ただ、凛として咲くは屍の

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの発現防止のため、日本国政府の協力の下、日本国内における斃死、孤独死、自殺、死体遺棄の防止を国民から疑念を持たれない程度に促進させます。

警察内部に潜入した財団エージェントにより内部通信がチェックされ、SCP-XXX-JP被影響対象と思われる死体が確認された場合、財団へと連絡後、警察内での情報隠蔽・記憶処理任務に当たります。該当エリアには機動部隊ぬ-40 ("おくりびと") が派遣され、対象を回収した後、発見者及び初期対応に当たった警察官らに記憶処理を施します。

回収された死体は一旦最寄りの財団サイトへと運搬され、非異常性有機物冷凍チャンバーにて保管が行われます。その後、これらの死体はサイト-8164へと送られ、同様の手段によって管理されます。サイト-8164における死体の総数は50以下に保たれ、これを超えた場合、古いものから順に焼却処分されます。

現場に発生したヒガンバナは数輪が回収された後、焼却処分されます。これらのヒガンバナはサイト-8164にてサンプル管に入れて冷凍保管され、死体と同様に規定数を超えた場合は処理の対象となります。

説明: SCP-XXX-JPは日本国内の条件を満たした死体を中心として発現する現象です。SCP-XXX-JPの発現する可能性のある死体は以下の条件を満たします。

ヒト (Homo sapiens) の死体である
死亡から7日 (168時間) 以上放置されている
頭部が存在し、人体の80%以上が失われずに残っている
白骨化が完了しておらず、頭部に十分な筋肉組織が存在している

条件を満たした死体が必ずしもSCP-XXX-JPを発現するわけではなく、その発生確率は変動するものの、平均して一日に5~10体の死体がSCP-XXX-JPを発現します。

SCP-XXX-JP発現時、対象の死体の頭部が自発的に内側から裂け、変形していきます。死体の頭部は最終的にヒガンバナ (Lycoris radiata) の花冠に似た形状へと変化します。また、SCP-XXX-JP発現と同時に死体を中心とする半径2mの領域内に大量¹のヒガンバナ²が発生し、対象の変形に合わせて急激に成長、変形の完了とともに開花します。このプロセスは30分ほどで終了し、最終的に対象となった死体は変形した頭部以外の身体がヒガンバナに覆い隠された状態となります。

この現象がいつから存在していたのかは不明ですが、最低でも16██年には該当する現象の記録が確認されています。