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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██の低危険度物品収容室に収容されます。SCP-XXXX-JPの収容室には常に1人のDクラス職員を滞在させ、眠らせておいてください。滞在させるDクラス職員を交代させる際は、室外で睡眠薬を使用させ眠らせた後に室内のDクラス職員と交換してください。
説明: SCP-XXXX-JPは20×14×210cmの大きさをした枕木です。SCP-XXXX-JPには血液と思われる液体が付着しており、検査の結果49種類のDNAが確認されました。
SCP-XXXX-JPは30~60日に1回、自身に一番近い場所で眠った人物(以下「対象」)に特殊な夢(以下「悪夢」)を見せます。
悪夢を見た対象は、夢の中で以下の順序で起こるイベントを擬似体験をします。
1. 対象は自身の前にあるレールに気付く。レールは自身の左側で2股に分岐しており、分岐したレール(以下「分岐a」及び「分岐b」)の先を見た対象は分岐aの先に1人の人影(SCP-XXXX-JP-A指定)を、分岐bの先に後述する法則にあてはまる人数分の人影(SCP-XXXX-JP-B指定)を見る。
2. 対象は目の前に分岐器があることに気付く。この際、対象が分岐器について一切の知識を有していない場合も対象は目の前にあるものが分岐器であると気付く。
3. 対象は自身の右側から大きな音が聞こえてくることに気付く。対象が自身の右側を見ると、速い速度でトロッコがこちらへ向かってきている事がわかる。
4. 対象が分岐a及び分岐bの先を見る。SCP-XXXX-JP-A,Bはレールの上に立ち尽くしている。また、SCP-XXXX-JP-Aが自身の顔を、SCP-XXXX-JP-Bが後述する条件にあった人物の顔をしていることに気付く
5. 対象は分岐器を操作し、分岐aもしくは分岐bへとトロッコを誘導する。
6. 下記の6-1もしくは6-2イベントを疑似体験する。
6-1. トロッコが分岐aに誘導された場合、トロッコはSCP-XXXX-JP-Aを轢き殺し消失する。SCP-XXXX-JP-Aはトロッコに轢かれた後、横たわり血液と思われる液体を流す。またその際対象は「轢かれたような痛み」を感じる。この痛みは6-1イベントを経由した回数に比例する。
6-2. トロッコが分岐bに誘導された場合、トロッコはSCP-XXXX-JP-Bを轢き殺し消失する。SCP-XXXX-JP-Bはトロッコに轢かれた後、悲鳴を上げながら横たわる。
7. 対象が夢から覚める
6-1イベントを経由して悪夢から覚めた対象は、一時的に精神状態が悪化します。これはカウンセリングまたは記憶処理剤の使用によって回復します。また6-1イベントが経由された場合、対象が6-1イベントを体験したと考えられる時間にSCP-XXXX-JPには対象の血液が少量付着します。
6-2イベントを経由して悪夢から覚めた対象は「罪悪感を感じる」とともに、その悪夢でのSCP-XXXX-JP-Bの出現数分の「人間味」を喪失していきます。
これまでの研究から、『SCP-XXXX-JP-Bの出現数=対象が今までに6-2イベントを経由した回数+1名』という法則が判明しています。またSCP-XXXX-JP-Bの顔は『対象が好意を抱いている人物の顔』であることがわかっています1。
補遺01 - 発見経緯: SCP-XXXX-JPは鉄道会社からの「枕木が赤く染まっている」という通報から発見・収容に至りました。またSCP-XXXX-JPの発見場所の周辺地域には「愛を試す悪夢」という都市伝説が存在しており、発見の1ヶ月ほど前にエージェント月白による調査が行われていました。
補遺02 - インタビュー記録: 以下の記録はSCP-XXXX-JP発見以前に行われた、都市伝説の存在した地域の住民に対するインタビューの記録です。
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インタビュー記録XXXX-JP-1
日付: 2023/04/03
対象: 30代男性
インタビュアー: 月白研究員
<抜粋開始>
月白研究員: では、「愛を試す悪夢」という都市伝説が、いつ頃から発生したのか教えてもらってもよろしいでしょうか?
男性: そうですね、私が中学生の頃ですので大体15,6年前ぐらいの頃でしょうか。
月白研究員: なるほど。誰が言い始めたかなどはわかりますか?
男性: うーん、確か同級生の██だったと思います。確か「恋人と自分のトロッコ問題の夢を見て、自分を犠牲にした!」って自慢していました。
月白研究員: そうですか。もしよければ、██さんの住所を教えてもらってもよろしいでしょうか?
男性: それは良いですけど[少しの間]あー、あいつに会おうとしても無理ですよ。あいつ、自殺したんですよね。1週間前に。
月白研究員: それは。
男性: 中学生の頃は口数が多くて、明るいやつだったんですけどね。だんだん口数が減って暗くなっていって、人間味も消えていく感じで。それに、自殺する3日前に「お前とは絶交だ」とかメールで送ってきましたしね。まああいつの親はまだ住んでいたはずなので、行けば会えると思いますよ。
月白研究員: わかりました。情報提供ありがとうございました。
<抜粋終了>
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インタビュー記録XXXX-JP-2
日付: 2023/04/03
対象: 60代女性
インタビュアー: 月白研究員
付記: 都市伝説の発生源だと考えられる██氏の母親である。
<抜粋開始>
月白研究員: ██さんの自殺理由などはわかりますか?
女性: [沈黙の後]わかりません。話してくれれば相談に乗ったのに……。
月白研究員: 自殺する頃に██さんの様子の変化はありましたか?
女性: [少しの間]あの子が自殺する3日前にいきなり「絶交する」って言われて。それからずっと部屋から出てこなかったんです。
月白研究員: 他にはなにかありましたか?
女性: [少しの間の後]息子のこう、なんというか。温かみが消えた、という感じでしょうか。
月白研究員: 温かみが消えた? どういうことですか?
女性: 人間らしくなくなっていった、というべきでしょうか? 口数が減って、態度が冷たくなって。それに物事の考え方や歩き方なんかが、まるで機械になったみたいで。
<抜粋終了>
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インタビュー記録XXXX-JP-3
日付: 2023/04/04
対象: 60代男性
インタビュアー: 月白研究員
<抜粋開始>
月白研究員: あなたは、「愛を試す夢」、いや、「愛する人を殺す夢」をよく見ますか?
男性: はい。
月白研究員: その愛する人はどのくらいの人数が出てきましたか?
男性: 約80人。
月白研究員: その愛する人とは誰ですか?
男性: 妻、母親、父親、祖父、祖母、娘、息子、孫。
月白研究員: それ以外の72名の顔は?
男性: [沈黙]
月白研究員: わかりました。夢を見るのはいつ頃からですか?
男性: 約10年前。
月白研究員: あなたはいつからこの家に住んでいますか?
男性: 約10年前。
月白研究員: そうですか。その夢はどのくらいのペースで見ますか?
男性: 1,2ヶ月に1回。
月白研究員: 今でもその夢は見ますか?
男性: いいえ。
月白研究員: いつから見なくなりましたか?
男性: 半年前。
<抜粋終了>
補遺03 - 押収資料: SCP-XXXX-JPの発見後██氏の部屋を調査した結果、██氏のパソコンから下記の資料が発見されました。
自分を殺す悪夢
・30~60日に1回
・これで2 3 4 5 6回目
・中学の頃にも見た
⇒2回目と同じで自分を犠牲にした。でも1回目の時の痛みは2回目より小さかった。
・眼の前にレールと分岐点、トロッコの先には自分と彼女
⇒トロッコ問題?
・自分を選ぶと痛い
⇒夢が現実に反映されてる?これ以上の痛みはもう感じたくない。
・彼女を選ぶと痛くない。後味は悪い。
⇒彼女は痛みを感じていない
⇒現実に反映されていない?
⇒母親も増えた。増えていく?
⇒自分がおかしくなっていく 痛みの代わりに自分の個性(?)が消えている?でも後味は悪い
・近所の機械みたいな男性もこの夢を見ている?
⇒見ていた
⇒自分もああなる?嫌だ
・夢を見る原因
⇒この家に戻ってきたのが原因?
⇒中学の頃に1度しか見なかった理由が不明。
・元に戻る方法
⇒不明。
・自分を消さない方法
⇒自分を犠牲にする。痛いから嫌だ。
・彼女に振られた
⇒夢の中の顔が彼女と母親だったのが、母親と父親と祖母になった。罪悪感は相変わらずひどい
⇒縁が切れれば出てこなくなる?
・知人全員と縁を切る
⇒自分が4人出てきた
⇒自分を愛しているから?
・自分と縁を切る方法
⇒自分を殺す
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・悪い点
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:8518479 (16 Mar 2023 05:38)
根幹のところの「トロッコ問題だと思ったら、トロッコ問題じゃなかった」というところが、そもそもトロッコ問題ではないものをお出しされているので成立していないと思います。
トロッコ問題は、(雑に言えば)、「本来の線路には5人、誘導先の線路に1人の人間がいる場合、分岐器を操作する/しないどちらが倫理的か」という問いかけです。分岐器を操作しなければ、多くの犠牲者が発生するし、分岐器を操作して犠牲者を減らしたとしても、そもそも意図的に命の選択をすることも倫理的ではない。という問いかけです。
この問題は、そもそも本来の線路と誘導先の線路が区別されておらず、また選択を行ったとしてもどちらでも結果が同じ(潜在的な結果の違いは同じですが、夢を見た当人はそれを知ることはできません)なので、トロッコ問題として成立していないと思いました。トロッコ問題として成立させたいのであれば、まず選択させることが重要です。
現状では、どちらにしても自分の何かしらが失われ、かつそれを選択することができないので、単に逃れようのない悪夢になってしまっていると思います。
例えば、線路の先にいる人物を「自分」と「他人」にすることで選択が生まれます。「自分を選択すれば苦痛を、他人を選択すれば助かる(ただし今までのように人間性が失われる)」のようにすれば、トロッコ問題らしくなりますね。
夢を見て、自分を選択する度に苦痛が増えるが、他人を選択する度に登場する他人の数と、失われる人間性の数が増えていくとすると、トロッコ問題らしい倫理観の選択と、SCPらしい理不尽さが生まれると思います。
良いアイデアありがとうございます。
自分でもおかしいと思っていたんですが、元となったのが友人の出してきたアイデアが何をしても自分が犠牲になるトロッコ問題(?)だったので、私の脳が理不尽さから逃れられなかったのが原因ですね。
アイデアを元に、改良しました。
現状ですが、改稿によって既に意見が挙がっていたような「トロッコ問題」としての成立や、オブジェクト自体の理不尽さや厭らしさも強まっているように感じます。一方でですが、補遺2以降のインタビューや資料内容に、説明項目で先に把握していた内容から想定・想像できる範囲を超えた情報・描写がなかったため、どことなく物足りなさを覚えたようにも思えます。
どちらかといえば、単に自殺するや人間らしくなくなって人付き合いが悪くなる等でなく、補遺以降では説明項目から読み手の想像を超えるか、全く想定外の悲惨なイベントを見せるような形を取る方が良いかもしれません。例えばですが、「大切な人をかばって常に自分を夢の中で犠牲にしていたが、現実で些細なことで喧嘩をしてしまい、その際に『自分はこんなにお前のために犠牲になっているのに!』と我慢の限界を迎えてしまい、守っていたはずの相手を現実で殺害してしまう」のような皮肉な悲劇であったり、もしくは「大切な人を線路上に立たせないため、全ての関係性を断ち切って孤独になった。今では誰もいないB側の線路をトロッコが通り過ぎて行く」のような虚しさを見せたりなど。あくまでも参考までに。
また、あくまでも個人的にはですが、オブジェクト自体が「枕木」というのと、「トロッコ問題を強いられる」という状況の結びつきが無い点も気になったりでしょうか。もちろん、オブジェクト自体に明確な目的・意図・背景がある必要はないのですが、「オブジェクトの外観や詳細」を読み手が知った上で、「トロッコ問題を強いる理由」を漠然とでも想起・関連付ける余地があるのか、という部分はあっても良いように思ったりです。(この点は「枕木」という線路(+「枕」で夢)の要素が、「トロッコ問題」要素に微かに繋がれども、それ以上の想像の余地が無いためであるためにも思えたりですので、場合によっては全く無関係のものにしてしまうのもですが、このあたりは書き手の好みにもよりますでしょうか)
それ以外ですと、特別収容プロトコルの内容として「オブジェクトの一番近くの人間が眠った時に悪夢を見る」という性質を考慮すると、常にDクラス職員を滞在させるだけではなく、「8時間おきにDクラス職員を入れ替え、滞在中は睡眠を取らないように指示する」のような形にすれば、無駄にDクラス職員に悪夢を見せて消耗させずに済むようにも思えたりです。
下記返答を頂いた上でですが、「オブジェクトの一番近くに位置する"眠っている人物"が対象となる」のであれば、収容以前に同じ民間人が何度も連続して異常性の対象となることは、かなり少なくなるように思えたりですね。(30~60日という長期スパンに加えて、30日以降はどの時間帯・どのタイミングで異常性が発現するかも決まっていませんし)なので、部分的に対象条件を変えても(緩めても)良い気はしたりでしょうか。
批評ありがとうございます。参考になります。
書き方が悪かったので直しますが、一応「眠った一番近い人物」を想定していたのでDクラス職員を消耗しないと財団職員がひどい目に合うんですよね……。
もらった意見を元に色々と改良しました。
「以下の順序」の脱字ではないでしょうか。
「少し」は報告書の記載に適さない表現に感じます。
「分岐する」と「別れる」はほぼ同義ではないでしょうか。「二股に分岐しており」など、一言で済ませたい部分のように思います。
「とても」は報告書には不向きな表現に感じました。加えて、この場合の「はやい」は「速い」が適当かと思います。
[少しの間]などの表現を用いるのであれば、それは3点リーダと用途が重複しているので、どちらかに統一するのが良いかと思います。
同様。3点リーダでなく、読点1個で間をおいても良いかも知れません。
句点がありません。
句点がありません。
痛みが以前より小さくなるなら、だんだん繰り返していけば自分を轢くデメリットが小さくなる気がしますが、それは問題ないでしょうか?
あまり楽しめませんでした。現状の人間性の喪失と苦痛を天秤にかける設定は、既に完成されたトロッコ問題というテーマの前では現状蛇足になっているように感じます。インターネット上で何年も何度も議論を巻き起こしているトロッコ問題を題材に用いる以上、それに負けてしまわないだけのオリジナルの魅力が必要であると感じます。現状のインタビュー記録と押収資料は、哲学的問いかけであるトロッコ問題に耐えるだけの感情を動かす力を持たず、ただ記載されている事実を読み解くための案内文・ヒントとしての役割しか持たないように感じました。特に押収資料については答えを明かすために早口で単なる説明を受けているような印象があります。このコンセプトで作品を残すには、より情動を発生させるための描写や演出が求められるように思います。
また、人格喪失・罪悪感の対抗となる苦痛について、描写が甘いように感じます(前者2つについても最低限の描写しか行われておらずあまりのめり込むことはできませんでしたが)。夢や電車とのつながりで2chの都市伝説の『猿夢』がありますが、こちらは電車の乗客の苦痛が読者にしっかりと伝わる形で描写されています。2chのコピペとSCP報告書では形式が異なりますが、苦痛に関して「痛い」とだけ表現するよりは、猿夢のようにしっかりと苦痛を描写する必要があると思います。殺してしまってはいけないので、具体的な表現方法は猿夢をそのまま参考にはできないかもしれませんが。
なお本作は
koku4さんの作品なので批評を踏まえた上でご自身のやりたいことをやっていただくのが良いとは思いますが、私は
amamielさんが批評の第2パラグラフで提案なさっている展開や描写について面白そうな印象を抱いたことをここに記しておきます。この具体例に倣うというよりも、人物に主体性を持たせる方が書きやすいかもしれない、というアイディアです。本作で描かれている受動的・静的な理不尽さよりは、提案されている動的な方針の方が、寂寥感や無情さ・やるせなさといった読者の心を動かす情景を演出しやすいのではないかなとは感じました。
遅くなってすいません、批評ありがとうございます。
人のアイデアを使いすぎるのもどうなのかな……と思っていてのですが、自分のアイデアだけでは面白いものをつくれないと悟ったので直そうと思います。