SCP-XXXX-JP 画家の命

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは現在、無力化されたと考えられている為、通常時は天城研究員によって保管されています。外出時はアイテム保管用ロッカーに保管されます。

説明: SCP-XXXX-JPは、長さ約15cm・ペン先の太さ約0.7mmのアルコールペンです。SCP-XXXX-JPを使用している間、インクが切れる事はありませんでした。SCP-XXXX-JPは大手画材メーカーより、19██年から販売されているアルコールペンと同一の物と見られます。SCP-XXXX-JPにはアルファベットで文字が記されていますが、その殆どが掠れている為解読不能です。

以前、SCP-XXXX-JPは、SCP-XXXX-JPと接触した人間(以下SCP-XXXX-JP-aと呼称)には異常性が発現し、"絵を描きたい"という強い欲求に従い行動するという異常性を有していました。その際、周囲に紙製品が存在しない場合、床や壁、机等のいたる所に絵の描写を行う事が確認されていました。詳細については下記を参照して下さい。また、周囲に複数の紙製品が存在する場合は、折り目や汚れ等が無く、白色かつ無地に近い物を優先して選別する事が確認されています。SCP-XXXX-JP-aの以前の画力が如何なるものであっても、精神状態と画力が著しく向上し創造的な思想になりす。この異常性はSCP-XXXX-JP-aがSCP-XXXX-JPとの接触を中断してから約1時間後に消失する事が確認されました。

主な異常性の詳細は以下の通りです。

SCP-XXXX-JPは、20██年に発生した大型の震災とそれに付随した津波の影響を受けた地域を、財団の機動部隊隊員が被災地調査の最中に、瓦礫の下に埋もれていたのを偶然発見されました。その際、SCP-XXXX-JPに接触した機動部隊隊員が全員、勤務中にも関わらずオブジェクトを使用し瓦礫に絵を描写し始めた為、これを異常性と認識した財団の命令により、回収に至りました。

補遺: 以下はSCP-XXXX-JPの異常性の解明のため行われた実験の記録です。

実験記録XXXX-JP-XX-日付YYYY/MM/DD

対象: D-XXXX(74歳)

実験内容: SCP-XXXX-JPとの接触前と接触後の変化を観測する。

実験結果: D-XXXXはネコ科の動物を画用紙に描写。接触後はより写実的に描写しました。接触後、D-XXXXは絵を画用紙に描写した後、突然として創作意欲が消失したため、異常性が消失したとされる。

実験記録XXXX-JP-XX-日付YYYY/MM/DD

対象: D-XXXX(33歳)

実験内容: D-XXXXにSCP-XXXX-JPを使い継続的に絵を描写させる。

実験結果:D-XXXXは画用紙に架空の人物を描写した。25枚の絵を描写した後、異常性が消失した事が確認された。

分析: D-XXXXは4枚で異常性が消失した事に対し、本実験のD-XXXXは25枚で異常性が消失した事により、異常性が消失するまでに個人差があると見られる。

付記: 実験記録XXXX-JP-XXと、実験記録XXXX-JP-XXにおけるSCP-XXXX-JP-aであるD-XXXXとD-XXXXは、実験の24時間後、両者とも心肺停止した事が確認されました。

実験記録XXXX-JP-XX-日付YYYY/MM/DD

対象: D-XXXX(47歳)

実験内容: D-XXXXに実在の人物を描写させる。

実験結果: D-XXXXに著名人等の人物を描写する様に命じたが、D-XXXXがSCP-XXXX-JPを使用してもインクが全く出なかった。また、D-XXXXの認知していない著名人の写真を見せ描写をする様に命じた場合も同様の反応を見せた。

実験記録XXXX-JP-XX-日付YYYY/MM/DD

対象: D-XXXX(27歳)

実験内容: D-XXXXに実在するSCP-XXXX-JPとの接触経験のある人物を描写させる。

実験結果: D-XXXXは3枚の画用紙にD-XXXXと思われる男性の絵を描写した。しかし、描写された人物はD-XXXXの外見的特徴を有していたが、いずれも現在のD-XXXXよりも幾分か歳をとっているように見えた。また、D-XXXXにD-XXXXの現在の写真を見せ描写を命じたが、その後D-XXXXがSCP-XXXX-JPを使用してもインクが全く出なかった。

付記: 実験記録XXXX-JP-XXと実験記録XXXX-JP-XXでの実験の結果からSCP-XXXX-JP-aは、SCP-XXXX-JPへの接触経験の無い、実在する、または実在した人物であり、SCP-XXXX-JP-aの記憶に無い人物の描写をする事が不可能という事が判明しました。

一連のSCP-XXXX-JP-aの動作や描写された絵には多数の共通点がある事が確認されました。また、現在財団はこの実験記録を受け、SCP-XXXX-JPの使用とDクラス職員の心肺停止の関連性を調査中です。

追記: SCP-XXXX-JPは、YYYY年MM月DD日に行われた47回目の実験を最後に、如何なる場合においてもSCP-XXXX-JPからインクが出る事は無くなりました。また、SCP-XXXX-JPとの接触時に、「精神状態と画力の向上と対象の思想の変化」が起こらなくなった事から、SCP-XXXX-JPは無力化されたと考えられています。詳細は下記を参照して下さい。特筆すべき点として、SCP-XXXX-JPが無力化される直前の実験でにおいて、SCP-XXXX-JP-aは最後に年若い男性を描写しました。その男性は、調査の結果20██年に死亡した人物との外見的特徴が一致している事が判明しました。それまでにSCP-XXXX-JP-aは、SCP-XXXX-JP-aの記憶に無い人物を描写する事が不可能だとされており、SCP-XXXX-JP-aが、実験した、SCP-XXXX-JP-aの記憶に無い人物を描写したものはこれが初めてでした。

以下はXXXX-JP-xxが起こる直前の実験の記録とXXXX-JP-xxの詳細です。

実験記録XXXX-JP-XX-日付YYYY/MM/DD

対象: D-XXXX(45歳)

実験内容: SCP-XXXX-JPを継続的に使用させる。

実験結果: D-XXXXが、画用紙8枚に絵を描写した所で異常性が消失した。内7枚は架空の人物を描写し、D-XXXXは最後に年若い男性の絵を描写した。

付記: 調査の結果、最後に描写された男性は、20██年に死亡したとされる天城翔祐氏と外見的特徴が一致する事が確認されしました。また、この実験以降、現在まで異常性が発現しておらず、SCP-XXXX-JPは無力化されたと考えられています。

事案:XXXX-JP-xx

SCP-XXXX-JPが無力化されたと考えられる実験記録XXXX-JP-XXの実験の、推定24時間後に起こった事案です。

YYYY年MM月DD日、サイト-XX内に実験記録XXXX-JP-XXにてD-XXXXが最後に描写した人物との外見的特徴が一致する男性が、SCP-XXXX-JPを保持した状態で出現しました。指紋鑑定の結果、20██年に死亡したとされる天城翔祐氏の指紋と一致した事が確認されました。下記は天城翔祐氏へのインタビュー記録です。

対象: [天城翔祐]

インタビュアー: [嶋田博士]

付記: 本記事は、天城翔祐に対してYYYY年MM月DD日に実施されたインタビューの記録です。

<録音開始>


嶋田博士: 記録開始して下さい。これから、あなたに対してのインタビューを行います。よろしくお願いします。

天城翔祐: こちらこそよろしくお願いします。僕のできる限り協力します!

嶋田博士: それではまず、あなたのお名前と年齢をお伺いします。 

天城翔祐: はい!えと、名前は天城翔祐で、歳は確か、22だったと思います。

嶋田博士: 天城さん。SCP-XXXX-JP…あなたが持っていたアルコールペンはどの様なものなのですか?

天城翔祐: あのペンは確か、僕が一人暮らしする前に誰かから貰った物だったと思います。

嶋田博士: 誰から貰ったのか、覚えていないのですか?

天城翔祐: ええ、覚えてないってより、何だか記憶がおぼろげなんですよね、いろいろと。

嶋田博士: 分かりました。では覚えている範囲で答えて頂いて構いません。

天城翔祐: ありがとうございます。助かります!

嶋田博士: では、天城さん。ここに来る前は何処にいたのか分かりますか?

天城翔祐: はい、えっと、確か…何県に住んでたのかはちょっと分かんないんですけど、アパートに住んでました。僕、大学に通ってて、描いた絵とか売ったりして暮らしてました。

嶋田博士: なるほど。では自身がどうしてここに出現したのか分かりますか?

天城翔祐: うーん、それは全然分かんないんですけど、確か…凄い大きな揺れがして、外を見たら…真っ黒で、すごくおっきい怪物みたいなやつが猛スピードで迫ってきて。そんで気付いたらここにいた、ってことは覚えてますね。

嶋田博士: 怪物…ですか。

[嶋田博士がメモ用紙にインタビューの内容を記録する。]

天城翔祐: あっ。

嶋田博士: ん?どうされました?

天城翔祐: あの、急で申し訳ないんですけど、そのペンと紙1枚、貸してもらってもいいですか?

嶋田博士: なぜですか?

天城翔祐: その…絵、描きたくて。お願い出来ますか?

嶋田博士: [10秒の沈黙]まぁ、良いですよ。

天城翔祐: ありがとうございます!!

[天城翔祐がペンを使用しメモ用紙の表と裏に絵を描写した]

天城翔祐:

嶋田博士: 天城さん?天城さん!待ってください!

[天城翔祐は嶋田博士の呼びかけを無視し、メモ用紙をはみ出し机に絵を描写する。]

嶋田博士: 天城さん!

天城翔祐: へっ?あっ、やっちゃった…

[約15秒間の沈黙]

天城翔祐: はは…いや、すみません。僕、よくやっちゃうんですよ、こういう事。前住んでたアパートでも壁とか床に描いちゃって大家さんに追い出された事あるんです。いやホント、ごめんなさい…

嶋田博士: …あぁ、まあ、大丈夫です。その絵はこちらで対処しておくので。えー、ではインタビューを再開します。先程の事以外にも、何かあれば教えて頂けますか?

天城翔祐: うー-ん、特に思いつくことは無いな…あ、でもなんか僕、夢を見てた気がする。

嶋田博士: 夢、ですか。詳しく聞かせてもらえますか?

天城翔祐: 分かりました。でも、詳しくって言ってもそんなによく覚えてるわけじゃないんですが。…絵を描いていたんです。一つの部屋の中で、沢山の絵を。でもそれだけです。

嶋田博士: …そうですか。ありがとうございます。これでインタビューは終わりになります。

天城翔祐: あっ、あの、いいですか

嶋田博士: どうされました?

天城翔祐: 僕のペンって、どうなるんですか?

嶋田博士: 財団のアイテム収容ロッカーに収容されます。

天城翔祐: それって、僕が持っておくことって出来ませんか?

嶋田博士: 何故ですか?

天城翔祐: あれは…あのペンは、とても大切な物で…言ってしまえば、僕の命のようなものなんです。

嶋田博士: …では、こちらで検討しておきます。ひとまず、これでインタビューは終了します。


<録音終了>

終了報告書: SCP-XXXX-JPは現在無力化されたと考えられている為、外出時以外に限り天城翔祐氏のSCP-XXXX-JPの保持が承認されました。

付記: 天城翔祐氏は、SCP-XXXX-JPとの関連性や、戸籍上故人である為、財団で保護されました。その後、天城翔祐氏はその創造的な思想と秀でた学習能力が評価され、評議の結果財団職員としての雇用が決定しました。

補足:SCP-XXXX-JPは当初、SCP-XXXX-JP-aの画力を飛躍的に上昇させるオブジェクトとしてAnomalousアイテムに分類される予定でした。しかし、一部SCP-XXXX-JP-aがSCP-XXXX-JPを使用した後に心肺停止した事が確認されたため、現在一時的にEuclidに分類されています。 SCP-XXXX-JPは無力化されたと考えられている為、Neutralizedに再分類されました。


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