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クレジット
タイトル: SCP-XXXX-JP - 盲目的な恋心
著者: ©︎Fezike
作成年: 2022
http://scp-jp-sandbox3.wikidot.com/draft:fezike-1
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPのDLsite販売ページに対してブロッキングが行われています。他のプラットフォームでの販売が確認された場合、販売差し止めを実施してください。SCP-XXXX-JP-1となったことのある人物は速やかに収容され、対象には検査およびインタビューが行われます。インタビュー後、SCP-XXXX-JP-1にはクラスA記憶処理を施して解放してください。
SCP-XXXX-JPを保存したMetaQuest端末1機がサイト8123内の標準収納ロッカー内に保管されます。SCP-XXXX-JPを使用した実験を行う際にはクリアランスレベル3以上の職員2人の許可が必要です。
説明: SCP-XXXX-JPは"カスタム美少女VR~あなたのお家に美少女召喚!~"というタイトルのMetaQuest1専用ゲームソフトです。開発元を探知する試みは全て失敗しています。
SCP-XXXX-JPはMetaQuestを用いることで、一般的なVR専用ゲームソフトとして起動できます。SCP-XXXX-JPを起動させゲームプレイを開始した瞬間、ヘッドマウントディスプレイを装着している人物(以下SCP-XXXX-JP-1)の正面1mの位置にヒト女性の姿をした人型実体(以下SCP-XXXX-JP-2)が出現します2。SCP-XXXX-JP-2は後述する"プレイ"を開始するまで直立状態を維持します。
SCP-XXXX-JP-2を起動中、SCP-XXXX-JPには常にSCP-XXXX-JP-1の周囲をディフォルメ化した背景とSCP-XXXX-JP-2が映し出され続けます。例外として、SCP-XXXX-JP-1がヘッドマウントディスプレイを脱着した場合SCP-XXXX-JP内の映像は暗転し、SCP-XXXX-JP-2は一時的に消失します。SCP-XXXX-JP-1がヘッドマウントディスプレイを再度装着することでこれらの変化は元に戻ります。
SCP-XXXX-JP内の映像は周囲の風景の変化にリアルタイムに同期しますが、SCP-XXXX-JP-2に対して起こる変化のみ同期にラグが生じることがあります。これまでにボタンのほつれ、ストッキングの伝線、メガネの着脱等の事例が確認されています。実在するSCP-XXXX-JP-2とSCP-XXXX-JP内のSCP-XXXX-JP-2の容姿にどの程度まで乖離が発生しうるのか、実験が検討中です。
SCP-XXXX-JPには2つのモードが存在します。"エディット"と"プレイ"です。"エディット"ではSCP-XXXX-JP内のインターフェースを操作することでSCP-XXXX-JP-2の容姿を変化させることが可能です3。"プレイ"ではSCP-XXXX-JP-2が直立状態を解除し、SCP-XXXX-JP-1とのSCP-XXXX-JP-1に対して概ね好意的に振る舞います。その意志は会話や肉体的接触を要求するという形で発揮されます。SCP-XXXX-JP-2は会話の内容を記憶し、それに応じた答弁が可能です。SCP-XXXX-JPを終了する際にこの記憶はリセットされます。
SCP-XXXX-JPはエージェント・池田が偶然購入したことで発見に至りました。
補遺1: 販売時に同梱されていた"Readme.txt"の一部抜粋
※※※注意事項※※※
・このゲームによって発生したあらゆる損害に対し、当サークルは一切の責任を負いません。
・現実で発生した変化は基本的にリアルタイムにゲーム内に反映されますが、衣装の損傷はあなたが彼女に触れるまで反映されません。ストッキングは自分の手で破きたい派のあなたもこれで安心!
・彼女に重心をかけるような体勢になる場合は、ヘッドセットが外れないよう細心の注意を払ってください。
ゲーム中にヘッドセットを外した場合、ゲームは強制的に中断します。この場合、ゲームが現実に与えた影響は一時的に消失します。当たり判定のみ5秒間残りますので、その間に自立できるよう体勢を立て直してください。
現実に彼女の顔を拝みたいという方もいらっしゃるとは思いますが、開発チーム内で試した結果「思ったほどの感動はない」「精緻な風景とアニメ顔の女の子のギャップで風邪引く」「むしろ怖い」との意見が多数を占めたため現在の仕様になっています。
夢みたいな体験って、夢の中だからオツなものなんです。現実とは一定の間隔をとらないといけないんです。きっと。
補遺2: インタビューログXXXX-1-7
対象: SCP-XXXX-JP-1-7
インタビュアー: エージェント・池田
付記: SCP-XXXX-JP-1-7はSCP-XXXX-JPを最も長くプレイしていたSCP-XXXX-JP-1です。他のSCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPのプレイ時間が30時間以内であったのに対し、SCP-XXXX-JP-1-7のプレイ時間は購入65日で800時間を超えていたことから研究者の注目を集めました。認識災害の影響を受けている可能性が示唆されましたが、研究者間での議論では前述した異常性は存在していないという見解が多数を占めています。
SCP-XXXX-JP-1-7はSCP-XXXX-JP-2-7用の生活雑貨を購入するなど、一人暮らしであるにも関わらずSCP-XXXX-JP-2-7の存在を前提とした一般的な同棲生活に近い環境を構築していました。また、財団が彼に接触する2週間前からは入浴時を除いて常にSCP-XXXX-JPの異常性に晒され続けていたと見られています。
<記録開始>
エージェント・池田: どうして、300時間強もヘッドマウントディスプレイを被り続ける生活を送っていたんですか?
SCP-XXXX-JP-1-7: 刑事さんはこの"カスタム美少女VR"、プレイしたことある?
エージェント・池田: ええ、まあ、合計で5時間ほど。
SCP-XXXX-JP-1-7: それなら分かるんじゃないか?理想通りに作り上げた女の子が俺を慕ってくれて、色んなことも最後までできる。この上ない体験だよ。
エージェント・池田: 300時間も続けてプレイしていたことの説明にはなっていませんが。
SCP-XXXX-JP-1-7: 彼女との別れが惜しくなった。それだけだよ。再起動すると記憶もリセットされるみたいだし、寂しいじゃないか。
エージェント・池田: そうですか。体調に問題はありませんか?
SCP-XXXX-JP-1-7: まずまずだね。あれだけ至近距離で画面を見続けてたのに視力が下がったりもしてない。
エージェント・池田: 画面を見続けると視力が下がる主な要因は画面の光の眩しさではなく、目から数十cmの位置を注視することで目のピント調節筋が誤動作を起こすことです。VR映像の注視点は目の前の画面ではなく遠方に存在しているため、長時間視聴を続けることでむしろ近視の改善に繋がると言われています。
SCP-XXXX-JP-1-7: なるほど。眼鏡男子デビューも悪くなさそうだと思ってたんだがその必要はないわけか。いや、いっそ伊達眼鏡というのもアリか。
エージェント・池田: どうしてそんなに眼鏡にこだわるのですか?
SCP-XXXX-JP-1-7: 彼女、眼鏡をかけていたじゃないか。少しでいいから彼女の気分を味わってみたくなってね。
<記録終了>
終了報告書: 確認されている以外の異常性の影響は彼には見られません。彼のことだけを見て、優しい言葉をかけ、手料理まで作ってくれる。そんな女性に心惹かれるのはごく普通のことだと私は思うんです。 —— エージェント・池田
インタビュー後、SCP-XXXX-JP-1-7にはクラスA記憶処理を施して解放しました。
SCP-XXXX-JP-1-7宅へ唯一定期的に出入りしていた宅配業者への聞き取り調査によりSCP-XXXX-JP-2-7は財団の接触する7日前から裸眼で活動していたことが判明しています。実在するSCP-XXXX-JP-2とSCP-XXXX-JP内のSCP-XXXX-JP-2の容姿にどの程度まで乖離が発生しうるのかの検証実験は本事例を受けてエージェント・池田より提案されたものです。
注意事項を読む限り良かれと思って追加された仕様なんですけど、副作用としてこんなすれ違いも生まれるんですね…… —— エージェント・池田
付与予定タグ: scp jp safe コンピュータ 触覚 性的 人間型
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ジャンル
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任意A任意B任意C-
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- portal:3728961 (26 May 2022 11:13)
スポイラーで記載されていました「恋にのめり込んだ一方で、現実世界の出来事を把握できていなかった」というある種のすれ違いや皮肉な結末がテーマであると読み取りましたが、現行ですと単に「現実に人型実体を投影/生成するオブジェクト」というだけに終わっているような気がして、オチのパラグラフ部分を読んだ上でも狙われているような感情を想起することはありませんでした。
この点については、そもそも「現実に生成されている側の実体」と「仮想現実で見ている恋している方の姿」に差異があるだけでは、そこまで読み手の感情には影響しないからかもしれません。そのため例えばですが、それら差異がある上での読み手に悲哀や虚しさ、もしくは喜劇や悲劇性を感じさせる要素を付加してみたりもでしょうか。(SCP-XXXX-JP-1側の理想と現実、SCP-XXXX-JP-2側の意識や感情の有無など)
また、説明では「開発元を探知する試みは全て失敗しています」とある一方、開発者にインタビューを行っていたりと矛盾点もありますので、その部分もいずれかに統一して整合性を取れればでしょうか。加えて、そもそもゲームがカセットタイプなのか、それともネット上でのダウンロード販売なのかなど、その点も情報は個人的に欲しいかもですね。
後はですが、開発者へのインタビューにて当たり前のように異常性を利用しているという開発秘話が語られていますが、現行ですと「結局、その異常性の出自は何なのか?」という疑問も残る気はしたりですね。この部分、財団が介在している以上は原理やその出自については問いただされるのが自然でしょうし、いっそのこと取材ではなく普通に尋問して全てを吐か去るか、あるいは余計なことを語らせないために、インタビューではなくゲーム付属のリードミーで語られている形としたりなどにしてもでしょうか。
大きな問題はないと思います。
コロンの後に半角スペースがありません。挿入しましょう。他の部分も同様です。
このセンテンスは読み手によってはただ邪魔に感じるだけかもしれませんので、どの程度まで分量を増やして良いものか模索中です。
個人的にはくどく感じました。こういった部分は、パラテク!と言って流せる部分ではあるので、いるかいらないか、と言われたらいらないと思います。
この部分の記述が読み取れませんでした。現実の彼女を見ていない、ということを指摘する構造というよりは、システム故に現実の彼女を直視することができない、というのがこのオブジェクトなのではないかと思います。こういった皮肉な構造を指摘する展開ではなく、どう頑張ってもそういう構造にない、ということを指摘する悲劇だ、という話ならまだ理解できます。
全体的に、上記のような部分があったので、スポイラーに書かれていたやりたい内容が成立していないと思いました。恋は盲目的、というのであれば、舞台装置のせいではなく、盲目的な張本人が、相手を見ない行為を行っている必要があると思います。
amamielyzkrt
お二方、批評ありがとうございます。
異常性から導き出されるメッセージ性がズレているという指摘がお二方に共通していると読み取りました。
確かに、異常性を固める段階でSCP-XXXX-JP-1-7を罠にはめようとしすぎたせいで、SCP-XXXX-JP-1-7の過失の割合はほとんどないですね。「SCP-XXXX-JP-1-7にとって悲劇的な条件が揃っていただけ」と言われればそうかもしれません。
「対象者がVRヘッドセットをかけている間だけ対象者の目前にVRアプリケーション内に投影されているものと一致する実体が出現する」という異常性のアイデアから発想をこねくりまわして作ったオブジェクトなので、メッセージ性の方を変更しようと思います。
amamiel
オブジェクトはプログラムそのものなのでパッケージ販売だろうがDL販売だろうが変わりはないんですが、本文が「ゲームソフトです。」なので誤解を招いている部分があるかもしれません。修正しておきます。
それ良いですね。整合性の問題もまとめて解決できそうですし採用したいと思います。
yzkrt
確かに抜けてますね。修正しておきます。
執筆の際に補遺2→補遺1→説明の順で書いたので、説明センテンスで書くべき記述まで補遺で書いてしまったところがあるかもしれません。
SCPオブジェクトの挙動に理由付けが不要というのであればインタビュー内で説明している内容を半分くらいは説明の方に移してしまおうかと思います。
改稿を行いました
・メッセージ性の変更
・盲目さが半強制的なものであると強調するためメタタイトルを「盲目的な恋」→「恋は盲目」に変更
・説明セクションに本体がapkファイルである旨を追加
・それに伴いPCVR→MetaQuest専用ソフト化
・SCP-XXXX-JP-2がSCP-XXXX-JP-1に抱いている感情について追記
・開発者インタビューを同梱のReadmeへ変更
・開発の裏話にあたる部分を一掃し、PoI-XXXX-2の最後の一言のみ残す形に
・[中略]以前の段落の内容を説明セクションへ移動。
・形式の変更に伴い配信プラットフォームをよりReadmeが入っている蓋然性の高いDLsiteに変更
・SCP-XXXX-JP-1-7へのインタビューの付記にSCP-XXXX-JP-1-7の生活状況を追加
・アニメ顔の人間が近隣住民(不特定多数)に目撃されるような状況だったら購入履歴以前に別口で財団に捕捉されるという突っ込みが身内から入ったため、SCP-XXXX-JP-2-7の目撃者を宅配業者(担当者約一名)に変更
・最下部にエージェント・池田のコメントを追加