SCP-XXXX-JP 夜星の園と、ある花言葉

現在このページの批評は中断しています。

評価: 0+x
blank.png

アイテム番号 - オブジェクトクラス: (作成日: 2022/04/01)

SCP-XXXX-JP - Pending1


特別収容プロトコル: (作成日: 2022/04/01 | 最終編集日: 2022/04/05)

SCP-XXXX-JP-1はサイト-81██の低危険度人型オブジェクト収容室に収容されます。SCP-XXXX-JP-1の精神状態を保つため、1日に1度以上交流を行ってください。またSCP-XXXX-JP-1に対し、年齢相当の教育を行ってください。SCP-XXXX-JP-1の要求は、研究責任者もしくは担当主任の反対がない限り許可されます。


説明: (作成日: 2022/04/01 | 最終編集日: 2022/04/03)

SCP-XXXX-JPは2022年4月1日にサイト-81██の低危険度人型オブジェクト収容室で発生した、SCP-XXXX-JP-1の出現現象です。SCP-XXXX-JPが発生した理由は未だ不明ですが、SCP-XXXX-JP-1発見後の調査によりSCP-XXXX-JPの発生時に現実性、奇跡量等に異常が発生していたことが判明しています。

SCP-XXXX-JP-1は「恋空 葵2」を自称する14歳の日本人女性です。SCP-XXXX-JP-1は身長は142cm、体重は42kgで、異常性を有していません。SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPの発生と同日に、黒宵研究員によりサイト-81██の本来空室であるべき低危険度人型オブジェクト収容室で発見されました。SCP-XXXX-JP-1がどのような手段で収容室に出現したのかは未だ不明です。以下は発見時の記録です。

映像ログXXXX-JP-1

日付: 2022/04/01

対象: 黒宵研究員 SCP-XXXX-JP-1

付記: 黒宵研究員はサイト-81██において、空室の低危険度人型オブジェクト収容室の巡回を担当している。


<抜粋開始>

黒宵研究員: この部屋も異常ないな。…ここらへんの収容室、研究員部屋より豪華だよな。もうちょっと労働待遇が良くなったりはしないもんなのか…。自分の部屋がこの部屋より優れているところなんて…花が生けられてるところくらいか?

[黒宵研究員が別の収容室の扉を閉め、SCP-XXXX-JP-1の発見された収容室へ歩き始める]

黒宵研究員: でも、自分の部屋に勿忘草なんて生けた記憶無いんだよな…。何かの異常性が関わってるということにして、もうちょっとマシな部屋に変えてもらえないかな? [溜息]…自分で言っていて悲しくなるな。やめておこう。

[黒宵研究員がSCP-XXXX-JP-1の発見された収容室の扉を開く]

黒宵研究員: よし、この部屋も異常な  

SCP-XXXX-JP-1: [遮るように]黒宵さん、おはようございます。

黒宵研究員: [沈黙の後、困惑した様子で]君は、誰?

SCP-XXXX-JP-1: え…? [沈黙]からかわないでくださいよ、黒宵さん。

黒宵研究員: からかわないで?何を言っているんだ。そもそもどうやってここに?

SCP-XXXX-JP-1: [こわばった表情で]や、やめてくださいよ黒宵さん。さすがに怒りますよ。

黒宵研究員: それはこっちのセリフだ。というかなぜ私の名前を知っているんだ?

SCP-XXXX-JP-1: [泣きそうな表情で]またなんですか? また、覚えてないんですか?どうして、なんで…。

黒宵研究員: [セキュリティ担当者へ電話を掛ける]あー、黒宵です。低危険度人型オブジェクト収容室の4号室で、異常存在と思しき人物を発見しました。至急対応お願いします。

<抜粋終了>


この後SCP-XXXX-JP-1に対する検査を行いましたが、異常は見受けられませんでした。また精神状態が悪化しているため、治療が行われています。

補遺01: インタビュー記録(作成日: 2022/04/03)

SCP-XXXX-JP-1の精神状態が安定してきたため、インタビューが行われました。

インタビュー記録XXXX-JP


日付: 2022/04/03

対象: SCP-XXXX-JP-1

インタビュアー: 黒宵研究員


<記録開始>

黒宵研究員: では、あなたはどうやってあの部屋に入ったのですか?

SCP-XXXX-JP-1: 前からあの部屋に住んでいました。

黒宵研究員: 前から? それはどういうことですか?

SCP-XXXX-JP-1: [沈黙]あそこで暮らして、勉強したり、黒宵さんとお話しをしたりしてました。

黒宵研究員: [黙考]それは、いつからですか?

SCP-XXXX-JP-1: 2年前から、だったと思います。黒宵さん、その頃は「この建物に来たばっかりで何もわからない」ってぼやいてましたよ。

黒宵研究員: [沈黙]確かに私は2年前にこのサイトに来ましたが…。

SCP-XXXX-JP-1: 一緒に話して、一緒に笑って。たまに一緒にごはんを食べて、一緒にアニメを見て、一緒に星を見たりなんかもして。

黒宵研究員: [沈黙]

SCP-XXXX-JP-1: 何も、覚えてないんですか?

黒宵研究員: [沈黙]

SCP-XXXX-JP-1: そう。 [呟くように]…なんで、覚えてないの?

<記録終了>


終了報告: 彼女は我々の持たない記憶を所持しているようです。SCP-XXXX-JP-1出現時に異常な値が観測されたことや、記憶処理剤を服用しているサイト管理官等もSCP-XXXX-JP-1を知らないことから、並行世界から転移してきたという説が妥当であると考えます。


補遺02: 要求リスト(作成日: 2022/04/05 | 最終編集日: 2023/03/31)

以下はこの一年間でSCP-XXXX-JP-1が要求したものの一覧です。

SCP-XXXX-JP-1要求リスト


  • 3(許可)
  • 洋服(許可)
  • 収容室外を散歩すること(黒宵研究員の同伴を条件に許可)
  • 黒宵研究員と食事すること(許可)
  • 黒宵研究員とアニメ・映画等の鑑賞をすること(許可)
  • 黒宵研究員の業務手伝いをすること(却下4)
  • 財団で働くこと(審査中)
  • 黒宵研究員同伴でサイト外を散歩すること(許可)
  • 勿忘草2輪(許可)

補遺03: 記録抜粋(作成日: 2022/08/12 | 最終編集日: 2023/02/14)

以下の映像ログは、上記の要求を許可した際に記録されたものです。

映像ログXXXX-JP-133

日付: 2022/08/12

対象: 黒宵研究員 SCP-XXXX-JP-1

付記: SCP-XXXX-JP-1の要求である「収容室外を散歩すること」が、黒宵研究員の同伴を条件に許可された際の記録です。


<抜粋開始>

[収容室の扉が開き、SCP-XXXX-JP-1と黒宵研究員が室外へ出る]

SCP-XXXX-JP-1: [伸びをした後に]外に出るのは4ヶ月ぶりですね…。

黒宵研究員: まあ、ここも室内だけどね。

SCP-XXXX-JP-1: 部屋から出れただけでも嬉しいんですよ。[沈黙]懐かしいなあ、ここも変わらないですね。

黒宵研究員: [沈黙]

SCP-XXXX-JP-1: ここが研究室とかに繋がってて、こっちは…食堂に繋がってるんでしたっけ。食堂のご飯、美味しいですよね。久しぶりに食べたいです、カレーとか。

黒宵研究員: [呟くように]こんな事も知っているのか…。あー、あれ美味しいよね。[沈黙]まあ、君は許可が無いから食べれないけどね。

SCP-XXXX-JP-1: そうですか…。去年は良かったのになあ…。

黒宵研究員: 今度食べさせてあげるから、今日は我慢してよ。

SCP-XXXX-JP-1: 本当ですか? 約束してくれます?

黒宵研究員: 良いよ。約束しようじゃないか。

SCP-XXXX-JP-1: [嬉しそうな顔で]ありがとうございます。

<抜粋終了>


終了報告: SCP-XXXX-JP-1はサイト-81██の構造を理解しているようです。本人にその気はなさそうですが、収容違反は容易であるかもしれません。

映像ログXXXX-JP-136

日付: 2022/08/15

対象: 黒宵研究員 SCP-XXXX-JP-1

付記: SCP-XXXX-JP-1の要求である「黒宵研究員と食事すること」が許可された際の記録です。


<抜粋開始>

[黒宵研究員が収容室に入室する]

SCP-XXXX-JP-1: あれ、黒宵さん? 夕飯前に来るなんて珍しいですね。…出し忘れていた宿題とか、ありましたっけ?

黒宵研究員: いや、今日は一緒に食べようと思ってね。君が要求したんだろう?

SCP-XXXX-JP-1: あ、許可されたんですね。で、今日の夕飯は何ですか?

黒宵研究員: もうすぐ配膳の方が来ると思うけど…ほら、来たよ。

[配膳担当が二名分の食事を持って入室する。その後部屋のテーブルに並べ、退出する]

SCP-XXXX-JP-1: これは…もしかして?

黒宵研究員: そう、食堂のカレーだよ。本当は君は食堂の料理は食べちゃいけないんだから、今日は特別だよ。

SCP-XXXX-JP-1: [嬉しそうな顔で]黒宵さん、ありがとう。

黒宵研究員: まあ、約束だからね。じゃあ、食べようか。

SCP-XXXX-JP-1: はい。[手を合わせて]いただきます。

<抜粋終了>

映像ログXXXX-JP-347

日付: 2023/03/14

対象: 黒宵研究員 SCP-XXXX-JP-1

付記: SCP-XXXX-JP-1の要望である「黒宵研究員同伴でサイト外を散歩すること」が許可された際の記録です。


<抜粋開始>

[黒宵研究員とSCP-XXXX-JP-1がサイトの外へ出る]

SCP-XXXX-JP-1: ここから見る星は、いつも綺麗ですね。

黒宵研究員: まあ、ここは田舎だからね。

[沈黙]

SCP-XXXX-JP-1: 黒宵さんは、なんで私が夜に建物の外に出たいって言ったか分かりますか?

黒宵研究員: うーん、[黙考の後]星が見たかったから、とか?

SCP-XXXX-JP-1: 確かにそれもあります。最後に見たのは1年前ですからね。でも、一番の目的は「思い出づくり」です。

黒宵研究員: 思い出づくり…?

SCP-XXXX-JP-1: そう。今日は3月14日、ホワイトデーです。バレンタインは何もできなかったから、今日くらいは何かお返ししようかなって。[沈黙の後、不安そうな顔で]思い出、作れました?

黒宵研究員: [笑いながら]良い思い出になったよ。ありがとう、SCP-XXXX-JP-1。

SCP-XXXX-JP-1: [少し怒った口調で]そう思うなら、私のことはちゃんと名前で呼んでください。私には「葵」っていうちゃんとした名前があるんですよ。

黒宵研究員: 録音されてるんだけどなあ…。[小さな声で]ありがとう、葵。

SCP-XXXX-JP-1: どういたしまして。…これで、忘れないでくれると良いな。

<抜粋終了>


補遺04: 提言(作成日: 2023/03/31)

SCP-XXXX-JP-1の異常性について黒宵研究員から以下の提言が提出されました。

私は今まで、SCP-XXXX-JP-1は並行世界から飛ばされてきたと考えてきました。
しかし、それは間違いであるかもしれません。
理由を説明します。
まずは下の映像ログを見てください。


SCP-XXXX-JP-1はこの時、「去年も勿忘草を渡した」と発言しました。
そして、SCP-XXXX-JP-1を見つけた日の私の部屋には、1本の勿忘草が花瓶に生けられていました。
これは、「我々がSCP-XXXX-JP-1のことを忘れている」という事の証拠足り得るのではないでしょうか。
またこの「忘却」が現実改変及び奇跡論的魔術によるものとすれば、記憶保持薬服用者の記憶が失われていることや収容室内の現実性、奇跡量の値が異常であることも説明が付きます。
彼女は「忘れられる」という異常性を持ち、それと同時にSCP-XXXX-JPという現象は無いのかもしれません。
明日からは、この事について研究すべきでしょう。

  黒宵研究員


jp scp pending 人型 ループ



ページ情報

執筆者: koku4
文字数: 11051
リビジョン数: 112
批評コメント: 17

最終更新: 25 Jul 2023 00:15
最終コメント: 11 Jun 2023 09:01 by koku4




    • _

    この文書には2ページ目があります。上の提言部分にある「明日」を押して見てからスポイラーを見てください。

      • _

      一応私はSCP-XXXX-JP-1を「毎年4月1日の0時に忘れられる少女」と考えていますが、そこは皆さんの自由です。
      ちなみにこの作品は、以前記事にしてDVされまくって消されたものです。


      そして一言でも、二度目三度目でも良いので批評をお願いしたいです。私はTwitterもDiscordも批評してくれる友人もいないため、ここで批評してもらえないと記事にできないからです。

      • DV/NV/UV
        • その理由
      • 誤字・脱字・文章的におかしな点
      • 引っかかる点・疑問点
        • (あればですが)改善案
      • 他に付けるタグがあるか

      を書いていただけると助かります。



Table of Contents

ページコンソール

批評ステータス

カテゴリ

SCP-JP

本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

GoIF-JP

本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

Tale-JP

本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。

翻訳

翻訳作品の下書きが該当します。

その他

他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。

コンテンツマーカー

ジョーク

本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。

アダルト

本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。

既存記事改稿

本投稿済みの下書きが該当します。

イベント

イベント参加予定の下書きが該当します。

フィーチャー

短編

構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。

中編

短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。

長編

構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。

事前知識不要

特定の事前知識を求めない下書きが該当します。

フォーマットスクリュー

SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。


シリーズ-JP所属

JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。

シリーズ-Other所属

JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。

世界観用語-JP登場

JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

世界観用語-Other登場

JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。

ジャンル

アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史

任意

任意A任意B任意C
    • _


    コメント投稿フォームへ

    新たなコメントを追加

    批評コメントTopへ

ERROR

The koku4's portal does not exist.


エラー: koku4のportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。


利用ガイド

  1. portal:8518479 (16 Mar 2023 05:38)
特に明記しない限り、このページのコンテンツは次のライセンスの下にあります: Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 License