クレジット
SCP-2207: SCP-2207-JP - 神隠し
著者: arowN does not match any existing user name
作成年: 2022
アイテム番号: SCP-2207-JP
オブジェクトクラス: EuclidKeter
特別収容プロトコル:SCP-2207-JPの周囲2kmを封鎖し、一般人を侵入させないようにして下さい。研究員はSCP-2207-JPに併設したサイト-███に常駐し、██神社境内に異変がないかを定期的に確認して下さい。また、地域住民にはカバーストーリー『神社内部の点検及び改修工事』を流布して下さい。
内部調査の際はDクラス職員の侵入が必須となるため、この報告書の閲覧にはセキュリティクリアランスレベルを必要としません。
説明:SCP-2207-JPは██県███市██神社に発生した時空間異常です。SCP-2207-JPは██神社内部に鳥居(以下SCP−2207−JP−A)を介して侵入することで発生します。SCP-2207-JPに侵入した場合、内部空間はいついかなる場合も1999/07/0418:00に戻ることが確認されています。
備考:SCP−2207−JP−Aを介さずに侵入した際は異常は確認されていません。
SCP-2207-JPは1999/07/03 18:00に発生し、同日の18:27に現地住民(以下他の住民との区別のため矢島氏と記載)によって発見・報告されました。
以下矢島氏へのインタビュー記録。
記録A−1
対象:矢島 和夫
インタビュアー:原 友行
付記:矢島氏からの報告はSCP-2207-JP近辺の███交番に届けられたため███交番内でインタビューを実施しています。また特筆性のない会話・手続き等は省略されています。
<録音開始 1999/07/04>
[データ削除済み]
原博士:えー、まずは初めにどこでSCP-2207-JP…その不可解な現象を発見されたか教えていただいてもよろしいでしょうか?
矢島氏:あ、はい。えーと、██県███市の██神社です。
原博士:ありがとうございます。ではどのようなことが起きたか詳しく教えて下さい。
矢島氏:はい。えー、まず、今日あの神社ではお祭りをやってたんです。ほんとは8月のはずだったんですけど、急に早めようって話になったんです。
原博士:なぜです?
矢島氏:多分ご存知だとは思うんですけど、ノストラダムスの大予言ってあるじゃないですか。
原博士:人類滅亡の予言のことですか?
矢島氏:はい。あれの通りになってしまうと今月中に人類が滅亡してしまうんでその前にお祭りをしようってなって。それで今日やってたんです。そのお祭りに友達と行く約束をしてたんですけど、ちょっと早く着いたんで友達を待ってたら境内でやってるはずのお祭りが急に静かになって。それで見てみたら、お祭りの屋台やらなんやらが全部きれいに無くなってたんです。それで怖くなって交番に来て今に至るって感じです。
原博士:そうでしたか。ところでお友達にご連絡は…?
矢島氏:あー、してません。何かまずかったですか?
原博士:…もしかしたら、境内に入ってしまっている可能性も…。
矢島氏:…あ。まずくないですか?
原博士:ええ。かなり。とりあえず、お友達に連絡を。まだわからない所も多いですが境内はかなり危険だと思いますので入らないように言っていただけるとありがたいです。
矢島氏:<相槌>……かかりました。
<録音終了>
終了報告書: 以上の記録によってSCP-2207-JPが確認されました。現在SCP-2207-JPの異常性は空間異常が観測されていますが、その異常性に関して不明瞭なところが多く存在するためオブジェクトクラスはEuclidに分類されます。
記録A-2
記録者:矢島 和夫
付記:以下SCP-2207-JPの発見者である矢島氏とその友人の通話記録。
<録音開始 1999/07/03>
矢島氏:今どこいる?
A氏:それはこっちのセリフだよ。お前どこにいるんだよ。
矢島氏:えっと…。交番に。
A氏:なんでそんなとこいるんだよ。
矢島氏:後で説明するから。それより、神社に誰か入った?
A氏:え…。ああ。[編集済み]がお前探しに行ったけど。何か悪かったか?
矢島氏:…ごめん。
A氏:なんで謝るんだよ。別にそんなの大丈夫だから。
矢島氏:…そういうことじゃないんだ。
A氏:どういうことだよ。
矢島氏:それはあとで、
A氏:あとで、あとで、じゃないんだよ。ちゃんと話してくれ。
矢島氏:それどころじゃないんだ。…とにかくお前だけでもいいから交番に来てくれ、境内には絶対入るなよ。絶対だぞ。
A氏:わかったよ。行くよ。
矢島氏:ありがとう。じゃ、あとで。
<録音終了>
これにより、鳥居もといSCP−2207−JP−Aを介して境内に侵入することでSCP-2207-JPの空間異常に巻き込まれることが確認されました。これを受けて財団はSCP−2207−JP−Aを潜る事が異常性のトリガーと認知し、SCP−2207−JP−Aを擬装用の非異常性の鳥居にに取り替えました。SCP−2207−JP−Aはサイト−███に内に収容されます。これによって被害をもたらす可能性はないとされたため、1999/07/04現在、オブジェクトクラスをSafeに変更する会議が進行中です。
1999/07/05 事案Aが発生しました。
以下事案A報告書。
事案A:SCP−2207−JP−Aはサイト−███内で収容されていましたが、1999/07/04 02:36に無力化しれていることが確認されました。同時刻、サイト−███内のEクラス職員がSCP−2207−JPの異常性の消失を確認していたところ偽装用に取り替えた鳥居(以降はSCP−2207−JP−Bと判別)に異常性が発生しました。
事案Aの発生を受け、SCP-2207-JP-Bの異常性に関する実験が行われました。以下実験記録。
実験記録 - 日付1999/07/04
対象:SCP-2207-JP-B及び██神社
実施方法:SCP-2207-JP-Bを設置し、異常性の発生と発生時間を確認する。異常性が確認され次第、新たなSCP−2207-JP-Bを設置。異常性の発生と発生時間発生を確認する。前記の行為を5度繰り返し、SCP-2207−JP-Bの異常性の発生確率と異常発生までの平均時間を調べる。
結果:SCP-2207−JP‐B‐1
SCP-2207−JP‐B‐2
SCP-2207−JP‐B‐3
SCP-2207−JP‐B‐4
SCP-2207−JP‐B‐5
異常性発生確率:100% 異常性発生時間(平均):1時間29分54秒
分析:SCP‐2207‐JP‐Bの異常性発生までに1時間30分前後の時間がかかっていることが確認されました。また、SCP‐2207‐JP‐Bは撤去から1時間30分前後でその異常性を無力化することが判明しました。さらに、設置した全てのSCP‐2207‐JP-Bに異常が確認されました。
設置及び撤去を行ったSCP‐2207‐JP‐Bすべてに異常性が確認されたことを受け、神社そのものもしくは1999/07/03に開催された祭典に異常性があったと思われます。
追記:実験によってサイト内での収容が不可能なことが判明したため、特別収容プロトコルを変更しました。
実験結果から祭典や内部空間の調査が必要と見られたため、無人ドローンを使用し内部を探索します。
以下探査記録。
記録者:無人探査ドローン‐a
付記:映像が乱れていたため、文体にして記録を記載します。
<記録開始>
ドローンが前方に進む。鳥居からまっすぐの一本道には屋台が12件ほど出ている。そのうちひとつの屋台には時計が映る。18:02の時刻が映る。秒針はも遅く進んでいる。屋台の側面には文字が白ペンキで書かれている。ドローンが首を回し、屋台の文字を映す。かすれているが薄く「…月工…店」と書かれている。神社の本殿が近づいていく。階段を上がり、本殿の近くにに来る。ドローンが首を動かす。左側に櫓が出ていて、推定5〜6歳の子どもが遅い速度で太鼓を叩いる。ドローンは旋回し右側を映す。公衆電話しかない広い空き地が映った。
[映像の乱れが激しいため確認不可]
ドローンの画面が激しく揺れ、通信が切断された。
<記録終了>
<終了報告書>:以上の記録からSCP‐2207‐JPの内部構造が確認されました。その構造は1999/07/03に開催された祭典の構造と酷似しているいることが判明しました。また、内部からの通信が可能なことが判明したためDクラス職員を内部に侵入させ、内部構造の詳細の取得や消息不明者の捜索を行います。
1999/07/05 00:00 D−27889による探索が開始。D−27889と原博士は初め通信を行っていましたが、SCP-2207-JP内部侵入後、通信が途絶えたため以降はD−27889が内部の公衆電話から試みた通信の記録になります。
備考:SCP-2207-JP外部からの通信を試みましたが通信手段の取得には至りませんでした。以降の記録は原博士の携帯電話に届いていたSCP‐2207‐JP内部からの通信記録になります。
記録B−1
日付:1999/07/05 14:44
記録者:D−27889
<記録開始>
もし…もしもし。聞こえます?一応報告を入れときます。
初めは探索してたんですけど、通信したかったので公衆電話から通信できないかずっと試してました。
えっと、中は時計を見る限り18:20くらいです。入ったときには18:00だったのですが。こっちは時間の進み方が遅いです。僕を除いて。周りはとても遅いんですが、僕だけ時間が普通みたいです。
えーと、わかったこととしてはさっき報告した時間の進みが遅いってことぐらいです。あと一応言っとくんですが、ヒューム値が低そうです。引き続き捜索は続けます。また何かわかったら留守電を送ります。この電話も送れているかは分かりませんが。
<記録終了>
終了報告書:以上の記録から内部空間での時間の停滞が確認されました。
補足:無人探索ドローンにカント計数機を積みヒューム値の計算を行ったところヒューム値が0.4〜0.6と低く、現実改変によるSCP‐2207‐JPの範囲拡大及び外部への干渉の恐れがあります。そのため、現在オブジェクトクラスをketerに変更する協議が進められています。
以下D−27889による2度目の報告記録。
記録B−2
日付:1999/07/05 23:51
記録者:D−27889
<記録開始>
もしもし。聞こえますか?D−278889です。わかったことがあるので簡潔に報告します。
あと、ここの仕組みが少しわかってきました。自分の感覚なんですが時間の進み方は通常の約0.025倍くらいです。一応今の時間は真夜中の12時くらいです。
矢島さんのご友人も捜してるんですが全然見つかりません。もしかしたら、もう…。でもとりあえず、捜索は続行してみます。以上です。よろしくお願いします。
<記録終了>
終了報告書:以上の記録により内部空間のヒューム値が通常の空間よりも著しく低いことが判明しました。これを受けて前記(記録B−1の補足部分に記載)の理由に基づきSCP-2207‐JPのオブジェクトクラスをEuclidからKeterに変更しました。
1999/07/06 07:00 D−27889からの報告を伝達したDクラス職員(以下D−31674)を新たに内部に送り込み、D-27889と合流させて情報共有及び内部空間での実験を行います。
実験内容:[データ削除済み]
以下D−31674による記録。
記録C−1
日付:1999/07/06 08:19
記録者:D−31674
<記録開始>
もしもし。聞こえるか?
現実改変使えるって話だったんだけど正直信じてなかったわ。でもほんとにできてびっくりしてる。あと時間のことだったんだけど入ったときに夜の12時ぐらいのはずなんだよな。そうだよな。でもよ、入ったときは夜6時…18時だったよ。屋台とかも並んでるし。さっきまでちょっと探してたんだけどよ,D−27889だっけ。いないよ。ほんとこえーよ。あいつがいねえと実験もできねえよ。
とりあえずまたなんかあったら連絡するわ。それじゃ。
終了報告書:以上の記録から新たにSCP-2207‐JP内部に侵入者が侵入した場合に内部の時刻が1999/07/03 18:00に戻されることが確認されました。また、D−27889が消息不明となったため侵入者が増えるとすでに内部にいた侵入者が消息不明になることが確認されました。よって内部空間へ同時に侵入できる人数は最大1名ということが判明しました。
特例:1999/07/06 15:35███神社の鳥居前にD-27889が帰還しました。D−27889はD−31674の侵入時刻から現在までの記憶は保持していませんでしたがそれ以前の記憶を保持しています。また、scp−2207−jp内部の記憶も持ち合わせています。D−27889には財団医師の診察からも記憶及び精神異常は確認されませんでした。
1999/07/06 19:03 D-31674より提案が届きました。
以下提案内容の記録。
記録C-2
日付:1999/07/06 19:03
記録者:D−31674
もしもし。D-27889は帰ったか?帰ったならいいが。
とりあえず提案的なものをこっちで考えたからそっちで現実的かどうかとか色々考えてみてくれ。
結論から言うとSCP-2207‐JPを無効化する方法を思いついた。だけど人が必要だ。俺一人じゃできっこない。だけど入れるのは一人だ。そうだろ。そこでだ。俺はさっき現実改変を利用してD−27889をそっちに戻した。だから、現実改変を使ってそっちの誰かをここに入れて俺やD−27889、それ以外の人間を呼び寄せる。そうすることで人が増えて俺の作戦を実行できる。SCP-2207‐JPを無効化する俺の考えというのは[編集済み]って感じだ。やってみないか。無理は承知だ。その上でよろしく頼む。
終了報告書:以上の記録をもってD−31674の提案を財団内で協議したところDクラス職員の有志の者のみで実行することを条件に可決されました。
1999/07/07 00:00 有志の民間人2名とDクラス職員13名の計15名がSCP-2207‐JPの内部に侵入しました。
1999/07/07 00:12 作戦を実行するという旨の報告が行われました。
1999/07/07 00:30 SCP-2207‐JPは異常性を消失しました。
補遺:D−31674の提案、[編集済み]は規定空間で行うことで特定のkクラスシナリオを引き起こす可能性があるため、クリアランスレベルを必要としない当報告書への記載は認められていません。
SCP-2207‐JPによって行方不明となっていた24名の民間人及びD−31674の提案に参加していた一部の人間(有志の民間1名・Dクラス職員12名)が帰還しました。帰還した民間人(25名)にはCクラスの記憶処理が行われる予定です。
無人ドローンの探索記録に含まれていた「…月工…店」が「如月工務店」であったことが財団の特定班の調査により判明しました。現在、如月工務店に屋台の建造を委託をした経緯を調査中です。
SCP-2207‐JPは異常性を消失したため、協議の上でオブジェクトクラスをketerからNeutralizedに変更する予定です。
追記:SCP-2207‐JP消失後、1999/07/07 00:01に原博士の携帯電話にSCP-2207‐JP内部からの通信記録が届いていたことが確認されました。
以下記録。
記録D
日付:1999/07/07 00:01
記録者:矢島 和夫
も…もしもし。聞こえますか。本当に自分勝手なのはわかっているんです。わかってるんですけど、僕はもうこの世から消えるかもしれないんで。もしも、いや、きっと僕の友人がそっちに戻ります。僕の友人が戻ったらこの電話を聞かせてやって下さい。原さん、よろしくお願いします。
…
…
…
…誕生日、おめでとう。
[通信が切断されました]
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内容について
初めての執筆で心配なところが多かったため、ご指摘本当にありがたいです。
収容方法についてもご指摘していただいたところを踏まえてもう一度考えてみます。
本当にありがとうございます。