classified構文は2018年9月9日を以って、scp-jpのcomponentカテゴリに移転されました。
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[[include :scp-jp:component:classified-decoration
ハルトマン霊体撮影機で撮影されたSCP-xxx-JP-D-1の写真
特別収容プロトコル: SCP-xxx-JPに関する情報は常に捜索され、民間または宇宙観測機関で何らかの形でSCP-xxx-JPが観測されていたことが発覚した場合、情報の規制と秘匿ならびに関係者への記憶処理の施行やカバースト―リーの流布を行います。
オーバーライド・プロトコル実行のために設置された月面サイト-11の秘匿のため、財団宇宙科学部門はNASAと協力し、月面画像等を編集した状態にして一般に公開します。オーバーライド・プロトコルの詳細は補遺xxx-JP.4を参照してください。
現在SCP-xxx-JPが地球上へ墜落する可能性は極めて低いものとされていますが、墜落予想箇所が居住区である場合は地震等の災害予報などの偽情報を流布して住民を避難させ、オブジェクトが墜落した場合、すぐさま機動部隊ξ-4("ロストムーン")が墜落現場に出動しオブジェクトを回収します。また、墜落現場周辺に居住する人物には記憶処理を施し、一般にはカバーストーリー「微小隕石の墜落」を流布します。墜落しなかった場合。住民には誤報であったことを伝え避難指令を解きます。
説明: SCP-xxx-JPは宇宙空間上に出現するアポロ13号の月着陸船"アクエリアス"の複製(SCP-xxx-JP-D-1に指定)とそれに乗船している3名の人型実体(SCP-xxx-JP-A~-Cに指定)の総称です。SCP-xxx-JPはクラスΔ霊体で構成されており、通常の方法で観測することはできませんが物理的干渉を受け付けます。
SCP-xxx-JP-A~-Cの説明は以下の通りです。
- SCP-xxx-JP-A: アポロ13号の船長であるジェームズ・A・ラヴェルJr. (James A. Lovell, Jr.)に相当すると推測される人型実体です。
- SCP-xxx-JP-B: 同船の司令船操縦士であるジョン・L・スワイガートJr. (John L. Swigert, Jr.)に相当すると推測される人型実体です。
- SCP-xxx-JP-C: 同船の月着陸船操縦士のフレッド・W・ヘイズJr. (Fred W. Haise, Jr.)に相当すると推測される人型実体です。
毎月13日の午前3時7分53秒になると、SCP-xxx-JPは月から見ておよそアポロ13号の酸素タンク爆発事故発生地点と同様の宇宙空間上の地点に出現します。このとき、出現箇所では瞬間的かつ急激なヒューム値の低下が発生します。出現したSCP-xxx-JPはアポロ13号の事故発生後の周回ルートとほぼ同様のルートを通り地球へと接近し、最終的にSCP-xxx-JP-D-1から月着陸船"オデッセイ"(SCP-xxx-JP-D-2に指定、両着陸船を総称してSCP-xxx-JP-Dとする)を切り離し大気圏に突入します。現在までSCP-xxx-JPが大気圏を突破したケースは存在しておらず、常に大気との摩擦により焼失しています。 補遺xxx-JP.3を参照してください。
SCP-xxx-JPはアポロ13号の酸素タンク爆発事故発生当時を再現した状態で出現を繰り返していると考えられていますが、それにもかかわらずSCP-xxx-JP-A~-Cは出現毎に以前の記憶を維持しています。また、SCP-xxx-JP-Dには実際の機体と比較して以下の差異が見られます。
- 温度計が存在していない
- 着陸用パラシュートが存在していない
- クルーの操作に関係なく周回ルートを未知の方法で移動する
補遺xxx-JP.1: 発見経緯
1970/5/13に宇宙空間で瞬間的なHm値の低下が確認されて以降、1か月周期で同様の現象が確認されていました。現象発生ごとの共通点として、毎月17日に不可視の実体が大気圏に突入し燃え尽きていることが確認されていたため、財団宇宙科学部門は何かしらの実体がHm値の低下とともに出現していると判断し、調査を開始しました。
1970/11/13に発生したHm値の低下の際、宇宙科学部門はいくつかの観測機器の中からハルトマン霊体撮影機を用いてオブジェクトの観測に成功し、アポロ13号の月着陸船に実体が酷似していることを同定しました。その後実体はSCP-xxx-JPに指定されました。またこの時、宇宙科学部門はSCP-xxx-JPから発せられていた無線電波を傍受することによりコンタクトに成功しました。
以下は初期接触時の対話ログです。当接触時の財団側の話者は宇宙科学部門所属のアリア博士でした。
ログxxx-JP.1
[記録開始]
SCP-xxx-JP-A: ヒューストン、ヒューストン。応答せよ。ヒューストン、誰かいないのか!
アリア博士: あなたたちは何者ですか。
SCP-xxx-JP-A: ヒューストンなのか!?こちらアポロ13号!今、明らかな異常事態のさなかにある。
(ここでジョンソン宇宙センター管制室の振りをすることでSCP-xxx-JPとコンタクトを図ることが指示される)
アリア博士: わかりました。アポロ13号、状況をできる限り詳細に伝えてください。
SCP-xxx-JP-A: ああ、ああ、わかった。既に我々は地球への墜落を繰り返しているらしい。最悪なことに、何も手を加えていないのに着陸船が周回ルートを通って、操作を受け付けてくれない。しかも着陸船が地球の大気との摩擦に耐え切れないらしく、何度も燃え尽きている。ここはあまりにも寒すぎるし、大気圏突入のときは文字通りに身が焼ける。クソッ。一体何が起こっているんだ、頼む説明してくれ。
アリア博士: アポロ13号、落ち着いてください。
SCP-xxx-JP-A: ……すまない。とにかくだ。今我々には到底理解のできない何かが起きている。我々の全員が、酸素タンクの爆発とともに幾度となく目覚めているんだ。もうこれ以上繰り返したくない!ヒューストン、助けてくれ!どうして、どうして地球も月も目前にあるというのに──
アリア博士: このような異常事態は想定の域を完全に超えています。アポロ13号、どうか今は耐えてください。私たちも全力を以て最善を尽くすと誓います。
SCP-xxx-JP-A: ああ、頼むよヒューストン……我々が今頼りにできるのはあなたたちしかいないのだから。
アリア博士: もちろんです。ところで、他の船員の無事はいかがなのでしょうか。
SCP-xxx-JP-A: 全員無事だ。いや、無事ではないのだが。酸素タンク爆発と同時に全部元通りだ。
アリア博士: 把握しました。現在のところ、異常事態により地球への帰還を繰り返している、という認識で間違いはありませんね。
SCP-xxx-JP-A: その通りだ。
アリア博士: 私たちはアポロ13号の無事を祈っています。緊急で対策を──
SCP-xxx-JP-A: 頼む!早く助けてくれ!
アリア博士: もちろんです。
SCP-xxx-JP-A: ああクソ、待ってくれ。いや、何でもない。[以降聞き取り不可]
(この時点で無線信号は途絶し、対話は不可能となった)
[記録終了]
報告: その後SCP-xxx-JPは他の事例と同様に17日にSCP-xxx-JP-D-2を切り離して大気圏に突入し、焼失した。
補遺xxx-JP2: 初版特別収容プロトコルについて
1970/11/20、財団はSCP-xxx-JPの収容方法考案のためアメリカ航空宇宙局(以下"NASA")と協力体制を確立しました。以下はその状況下で作成されたアーカイブ済初期報告書の一部です。
アイテム番号: SCP-xxx-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: 民間に広まる情報は常に査察され、一般人がSCP-xxx-JPを何らかの形で観測していたことが確認された場合、状況に応じて記憶処理の実行もしくはカバーストーリー「スペースデブリの大気圏突入」を適用し隠蔽します。また、財団はNASAと強力し、隠蔽が困難な規模でSCP-xxx-JPの存在が民間に知られる状況が発生した場合に備え、公開可能な宇宙観測情報に偽装情報を含めて一般に公開し、SCP-xxx-JPの存在の隠蔽を図ります。
SCP-xxx-JPが大気圏を突破し地上に墜落した場合、すぐさま機動部隊ξ-4("ロストムーン")が墜落現場に出動しオブジェクトを回収します。また、墜落現場周辺に居住する人物には記憶処理を施し、一般にはカバーストーリー「微小隕石の墜落」を流布します。
SCP-xxx-JP-A~-CとのコンタクトはSCP-xxx-JPに関する情報を収集するため可能な限り実行されます。実体が記憶を維持した状態で再出現を繰り返しているため、実体に不安/疑念を持たせずコンタクトを円滑に進める目的で、対話は常にNASAの人物によるものという状況設定下で行われます。
特別収容プロトコルの実行の他、SCP-xxx-JPとの物理的接触の試みおよびオブジェクトの回収作戦が宇宙科学部門により考案されていましたが、後述するインシデントxxx-JPの発生のため緊急的に見直しと改定が行われました。
補遺xxx-JP.3: インシデントxxx-JP
1978/2/13、SCP-xxx-JPが大気圏を突破し太平洋上に墜落する事案が発生しました。以前よりSCP-xxx-JPが大気圏に突入してから焼失するまでの経過時間が延びていることが指摘されていましたが、完全に突破したケースはこのインシデントが初めてのことでした。
SCP-xxx-JPの墜落地点は周辺海域の状況などの情報を基に同定されましたが、クラスΔ霊体で構成されたエクトプラズムが発見されるのみでオブジェクト自体の発見には至りませんでした。インシデント発生から1か月後、SCP-xxx-JPは再び宇宙空間上に再出現し、当インシデントと同様のプロセスを経て大気圏を突破し、アメリカ合衆国████公園の森林地帯に墜落しました。このとき、2名の一般人の死亡が確認されています。その後SCP-xxx-JPの捜索が再び行われましたが、同様に発見することには失敗しています。
SCP-xxx-JPがハルトマン霊体撮影機のみで観測されること、並びに発見されたエクトプラズムから、オブジェクトがクラスΔ霊体で構成されていると判断されました。また、回収されたクラスΔ霊体は新たに宇宙空間にSCP-xxx-JP出現するたびに消失し、保管は現在のところ不可能であると報告されています。
以下はインシデント発生直後に行われた対話の記録です。財団側の話者はマシュー研究員でした。
ログxxx-JP.14
[記録開始]
マシュー研究員: こちら管制室。アポロ13号、調子はどうだ。
SCP-xxx-JP-B: 悪くないね。今日は月が綺麗だ。
SCP-xxx-JP-A: いつも綺麗さ。
マシュー研究員: 何か変わったことはなかったか。
SCP-xxx-JP-A: いいや、特にない。
マシュー研究員: 了解した。
SCP-xxx-JP-C: ところでだ。我々を救助するためのプロジェクトはどれくらい進行しているんだ?
マシュー研究員: ……半ば、といったところだ。
SCP-xxx-JP-C: ハッ、最悪だな。我々は一体何度地球へと落ちて行く必要があるのだろうか。
SCP-xxx-JP-A: いやフレッド。これを最悪と言えるのなら、こんなことは真の最悪ではないのさ。
SCP-xxx-JP-C: ……ジェームズ、何が言いたいんだ。
SCP-xxx-JP-A: いや、つまりだ。もっと最悪なことがあるだろうって考えれば、少しは心が楽になるだろうってことさ。そう、我々は選ばれしアポロ13号のクルーだ。なんとしてでも地球へ帰還するんだ。人類のため、アメリカのため、そして何より、地球で待つ家族のため……。
SCP-xxx-JP-B: おいジェームズ!俺は独身だぞ!
(笑い声が聴き取れる)
マシュー研究員: ……元気そうだな。
SCP-xxx-JP-C: まあな。我々は今、最も地球も月も綺麗に見える特等席にいるんだ。楽しまないと。
SCP-xxx-JP-A: 管制室、聞いてくれ。そろそろ電池残量の節約のため通信を終了する。そして、大気圏突入の際にもう一度連絡する予定でいる。憶えておいてくれ。
マシュー研究員: 了解。
SCP-xxx-JP-B: 今回は何だか上手くいきそうな気がするな。
SCP-xxx-JP-A: ああ。
[記録終了]
マローア博士の提言
彼らの心理的状態とSCP-xxx-JP-Dの耐久性には関係性があると私は考えます。
ついにSCP-xxx-JPは大気圏を突破してしまいました。これは由々しき事態であると断言できます。なぜなら、一か月毎に地球上のどこかに不可視の隕石が落ちてくるようなものなのですから。
その耐久性を除いてSCP-xxx-JPに関して大きな変化が見られたことと言えば、クルーの心理状態のみでしょう。私は、このことがSCP-xxx-JPが大気圏を突破することが出来た1つの要因であると考えています。
我々はSCP-xxx-JPについて知るために数度の対話を行ってきました。その内容は決して慣れ合いのようなものではありませんでしたが、その行為自体が宇宙空間を漂う難破船のクルーを励ましてしまったのだと思います。きっと我々が干渉せず放置しておけば、彼らは絶望の中で自然に"死"を求めたでしょう。しかし、彼らの発言から絶望を感じられるでしょうか?
彼らはこの悪夢のような状況でも、必死に"生"を求めているのです。そういう心理状況を生み出したのは──もちろん身元を隠しているとはいえ──他でもない我々財団です。我々の存在そのものが、彼らにとっての"希望"となっているのです。
無論断定できる話ではありませんが、私はこの説を提唱します。
当インシデント以降SCP-xxx-JPが大気圏を突破するケースが増加したため、Keterに再分類されました。以降の墜落現場と人的被害などの情報については付属資料xxx-JP.αを参照してください。
補遺xxx-JP.4:
オーバーライド・プロトコル
LEVEL 4/xxx-JP CLASSIFIED
前記: オーバーライド・プロトコルは1979/1/4に財団宇宙科学部門所属のマローア博士により提案されたものです。
概要: 月の裏側に存在する"夕焼けの湖"に、月面サイト-11と機動部隊Ο-8("ブルームーン")が設置されます。当機動部隊のメンバーは、NASAと財団外宇宙支部の担当審査員による審査に合格した他の機動部隊隊員6名が選出され、該当サイトで1年間の勤務にあたります。
選出基準は以下の通りです。
- 射撃能力テストにおいて90%以上のスコアを得ている
- 視力が両目ともに2.0以上である
- 何らかの負傷を負っていない、またはそれが既に完治している
- [審査員にのみ公開]
- [審査員にのみ公開]
選ばれた機動部隊隊員は毎月13日に3カ所の指定月面エリアに移動し、SCP-xxx-JPを迎撃することでオブジェクトの軌道を強制的に変更し、地球への接近を阻止します。迎撃の際、隊員は必ずハルトマン霊体撮影機と宇宙空間用銃器OR-11の使用が求められます。軌道変更に失敗した場合、すぐさまその旨を当月のSCP-xxx-JP担当サイトに報告します。
月ごとの担当サイトはSCP-xxx-JPから発せられる無線を全て傍受/記録し、基本的には無視します。軌道変更に失敗しSCP-xxx-JPが地球へと接近した場合、担当サイトの職員は鬱誘発性聴覚ミームを音声に載せて通信を行う、または通常通り無視します。これらの判断はSCP-xxx-JP収容担当職員の指示に従う必要があります。
NASAは財団宇宙科学部門と協力し、月面写真などの公開情報を常に編集し"夕焼けの湖"を秘匿します。
目的: SCP-xxx-JPの性質上、オブジェクトの直接的な回収は無意味であると判断されました。そのため、当プロトコルの主な目的は、SCP-xxx-JPの軌道を強制的に変更し地球から遠ざけ大気圏突入を阻止することにあります。また、当プロトコルを実行することでSCP-xxx-JP-Dの耐久性変化を調査することも目的です。
補遺xxx-JP.5: 無線傍受記録
以下はオーバーライド・プロトコル実行後にSCP-xxx-JPから発せられた無線通信記録の抜粋です。
日付: 1979/4/13
[記録開始]
SCP-xxx-JP-A: 管制室、聞こえているか。ここ最近は大気圏を突破することは可能になってきているようだ、どういう原理かは全くわからないが。クルー全員は希望で満ち溢れているよ。ところで、そろそろ我々を救助するプロジェクトは大詰めになってきたのではないだろうか?
(プロトコルに従い、鬱誘発性ミームを音声に載せた状態で会話が行われる)
マローア博士: 突然ですが伝えなければならないことがあります。まず、私たちはNASAの人間ではありません。
SCP-xxx-JP-A: 何?
マローア博士: あなたたちを地球へと帰還させるプロジェクトは、諸事情により没案となりました。つまり、私たち、ひいてはNASAの職員たちはアポロ13号のクルーを救出することを諦めました。
(騒めきが聴こえる)
SCP-xxx-JP-A: 待て、待つんだ。話が唐突すぎて理解できない。
マローア博士: 申し訳ありません。どうか私たちを許してください。
(以降無視が行われる)
SCP-xxx-JP-A: 待ってくれ、我々の今までの努力は一体何だったというのか!頼む!助けてくれ!聞こえないのか!?
(沈黙が続く)
SCP-xxx-JP-A: ……クソッタレ。
(通信が切断される)
[記録終了]
報告: 4/17、SCP-xxx-JPは大気圏を突破し██████砂漠に墜落した。墜落現場からはクラスΔ霊体が検出された。
日付: 1979/5/14
[記録開始]
SCP-xxx-JP-C: 聞いてくれ!月に人がいて、見たことのない武装をして攻撃をしてきたんだ。船長が衝撃で飛んできた船のパーツにやられて意識がない。管制室、アレはどういうことだ!
SCP-xxx-JP-B: 我々は今、地球から遠ざかっている。どうしても我々を帰らせないつもりなのか?
SCP-xxx-JP-C: いいか、我々は何度だって挑戦する。諦めないからな!
(通信が切断される)
[記録終了]
報告: 通信後、SCP-xxx-JPは機動部隊により周回ルートから外され、凡そ太陽の方向へ飛ばされたことが確認された。
日付: 1979/9/13
[記録開始]
SCP-xxx-JP-A: 管制室、どうせ聞いているんだろう?もう長い間我々は地球への帰還ミッションを繰り返してきた。異常ともいえる状況下でな。もちろん、不安だったに決まっているが、ここまで死を恐れずに帰還の努力を続けることが出来たのは、あなたたちのおかげだった。地球から話掛けてくれるだけでも、我々にとっては十分だった。
(沈黙が続く)
SCP-xxx-JP-A: しかし、ついにあなたたちは私たちを見捨てた。今までは我々の心に希望の光が指していたが、一瞬にしてその希望は無くなってしまったのかもしれない。あるいは、我々が単純に疲れてしまったのだろう。
SCP-xxx-JP-A: 死にたくはない。だが、生きるための手段がなくなってしまったように感じている。
SCP-xxx-JP-A: 我々は、どうしたらよいのだろうか。なあ、[不明瞭な発言]
(通信が切断される)
[記録終了]
報告: 9/17、SCP-xxx-JPは大気圏を突破することなく焼失した。オーバーライド・プロトコル実行以降初のケースである。
日付: 1983/1/13
[記録開始]
SCP-xxx-JP-C: 聞いてくれ、スワイガートがいなくなってしまった。一体何が起きているんだ。
SCP-xxx-JP-A: 我々に生きることを諦めろということなのかもしれない。もしくは……彼だけが先に救われた、そう信じよう。
SCP-xxx-JP-C: クソッ、クソッ。俺には受け入れられない。
(以降無線が入った状態が維持されるが、発言は無かった)
[記録終了]
報告: その後機動部隊によりSCP-xxx-JPは周回ルートを外された。また、SCP-xxx-JP-Cの発言と同様にSCP-xxx-JP-Bの消失、並びに酸素タンク数の減少も確認された。特筆すべきこととして、1982/12/27にジョン・L・スワイガートJr. が非異常性の要因により死亡している。このことから、実際のアポロ13号のクルーの死亡に対応してオブジェクトが自発的に無力化される可能性が浮上した。
日付: 1998/6/13
注記: これが現在のところSCP-xxx-JPより発せられた最後の無線連絡である。
[記録開始]
SCP-xxx-JP-A: 久々の通信だが聞いてほしい、ヒューストン。我々にはもう、声を発する気力もない。
(沈黙)
SCP-xxx-JP-A: なあヒューストン、教えてくれ。どうして、どうしてなんだ。地球も月もこんなに近いというのに。どうしてこんなに、遠いのだろうか。
(沈黙)
SCP-xxx-JP-A: 我々はただ、帰りたかったんだ。
(以降無線が入った状態が維持されるが、発言は無かった)
[記録終了]
報告: その後機動部隊によりSCP-xxx-JPは周回ルートを外された。また、明らかにSCP-xxx-JP-Dの耐久性が落ちているようであり、機動部隊の迎撃で機体に大きな損傷を負っていることが見受けられた。
2001/1/1追記: SCP-xxx-JP-Dの耐久性が大気圏突入に耐え得るものではなくなったことが確認されたため、オーバーライド・プロトコルの一部解除が提案されています。また、以降もオブジェクトの挙動を観察し危険性が低いものと判断された場合、または存命のアポロ13号のクルーのどちらかが死亡しオブジェクトに無力化の兆候が見られた場合、プロトコルの全解除が承認される予定です。
コンテストも佳境に入りましたね。
今までに書いたことのない長さの下書きを作成しました。そのため、内容に矛盾や無理があったり、化学的にいくら何でもありえないというような記述があったりするかもしれません。ぜひそのあたりの指摘をしていただけると助かります。
読ませていただきました。例のセリフが!
UVすると思います。いつもの財団ながら「見捨てる」までの過程が明確で「悪」感が際立っています。それでいてやはりいつもの財団らしい方法論なので、財団の根元に常にある「悪性」も示せているのでは、と。
ただ、「クラスΔ霊体」がどの程度物理的なものなのかが全体を通して曖昧に感じます。
大気圏突入で燃える・燃えることが観測されている⇒他の物質とも普通に干渉する?
ハルトマン霊体撮影機でのみ観測可能・迎撃に専用銃器を使用⇒通常の物理的干渉は不可能?
物理的に相互作用する実体であれば
・燃える(falsehoodさんの仰る通り「温度」が見える⇒民間でも観測可能)
・ぶつかる(墜落地点に被害が出る)
等の危険があります(つまり記事通りの収容対策が必要)。
逆に相互作用しないとなると
・燃えているように見える(熱が発せられないので視認以外不可)
・ぶつかるように見える
だけなので、民間からの観測がそもそも不可能です。
墜落を「不可視の隕石」に例えていること、また発見経緯から「不可視かつ専用機器でのみ観測可能だが相互作用は起こす」というものなのだと考えることはできます。しかし、墜落地点が海か砂漠なので被害は確認できず、xxx-JP自体もエクトプラズム化してしまう(痕跡が残らない)ため、本当に「相互作用する」のか確証が持てません。
財団が最も心配している「民間による観測」に関わる要素なので、はっきりしないのは若干のモヤモヤが残ります。
批評ありがとうございます。
ありがたいです。
私の想定としては、専用銃器は単に宇宙空間で使用するための銃器であって、幽霊撃退装置ではないんです。つまりこのオブジェクトは、幽霊だから視認/観測できないだけのアポロ13号そのもの、といったところなので、物理的特性はアポロ13号とほぼ同じです。そして、クラスΔ霊体はそれを可能にする霊体(物理的特性を持つ生霊を構成する霊体)です。
誤解生まれないように書き換えてみました。
致命的ですよね。人の住んでいるところにも落ちたことを明記してみようと思います。
>の記憶処理の施行
施行よりも実行のほうがいいかもしれません
>墜落現場周辺に居住する人物には
何度も墜落しているようですので、場所が同じ出会った場合、住民を災害などの理由で、撤去させるなどの工夫をしてみてはどうでしょうか?
>ジェームズ・A・ラヴェルJr. (James A. Lovell, Jr.)などの英語表記
英名のほうはいらないかもしれません
>現在までSCP-xxx-JPが大気圏を突破したケースは存在しておらず、常に大気との摩擦により焼失しています
文末に「。」
>一か月周期で同様の現象が確認されていました。
>一か月毎に地球上のどこかに不可視の隕石が落ちてくるようなものなのですから。
漢数字ではなく半角英数のほうがいいかもしれません
> 民間──特に毎月13日の午前3時7分53秒に月が観測可能な地域──
—―ではなく()で囲った方がいいかもしれません
>注記: これが現在のところSCP-xxx-JPより発せられた最後の無線連絡である。下の-
-はいらないように思えました
査読ありがとうございます。
kirindaさんの批評内容とも含めて、そのようにしてみる方が効果的だろうと考えましたので、その通りにさせて頂きます。
構文は間違ってないんですけどね、うまく表示されてないようでして……思考錯誤してみようかと思います。
それ以外の点については適宜修正させていただきました。