自意識過剰 - SCP-JPサンドボックスⅢ

自意識過剰

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クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP - みんなが馬鹿にする俺のこと
著者: ©︎[[*aster_shion ]]
作成年: 2018

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Safe Euclid

特別収容プロトコル: インタビュー-XXX-1により新たに判明した事実に基づいて改定が行われました。変更点は下線が引かれている部分を確認してください。
SCP-XXX-JPは1TB以上の容量がある記憶媒体を持つ電子機器とともにサイト██のSCP-XXX-JP専用ユニットに保管されます。一ヶ月ごとに記憶媒体の記憶可能メモリ量を確認し必要があれば交換してください。メモリの減り方に異常が見られた場合SCP-XXX-JPの所有者(以下SCP-XXX-JP-1とします)のカウンセリングを行い彼の精神状態の回復に努めてください。交換されたSCP-XXX-JP-"は同サイトのクラスA破壊不能オブジェクト廃棄場に廃棄されます。 SCP-XXX-JP-1同サイト内職員居住棟の低危険人型実体一時的拘留区域の一部屋を一時的に貸し与えられます。インタビュー後、問題がなければクラスA記憶処理の後、財団による監視をつけられた状態で元の生活に復帰させてください。 SCP-XXX-JP-1同サイト内職員居住棟の協力的低危険人型実体居住区域の一部屋を無期限に貸し与えられます。区域内での区域内での行動は自由にさせ、監視はつけないでください。そして、一週間に一回監視の下であればサイト外に出ることが許可されます。SCP-XXX-JP-1のことはSCP-XXX-JP-1ではなく彼の本名である佐藤亮介、もしくはそれに類する通称で呼び、友人のように接してください。また、彼と話しているときに通信機器をいじることは許可されず、誰かと話しているときに彼に出会った場合は、こそこそせず堂々としてください。彼の飼い犬であるタロウは同区域で飼う事を許可されます。タロウ用のドックフードは決して切らすことのないようにしてください。また、一週間に一回財団所属のカウンセラーの下でカウンセリングを行い、精神的に不均衡であると診断された場合上記と同様に精神状態の回復に努めてください。

説明: SCP-XXX-JPは██県██市付近において発生していた、電子機器の原因不明の故障の多発について調べていたエージェント██によってSCP-XXX-JP-1とともに発見されました。SCP-XXX-JPは█████社によって20███に発売されたスマートフォンと同じ型のもので基本的な性能は█████社の一般的なスマートフォンと同じですが、傷つけたり破壊することは不可能です。SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1に関わる発言を状況や距離、文字や声といった媒体に関わらずオブジェクト内のメモ帳アプリに日本語の文章という形で記録します。記録された文章はどのような手段を用いても削除できず、オブジェクトの記憶メモリが飽和した場合最も近くにある無線通信が可能な記憶媒体を持つ電子機器に転送され保存されます。どのようなセキュリティをもってしても受信を回避することはできません。その場合記憶媒体はSCP-XXX-JP-2に分類されSCP-XXX-JP同様傷つけたり破壊することができなくなり、また文章を削除することもできなくなります。SCP-XXX-JP収容以前に発生したSCP-XXX-JP-2はすべて収容済みです。また、対象となる記憶媒体が何か別の情報を書き込まれている場合でもリアルタイムでその情報に割り込むように記録されるため、稼動している電子機器に近づけることは禁止されます。
SCP-XXX-JP-1は異常性を持たない三十代前半の一般的な日本人男性です。インタビューのため一時的に財団に拘留していましたが、新たに発覚したSCP-XXX-JPの性質のため財団に収容されています。

補遺: [　

+ インタビュー-XXX-1-1記録

- インタビュー記録をを閉じる

[> 対象: [SCP-XXX-JP-1]

インタビュアー: [富浦博士]

記録員: [上浦研究員]

付記: [以下、SCP-XXX-JP及びSCP-XXX-JP-1収容から二日後、SCP-XXX-JPの異常性の発現の経緯及び異常性の再確認のために行われたインタビューです。上浦研究員は別室にてカメラから様子を確認しながら記録を取っており、""で囲われた部分はパソコンで文字を打ち込んでの会話のため、対象に内容を把握されることはありません。]

<録音開始, [（20██/03/██）]>

富浦博士: [はじめましてSCP-XXX-JP-1。調子はどうですか？]

SCP-XXX-JP-1: [何なんだよここ。気づいたらこんなところにいて、知らない部屋で二日も――(多くの文句が続いたため省略します)それで、調子はどうですか？ふざけてんのか？]

富浦博士: [落ち着いてください。SCP-XXX-JP-1。]

**上浦研究員:* ["SCP-XXX-JP内部のメモ帳に落ち着いてください。という記録、確認できました。その他にはSCP-XXX-JP-1の名前が含まれている文章がいくつか記録されています。また、メモ帳の文章が一番古いものから消えていき、SCP-XXX-JP-2に出現しています"]

富浦博士: ["わかった。そのまま続けてくれ。予想通りに記録されるなら問題ない。何か変な点があったら報告してくれ。"]

SCP-XXX-JP-1: [ん(扉の前にいる機動部隊を見る)……そうだな。怒鳴っても意味なさそうだ。それで、俺は何でこんなところにいる？そのSCP-XXX-JP-1ってのは何だよ？俺のことか？]

富浦博士: [ここにつれてきた理由は、聞きたいことがあったからです。SCP-XXX-JP-1のほうは、まあそのようなものですね。それで、あなたが持っていたスマートフォンについて聞きたいことがあるのですが。]

SCP-XXX-JP-1: [え？いや、聞きたいことがあるのはわかった。でも先にこっちの質問にちゃんと答えてくれよ。何でそんな呼び方をするんだ、SCP-XXX-JP-1ってのはどういう意味だ？……悪口か？俺がわからないような悪口をみんなで共有して馬鹿にしてるんだろ！？手元のパソコンでもどうせ俺の悪口を書いてるんだよな？なあ、やめろよ！俺のスマホ返せよ！お前が持ってるんだろ！？さっさと家に帰せよ！どうせくだらないいたずらかなんかなんだろ？やめてくれよ――（興奮し、博士につかみかかろうとしたため機動部隊によって昏倒させられました）]

富浦博士: [困ったな。私には荷が重そうだ。SCP-XXX-JP-1の回復を待って他の職員にインタビュアーを代わってもらおう。録音を終了してくれ。]

上浦研究員: ["了か――問題発生です！SCP-XXX-JP-2にSCPという言葉の含まれる文章が次々に記録されています。"]

富浦博士 [……何だって？]

<録音終了,>

終了報告書: [SCP-XXX-JPはSCP-XXX-JP-1が自分について話していると感じる可能性がある単語が含まれる全ての言葉を記録する可能性が考えられます。またSCP-XXX-JP-1には精神的に不安定な側面が感じ取られました。そのため、SCP-XXX-JP-1が覚醒し次第、心理学を専門とするによるインタビューを再び行い、SCPが自身のことを指す言葉ではないと認識させる必要があります。]]

[[collapsible show="+ インタビューXXX-JP-1-2" hide="- インタビュー記録を閉じる"]]
[> 対象: [SCP-XXX-JP-1]

インタビュアー: [土門博士]

記録員: [上浦研究員]

付記: [先ほどと同様に、上浦研究員は別室にてカメラから様子を確認しながら記録を取っています。また、今回は土門博士の進言によりインタビュアー側はパソコンではなく小型の携帯型端末で記録員と通信を行っています。また、SCPという表現が含まれる文章の記録の有無を確かめるために、記録員は30秒ごとにSCP及びSCP-XXX-JP-1という言葉をパソコンに打ち込んでください]]

<録音開始, [（20██/03/██）]>

上浦研究員: ["SCPという表現が自分を指す言葉ではないと認識させることを最重要事項とし、必要であるならば対象をSCP-XXX-JP-1以外の呼び名で呼ぶことも許可されます。SCP-XXX-JPに関する情報を無理に得ようとする必要はありません。最重要事項の達成に長期の期間が必要であると考えられた場合、別のアプローチをとるため任意のタイミングでインタビューを終了してかまいません。"]

土門博士: ["了解しました。" 先ほどは失礼しました。もう一度お話を聞かせていただいてもよろしいでしょうか]

SCP-XXX-JP-1: [あ、ああ。暴れたのは悪かった。話もする。だから、スマホを返してくれよ……]

土門博士: [申し訳ありませんが、それはできません。あなたを――佐藤亮介さんをここに連れてきたのも、あのスマホについて調べるためですので。]

SCP-XXX-JP-1: [何でだよ。あれが無いと俺は……]

土門博士: [落ち着いてください、佐藤さん。質問があるのならばできる限り答えます。ですから、一度話を聞いてもらえませんか。私たちはあなたの話が聞きたいだけで、あなたを馬鹿にしたいわけではありません。スマートフォンについて教えていただければそれでいいのです。]

SCP-XXX-JP-1: [……本当だよな？ああ……そうだな。お前はちゃんと俺の方を向いて話してくれてるもんな。ああ、お前はあいつらじゃない。じゃあ、聞くんだが、何で俺はここに連れてこられた？]

土門博士: [SCP-XXX-JPの調査のためです。あなたが所持していたスマートフォンのことです]

SCP-XXX-JP-1: [何で調査なんか、それにそのSCPってのは何なんだ。さっきも言ってたよな？]

土門博士: [SCPというのは科学で説明することができないような異常性を持つモノに対して私たちが呼んでいる呼称で、私たちが調査しているものです。あなたが所有しているスマートフォンはSCPに分類されると考えられたため調査の対象となり、その結果SCP-XXX-JPの番号で管理されることとなりました。また、あなたをSCP-XXX-JP-1と呼んでいたのはあなたとSCP-XXX-JPの異常性に深い関わりがあり、そういう場合にそのような呼び方をする決まりがあったからです。]

SCP-XXX-JP-1: [えーと、つまり？SCPってのはよくわからないものの総称で、俺の持ってたスマートフォンがそれに分類されて、調べるついでに連れてこられたってことか？じゃあ、悪口とかじゃないんだな、よかった。それで、その異常性ってのは何なんだ]

上浦研究員: ["SCP-XXX-JPにSCPという記述が記録されなくなりました"]

土門博士: ["了解しました。インタビューを続けます。"あなたのスマホに、あなたに対する発言が記録されることです。ですから、教えてください。あなたはどこであれを手に入れたんですか？]

SCP-XXX-JP-1: [あ、ああ。そうだな。慣れちまってたが良く考えたら変な事だよな。そのスマートフォンは普通に買ったやつだよ。その、あんたたちが異常性と呼んでいる現象はあの人がやってくれたんだ。]

土門博士: [……あの人とは？]

SCP-XXX-JP-1: [すごい人だよ。俺の悩みを言い当ててしかも解決策を用意してくれたんだ。確か何とか人生相談所だって言ってたかな。居酒屋でスマートフォンを使いながらネットサーフィンをしてたら声をかけられたんだ。……何でかあの人の名前も何もかも覚えてないんだけどな。でも（以下、[あの人]に対する賞賛の言葉等が多く話されたがインタビューの目的に関する情報がほとんど得られなかったため省略します）]

土門博士: [なるほど。その方は本当にすばらしい人なのですね。それで、その方はあなたのスマートフォンに何を？]

SCP-XXX-JP-1: [何をって言われると困るんだけどな。俺のスマートフォンに俺の手彼の手とを重ねて、あなたが望むことを考えてって言われたんだ。願いは絶対に叶うから私を信じろって。……私？いや、自分？まあ、でもその後気づいたらあの人はいなくなってて、俺のスマートフォンは俺についての会話を記録するようになってたんだ。]

土門博士: [そのときは何も疑問には思わなかったんですか]

SCP-XXX-JP-1: [ああ、何にも。言われてみるとずいぶん不思議だな。まあ、俺が今こんな状況になってるのも不思議なんだけど]

土門博士: [情報提供ありがとうございました。ほかにあなたのスマートフォンについて話せることはありますか]

SCP-XXX-JP-1: [いや、悪いけどもうないよ。それで、もう言いならスマホを返してほしいんだけど。]

土門博士: [先ほども言いましたが、それはできません。]

SCP-XXX-JP-1: [……何で？返してくれよ！？]

土門博士: []

SCP-XXX-JP-1: []

土門博士: []

[以下、インタビュー終了まで会話を記録する]

<録音終了, >

終了報告書: [インタビュー後、特に記述しておくことがあれば]]