SCP-1947-JP 換気
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現在SCP-1947-JP-βとの接触に使用されているHITACHI製電子レンジ(SCP-1947-JP-A-4274)。加熱機能が常時作動するような特殊改造が施されている。SCP‐1947-JP-Aは最奥の壁面に発生している。

アイテム番号: SCP-1947-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-1947-JPへの物理的干渉計画は無期限に凍結されました。

SCP-1947-JP-Aは、その報告例の数により、すべてを収容するのは不可能であると判断されています。回収はSCP-1947-JP-Aが発生した物品のみに留め、建造物には該当箇所の破壊か封鎖、人体には該当人物への記憶処理と診断結果の偽造により対応します。

SCP-1947-JP-βとの接触は、回収した物品のいくつかを常時起動することで常態化したSCP1947-JP-Aより行われます。

説明: SCP-1947-JPは特定条件下で発生する多数のポータル(SCP-1947-JP-A)にて確認される、体積不明の空間です。

基底世界において、SCP-1947-JP-Aの形態は特定されず、大きさにも幅が存在しています。後述するSCP-1947-JP内部の様子と相まって、SCP-1947-JP-Aの外観は白い靄のように見えます。

最初のSCP-1947-JP発見報告は1972年、O████████夫人の胎内に発生したSCP-1947-JP-Aを通じてのものでした。O████████夫人は超音波検査時、胎内に不自然な熱源が発見されており、それを受けて財団が切開により調査を行いました。結果、受精6ヶ月程度の胎児の腹部に時空間異常であるSCP-1947-JP-A、その内部空間であるSCP-1947-JPの存在を確認しました。その後はO████████夫人本人及び胎児の遺体を一時収容する方針を取る予定でしたが、胎児を処理するとSCP-1947-JP-Aは消滅しました。O████████夫人に異常性は見られず、彼女は適切なカバーストーリー実施後に解放されました。
この事例を受けて、同系統の事例を再調査が開始されました。1974年時点で2██件のSCP-1947-JP-Aが発見され、それぞれ処理されました。すべてのSCP-1947-JP-Aは19世紀後半の産業革命期以降に確認されたものであり、このことからSCP-1947-JPの起源も同時期に存在すると考えられます。

SCP-1947-JP-Aの共通項には、"熱の発生源付近"が挙げられ、これが発生条件になるものと推測されています。これは天然物・人工物を問いません。
現在、[発見報告の過多により情報を精査中です]のSCP-1947-JP-Aが発見されています。なお、科学技術の発展に伴い、SCP-1947-JP-Aは増加傾向にあります。

SCP-1947-JPに基底世界の物体が進入した場合、物体は総じて気体への昇華を起こします。このため、SCP-1947-JPへの物理的干渉は失敗しています。基底世界からは視覚性と聴覚性の情報のみが認識可能であり、これより光や大気などが同様の物質により構成されていることが確認されています。


SCP-1947-JPの下方空間は硬度の高い白色の物質で構成され、上方空間もまた白色に覆われています。重力は下方空間に向かって作用しています。以下、SCP-1947-JPの下方空間を"地面"、上方空間を"空"と定義します。

SCP-1947-JPの"空"には球状の物体(SCP-1947-JP-α)が浮遊して存在している様子が確認されています。SCP-1947-JP-αは光の一部を反射するなど透明度の高い液体の特徴を保有しています。また、その深部へ移るほど明度が上昇しており、最深部の状態は確認できていません。SCP-1947-JPの光源の役割を果たしていると考えられています。

また、SCP-1947-JPには人型・動植物の実体(SCP-1947-JP-β)が常時複数体出現しています。SCP-1947-JP-β出現時、大気中には渦が発生します。SCP-1947-JP-βは食事・睡眠・排泄を一切行わず、またその欲求も存在していないように見えます。
多くのSCP-1947-JP-βは活動を行うことに消極的であり、出現地点から移動することはありません。基本的にSCP-1947-JP-βは"地面"に出現しますが、"空"に現れる個体も発見されています。
出現して一定の時間が経つと、SCP-1947-JP-βはその身体から液体を放出します。人型実体のSCP-1947-JP-βは衣類や所有物からも液体が放出されます。放出された液体は発生している重力に反して上昇し、SCP-1947-JP-αへと集約されます。液体がSCP-1947-JP-βから完全に離れたとき、SCP-1947-JP-βの体積は減少し、最終的にSCP-1947-JP-βは消失します。しかし、自律的活動を行うSCP-1947-JP-βの場合、体積減少量が比較的少なく、これにより消失までの時間が大幅に延長されていると考えられます。
人型のSCP-1947-JP-βに見られた特徴として、既に死亡した人物、あるいは消息不明となっていた人物を模していることが確認されています。そのため、SCP-1947-JP-βは死亡した存在を模しているという推測がなされています。

以下は自律的活動を行うSCP-1947-JP-βからの情報を基に記述された文章です。追記される可能性があります。

  • SCP-1947-JP-βはSCP-1947-JP-αを超高温の物質と認識しています。また、SCP-1947-JP-αが熱源となっているため、SCP-1947-JPが高温多湿の空間になっていると主張します。これらに科学的な根拠はなく、感覚的に共有されています。SCP-1947-JP-βは、SCP-1947-JP-αを頻繁に"太陽"と呼称します。
  • SCP-1947-JP-AはSCP-1947-JPにおいてあらゆる場所に発生すると報告されています。基底世界と同様に、SCP-1947-JP-Aを通じてのSCP-1947-JP側から基底世界への物理的干渉は不可能であり、視覚性と聴覚性の情報のみを知覚できると回答しています。
  • SCP-1947-JP-βは模倣している存在の死亡までの記憶を保有しています。しかし、その存在が死亡したことについては認識していません。

追記: 19██/08/15

  • 活動的なSCP-1947-JP-βが模倣存在の死を認識すると、その瞬間から液体の放出量が増加し、体積を著しく減少させます。以後、該当個体は活動を行うことに消極的になります。

SCP-1947-JP探査報告

財団が初めて交渉に成功・情報提携関係を締結したSCP-1947-JP-βは、"ビワキ セイヤ"1を自称しました。財団はビワキ氏をSCP-1947-JP-β-1と識別し、SCP-1947-JPの環境調査を依頼しました。SCP-1947-JP-β-1の調査期間中、財団は事態の変容を懸念し、基底世界の枇杷木氏が死亡していることを伝達しませんでした。


01/1975

これは最初に言っておくことですけど、私自身はあなた方に対して深く信頼してはいません。財団を騙り情報提供を促しそうな存在は、ふと思い返すだけでも3つ4つ、頭に浮かんできます。それに関してはあなた方も同じなはずだ。私が財団の枇杷木だと、完全に信用しているわけではないでしょう。財団らしくて、どこか安心する部分もありますがね。
その上で、こちらのことについて話そうと思います。

まず、この空間は熱に満ちています。暑いです、かなり。私は中東へ、または東南アジアへ出向いたことがありますが、ここの空気はどちらよりも厳しい。光は鋭く、蒸し暑い。ただ、砂漠にしろ密林にしろ、待っていれば夜が来て、少々ましになるんです。ここが異常なのは、昼が永遠に続くことです。その靄みたいな穴からこちらが見えるなら、どうか"空"を仰ぎ見てくださいよ。あの発光している球が見えるはずです。

あれが、こちらの"太陽"です。決して沈むことがない。熱を放射するだけ放射して、居座り続けている。加えて、あれは―最も、それがこちらの道理というやつかもしれませんが―水を吸い上げる性質を有しています。水というのは、私の汗のことです。暑さから吹き出た汗が肌を昇って、最後には頭の先から浮き上がっていくんです。そこら中、水の泡で溢れかえりそうになっています。雨を逆さにしたような、けれども常識よりもスローに漂っています。泡を掴もうと試しましたけど、アレは夥しい熱を内部に宿していました。右手は焼けましたよ。あの状態で気化しないのが不思議で仕方ありません。それに、私もここを受け入れ始めているみたいですね。

あ、水の泡で溢れかえりそうと言いましたが、私の汗で溢れそうになってるんじゃないですよ。靄はそこかしこに見られますし、あなた方もこちらを把握していることがあるのではないですか。この世界は私1人居るのではなく、多様な生物が行き倒れていることについて、ですよ。鳥、蟲、獣。世界中の草花に、深海生物。人間もいます。集積すれば一山くらいはできそうなくらいには、これまで私がほっつき歩いて見てきた中にいます。しかし、多くは行き倒れています。動きゃしないのです。声をかけても、なんなら蹴り飛ばしてやっても。植物は根を張っているのに、どこか覇気がない。総じて生きているはずなのにですよ。この暑い暑い空間では、伏しているのが快楽となるのかもしれませんけど。残念ながら、私にそういう感覚はないですね。

彼らは、水になります。そして、最終的には無くなります。汗を流し続けて、身体が溶け出すんです。ダラダラと流れて、この殺風景な景色から消え去るんです。水は流れてどこへいくのか。あなた方も知っているでしょ。"太陽"にいくんですよ。体液なのか別の何かなのかもわからない水は、一斉に"太陽"に吸われるんです。……思えば、水になるのを待ち望んでいるようにも見えるんです。ただぼーっとして、迎えられるのを待つかのような。結局、"太陽"も水も彼らも正体がわかったもんじゃないので、私に知るすべはないんですけどね。

けれども、活力ある動物も存在しています。魚類などに多く見られました。歩いている人間にも、何人か遭遇しました。ただ、どうにも暑さに参ってしまっているのがほとんどでした。「暑い暑い」と繰り返しながら、彷徨い歩いています。彼らはそうして暑いと言っていても、健康面に異常は見られません。私も長い時間ここにいますが、とりわけ異変はありません。
それ以外の私のことについては、あなた方が知る限りがすべてだと思っています。この空間へ移動したのは、SCP-████-JPの影響である。それで間違いないですね。……了解です。調査段階でしたが、アレは収容されましたか?……私の外にアレに曝露した人間もいないようですね。

今回、私から話せる情報は以上です。確か、靄のポータルの大量発生はそちらでも確認されているのですよね?SCP-1947-JP-Aでしたか。……では、こちらから音を立てて、報告していくという手順で。ちょうど財団が在る場所に出たら調査報告を行おうと思います。

それにしても、敵対勢力もアノマリーもいませんし、そちらよりこちらの方が安全かもしれませんね。こちらは、ただ暑いだけですから。


02/1979

ビワキです。あ、SCP-1947-JP-β-1として反応するべきでしたね。

続報ですが、大した情報は得られていません。逆説的に考えると、この空間はこの状態が常だということです。熱と死体みたいな生体に満ちて、永遠に夜は訪れない純白の空間です。私はあれからも歩き続けていますが、果てと呼べるような存在に当たったこともありません。これに関しては、空間がループ性を持っているか、"地面"が円状に構成されているかのどちらかだと思います。ただ、"太陽"は"空"に固定されています。いくら歩いても右にも左にも行きません。現実的に考えるなら―ここの現実性なんかくそくらえですが、私は現実ですので―私は後者を取るでしょう。

次に、人間についての話なんですが、歩いている者と突っ伏している者とで服装に細やかな差異が見られるんです。活動者は、その、古風です。戦後に英国風の礼装をしている人間を見たことがありますか?ないはずです。それが、暑いと言いながらもここをうろついているのを見ました。あとは戦時中の軍服だとか、アルバムからそのまま取り出したような姿で闊歩している者もいるんです。実際に1人連れていたんですが、残念ながら隙をついて逃げられてしまいました。それで、突っ伏している者については、現代的です。普遍的な格好をしている。ただ、いくつか多くの例外がここにもあって、なにやら民族衣装を着ている者がいたんです。少なくはありません。いまいち法則性が掴めないままでいますよ。しかし共通点があります。みんな暑い暑いと言っていて。死んでいる者も生きている者も、みんな暑がっているんですよ。[笑い]あぁ、失敬。感覚が一致しているのが、不思議でしょうがなくて。

あと、これは既知の情報かもしれませんが。出現する生物……SCP-1947-JP-βです。あれからも変わらず、現れては水になって消えていくんですが、それのほとんどは"地面"に現れるはずでした。しかし、何体かは"空"に現れるんです。そのときは、ぎゅるんと空気に渦が生まれて、そのまま"空"に水の泡が漂うんです。"空"に現れる水の泡は、私の頭よりも二回りほど大きかったり、手のひら大だったり、身体を飲むほどだったりします。とにかく大きさは、"地面"に出たSCP-1947-JP-βから発せられる汗とは比較できません。そして形状に関しては、無形、としか言えませんね。漂う様子は、大気に揉まれる泡としか言い様がありません。幼稚かもしれませんけど、シャボン玉のような。あれが何の生物だったのか、こちらからは見当がつきません。

こちらからは以上です。そちらからは何か、ありませんか。……なるほど、靄の数が増えている。そうですか。しかし、以前私が発見した場所とかち合ったことはありませんでしたよね。とすると、この空間が拡大を起こしている可能性はどうでしょう。未解明ですか?わかりました。それでは、また。


03/1981

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  1. portal:aisurakuto ( 01 Jun 2018 04:23 )
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