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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-644の地下3階の中型ロッカーに収容されています。担当職員はSCP-XXXX-JP上部の差込口および下部の紙屑受けに何も入っていないことを確認してください。SCP-XXXX-JPはその異常性を活性化させるために電力を必要としないことが判明していますが、実験に用いる際には50Hzの交流電流を用いてSCP-XXXX-JP付属のブレードを作動させることが許可されています。また、実施の際にブレードの切れ味が悪く細断に失敗した、またはする恐れがあると判断可能な場合、速やかにサイト管理者に報告することが義務づけられています。過去にはこのブレードによる職員の傷害事故が報告されていますが、これはSCP-XXXX-JPの異常性に由来するものではないことが判明しています。職員の保護のため、実験の際は刃傷防止用手袋および射撃用イヤープロテクターを装着し、可能な限り遮音性の高い実験チェンバーを使用してください。
説明: SCP-XXXX-JPは19██年に製作された手回し式の書類細断機です。SCP-XXXX-JPは文書を細断する際に異音1を発し、SCP-XXXX-JPは細断された投入物の意味内容を再解釈します。結果として、SCP-XXXX-JPによる細断後の物体(SCP-XXXX-JP-1と定義)は元々の性質に関係なくA4サイズの上質紙にSCP-XXXX-JPが再解釈した内容が記載されたものとして出力されます。
実験-1 (20██/█/23)
実施方法: 実験チェンバー内にSCP-XXXX-JPを設置、Dクラス職員が上部の差込口に対象を挿入し、手動で細断を行う。
対象-1: 実験当日の████新聞朝刊の一部
結果: 異音とともに細断が行われた。細断後の文書は各新聞記事の的確な要約。また、写真部分はSCP-XXXX-JPによる細断が行われておらず、文書は写真を避けて記載されていた。対象-2: ███博士の家族写真
結果: 細断音、細断後の対象ともに正常。通常の細断機同様に細断された。対象-3: 実験当日付の████新聞朝刊の一部と同サイズの白紙
結果: 細断音、細断後の対象ともに正常。通常の細断機同様に細断された。対象-4: アトランダムに生成された単語の羅列が印刷された紙
結果: 細断音、細断後の対象ともに正常。通常の細断機同様に細断された。対象-5: 19██年に使用されたコンピュータ用パンチカードの束
結果: 異音とともに細断が行われた。パンチカードに記録されていたバイナリコードが██枚のA4用紙にわたって正しく文字列として出力された。
対象-6: [編集済]についての詳細な文書
結果: 異音とともに細断が行われた。[データ削除済]。対象-7: 対象-6を換字式暗号によって暗号化した文書
結果: 異音とともに細断が行われた。細断後の文書は[編集済]についての詳細な情報が文字により記述されたもので、対象-6と完全に一致した。対象-8: 対象-6をテキストデータとして記録した電子記憶媒体
結果: 異音とともに細断が行われた。細断後の文書は[編集済]についての詳細な情報が文字により記述されたもので、対象-6と完全に一致した。分析: SCP-XXXX-JPは記述された情報ならば紙媒体・印刷物でなくとも細断可能。また、SCP-XXXX-JPは暗号文の復号が可能。
実験-1の際、ブレードの不具合により対象が細断されなかった事故2が発生しました。ブレードにより細断されなかった対象はSCP-XXXX-JPによっても細断されていませんでした。
この結果を受けて、当日中に実験-2および実験-3が実施されました。実験-2では、SCP-XXXX-JPに取り付けられていたブレード部を取り外して対象-1から8までの複製を投入しましたが、いずれの対象にも変化はなく、細断音はしませんでした。実験-3では電動式の細断ブレードをSCP-XXXX-JPに取り付けて対象-1から8までを投入しました。この場合には実験-1と同様の結果が得られました。
このため、SCP-XXXX-JPの活性化は対象の物理的細断が条件となっていることが推測されます。またこれらの実験を通してSCP-XXXX-JPからブレード部の交換が可能であることが確認できたため、以降はブレード部の性能向上が図られました。
実験-4 (20██/█/27-20██/█/10)
実施方法: 実験チェンバー内にSCP-XXXX-JPを設置、Dクラス職員が電源を投入後、上部の差込口に対象を挿入する。
対象-1: ██:CD(SD)ラットの雌雄各1個体
結果: まったくの無音で細断が行われた。██:CD(SD)ラットのゲノム情報が2組正確に出力された。対象-2: あやまって切断されたDクラス職員の左手人差し指3
結果: 対象-1とともに無音で細断が行われた。ヒトゲノムが正確に出力された。対象-1および対象-2の出力が完了するまでに15日を要した。対象-3: Paroedura picta4
結果: 無音で細断が行われた。対象のゲノム情報が正確に出力された。出力が完了するまでに2日と10時間を要した。対象-4: Polychaos dubium5
結果: 無音で細断が行われた。対象のゲノム情報が正確に出力された。出力が終了するまでに1年と213日を要した。対象-5: 非ゲノム複製生命体6
結果: 対象は正常に細断された。
実験4以降、ヒトを超えるゲノムサイズを持つ生物を対象とした実験は事前申請が必要になりました。
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実験-5 (20██/█/██-)
実施方法: 実験チェンバー内にSCP-XXXX-JPを設置、Dクラス職員が電源を投入後、上部の差込口に対象を挿入する。
対象-1: 実験1の対象5(「1-5」と定義)の複製(細断後を「1-5'と定義」)
結果: 実験1同様、異音とともに細断が行われた。パンチカードに記録されていたバイナリコードが██枚のA4用紙にわたって正しく文字列として出力され、実験1とまったく同じ文書が得られた。対象-2: 1-5'(細断後「1-5''」)
結果: 異音とともに細断が行われた。バイナリコードがデコンパイルされ、ソースコードが文字列として出力された。対象-3: 1-5''(細断後「1-5'''」)
結果: 異音とともに細断が行われた。ソースコードをコンパイルする方法および実行方法とその結果何が得られるかについて説明した文書が出力された。対象-4: 1-5'''
結果: 異音とともに細断が行われた。電子計算機の動作機序および具体的な起動手順を説明した文書が出力された。対象-5: 実験4の対象2(「4-2」と定義)の一部(細断後「4-2'」)
結果: 異音とともに細断が行われた。左手人差し指を切断されたDクラス職員の[データ削除済]が出力された。文書には左手人差し指が失われているとの記述が見つかった。対象-6: 4-2'(細断後「4-2''」)
結果: 異音とともに細断が行われた。現生人類の種類別や特徴および習性、生息地などのお詳細な説明が記述された文書が出力された。対象-7: 4-2''(細断後「4-2'''」)
結果: 異音とともに細断が行われた。[データ削除済]が記述された文書が出力された。この文書の出力には21日を要した。対象-8: 4-2'''(細断後「4-2''''」)
結果: 異音とともに細断が行われた。[データ削除済]が記述されたヘブライ語の文書が出力された。この文書の出力には7日を要した。対象-9: 4-2''''(細断後「4-2'''''」)
結果: 異音とともに細断が行われた。[データ削除済]と推定される内容が記述された文書が現在出力中。
SCP-XXXX-JPにおいて、出力結果が予想できない対象を用いた実験にはHMCLおよびO5による承認が必要です。
以下コメントやレファレンスなど
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参照したもの
- パンチカードについて http://blog.mwsoft.jp/article/75825730.html
- パンチカードの写真が参考になりました https://fukuno.jig.jp/1760
- 実験用ヤモリについて https://www.riken.jp/press/2015/20151120_3/
- Polychaos dubiumについて(これ以上に私の知識で参照可能な情報が見当たらない)
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9D%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%AA%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%89%E3%82%A5%E3%83%93%E3%82%A6%E3%83%A0
- https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0%E3%82%AA%E3%83%A9%E3%82%AF%E3%83%AB
読みたい
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- 実験5-5(8以外)は指を細断されたDクラスの母語で記述されているという設定ですが、蛇足と感じたので書いていません
- 削除された背景設定 - 製造地である████では独裁政権による特定民族の迫害が██年間の間続いており、製造者は反政府組織███の構成員として長期間の地下工作を行っていました。███は活動を秘匿するためSCP-XXXX-JPを含む34台(34台中34台が財団によって回収済。)の書類細断機を製作したことが判明していますが、そのいずれにも同種の異常性は確認されませんでした。SCP-XXXX-JPはSCP-██████の回収を目的とするフィールドオペレーションの実行中に潜入中のエージェントにより反政府組織███の構成員が細断機として使用しているところを発見(射撃用イヤーマフを装着していたため、SCP-XXXX-JPの異常性を一定程度把握していたものとみられる。 )、回収されました。
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:6451005 (15 May 2020 21:49)
初めてSCP記事を執筆させていただきましたが、難しいですね。
忌憚なきご意見をいただけたらなにより幸いです。
ご批評のほどよろしくお願いいたします。
文体、フォーマット共に良く書けていると思いますが、内容に起伏が無く面白いとは思いませんでした。
異常性はオリジナリティがあり、とても興味深いものです。
フックとしての機能を果たしており、読者としては並び替えによる復元がもとになった文書とどういう関係があるのか、または復元されたメッセージにどういった意図があるのかに興味が湧きました。
ですが物語の中盤が間延びしています。
長い実験記録の継続の中で「実験から何が解ったのか」が容易に読み取れず、せっかく湧いた興味に答えてくれないように思います。
終盤でようやく暗号としての解読や裁断を繰り返すことによるメッセージの復元が行われますが、それらはあまりこれまでの実験と関係が無く、納得感が少ないものになっているため、肩透かしを受けたようになります。
問題点
全体としての物語の流れが上手く見えてこない。
異常性によって良質の謎が提示されているので、それをどう納得させて解決し満足させるか、またはどう納得させずに面白がらせるかのプランが無いように思います。
まずは短い文章、プロットで良いので、どのように話を運んでどう満足・面白がらせるかを書いてみることをお勧めします。
izhayaさん
まずは批評、ありがとうございます。
これが自分でもどうしたらよいものかと悩んでいたところでした。
批評の意図を汲むに、実験手続におけるリアリティと物語的な納得感の平衡を取る、ということではあるのでしょうが、予断ありきでの実験というように見えたくないあまりに実験部分が冗長かつ情報量過多になっている、というのが現状です。
このSCPの背景設定としては(SCP記事では往々にして直接的には明かされず、おおまかなヒントになりうるような情報だけを提示するものと思っているのですが)、「世界のあらゆる記述情報は唯一にして普遍の真理の反映物に過ぎず、様々な形に化生しているのはその真理が様々な形で暗号化(エンコード)されているから」という一神教的思想のもとに製作された「暗号解読機」である、というものがあります。
そしてこれは正しく作動しているのか?という点を謎として読者に残したいため、最後の
という句を解読後の文書として提示しています。
これのアイデアを最後まで客観的でリアリスティックな文体を通して提示することができれば、「納得感が少ない」と感じられてしまわずに済むとは思うのですが。。。
このアイデアについてだけでなく、表現方法についてもし何かご助言いただけましたら幸いです。
めちゃくちゃ面白い設定ですね。現状はこれを生かし切れていないと思います。
理由としては
・「真理のエンコード」が裁断機としての機能と結びつきづらい
・裁断機の異常性がエンコード元を復元していると気付き辛い
・暗号復元時のインタビューが何を伝えたいのか良く解らない
事が挙げられます。
いっそのこと直接的に「暗号復元機です」まで言っちゃっていいような気がします。
反政府組織か何かが敵の通信を傍受して暗号を解読するために使っていた一つの大きな機械で、どんな暗号を書いた紙でも、入れれば復元されて出てくるという異常性にしちゃいます。
実験過程で様々な暗号を書いた紙を入れてみるのですが、ミスで実験中に研究員の髪の毛が入ってしまい、髪の毛が「解読」されて文章の書かれた紙になって出てくる事に財団が気付き、じつは紙以外もこの機械に通せることが判明します。(同時に人とか大きいものもサイズを無視して通すことが可能なことを示します)
色々なものを解読していくうちに、解読後の内容を通すことで別の語句が現れる、等実験はエスカレートしていきます。
(暗号じゃなくても、婉曲な表現→直接的な表現 等の解読が可能とか、フックを作ります。
博士が「田中研究員」と書いた紙を入れたら「とてもかわいい」と出てくるとか…ちょっとこれは安直すぎますが)
最終的には解読したものを何度も機械に通すことによって段々文が似通ってくる事に気付くのですが、ある段階の文章から文章は認識災害性を持ち、研究員が死んだり狂ったりする、または何らかの別の異常を持つなどして、
実験禁止となる
起:暗号解読機だよ
承:色んな暗号が解読できるよ、実験するよ
転:おいおい暗号以外も、物体でも解読できちゃうじゃないの
承:なんでも解読続けると段々似てくるよ
結:最終的な解読物は認識災害性があるから危ないぞ
こういう流れなら、伝えたいことが入るのではないでしょうか。
ちょっと時間が無くざざっと書いてしまいましたが、ご検討頂ければと思います。
izhayaさん
具体的な改善案の提案、ありがとうございます。
それにヒントを得て、改稿案を思いつきましたので、いったん批評中断として改稿作業を進めようと思います。
やはり実験の中にどうフックを作るか、示唆を張るかというところの作りこみが重要ですね。
そうですね。実験記録のセクションを有効に使うため、「わかっていること」の領域を大胆にとって本題にショートカットする方がよさそうです。
非常に示唆に富む指摘ありがとうございました。
改稿後ももしよろしければご批評いただけたらとても喜びます。
エントリー〆切に間に合うよう頑張ります。
意図をくみ取って頂きありがとうございます。
めっちゃ良い表現ですね、言いたいことばっちりです…今後の批評で使います
改稿後も見させてください!