7/6改稿 tale下書き 生類創研

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それは、花の香りが漂う、ある晴れた春の日だった……
私の運命を変えた出来事……


19██/██/█ 19:██
各機動部隊に通告: GOI-████ 日本生類創研 第█研究施設の位置が明らかになりました。(以下施設█と呼称)今回の任務は施設内への侵入、異常オブジェクトの回収、被害者の救助です。
事前調査の結果、19██年に日本生類創研は4名の新生児を拉致しています。施設█に潜入していたエージェントからその4名の生存が確認されました。直ちに作戦を開始してください。


彼はこの世に生を受け、間もなく運命を引き裂かれた。
命をもてあそぶ者たちに育てられ、いじくられ、沈められた。
幸いといえば奴らの頭脳のおかげで、教養に困らなかったことだろうか。

彼には3人境遇を同じとする友がいた。親を知らず、常識も知らない彼らにとって、唯一の仲間であった。

しかし、無知な彼らはまだ、奴らの正体には気付けずにいる。笑顔の奴らに笑顔で返していた。


19██/11/█
██産婦人科に潜入していたエージェントによると、19██/█/██にNICU1にいた4名の新生児が行方不明になっていたという事例が確認されていました。事例発生から11年経過しており、当時の情報を照合して救助した被害者と同一人物であることが確認されました。


定期健診の時間だ。
いつからだろうか。物心ついたころからずっとやっている。体のいろいろなところをひっかくのだ。かなり痛いがもう慣れてしまった。アメももらえるし、悪くない。むしろみんな楽しみにしている。
デンキくんは特に喜んでいて、いつもまるでタコのように踊っている。
ボクはみんなと違い、定期健診でパパたちにいい顔はされない……。でもいつも励ましてくれるから頑張る気持ちが湧いてくる!

早くボクもみんなみたいになりたいなぁ


被害者についてのレポート・追記1
生類創研により拉致されていた4名の被害者には、それぞれ「伝亀」「英虎」「神鳥」「貴龍」という呼び名が割り振られていました。
生類創研研究者の記録によると、4名とも年相応の教育を受けていたとのことです。生類創研において不都合な倫理的な教育はしていなかったようです。


不安になってくる。ボクはずっと変わらない……。
デンキはよく褒められる。8本の脚で小躍りしている。エイコは毛むくじゃらの手でパパたちにじゃれていて、キリュウなんかはパパがつきっきりだ。

実を言うとパパたちに不信感を感じている……。みんなの姿は確かに変わっていてすごいが、パパたちはボクと同じで全く変わってなさそうだからだ。「キミたちは特別だからだよ。」と言われたが、ボクらが特別?じゃあ普通って一体?


追記3
回収した被害者の遺体にはそれぞれ動物の組織が移植され、体内外の器官・部位が全て動物のものに置換されていました。


10歳の誕生日……。

これはどういうことだろう?
アメを食べたみんなが眠ってしまった。―――パパ達がやってきた!なんとなくボクも寝たふりをする……。

どこかへ担がれて移動しているようだ。「成長期」「細胞を安定」など聞こえる。どこかの部屋へ入りどうやら止まったようだ。
水に何かが入れられる音?薄目を開けて見てみると、みんなが筒の中に沈められている?!

驚き、動き出したボクをパパたちはビリビリするモノで痺れさせた。ボクの意識はここで途切れてしまった。


追記2
4名の被害者は発見時液体の入った筒状の機械に入れられていました。機械にはそれぞれの名前と多数の動物の名称が刻印されていました。安定装置と呼称されており、入れられた生物の細胞を安定させる物だったようです。4機中3機の液体には被害者の血液が混入していました。


生類創研のアジトへの突入命令がいよいよ下された。
私の任務はオブジェクトの回収及び被害者の救出。被害者はすでにオブジェクトになっているかもしれない……。これまでもそうだった……。

機動部隊の先隊が突入した。彼らに続いて私もアジトへ侵入する。


報告: 施設█には生類創研の構成員の痕跡が確認されました。突入時には既に放棄されていたようです。4名の被害者に対しどのような実験を行っていたかについては、資料が確認できず不明です。


機動部隊ととある一室に侵入したとたん、部屋内にあった筒状の機器のガラスが割れてしまった。ドアを開けると作動する仕掛けだったようだ。証拠隠滅には不十分だな……。液体と共に被害者と思われる4体の…オブジェクトが機器から流れ落ちた。


(追記3続き)

以下が発見時の遺体の状態です。

「伝亀」 脚部:8本の頭足類の触腕に置換されている
頭部・胴:魚類の物に置換されている
腕部:蟹(Brachyura)の鉗脚に置換されている
「英虎」 頭部:確認できず
外見:無数の哺乳類の手足が生えている
「貴龍」 大きなトカゲ(Sauria/Lacertilia)
「神鳥」 外見に異常なし、モンゴロイド10歳男性

それぞれの細胞を検査した結果、安定装置に刻印されていた動物のDNAが混入していることが確認されました。


「ゲホッ、ゴホッ」

「キミ、大丈夫かい?」

「あなたは……?」

「心配しなくていい、君を助けに来た者だ。」

「助けに……?いったいどういう……」


突入部隊は被害者を救出、オブジェクトを回収した後帰還しました。エージェントによる被害者のカウンセリングが行われました。
検査の結果「神鳥」には多数の動物のDNAが混ざり合っている以外には異常性が確認できませんでした。現在、Anomalousとして財団の管理下におかれています。

検査の後、ボクは車で運ばれていった。外にはキレイな花のついた木がたくさんあった。


「―――ということがありました。これが僕が覚えていることです。」
「なるほど……日本生類創研もついにそんなことを……」
「あなたは一体何者なんですか。」
(関係者に目配せする)
「名乗るほどの者でもない、キミたちのような子を悪い奴から守ったり、危ないものを捕まえるのが仕事なだけさ。」
「ボクはえっと……あいつらからは『神鳥』と呼ばれていました。」
「嫌な名前を名乗る必要はない、自分の名前は自分で決めるんだ。」
「名前ですか……そういえばあの時の綺麗な花は……?」
「梅か?それがどうしたんだ?」
(うめ……)
「まあいい、これからキミはどうしたい?全てを忘れてもいいが……」
「忘れる……ですか」
「我々はキミに正しい教育をしようと思う。管理下に置く以上キミには……」
「忘れたくないです……みんなのためにも……」
「……そうか。」
「ボクはボクを救ってくれたザイダン・・・・の力になりたいです!どうすれば……」
「なるほど。だが今の君では……」
「…………」

「そうだな……君が立派な『紳士』になれば考えてやらんこともない。」
「!!」
「実は博士たちから君を『プリチャード学園』へ入学させるよう言われてね。そこで頑張るといい。」
「はい!あなたが言う『紳士』になってみせます!」


被験者「神鳥」個体(以下K個体)の保護以後の経過観察の結果異常性発現の傾向は見られませんでした。K個体以外の3体のオブジェクトの死体の解析の結果、動物の組織・部位が置換されているのみで危険性は低いものだと判断されました。教養テストを受けさせたところ同年代の平均より高い成績を修めたので、将来的に管理下に置くと同時に職員として雇用できるよう、K個体を監視の上「プリチャード学園」に入学させます。


僕は世界というものを知った。第二次世界大戦を知った。日本を知った。
自分は小さなカゴの中にいたのだと思い知らされた。我を忘れ勉学に取りつかれた。
中等部の頃にはなぜか「生物」の分野がよく理解することが出来た。

高等部になってから気付いた、奴らが幼い頃に僕に教えたことだと……

自分の気持ちが抑えられなくなる……僕は、ボクは……

ダメだ

彼が言っていたことを思い出せ。「紳士」にならないといけないのだろう?

そうだ

紳士に……紳士に、こんなところでぐずぐずしてどうする。
僕は紳士になるんだ。いや、私が紳士だ!


「K個体の様子はどうです?」
「いい調子だ。これは博士レベルになるかもしれないな。」
「あの子供がこんな潜在能力を持っていたとは…」
「いや、彼の成長は必然だっただろう。第二次世界大戦の最中、誘拐され世界を知らなかったんだ。先入観がなく呑み込みが早い。」
「そのようですね…。しかし、高等部の頃から様子がおかしくありませんか?」
「そうだな…。急に女性に優しくなるは、制服を異常にきっちり着るは、胸ポケットにはチーフまで入れている。」
「まるで絵に描いた『紳士』のようですね。」


それから私は必死に勉強を重ね、19██年プリチャード学院大学生物学部を首席で卒業し博士号を取得した。
あの時からずっと自分の事を「神鳥 梅」と名乗っている。3人の友と恩師を忘れないためだ。
卒業後、程なくして財団に雇用された。しかし恩師であるエージェントは任務によりこの世を去っていた……
生類創研を憎む気持ちはある…… しかし彼が言ったように立派な「紳士」として……心に慈愛を……平和を私の力で……財団職員としてできることを

紳士たるもの、如何なる時も紳士・・であれ_____


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  1. portal:2369961 (22 Jun 2018 15:30)
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