御先は真暗

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友人、親友、兄弟、姉妹、師弟、恋人、愛人、或いはそれ以上の存在。
それを誰かに送るとして、その前に誰かの部屋を訪れる事に何の意味があろうか。

毎月の第一土曜日、虎屋外郎は花束を抱えて御先稲荷の部屋を訪れる。
彼はその理由に関して何かを述べる事はない。御先稲荷もそれをわざわざ虎屋に尋ねる事もなく、上層部もまた、監視下にある以上、それより先の情事に興味を持つ余裕もなかった。

「妻が好きなんだ、この花」

左手の指輪を光らせながら、表情の伺えない仮面の下で虎屋は言った。テーブルの上の、ワンサイドに詰め込まれた白百合は薄暗い部屋の中で、御先稲荷にはやけに目立って見えた。思い返してみれば、最初に彼女の部屋に虎屋が訪れた時から、ずっと彼は妻に白百合を送り続けている。

最初に情事に及んだその月。まる一か月、御先稲荷は何かに期待を寄せるように、虎屋外郎と行動を共にしていた。ただし、虎屋の態度は何一つ変わることはなかった。そういうものだ、と彼女がそれに気づくまでに更に一か月かかった。虎屋外郎は変わらなかった。

そのような関係を続けて一年が経った頃、虎屋は自ら関係の終わりを提案した。罪悪感からだと、彼は語った。同時に、君の好意を無下にすることはできなかったと。

なら、と御先稲荷は一輪のゼラニウムを差し出した。

「この花が枯れるまではどうか、私と」

虎屋外郎は面を食らったような顔をして、そして開いたままの口を塞いだ。ただ頷く。

その夜、彼らは

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