SCP-XXX-JP 高度３万３０００フィートで人々は何を想う

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アイテム番号:SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス:Keter

特別収用プロトコル:SCP-XXX-JPは常に世界各国の空港にて航空管制官に偽装したフィールドエージェントにて監視されます。フィールドエージェントはSCP-XXX-JPの発生が確認された場合は直ちに近隣の財団施設と日本財団支部に報告をすることが義務付けられています。その際、SCP-XXX-JPの存在を確認した航空管制官はクラスA記憶処理を施されます。SCP-XXX-JPを目視や存在の確認した一般人にはカバーストーリー「飛行機の回送¹」を流布します。SCP-XXX-JPの墜落の際に発生したSCP-XXX-JP-1は墜落地域担当のフィールドエージェントによって、回収されます。

説明:SCP-XXX-JPは空港に無作為に出現する飛行機です。この飛行機は実際にある航空会社が運航している飛行機との外観の差異は確認できていません。コックピットには２人の機長と副操縦士とみられる人型実体が確認されていますが、財団に接触はいずれも失敗しています。

　SCP-XXX-JPはフライト中、過去に死亡したとみられる人型実体(以下、SCP-XXX-JP-Aと呼称)をSCP-XXX-JP内部に出現させます。SCP-XXX-JP-Aは搭乗員の中から特に深い関わりのあった人物(以下、SCP-XXX-JP-Bと呼称)と接触することが確認されています。この特異性は後述するSCP-XXX-JP-1の記録音声から確認されました。

　SCP-XXX-JPは過去に██回の出現が確認されていますが、ほとんどの全ての事例が特定のサイクルを行っています。以下が発生から消失までの過程です。

発生	SCP-XXX-JPが着陸予定の空港の管制塔レーダーに表示される。
発生から約30分経過	SCP-XXX-JPが空港に着陸。
発生から約60分が経過	SCP-XXX-JPが搭乗員を乗せて離陸。
発生から約120分が経過	飛行機内にSCP-XXX-JP-Aが出現。SCP-XXX-JP-AがSCP-XXX-JP-Bに接触。
発生から約130分が経過	SCP-XXX-JPが管制塔レーダーから消失し、墜落2。 ブラックボックスと酷似したSCP-XXX-JP-1が出現。

　
　墜落時、SCP-XXX-JPの周りにはSCP-XXX-JP-A、Bの死体はほとんどの全ての事例で発見されていません。それら以外の搭乗員は全員、予定されていた目的地に別の飛行機を介して到着していることが判明しています。
　ブラックボックスは本来、飛行機のフライト中のデータとコックピット内の会話を録音するものですが、SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JP-A、Bの会話を録音しています。

　財団はSCP-XXX-JPを回収する計画を思案しましたが、発生確率が極めて低く、発生条件の解明に至らないことから計画は破棄されています。加えて、SCP-XXX-JPに搭乗した人物は必ず消失する可能性が極めて高いことから、当該オブジェクトはKeterに分類されます。

補遺1:以下は20██年█月█日、日本で発生した事案XXX-9のSCP-XXX-JP-1の音声記録です。SCP-XXX-Aに指定された庄野しょうの氏は現在、８０代歳の男性です。

+ 音声記録XXX-1

<音声開始>

SCP-XXX-JP-B-9:あの…おっちゃん。

庄野氏:どうした坊主。ここは１人で来るところじゃないぞ。

SCP-XXX-JP-B-9:…てっちゃん³。

庄野氏:…タカ…タカなのか!?おい、タカは空爆で死んだハズじゃ…

SCP-XXX-JP-B-9:うん。死んだ。てっちゃんを庇って死んだ。

庄野氏:な、何がどうなって。

SCP-XXX-JP-B-9:僕はね。てっちゃんに会いたくてここに来たんだ。あの日、僕たちが██村⁴に行く２日前。爆撃機が空を駆けた。黒い物体がみんなを襲った。大きな体で僕はてっちゃんを覆った。焼けるような痛みで僕は死んだ。

庄野氏:…もうやめてくれ。もう思い出したくないんだ。君が私の幻覚なのか、それとも神様のお告げなのか知らないが、過去の傷を抉るのはやめてくれ。頼む。

SCP-XXX-JP-B-9:僕はありがとうを言いに来たの。

庄野氏:違う。タカは俺を恨んでる。心の底から恨んでるんだ。俺は…俺は君を殺したんだ。

SCP-XXX-JP-B-9:僕は病気だったんだ。

庄野氏:…え？

SCP-XXX-JP-B-9:白血病。てっちゃん、僕はね。もう数年の命だったんだ。空爆で死ななくてもあと数年。僕はね毎日、精一杯生きようって決めたんだ。でも、最期にてっちゃんを守れた。英雄になれた。嬉しかった。生きてて幸せだと思った。右足までは守れなかったけどね。

庄野氏:タカ…タカ。あの時みたいに抱き締めてくれ。腰が曲がってもう子供みたいな大きさだ。

SCP-XXX-JP-B-9:…ありがとう。これからの話をしよう。

[重要度の低い会話のため割愛]

アナウンス:まもなく、当機は目的地に到着致します。　

<音声終了>

　SCP-XXX-JP-Aはその後の庄野氏の身辺調査により、黒宮高明くろみやたかあき氏と判明しました。黒宮氏は19██年█月█日に空爆で死亡したとされる男児です。墜落後のSCP-XXX-JPからは庄野氏と黒宮氏の死体は発見されていません。

　言動から黒宮君は空爆で死んだ日の姿と同一の可能性がある。集められたデータを基に研究を続行する。 ─戸部研究員

補遺2:以下は20██年█月█日、日本で発生した事案XXX-17のSCP-XXX-JP-1の音声記録です。SCP-XXX-Aに指定された関口せきぐち氏は現在、２０代の男性です。

+ 音声記録XXX-2

<音声開始>

SCP-XXX-JP-B-17:…あなたの夢は何ですか？

関口氏:…え？

SCP-XXX-JP-B-17:裕康ひろや。

関口氏:どうして私の名前を。

SCP-XXX-JP-B-17:サングラスを外さないと分からないか。関口裕康君。

関口氏:斗真とうま…どうなってる。

SCP-XXX-JP-B-17:ごめんね。驚かせちゃって。俺がダンプに轢かれてからもう５年か。一度だけ、君の名前を呼びたくてね。

<16秒の沈黙>

SCP-XXX-JP-B-17:…俺は夢があってね。自分の飲食店を持ちたかったんだ。だけど、現実は非情なもので親の借金が発覚したんだ。その額なんと1000万。

関口氏:なぁ、何が目的だ？

SCP-XXX-JP-B-17:旧友と話がしたいだけさ。それで、俺は親の借金を返すことになったんだけども、結果として借金は返せずに店ごと売り払った。

関口氏:…飲食店の売り上げじゃ足りなかったのか？

SCP-XXX-JP-B-17:逆に飲食店をやってたらマイナスだよ。開店して間もないうちには客はあまり来なくてね…。だから、売り払った。そしたら、どうなったと思う。両親が借金に堪えかねて自殺した。[すすり泣き始める]

関口氏:…お前は出会った時から店を持ちたいって言ってたな。親の背中を追い続けてたからな。店の名前はなんと言うんだ。

SCP-XXX-JP-B-17:サンライズ。朝日の見える店だった。

関口氏:…少し遅めの回答を。私の夢は君の夢を果たすこと。

アナウンス:まもなく、当機は目的地に到着致します。　

<音声終了>

　この事案において、SCP-XXX-JPの墜落は確認されず、██空港にて着陸、関口氏の降機の後、再び離陸しその後消失しました。その後の身辺調査ではSCP-XXX-JP-B-17は20██年█月█日による交通事故によって死亡した、本村斗真ともとむらまこと氏と判明しました。要因は本村氏の飲酒による飛び出しでした。この事案で発生したSCP-XXX-JP-1はフィールドエージェントがSCP-XXX-JPの着陸した滑走路で回収したものです。SCP-XXX-JPに関する事案の中で当事案はSCP-XXX-JPが墜落しなかった唯一の事案です。関口氏の記憶処理が検討されています。

　墜落しない出来事はこれが初めてだ。この兆候を良いものなら死人を出さないことが可能かもしれない。 ─戸部研究員
　
　追記:20██年█月█日、株式会社██が神奈川県鎌倉市の海辺のある敷地を買取し、新しい事業を始めました。以下は取締役社長のコメントです。

　私たちはかねてから飲食事業を展開してきました。その中で私は一つ一つの食事の中にどんな想いが込められているのだろうと。私は「夢」だと考えます。どんなに苦しくても、どんなに辛くても、どんなに悲しくても人は夢を持たないと始まりません。そんな夢の入り口になって欲しいです。名前は「サンライズ」。-取締役社長　関口裕康
　

Footnotes

1. 飛行機の回送を「フェリーフライト」とも呼称します。

2. 墜落場所は砂漠や森林といった比較的一般人がいない場所が全てです。

3. 庄野氏の名前が「徹郎てつろう」ということから「てっちゃん」は愛称と推測されています

4. SCP-XXX-JP-Bの学童疎開先と推測されています。

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  Tsukiyomizuku 25 Sep 2021 14:44

  拝読しました。

  + 批評

  現時点ではDVです。

  まず、全体的に構文的・日本語的・クリニカルトーン的な問題が多いです。何度か全体を見直しましょう。

  その上で内容的な部分についてですが、異常性および展開がありきたりであると感じました。死者に会えるオブジェクトは既に色々ありますし、そこで死者から何かしらのポジティブな感情を得るというのは同様にありふれています。この類の展開で成功した記事もありますが、そうした記事を成立させるためには、主軸に捻りを加えるなどして読者に陳腐だと感じさせない工夫が必要です。またオブジェクトが航空機である理由も特に見出せず、ただ死者に会うシーンをやりたかっただけなのではと余計に白けてしまいました。抜本的なアイデアの練り直しが必要であると思われます。

  以上です。執筆頑張ってください。

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