ワルコン用下書き 遭難ごっこ

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: ██県に存在する██山の一角をエリアXXX-JPと指定し、希少植物の保護・私有地・地震による崩落等複数のカバーストーリーを併用し一般人の侵入を阻止します。警備に当たる職員は必ず2名以上で行動し、SCP-XXX-JPの発生を目撃した場合は報告の後速やかに介入してください。登山者を確保できた場合はインタビューの後、必要に応じて記憶処理を施し解放して構いません。エリアXXX-JPの詳細な範囲および適用されるカバーストーリーは資料XXX-JP-Ar1~7を参照してください。

説明: SCP-XXX-JPは██山中腹にて発生する一連の現象です。該当地域のおよそ4合目3合目より高い地点に生きた人間(以下登山者)が単独で侵入すると発生し、登山者は周囲の気象条件に関わらず霧の発生と気温の低下を体験します。この霧は登山者のみが認識でき外部から観察する試みは失敗しています。

登山者は視界不良にも関わらず荷物を捨て去り無為に移動を続けます。これは熟練の登山者も例外ではないことから軽度の精神干渉が考えられています。またこの時、何者かに追われているような恐怖感を覚えたという証言もありますが、外部からはそのような存在は観察されていません。

およそ30分後、登山者はその健康状態に関わらず強い疲労感と飢餓感を覚え、思考力や判断力が著しく低下します。同時に登山者の周囲にSCP-XXX-JP-1と指定される実体が出現します。この実体は外部から姿を確認でき、多くの場合、子鹿や兎といった登山者の警戒心を刺激しない形状を取ります。SCP-XXX-JP-1も登山者同様にいくらか弱った様子を見せこれに対し登山者は例外なく温もりや心強さを覚えたと証言しています。SCP-XXX-JP-1は登山者に寄り添い、崖など移動に適さない地形に向かった際は服を引っ張る、身体で止めるといった仕草も見せ、幾つかの事例においては麓の方へ誘導しています。

SCP-XXX-JP-1が出現から平均して1時間後、登山者はその疲労感から動けなくなります。この時SCP-XXX-JP-1もまた同様に動きを止めやがて絶命したような状態に陥ります。そして登山者は飢餓状態には抗えずSCP-XXX-JP-1と認識している存在を食します。その様子を観察していたSCP-XXX-JP-1は登山者の飢餓状態がある程度緩和された時点で消失し、登山者の主観上の霧は晴れ一連の現象は終了します。この時初めて登山者は自らの手足を食していたことに気が付きます。同時に飢餓状態や疲労感も元の水準に戻りますが、自身の摂食による損傷は回復せず登山者は激しい痛みと出血に晒され、適切な処置が成されなければ死に至る場合もあります。また消失する直前のSCP-XXX-JP-1は必ず「目を細め、唇の両端を釣り上げる」ような表情をしていることが観察されています。

一連の現象はいずれの段階においても、第三者が登山者の周囲10m以内に接近する、登山者が第三者を認識する様子を見せる、あるいは登山者が転落等で大きく移動した場合に中断されます。そのためSCP-XXX-JP-1実体を捕獲する試みは成功していません。

補遺: ██山にて10年前にSCP-XXX-JPと接触したと思われる登山愛好家を発見しました。エージェントが雑誌記者を装い接触しました。なお██氏は一人で山に登り、活性化終了まで体験したにも関わらず四肢の摂食を行っていません。

インタビュー記録

下山途中に霧が出てきました。幸い地形は判別できる濃度だったので慎重に山小屋を目指しました。

はい。私と似た背格好の別の登山者の男性と会いました。彼は霧でパニックになっていたようで、荷物も持たずに歩いていたんです。どうしたのか尋ねると、やはり捨ててしまったと答えました。

何か慌てていたようで、ここから移動しないと、としきりに言うんです。霧では無闇に動くと逆に危ないと説得したのですが終いには私の腕を引っ張って走っていくんです。強い力でした。

ただでさえ霧で気温も低く、しかも山道なのでそりゃ疲れました。そのうち彼もへばってしまって二人で座り込んだんです。彼は謝りながら倒れ込んでしまいました。私は彼にレインウェアをかぶせ、携帯食料を渡しました。彼は驚いた様子でしたね。

はい、確かに私も疲労困憊でした。でもまあ水と食料はありましたし、もっと酷い目に遭ったこともありますので。

そのうち霧も晴れてそれで無事に山小屋まで辿り着いたんです。不思議と太陽を浴びていると力が湧いてきたというか、やはり先が見えると安心できますね。

その後一泊して、翌朝には彼はいなくなっていました。まっすぐ下山したと思います。心配ではありますが…

登山には意欲的だったと思います。上手く行かなかったとか、荷物は想定外だったとか、そういうことをしきりに言っていました。

聞いてみたら案の定、ええと一つは■■山だったと思いますが、とにかく何箇所かの初心者向けの山には登ったことがあったそうです。同じ感覚で挑戦してしまったんですね。

はい。同じ登山愛好者として、出来る限りのアドバイスはしたつもりです。とても熱心に聞いていて、次はもっと工夫するとか経験を積むとか、とても前向きでした。あの青年はきっといい登山家になると思いますよ。

氏の体験、及びいくつかの事例で登山者が自身を摂食する際に衣服を引き裂いていることから、飢餓感や疲労感は錯覚に過ぎず実際の体力は保持されていると考えられています。訓練された人員によるSCP-XXX-JP-1実体の捕獲作戦が検討中です。


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