インシデントレポート-███-3 - 2███/██/██
概要: 埼玉県██市見沼区█部██神社境内において発生したインシデント-███をSCP-███-JPと指定し、関連する異常存在に対する特別収容プロトコルを組むことが決定されました。以下は、その概略です

SCP-███-JP: 一連のインシデントが指定されました。インシデントは終了したと考えられていますが、再発生の可能性も考慮し、それを防ぐためのプロトコルが要求されます。
SCP-███-JP-A: 境内が指定されました。安定はしていますが、異常性は健在であると考えられます。旧蒐集院から引き継いだ資料を元に、現状維持のためのプロトコルを要求されます。周辺住民にはカバーストーリー"神社の崩落に伴う改修工事"を流布し、該当区域への接近を封じてください。
SCP-███-JP-B: 神体として祀られていた、割れた石の破片が指定されました。形を変える、自律的に動く等を含めた全ての異常性はインシデント以後発現していません。SCP-███-JP-A内の特定の場所に安置してください。
SCP-███-JP-C: SCP-███-JP-Bの影響を受けて変質した、██体の人型実体が指定されました。SCP-███-JP-C-1を除いた全てが死亡し、その異常性が失われたことが確認されたため、それらの死体は、現在遺族に返却されています。
SCP-███-JP-C-1は現在、サイト-81██人型実体収容ロッカーに収容されています。収容から現在に至るまでの短期間で█度の収容違反が発生しており、非暴走状態時のSCP-███-JP-C-1へのインタビューを含む、全ての実験が凍結されました。

SCP-███-JP-C-1調査記録:
概要: SCP-███-JP-C-1の調査記録です。未確定、研究不足な情報も多いため、さらなる調査が求められます。

身体的変化: 髪の色、形の変化が確認されています。髪の形の変化については、後述の理由により、他の異常性との関連の可能性も指摘されています。その他、暴走時における姿の大きな変化が報告されていますが、報告者自信の"一瞬のことであり確信が持てない"との言もあり、調査が進められています。
記憶: SCP-███-JP-C-1はインシデント時の記憶が欠落しています。後述する、暴走状態の発生によるものの可能性もありますが、インシデント時に対象を迎えに来た対象の弟が、インシデントに巻き込まれ死亡したことによる心因性記憶障害の可能性もあるため、万が一にも記憶が戻ることのないように記憶処理剤の使用が検討されています。
特異な異常性: インシデント以後数回のインタビューを経て、SCP-███-JP-C-1に他のSCP-███-JP-Cに存在しない異常性が確認されました。
対象は、狐の耳のような形に変化した毛髪を直接オブジェクトや固体の物品に押し当てる事によって、そのオブジェクトや固体の物品が発しているとされる「声」や、「製作者の感情」を聞きとる事ができる場合があります。聞き取ることが出来る物品と、そう出ない物品がどのような基準で別れているかは判明しておらず、この「声」や「製作者の感情」は彼女以外には聞きとる事ができません。
対象はその異常性を持っている事の自覚及び、扱い方に対する知識を持っていましたが、それについて"不思議と、おかしいとは思わなかった"と発言しています。
当の異常性を対象は"静聴"と呼び、扱うことに積極的です。
暴走: 対象は、不定期に暴走状態に陥ります。暴走時の対象は理性を感じさせず、また、四つ足の獣のように動きます。
暴走状態に陥った対象は、人間にに非常に敵対的であり、積極的に攻撃行動を行います。
暴走時の対象に、物理的攻撃で負傷を負わせることは不可能であると考えられます。また、物理的拘束も意味をなさず、現状では、対象の暴走状態が収まるまで、機動部隊を用いて対象の注目を収容サイト内におさめるようにしていますが、人的被害及び建築物への被害も多く、新たな対策が望まれます。

要対応不活性儀礼領域第〇一七三番抜粋:
概要: 旧蒐集院より引き継いだ、██神社に関する資料抜粋です。非科学的根拠に基づいた正確性にかける情報も多いため、留意してください。

来歴: ██神社は一三八七年に群馬県にて建設され、過去八度に渡る移転の後、現在の埼玉県██市見沼区█部██に置かれた。
信仰: ██神社は宇迦之御魂神を主祭神とする、稲荷神社である。しかし、█三年前の移転以前はそうではない。神社に残されていた書によればある名の氏神が鎮守とされ、御神体として複数の石が本殿に祀られていたとされている。最初は一つだけ祀られていた石が、移転の度に一つづつ増やされたとも記録されているが、真偽は不明である。
現在本殿に御神体として祀られているのは一つの石であり、複数のものでは無い。
異常現象: ██神社では建設及び移転の際に、その全てにおいて類似した現象の発生が記録されている。
その現象は、該当区域の人間が殺害されると言った事件の増加や、区域内の畑が何者かによって荒らされるというものであり、それらは全て大規模なものであった。そして、██神社の移転の際にそれらはたちどころに数を減らしている。
直近3回の移転に関しては、はっきりと数字上での差異が分かるような記録も残っており、偶然と呼ぶにはあまりにも異常である。