SCP-XXXX-JP 命の表現

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財団日本支部理事会及びO5評議会命令

下記のファイルはレベル5/XXXXの機密事項に指定されています。不正なアクセスは禁じられています。

XXXX-JP

職員コード
パスワード
    • _

    アイテム番号: SCP-XXXX-JP

    オブジェクトクラス:Safe

    特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-8146サイト-8100の低危険度物品収容ロッカーに布で包んだ状態で収容されます。SCP-XXXX-JPの使用はセキュリティクリアランスレベル5所持者1名の許可が必要です。

    説明: SCP-XXXX-JPは縦180cm横90cmの大きさをした平面鏡です。SCP-XXXX-JPに映った人物の鏡像は半透明になり、内部に蝋燭(SCP-XXXX-JP-A)が存在するように見えます。

    SCP-XXXX-JP-Aは人間の鏡像内部に見える蝋燭です。SCP-XXXX-JPの長さは人によって異なりますが、1cm以上の長さがある場合SCP-XXXX-JP-Aには炎が灯っています。

    補遺01 - 実験記録: 以下はSCP-XXXX-JPに関する実験記録です。

    実験記録XXXX-JPアーカイブ


      • _

      実験記録XXXX-JP-1


      日付: 2023/04/12

      対象: D-4055(64歳男性)

      実験方法: D-4055をSCP-XXXX-JPの前に立たせ、映るものを確認する。

      結果: 前に立たせたところ半透明なD-4055が映った。またD-4055の鏡像内部には、炎の灯った推定約3cmのSCP-XXXX-JP-Aが視認できた。

      • _

      実験記録XXXX-JP-2


      日付: 2023/04/13

      対象: D-4055(64歳男性)

      実験方法: D-4055をSCP-XXXX-JPの前に立たせ、殺害する。

      結果: 前に立たせたところ半透明なD-4055が映り、その鏡像内部には炎の灯っていない推定約1cmのSCP-XXXX-JP-Aが視認できた。またD-4055を殺害したところ、SCP-XXXX-JP-Aは消失した。

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      実験記録XXXX-JP-3


      日付: 2023/04/14

      対象: D-6498(23歳女性)

      実験方法: D-6498をSCP-XXXX-JPの前に立たせ、映るものを確認する

      結果: 前に立たせたところ半透明なD-6498が映った。またD-6498の鏡像内部には、炎の灯った推定約8cmのSCP-XXXX-JP-Aが視認できた。

      • _

      実験記録XXXX-JP-4


      日付: 2023/04/15

      対象: D-6498(23歳男性)

      実験方法: D-6498をSCP-XXXX-JPの前に立たせ、殺害する。

      結果: 前に立たせたところ半透明なD-6498が映り、その鏡像内部には炎の灯っていない推定約1cmのSCP-XXXX-JP-Aが視認できた。またD-6498を殺害したところ、SCP-XXXX-JP-Aは消失した。

      終了報告 - 推測: SCP-XXXX-JPは映った人物の寿命を『蝋燭の長さ』という形で表す鏡なのではないだろうか。  石竹博士

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      実験記録XXXX-JP-5


      日付: 2023/04/16

      対象: D-9519(32歳男性)

      実験方法: D-9519をSCP-XXXX-JPの前に立たせ、映るものを確認する。

      結果: 前に立たせたところ半透明なD-9519が映り、その鏡像内部には炎の灯った推定約5cmのSCP-XXXX-JP-Aが視認できた。そこで予定を変更しD-9519を殺害しようとしたところ、急にSCP-XXXX-JP-Aが1cmほどまで縮小し炎が消えた。また、殺害を中断したところSCP-XXXX-JP-Aは元の長さに戻り炎が再度灯った。

      終了報告 - 意見: 人の寿命というのは、こんなにも変化するものなのでしょうか?   紅鳶研究員

      • _

      実験記録XXXX-JP-6


      日付: 2023/04/17

      対象: 石竹博士(54歳男性、セキュリティクリアランスレベル4)・紅鳶研究員(24歳女性、セキュリティクリアランスレベル3)

      実験方法: SCP-XXXX-JPの前に立ち、SCP-XXXX-JP-Aの長さを確認する。

      結果: 前に立たせたところ半透明な姿が映り、石竹博士の鏡像内部には炎の灯った推定約30cmのSCP-XXXX-JP-Aが、紅鷲研究員の鏡像内部には炎の灯った推定約20cmのSCP-XXXX-JP-Aが視認できた。

      終了報告 - 推測: 補遺02 - 推測意見を参照

    補遺02 - 推測意見: 6回目の実験の翌日、石竹博士及び紅鷲研究員から以下の推測意見が提出されました。財団の観測している事例から、これらの見解はある程度の妥当性が考えられたため以下に記載します。

    石竹博士の推測意見


    SCP-XXXX-JPの異常性は、映った人物の「命の価値」を蝋燭の長さで表現するというものではないでしょうか。その根拠は6回目の実験にあります。

    6回目の実験で、私のSCP-XXXX-JP-Aは30cm、紅鷲研究員のSCP-XXXX-JPは20cmとSCP-XXXX-JP-Aの長さに差がありました。これはセキュリティクリアランスのレベルの差から発生したものではないのでしょうか。この推測を真実とした場合実験に使用したDクラスの中でのSCP-XXXX-JP-Aの長さの差は、「性別」や「年齢」で変化したと考えられます。このため、D-6498は若いかつ貴重な女性という点で価値が高かったことから他のDクラスよりSCP-XXXX-JP-Aが長かったのでしょう。

    あくまでこれは私の推測したSCP-XXXX-JPの異常性です。ですが、一考の余地はあるのではないでしょうか。

    紅鷲研究員の推測意見


    SCP-XXXX-JPの異常性は、映った人物の「命の予定」を蝋燭に火が灯っているか否かで表現するというものではないでしょうか。その根拠は5回目の実験にあります。

    5回目の実験で、当初の予定ではD-9519は殺されない予定であり、SCP-XXXX-JP-Aは5cmの長さがありました。しかし殺害を試みようとした、つまり殺害の予定を立てた瞬間SCP-XXXX-JP-Aの長さは1cmまで縮んだのです。また、殺害の予定を立てていない1,3,6回目の実験では火が灯っており、2,4回目の実験では火が灯っていなかったことの理由もつくと思われます。

    あくまでこれは私の推測したSCP-XXXX-JPの異常性です。ですが、検討の余地はあるのではないでしょうか。

    補遺03 - インシデントXXXX-JP: 2023年4月20日、サイト-8146所属の職員がSCP-XXXX-JPを無断で持ち去り使用していたことが明らかになりました。このインシデントを受け、SCP-XXXX-JPはサイト-8100へ輸送されるとともにSCP-XXXX-JP文書にセキュリティクリアランスレベル5未満所持者に対する閲覧制限がかけられました。以下はインシデントXXXX-JPを起こした職員に対するインタビュー記録です。

    インタビュー記録XXXX-JP


    日付: 2023/04/20

    対象: エージェント██

    インタビュアー: 石竹博士


    <録音開始>

    インタビュアー: あなたはなぜSCP-XXXX-JPを無断で使用したのですか?

    対象: [沈黙]

    インタビュアー: エージェント██?

    対象: [小さい声で]怖かったんだ。

    インタビュアー: 怖かった……ですか?

    対象: ああ。[少しの間]おまえさん、このサイトの裏庭に地下へ続く隠し扉があるのを知ってるか?

    インタビュアー: いえ、知りません。そんなものがあるのですか?

    対象: ああ。俺も最初に見つけたときは驚いたよ。それでさ、中には何があるのか気になって、隠し扉を開けて梯子を降りてみたんだ。多分20mくらいは降りたと思う。

    対象: そこは妙に鉄臭い香りがしてて、壁の一方に金属製の扉があったんだ。気になってさ、扉に近づいて開けようとしたんだ。でも、扉の前に来たときに話し声が聞こえた。

    対象: 同僚の声だった。「ここはなんのための部屋なのですか」って言っていたと思う。でさ、その後に聞こえたんだよ、「君を殺すための部屋さ」っていう聞いたこともない声が。その声が聞こえてからすぐ、同僚の悲鳴が聞こえてきたんだ。俺は怖くなって逃げちまった。

    対象: その次の日に、同僚は殉職したって聞かされた。その時思ったんだ、俺らはDクラスを「解雇」するみたいに、「殉職」させられているんじゃないかって。

    インタビュアー: そんな事実はありません。

    対象: そんな保証はどこにあるんだ? お前は思わないのか? 例えばO5評議会や財団日本支部理事会みたいなセキュリティクリアランスレベル5所持者たちが、誰は殺さないで誰は殺すみたいなことを話し合っているんじゃないかって。

    インタビュアー: [沈黙]

    対象: そんなときに、SCP-XXXX-JPの文書を見たんだ。お前さんの部下だったか? 「SCP-XXXX-JPは命の予定を表現する」って意見を出したのは。それを見て思ったんだよ、こいつを使えば、少なくとも今は「殉職」させられなくて済むということがわかるんじゃないかって。そのときだけは「殉職」の恐怖に怯えず、安心できるんじゃないかって。

    インタビュアー: それで、SCP-XXXX-JPを見てどうでしたか?

    対象: [沈黙]

    インタビュアー: エージェント██?

    対象: [沈黙]

    インタビュアー: エージェント██? ……なぜ、あなたは笑っているんですか?

    対象: [沈黙]

    <録音終了>

    追記: SCP-XXXX-JPの管理責任者は、石竹博士の殉職により███博士へと変更されました。



    • _

    石竹博士はなぜ殉職したのか

    技術力や解析力は機会に任せてしまえばよいのです。人間にはもう発想力しか長所がないのです。
    そんな世界で石竹博士は、優れた発想力を持ち合わせていない + 真実を知ってしまったから です。
    実験記録XXXX-JP-4まで見たとき、あなたは石竹博士と同じようなことを考えませんでしたか?
    また実験記録をすべて読み終わったときも、あなたは石竹博士と同じようなことを思いつきませんでしたか?
    つまりそれは、石竹博士の発想力は一派人レベルだということを示しています。
    その時点で財団は石竹博士を雇うことの利点はないのですが、そこでさらに真実に気がついてしまったらもう……ね。


jp scp safe わるいざいだん



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執筆者: koku4
文字数: 9032
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最終更新: 28 May 2023 12:29
最終コメント: 10 May 2023 01:17 by koku4

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