人間に化けることもある、可愛らしいあの獣

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アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは、サイト-8141の標準人型収容室に収容されています。対象の健康状態を維持するため、1日に3度食事を与えてください。内容については一般的な人間用の食品としてください。対象の精神状態の維持のため、嗜好品の提供が許可されています。嗜好品の要求があった場合、後述の異常性を考慮したうえで問題がなければ嗜好品を提供してください。また、一週間に最低でも1回はインタビューを行い、対象の異常性に変化がないか確認してください。SCP-XXX-JPの発言からSCP-XXX-JPの類似個体の存在が示唆されています1。フィールドエージェントはSCP-XXX-JPと相似した外見の人物を発見した場合、身元の照会を行ってください。対象へイエイヌ(Canis lupus familiaris)を近づけないでください。

SCP-XXX-JPに対する実験は2人以上のクリアランスレベル2以上の職員の許可が必要です。

説明: SCP-XXX-JP総体は人型実体であるSCP-XXX-JP、及び異常性を持った「風呂敷」であるSCP-XXX-JP-1によって構成されています。

財団に確保されてから現在までにおいてSCP-XXX-JPは大抵の場合、黄色がかったブロンドの長髪、キツネ属(Vulpes)のものとみられる耳、及び尾を持つ以外は一般的な10代後半のモンゴロイド女性に見える形状2をとっており、常に十二単と巫女装束を融合させたような外見の衣服を着用しています。SCP-XXX-JPは成人済みの日本人と同程度の知能及び知識を備えており、現代日本語を使った発話によるコミュニケーションが可能です。SCP-XXX-JPは通常の生物と同じく食事、睡眠、呼吸を必要とします。

SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPが未知の手段で出現、消失させることのできる唐草模様の「風呂敷」です。成分検査及び耐久度試験はSCP-XXX-JPの抵抗により失敗しています。SCP-XXX-JP-1の面積は不定であり、SCP-XXX-JPが自由にその面積、形状を変化させることが可能です3。SCP-XXX-JP-1はSCP-XXX-JPが保持していなければ消失するとみられ、SCP-XXX-JP-1をSCP-XXX-JPから引き離す試みはSCP-XXX-JP-1の消失を招きました。また、SCP-XXX-JP-1の出現・消失プロセスの解明は失敗に終わっています。SCP-XXX-JP-1は約0.8/1.5Hmの内部ヒュームを保有しており、後述の異常性を有しています。

SCP-XXX-JPの異常性はSCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-1を用いて物体を包み込むことで発現します。包み込まれた物体は周囲の人間4がその物体に対して抱いているイメージを反映した形状に変化します。異常性の対象になる物体は生物、非生物を問いません。この変化はSCP-XXX-JPがもう一度SCP-XXX-JP-1を用いて物体を包み込む、または約2時間の時間経過により解除されます。変化後の物体はその形状通りの特性を持っており、対象の物体が生物であればDNAも形状から予測されるものへ変化しています。また、その生物の知能や性格に変化を与えることはなく、変化前の対象に発話能力があれば変化後の形状にかかわらず変化後も発話によるコミュニケーションが可能です。SCP-XXX-JP-1の異常性には限界がありますが、詳しい上限は不明です。

SCP-XXX-JPは、徳島県██郡██町にて「子供たちが裏山の廃寺で日常的に不審者と会っているようだ。」との通報を受けた警察に保護された際、前述の身体的異常が発覚し警察へ潜入していたエージェントにより確保されました。また、██小学校の生徒へのインタビューからSCP-XXX-JP-1の存在、及び異常性の存在が明らかになりました。██小学校の一部生徒、及び対応に当たった警官にはAクラス記憶処理が施され、周辺地域にはカバーストーリー「さすらいのコスプレ手品師」が適用されました。

以下はSCP-XXX-JPがSCP-XXX-JP-1を用いた際に発生する異常性についての実験記録です。

実験ログ-XXX-JP

日付: 20██/██/██

対象: █████社製のボールペン。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 対象に目立った変化は見られない。

見たままのイメージを持たれていた場合目立った変化は起こらないようです。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: █████社製のボールペン。インクが切れており、使用不可。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 対象はインクが満たされたものへと変化した。通常通りに使用できたが、変化の解除とともにインクが消失し筆記した文字も消失した。

このボールペンは外見でインクの残量が分からないものでした。ボールペンは基本使えるものだと思われている、ということでしょう。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: █████社製のボールペン。インクが切れており、使用不可。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。
付記: サイト-8141の全職員に、「SCP-XXX-JPの実験で使うボールペンはインクが切れている。」と伝えた。

結果: 対象に目立った変化は見られない。

SCP-XXX-JPの収容室で実験を行った場合、サイト-8141の人間の抱いているイメージが使われるようです。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: 一般的な、狸を模した信楽焼。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 対象は██博士5へ変化した。対象は生命活動を行っておらず、外界からの一切の刺激に反応を示さなかった。直立体勢のまま動くことはなく、軽く押すと転倒した。

非生物に知能を与えられるわけではないようです。実験中SCP-XXX-JPがため息をついていたのが気になります。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: ニホンカナヘビ(Takydromus tachydromoides)。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 対象はエージェント・████と同一の特徴を持った個体へ変化した。対象の行動は通常のニホンカナヘビのものと差異はなかった。

知能のない生物に知能を与えられるわけでもないようです。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: ニホントカゲ(Plestiodon japonicus)、ミナミヤモリ(Gekko hokouensis)。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 同上。

一般的に「トカゲ」と言われている種類はエージェント・████の外見へ変化するようです。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: D-XXX-JP-1。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 対象はDクラス職員の制服をモチーフにした衣装を着用した、イングリッシュ種とみられるモルモット(Cavia porcellus)へ変化した。困惑する対象へSCP-XXX-JPが異常性の説明をしたため、対象は実験に立ち会った職員を罵倒し、暴れ出した。そのため、SCP-XXX-JPを退避させたうえで対象を鎮圧した。その後、変化を解除し対象へAクラス記憶処理を行った。

SCP-XXX-JPの能力自体は人体に害を及ぼさないようです。また、対象が発話可能であった場合変化後も発話が可能なようです。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: D-XXX-JP-2~10。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 5名までは問題なくモルモットへ変化した。5名変化させた時点でSCP-XXX-JPは強い疲労を訴え、それ以上変化させることはできなかった。

一度に変化させられる数には限りがあるようです。変化には対象個人のイメージではなくDクラスのイメージが反映されているようです。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: D-XXX-JP-11。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。
付記: 対象は芸能人である██氏に外見が似ていると職員の間で風評が流れている。

結果: 対象はDクラス職員の制服を着用した██氏へ変化した。また、この際声質も██氏のものへ変化していた。

対象がある程度強い個性を有していた場合、対象の属しているグループのイメージではなく、対象個人のイメージが反映されるようです。また、対象の声質が変わる場合もあるようです。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: SCP-500の模造品。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 対象に外見上の変化は見られない。検査の結果、成分は一般的な頭痛薬とほぼ同じと判明した。

他オブジェクトの異常性を再現することはできないようです。頭痛薬へ変化したのはおそらく多数の職員が頭痛に悩まされているからでしょう。-金長博士

日付: 20██/██/██

対象: サイト-8141で使われている収容室の扉。SCP-XXX-JP-1で包めるように取り外している。
場所: SCP-XXX-JPの収容室。

結果: 対象は乱雑に財団のロゴが描かれた、劣化した段ボール製の扉へ変化した。変化後の対象は見た目通りの耐久性しか示さず、容易に破壊できた。変化の解除後、対象は破壊された扉の残骸となった。

現在、SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1で対象を「包む」事でしか異常性を発現できません。ですが、本人の「自分は未熟であり、本来の異常性は今とは少し違うものだ。」という証言を信じるならば、この異常性は変化する可能性があります。もし、触れただけで異常性を発現できるようにでもなれば、収容室は意味を為さなくなるでしょう。本来の異常性の特定を急ぎます。-金長博士

補遺:

画像

ソース: https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%B3%E3%83%89%E3%82%BF%E3%83%8C%E3%82%AD
ライセンス: CC2.5

タイトル Tanuki01 960
著作権者: 663highland
公開年: 2006/1/8
補足: トリミング加工しています。

久しぶりに書きました。ご批評お願いいたします。
自分では

  • こういうネタはこのサイトにあっているか。
  • 全体的にちぐはぐになっていないか。
  • インタビューが長すぎないか。
  • エージェント・カナヘビは登場させてもいいのか。
  • ヒューム値の使い方はあっているか。

が気になっています。よろしくおねがいします。



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