JP-2を通過すると、対象はSCP-XXX-JP-3に到達します。SCP-XXX-JP-3は、所在地不明の空間です。大気の組成は窒素が78.08%、酸素が20.95%、アルゴンが0.93%、二酸化炭素が0.03%で、現代の地球と同じ組成であり、呼吸する事が可能です。また、SCP-XXX-JP3内部は常に明かりに満たされています。光源は太陽であり、太陽放射の組成は地球上のそれと同様です。

SCP-XXX-JP-3内部には、広大な海が広がっています。大量の無人機を使用して広さを測定したところ、少なくとも8,000万km2の広さがある事が分かっています。常時風速:7m/sの風が吹いており、海上には波が発生しています。この事から、SCP-XXX-JP-3内部にも地球と同様に気流が存在し、それによって波が形成されていると考えられます。海の色は橙色であり、海水の成分は、SCP-XXX-JPが口腔から吐出するものと一致し、腐敗臭を放っています。SCP-XXX-JP-3内部の天気は常に晴れており、雲の発生や降雨などは確認されていませんが、時折上空から大量のSCP-XXX-JP-2個体が降り注ぎます。

SCP-XXX-JP-3内部には、広さ1,825km2の島が存在します(以降SCP-XXX-JP-4と呼称)SCP-XXX-JP-4には植生や野生動物は存在せず、水脈もありません。SCP-XXX-JP-4では、時折マグニチュード3から5の小地震が発生します。SCP-XXX-JP-3内部では、120dbの轟音が響き渡ります。浜辺から10kmほど離れた地点に、SCP-XXX-JP-5が存在します。SCP-XXX-JP-5は全長200mのホラアナグマ(学名:Ursus spelaeus)であり、轟音はSCP-XXX-JP-5の吠え声です。SCP-XXX-JP-5は、口部から絶え間なく橙色の液体とSCP-XXX-JP-2を吐き出し続けています。SCP-XXX-JP-4は海上に二本足で直立しており、島に接近する事はありません。財団の調査の結果、SCP-XXX-JP-4は、島の東西南北の海上にそれぞれ1体ずつ、計4体存在する事が判明しています。

SCP-XXX-JP-3に到達した対象は、SCP-XXX-JP-3の上空500mに転移します。B1からB7への移動と同様に、対象は緩慢な降下を開始し、SCP-XXX-JP-4の浜辺に降着します。浜辺には半液状化したSCP-XXX-JP-2が出現します。それらはB1からB7に存在するSCP-XXX-JP-2個体であり、海水と半ば同化しつつ浜辺へと押し寄せます。浜辺に出現する個体数は、多く見積もって500頭〜1000頭です。出現したSCP-XXX-JP-2の多くは半液状化しているため、浜辺に上陸する事はありません。海上から出現したSCP-XXX-JP-2は、時折半液状の状態から変移し、実体化する事が分かりました。実体化する個体は決まって1体のみであり、出現する個体はB1からB7に存在する個体のどれかがランダムに出現します。

実体化したSCP-XXX-JP-2は、対象を探して浜辺を4本足で歩き始めます。対象は、海からSCP-XXX-JP-2が出現すると、SCP-XXX-JP-2を探し始めます。SCP-XXX-JP-2と対象が遭遇(以下”邂逅イベント”と記述)すると、対象の腹部が液状化を始めます。そして、SCP-XXX-JP-2は対象の体内に潜り込みます。対象は物理的に破壊されず、SCP-XXX-JP-2は対象の体内に完全に没入し、対象は液体となって即座に蒸発します。

邂逅イベントが完了すると、B7からB1に変化が生じます。(以下、”射出イベント”と表記)
射出イベントはB7からB1へ、下層から上層へ向けて発生する事が分かっています。

射出イベントの発生手順
1: SCP-XXX-JP-2は、二本足で立ち、頭部を天井に向け、口腔から橙色の液体を高圧で噴射する。
2: 噴射された液体は、天井を貫通し、B6のSCP-XXX-JP-2に突き刺さる。
3: 液体に貫かれたSCP-XXX-JP-2個体は、天井に向けて液体を高圧放射する。
4: これらの手順がB7からB1まで順番に発生する。
5: 高圧噴射された液体がB1の天井を貫通した時点で、射出イベントは完了する。

射出イベント完了後、SCP-XXX-JPの口部から液量は250ℓの液体が放出され、液体から対象とSCP-XXX-JP-2が出現します。出現した対象は、SCP-XXX-JPに潜行する以前となんら変化がありません。また、出現するSCP-XXX-JP-2個体はB1からB7に存在する個体のいずれかが、ランダムに出現します。SCP-XXX-JP-2個体は、出現と同時に溶解していき、最終的には橙色の液体となり、即座に蒸発します。

補遺: SCP-XXX-JPは、北海道██村付近で発見されました。██村周辺の狩猟従事者の間で「人を飲み込む熊がいる」という噂があり、財団の目を引きました。エージェントが調査を行なった結果、SCP-XXX-JPは、███村から200m離れた山小屋の外部に鎖で繋がれているのが発見されました。小屋の所有者は██村に居住する猟師、太田██氏である事が判明しています。太田氏は現在も行方不明です。エージェントは収容スペシャリスト及び機動部隊を応援に呼び、SCP-XXX-JPを確保・収容、現在に至ります。

エージェントは太田氏の自宅を調査し、一冊のノートを発見しました。
ノートには短い手記が書き込まれていました。以下はその抜粋です。

今日、あの海に行く。今度は、深く深く潜るつもりだ。

この記録を確認後、財団はSCP-XXX-JP-3内部の海洋調査を開始しました。海中にAUV(Autonomous Underwater Vehicle) を投下し、SCP-XXX-JP-4近海の情報を探査しました。海中を泳ぐSCP-XXX-JP-2個体が多数確認されており、それ以外の生物は確認できていません。また、SCP-XXX-JP-4周辺のプレート分布を調査したところ、SCP-XXX-JP-4を構成するプレートは岩盤ではなく、全て生体である事が判明しました。具体的には、観測した海底の全てに、巨大な生物が存在します。その生物の大きさは全長5km〜20kmほどであり、あたかもパズルのピースが敷き詰められたような状態で海底に横たわっています。そのシルエットから、斬新世から中新世に存在したアンピキオン類と推察されます。これらの個体をSCP-XXX-JP-6と呼称します。これらの個体は時折体を動かす事があり、それらの振動がSCP-XXX-JP-4で発生する小地震の震源であると推察されます。

なお、SCP-XXX-JP-3内部に対象が侵入してから1週間経過した場合、海面の異常上昇が発生します。(以下”潮汐イベント”と呼称)潮汐イベントが発生すると、SCP-XXX-JP-3内部で海面が急激に上昇します。海面上昇はSCP-XXX-JP-4を完全に覆い尽くす事で停止し、潮汐イベントは終了します。

潮汐イベント終了後、海面から複数のSCP-XXX-JP-2個体が出現。個体群は空中を泳ぐように高速で移動し、上空500mに到達した時点で消失します。(以下”飛行イベント”と呼称)なお、飛行イベント発生後、SCP-XXX-JP-2の全世界規模における熊科の生物の個体数に微増傾向が見られました。ですが、この傾向は生態系の誕生-死亡のバランスによって±0に調整されうる事象であり、飛行イベントの発生によって熊の個体数が激増する事はありません。

しかし、飛行イベント発生後に誕生した熊の個体の中に、SCP-XXX-JPと同じ性質を持った個体がわずかに確認されている事から、現在の収容プロトコルが策定されました。

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  1. portal:hey-kounoike ( 31 May 2018 15:59 )
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