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オフィスへ行くと、右隣の机に山積みになっていたはず書類が消えていた。
田中のやつ、珍しく徹夜でもしたのだろうか。
「なあ、田中の万年書類が消えてるんだが。なんかあったのか?」
左隣の鈴木に聞いてみる。
「ああ、あいつ死んだんだよ。サイト管理者様が殉職って言ってたぞ」
「ああ、それでか。まあ、あいつ確かやばめのオブジェクト扱ってたしな」
「馬鹿だなあ、折角財団職員になれたってのになんであんなオブジェクト選んだんだろうな」
「まあ、あいつそんなこともわからない馬鹿だったしな」
そんな会話をしていると、時間は8時半になっていた。担当オブジェクトを世話をしなくちゃならない時間だ。
「じゃあ、時間だからあれに餌をやってくる」
「ああ、俺も行かなくちゃな。……気をつけろよ。」
「気をつけるって、あいつらはただの文字だぜ?」
「いや、そうだけどよ……。実はさ、友達に聞いた話なんだけどよ、最近殉職が相次いでいるらしい。しかも安全なオブジェクト担当の奴もらしい」
「まあ一応気をつけておくよ。じゃあな」
そう言って、俺はオフィスを出て収容室へ行く。
あいつは心配性なんだよな。第一そんなことが起きてたら、そこのサイト管理者が対策をし始めるはずだ。
収容室に入り、プリンターにあいつらの生きてる紙をいれる。
……そろそろ燃やす頃かな。こいつら、可愛いんだがなあ。
そんなことを考えているといつの間に入ってきたのか、サイト管理者様が話しかけてきた。
「木村、ついてこい」
「えっと、今業務中なのですが……」
「そんなもの放っておいても大丈夫だろ。それより、良いところに連れて行ってやる」
「行きます」
そういうと、サイト管理者様はスタスタと歩き始めた。
俺もそれについていく。
「『人類の文明が栄え始めてから少なくとも4000年以上もの時を経た。しかしその発展が顕著となったのは僅かこの200年に過ぎない。』……覚えているか?」
サイト管理者様が、俺に言い聞かせるように言う。
「統治者の言葉ですか。昔、覚えさせられました」
サイト管理者様は頷いて、
「そうだ。……『我々は4000年に渡って何をしていたのか?多くの者どもが、時に目先の僅かな黄金を追い、時に些細な名目の違いに食ってかかり、相争い奪い合い、無意味な浪費を続けていたのだ。獣と同等の欲しか持たず偉大な遺産の価値を知らぬ連中が、書物を火に投げ入れ、建築物を打ち砕いた。そして連中は『神』あるいは『悪魔』というレッテルを使い、世界を理解したつもりでいた。』」
サイト管理者様は一息つき、また引用を始める。
「『時は流れ、叡智は次第に蓄積され、その産物は未知なるものへと光を照らした。更なる未知の発見は絶えることなく、多くの技術が結実し、世界はより道理に理解を示し始めた。しかしそれでも、人類から不合理と不条理は決して消え去りはしなかった。まるで無知の野獣が人間の顔をして潜り込んでいるように。』ほら、ここだ」
サイト管理者様は、中庭の隅の方でそういった。
「ここ、ですか? なにかあるようには見えませんが」
そう言うと、サイト管理者様は笑ってこう言った。
「そりゃ、見えるようにしちゃだめだろうがよ」
そして、サイト管理者様は地面を叩き始めた。
コン、コン、コン、コン。
地面を叩いてもこんな音がするはずがない。
こんな、まるで金属を叩いたような音は。
コン、コン、コン、カチッ。
なにかが動く音がし始める。
「これは……一体?」
そう言うと、サイト管理者様は
「秘密の入り口だよ。君はここに入る資格を得た」
と言った。そこには、隠し扉があった。
サイト管理者様と共に、梯子を降りる。
降りた先は、どこか金臭い匂いのする部屋だった。
部屋の正面には金属製の扉がある。
「ほら、入りな」
サイト管理者様はそう言う。
俺は扉を開けた。
……そこは、赤い部屋だった。
赤く、紅く、赤黒い。鉄臭く、腐臭のする部屋だった。
呆然としていると、突然背後から蹴りつけられ、部屋の中に入れられる。
扉が閉まる音がする。
目の前に、赤い球体があった。
よく見るとそれは人の頭部で、田中の顔をしていた。
そんな馬鹿な、田中は殉職したのではないのか?
「……ここは、なんのための部屋なのですか?」
サイト管理者様にそう質問する。
「君を殺すための部屋さ」
そんな言葉の後、身体に激痛が走る。
痛い、痛い、痛い、いたい。
いたい、痛い、痛イ、イタイ。
イタイ、イタイ、イタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイイタイ
「『人類は叡智の歩みを止めてはならない。その足を掴む者がいてはならない、我々は進歩のために選別しなければならないのだ。人類が叡智を以って未知に立ち向かい続けるよう、我々はその尖兵として戦い、同時に督戦隊としてその背後を守らなければならない。』この言葉は覚えているな?」
私はそんな言葉を投げつける。
相手が聞いているとは思わないが。
「財団は優れた技術を持っている。異常を利用し、優れた機械を作ったから。財団は優れた解析力を持っている。異常を利用し、優れた機械を作ったから。ではなぜ、人間は必要なのか。それは優れた発想力を持つからだ。では、優れた発想力を持たない奴は、存在する意義があるのだろうか?」
答えは帰ってこない。当たり前だ。
死人に口無し、屍は喋れない。
「『確保、収容、保護。』この目標を達成するには、叡智の歩みを拒むものは、役立たずは、必要ない」
これを書いていて思いついたことを書きました。
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- portal:8518479 (16 Mar 2023 05:38)
現状DVです。語り手が処刑される根拠として劇中で優れた発想力の有無が挙げられていますが、語り手の発想力を窺わせるような描写が無く、ただ無意味に殺害された印象を受けます。語り手が終了されるにたる無能な者であることを示さなければ、読者からの納得は得られないことでしょう。現状ではサイト管理者が不条理なシリアルキラーになっているだけに印象が留まっています。
加えて、無能な者を終了するというその前提やプロセスにも疑問があります。本作の原案となっている報告書ではそのあたりがぼかされていたので追及しませんでしたが、終了するならばわざわざ惨たらしい拷問殺人道具を使わずとも毒や銃でサクッと終了してしまえばよく、財団を題材とした作品でよく描かれる合理性がありません。単によくある快楽殺人鬼としてのサイト管理者の趣味を反映しただけに見えます。またDクラス職員という実験材料も無制限に利用可能な無限の資源ではなく、刑務所や他の場所・オブジェクトから取り寄せる必要があるわけです。わるいざいだんを書くにしても、本作のように殺害するのではなく、Dクラスへ降格させる方が無駄がないのではないでしょうか。残酷さを提示する上で納得感が欠けています。
加えて、本作を小説形式のTaleとして投稿するならば、文体や表現にも課題があるように感じます。現状の記載は語り手の胸の内が描写される形で進んでいますが、心情描写や情景描写に膨らみがなく、単に事実が羅列されている印象を受けます。紙媒体でも電子媒体でも構いませんが、他の小説作品がどのような表現を利用して読者を巧みに作中世界へ誘っているのか、分析する必要があるように感じます。
また「サイト管理者様」のような文言が頻繁に登場していてくどく感じました。語り手が抱いている、目上の立場に感じながらも疎んでいるようなサイト管理者への印象の表現を試みたものではあるのでしょうが、こうした表現は1回か2回で十分であり、それ以上繰り返すと読者を飽きさせます。また、
こうした言葉の羅列はよくある陳腐な表現です。世の中に流通する小説作品の中には技法や語彙を巧みに利用して読者に具体的苦痛を感じさせる作品がありますが、そうした洗練された表現の作品が数多ある中で、本作はそうした工夫が無いように見えました。あまり拷問殺人の方向は上述の理由でお勧めしませんが、具体的にどういう痛みが発生しているのかは記載しなければ伝わりません。爪を剥がされているのか、皮を剥がされているのか、刃物を刺されているのか、鈍器で潰されているのか、溶鉱や酸を流し込まれているのか、そうした具体的苦痛描写が無ければ説得力も出ないように感じます。
なお、空行を挟まずに改行が連続しているためやや読みづらさもあるように思います。読者が読む際のリズムや、あるいは作中での経過時間を踏まえて、空行を適宜用意するのがよろしいかと思います。