SCP-XXXX-JP ゲームは一日一時間

このページの批評は終了しました。

クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - ゲームは一日一時間
著者: ©︎TALTAL
作成年: 2023

アイテム番号: SCP-XXXX-JP　
　
オブジェクトクラス: Euclid Thaumiel Neutralized Keter　
　
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP-1はサイト-8111にある標準人型生物収容ユニットに収容されます。SCP-XXXX-JP-1が新たに発見された場合は可能な限り財団職員として雇用し、プロジェクト-XXXX-JP【Descartes】を適用してください サイト-8111管理官に連絡してください。SCP-XXXX-JP-1への記憶処理薬および記憶補強薬の使用は、サイト-8111管理官の承諾が必要です。
　
説明: SCP-XXXX-JPは、SCP-XXXX-JP-1に発生する相対的時間加速現象です。異常性が発生している間、SCP-XXXX-JP-1は周囲の時間が停止、あるいはきわめて遅く進行しているように知覚し、一部の物理法則を無視して自由に行動することができます（詳細は実験記録を参照）。この異常性はSCP-XXXX-JP-1以外の時間が1.7秒経過した時点で終了し、SCP-XXXX-JP-1以外の人物や記録装置からは「SCP-XXXX-JP-1が消失し、1.7秒後に違う地点に出現した」様に認識されます。
　
SCP-XXXX-JPは2015年3月12日██時██分に、サイト-8111に勤務していた塚田真理研究員（後にSCP-XXXX-1に指定）が研究室内で勤務中に消失し、同研究室出入口の扉の前に再出現したことで発見されました。SCP-XXXX-JP-1には各種検査の後、インタビューが行われました。

+ インタビュー記録-1: 

対象: SCP-XXXX-JP-1

インタビュアー: 谷村隆志博士

付記: 谷村博士は当時SCP-XXXX-JP-1と同じ研究室に配属されており、上記の消失・再出現を目撃しました。

<記録開始>

谷村博士: ではインタビューを始めます、SCP-XXXX-JP-1。

SCP-XXXX-JP-1: よろしくお願いします。

谷村博士: あなたをこのように呼ばなければならないことが残念です。

SCP-XXXX-JP-1: 仕方ありません。

谷村博士: SCP-XXXX-JPが発生した時の状況を教えていただけますか？

SCP-XXXX-JP-1: あの時私は、自分のデスクでSCP-████-JPの報告書を作成していました。違和感に気が付いて周囲を見てみると、研究室の人や実験器具がピタッと止まっていたんです。何かのオブジェクトの攻撃を受けているのかと思い、研究室内の非常ボタンを押そうとしたのですが、押せませんでした。

谷村博士: 押せなかった？

SCP-XXXX-JP-1: 指がボタンをすり抜けたんです。あと自分では非常ボタンまで歩いて移動していたつもりだったんですが、よく考えたら空中を飛んで移動していたことに気が付きました。ドアや壁もすり抜けられたのでそのままサイト内やサイト外も見て回ったんですが、何もかも動いてなくて、まるで時間が止まっているようで。自分がアノマリーになってしまったか、Kクラスが起きたんだと思いました。

谷村博士: 周囲の時間が止まっているように見えたんですね。

SCP-XXXX-JP-1: ええと、見えたというか。たぶん光も止まっていて目には何も見えなかったんですけど、周りがどうなっているのかは判るというような。不思議な感覚でした。

谷村博士: なるほど、続けてください。

SCP-XXXX-JP-1: 何かの異常に巻き込まれていることは確かだったので、まずは自分に何ができるのかを調べました。壁をすり抜けられて空を飛べて。あ、飛ぶと言っても鳥や飛行機のようには速く飛べませんよ、せいぜい早歩きぐらいの速度が限界でした。あとなぜか水の中には入れませんでしたね。さっきも言った通り、サイト外まで出てこの異常の原因を調べてみたんですが、全く見当もつきませんでした。最初の1、2年は自重していたんですが、何かのアノマリーが原因かもしれないと思ってサイトの収容ユニットを見に行ったら

谷村博士: （SCP-XXXX-JP-1の発言を遮り）ちょ、ちょっと待ってください。1、2年と言いましたか？

SCP-XXXX-JP-1: ええ。時計も太陽も動いていなかったので、大体の体感ですが。

谷村博士: （3秒沈黙）我々にはあなたが消えてからすぐ、監視カメラによると2秒弱であなたは再出現したことになっているのですが。

SCP-XXXX-JP-1: そうですか、たったの2秒弱。（5秒沈黙）私の体感では、10年以上は時間が止まっていたと思います。

谷村博士: そ、それは。

SCP-XXXX-JP-1: 私一人を除いて世界が終わってしまったんだと、ずっと思っていたんです。でも今はこうやってみんな元に戻ってくれました。私は今、動いている谷村さん達に会えて、またこうやってお話しできて、とても嬉しいんですよ。

谷村博士: （俯き5秒沈黙）我々はあなたがこのようなことに巻き込まれてしまったことに、非常に困惑しています。

SCP-XXXX-JP-1: まあ確かに、それはそうでしょうね。

谷村博士: それで、あなたはどうやってこの異常を終わらせたんですか？

SCP-XXXX-JP-1: 私は結局何もできなかったんだと思います。1、2年経って、意を決して収容ユニットの中を覗いてみたんですが、どのアノマリーもピクリとも動いていませんでした。SCP-████-JP¹を見たときはちょっとクラっとしましたが、それ以外は高温だろうが猛毒だろうが何も感じませんでした。アノマリーもすり抜けられるので、SCP-████-JP²の体内がどうなっているのか見ていた時は、もう開き直っていたんだと思います。結局この異常の原因も、解決策も見つかりませんでした。

谷村博士: では、いったいどうして？

SCP-XXXX-JP-1: 突然声のようなものが聞こえてきて、ああ、この異常はもう終わるんだな、って感じました。今思えば、どうしてそう感じたのかよく思い出せないんですが。とにかくもう終わるんだって判ったので、大急ぎで研究室に戻ってきたんです。ドアの前までたどり着いたところで、世界が光を取り戻しました。

<記録終了>

+ 実験記録: 

実験概要: 2016年3月4日██時██分、SCP-XXXX-JPが再発生した。この際事前に準備された材料を用い、SCP-XXXX-JPの性質について調査した。

付記: SCP-XXXX-JP発生中のSCP-XXXX-JP-1の行動は記録できなかったため、下記の実験結果の大部分はSCP-XXXX-JP-1の自己申告であることに留意されたし。

実験記録-1:
目的: SCP-XXXX-JP-1が操作可能な物品の特定

材料: サインペン、ノート、レーザー距離計、巻尺、腕時計（電池式、ゼンマイ式）

方法: 上記材料をSCP-XXXX-JP-1に常に所持・装着させておく。SCP-XXXX-JP-1収容ユニットの隣室にも同型の物を配置する。

結果: SCP-XXXX-JP発生時に所持していたサインペンとノートを用いて、SCP-XXXX-JP発生中も筆記が可能であった。同サインペンを用い、SCP-XXXX-JP発生時に所持していなかった紙類、壁などを対象に筆記することは、サインペンが対象をすり抜けてしまうため失敗した。レーザー距離計は作動しなかったが、巻尺は使用可能であった。電池式腕時計はSCP-XXXX-JP発生中は停止していたが、ゼンマイ式腕時計は正常に動作していた。隣室に設置した同型の物はいずれも使用不能であった。腕時計による計時とノートへの記録により、SCP-XXXX-JP-1から見た今回のSCP-XXXX-JP発生期間は、8,384日間（22年11ヵ月20日）にわたることが判明した。

コメント: 所持および装着していた物品は、電化製品以外は時間停止中も使えるようだ。また、SCP-XXXX-JPの発生期間が想定以上に長い。この間SCP-XXXX-JP-1は食事も睡眠もできなかったとのことであり、精神面への影響が懸念される。今回、刃物や化学薬品を所持させる案は収容違反や自傷の可能性があったため却下されたが、今後も採用されるべきではないだろう。　―谷村博士


実験記録-2:
目的: SCP-XXXX-JP-1の行動範囲の特定

材料: 特になし

方法: SCP-XXXX-JP発生中にサイト内の冷凍庫、ボイラー、変電室、水槽、化学薬品貯蔵庫に侵入させる。

結果: 冷凍庫、ボイラー、変電室に侵入し、それぞれ低温、高温、高電圧の環境下にさらされたが、SCP-XXXX-JPは一切それらを知覚せず、身体への傷害もみられなかった。水中には「軟らかくぶつかった感じ」がして侵入できず、液体の化学薬品も同様であった。固体・気体の化学薬品は内部に侵入できたが、皮膚に触れた際に通常発生する発熱・融解・炭化といった化学反応は発生せず、痛み等も感じられなかった。

コメント: SCP-XXXX-JP-1と周辺環境は一切の物理化学的相互作用を起こさないと考えてよさそうだ。ただし、液体の中には侵入できないようである。　―谷村博士


実験記録-3:
目的: SCP-XXXX-JP-1が収集できる情報の特定

材料: サイト-81██に設置されたホワイトボード（日替わりで違う文章が書かれ、内容はサイト-8111職員には秘匿される）

方法: SCP-XXXX-JP発生中、サイト-81██に移動しホワイトボードに記載された内容を確認させる。

結果: SCP-XXXX-JP-1はホワイトボードの内容を所持していたノートに克明に転写し、SCP-XXXX-JP終了後に提出した。なお財団サーバー上のデータベースの参照を試みたが失敗、資料室にあった紙媒体の資料は問題なく読破できたとのことであった。監視カメラの映像では同時刻に資料室は無人であり、資料を動かした形跡はみられなかった。

コメント: ███km離れた他サイトの情報を（我々からすれば）一瞬で入手出来ていることから、SCP-XXXX-JPによる時間停止の発生は疑う余地がない。本は開かなくても内容を確認できるらしい。電子データは閲覧できないようだ。　―谷村博士

　
　
上記実験結果を受け、オブジェクトクラスをThaumielに再分類し、プロジェクト-XXXX-JP【Descartes】が策定されました。

+ プロジェクト-XXXX-JP【Descartes】概要: 

プロジェクト-XXXX-JP【Descartes】概要

　
目的: SCP-XXXX-JPの特異性を利用し、直接観察・測定することが困難なオブジェクトの調査を行い、より効果的・効率的な収容手順の策定に寄与する。

手順:
1. 各サイト管理官は調査を希望するオブジェクトをプロジェクト責任者（サイト-8111管理官）に連絡する。

2. プロジェクト責任者は依頼文書を特別ユニットXXXX-JPに送信する。機密保持のため、特別ユニットXXXX-JPはサイト-8111内に出入り口のないスペースとして建設されており、送信された依頼文書は自動でプリントアウトされ保管される。

3. SCP-XXXX-JPが発生した際、SCP-XXXX-JP-1は特別ユニットXXXX-JP内の依頼文書に従い、オブジェクトの調査を行う。

4. SCP-XXXX-JP終了後、SCP-XXXX-JP-1は調査内容を記載したノートをプロジェクト責任者に提出する。機密保持のため、SCP-XXXX-JP-1にはクラスＡ記憶処理を施す。

調査記録:

No.	日時	期間	調査内容概要
1	2017/3/6	8374日間	██体の生物型オブジェクトの計測および体内構造の調査、█カ所の異常エリアの内部探査
2	2018/3/26	8395日間	██体の生物型オブジェクトの計測および体内構造の調査、██個の機械型オブジェクトの内部構造の調査、██カ所の異常エリアの内部探査
3	2019/3/9	N/A	█カ所の異常エリアの内部探査 【特記事項】: 入浴中にSCP-XXXX-JPが発生したため測定機器や筆記用具を持ち込めず、SCP-XXXX-JP-1の目視および記憶による調査となった。終了時SCP-XXXX-JP-1は公道上で再出現したため、目撃者にはクラスA記憶処理が施された。確保時の混乱を避けるため、SCP-XXXX-JP-1には従来の携帯端末によるGPS機能に加え、皮下埋め込み型GPSチップが挿入された。
4	2020/3/15	8412日間	███体の生物型オブジェクトの計測および体内構造の調査、██個の機械型オブジェクトの内部構造の調査、█カ所の異常エリアの内部探査
5	2021/3/2	8389日間	███体の生物型オブジェクトの計測および体内構造の調査、███個の機械型オブジェクトの内部構造の調査、██カ所の異常エリアの内部探査
6	2022/3/█	8███日間	███体の生物型オブジェクトの計測および体内構造の調査、███個の機械型オブジェクトの内部構造の調査、███カ所の異常エリアの内部探査

2022年5月12日 追記: 現在プロジェクト-XXXX-JP【Descartes】は凍結しています。新たにSCP-XXXX-JP-1を雇用した場合は、サイト-8111管理官に連絡してください。

　
　
プロジェクト-XXXX-JP【Descartes】調査No.3終了後にカウンセリングを兼ねてインタビューが行われました。

+ インタビュー記録-2: 

対象: SCP-XXXX-JP-1

インタビュアー: 谷村隆志博士

<記録開始>

谷村博士: 今回は災難でしたね、SCP-XXXX-JP-1。

SCP-XXXX-JP-1: 本当にすみません、あんな状態だったのにちゃんとサイトに戻ってこられなくて。記憶処理までして頂いて。

谷村博士: まあ、今回は不可抗力ですよ。公道上だったので、もし服を着ていたとしても目撃者の記憶処理は必要でしたから。なんなら██君³も記憶処理しましょうか？

SCP-XXXX-JP-1: いえ、その、さすがにそれは申し訳ないです。

谷村博士: 今回のインタビューは、あなたのカウンセリングも兼ねています。あなたはSCP-XXXX-JP、約23年間孤独に耐えるという経験をすでに5回もしていることになります。何か精神に変調をきたしてはいませんか？どんな些細なことでも、お話しいただけたらと思います。

SCP-XXXX-JP-1: えっと、SCP-XXXX-JP自体は大丈夫です。だいぶ慣れてきましたから。サイトの皆さんも良くしてくださいますし、詳しいことは覚えてないけど役に立ってるんだな、ってことは感じてますし。でもなんだか最近、自分自身がよくわからなくなってきていて。

谷村博士: と言いますと？

SCP-XXXX-JP-1: なんというか、死ぬのが怖くなってきたんです。

谷村博士: それは人間として当然の感情だと思いますよ。

SCP-XXXX-JP-1: ええ、それは私もそう思います。でも財団に入ったばかりの頃は違ったんです。死んだり怪我をしたってかまわない⁴、とにかく不思議なもの、変わったものをたくさん知りたいと思っていました。でも今はそうではありません。死ぬのは怖いし怪我をするのもいや。どうして財団に入った時、あんな気分だったのか思い出せないんです。

谷村博士: そうでしたか。何かきっかけはあったんですか？

SCP-XXXX-JP-1: たぶん、SCP-████-JPの収容に関わった時です。詳細はもう覚えていませんがミーム災害を起こすアノマリーで、その時フィールドエージェントだった私はミーム汚染の恐れあり、ってことで記憶処理をされたはずです。オブジェクトの記憶を忘れるだけだったはずなのに、財団に入るモチベーションというか、その頃の覚悟というか志というか、そんなものも一緒に忘れてしまったような感じなんです。

谷村博士: それは誰かに相談しましたか？

SCP-XXXX-JP-1: いえ、とてもできませんでした。私から財団の仕事を取り上げられたら、もう何も残りませんから。でもそれからの財団の仕事はただただ恐ろしかった。周りの人は、死ぬのは構わないって程じゃないですけど覚悟は決まっていた方ばかりだったのに、どうして私はこんな、って。

谷村博士: それは（5秒沈黙）。気付いてあげられなくて申し訳ない。

SCP-XXXX-JP-1: いえ、いいんです。谷村さんはいつも優しかったし、隠していたのは私なんですから。それに、今の状況には満足しているんですよ。今は命の危険はほとんどないし、谷村さん達の役に立ってるんだな、って思えるし。（俯いて）い、いつも谷村さんと一緒にいられるし。

[私的な会話のため割愛]

<記録終了>

　

以下の内容はレベル4/XXXX-JP クリアランス以上の職員のみに開示されます

職員コード

71f225ca71b49a540659476551d5363b_1737469526

パスワード

dec77571c60f551cee15bf2858344081_1737469526

認証

職員コードが認識されました。サーバーXXXX-JPに接続します。
　
閲覧後は速やかに本サーバーとの接続を切断してください。
　
事案-XXXX-JP_2022/3/██: 調査No. 6 終了後のSCP-XXXX-JP-1への記憶処理にて、自身の氏名や所属等を忘却する、見当識障害とみられる症状が発生したため、クラスW記憶補強薬が投与されました。投与後、SCP-XXXX-JP-1は著しい混乱状態となり昏倒、約20秒間一切の体動がなく呼びかけにも応じない状態になった後、消失しました。GPSシグナルも消失しており、防犯カメラ映像や機動隊を動員しての捜索がなされましたが、現在までSCP-XXXX-JP-1は発見されていません。2022年5月██日、SCP-XXXX-JPはNeutralizedに再分類されました。

補遺_2022/6/██: 以下は事案-XXXX-JP後の調査中に、特別ユニットXXXX-JP内にて発見された文章です。SCP-XXXX-JP発生中に、SCP-XXXX-JP-1によって記載されたものと推定されています。
　
　
　
文書-1

　　声が聞こえた
　
　　　　「帰ってこい」　「思い出せ」

　　　　　　　なんなの　どこに帰ればいいの
　　　　　　　　　　　私は何を忘れているの

　
　
　
文書-2

またきこえた
　
　　　　「帰ってこい」　「思い出せ」　　「ゲームは一日一時間」
　
　
　　　　　　前回も聞こえてたはず
　　　どうして時間が動いてるとき　わすれてたの

　
　
　
文書-3

またいつもの時間が動き出す合図が聞こえてきた
　
　
「ろぐいんニ成功シマシタ」
　「地形情報ヲろーどシテイマス」
　「えんてぃてぃ情報をろーどシテイマス」
　
　
　　いつもの？
　　　こんなへんなアナウンスだったこと　わたしはどうしてわすれていたの
　
　
　
　
　
　
　　　　　　　　　　　このせかいはなんなの

　
　
　
文書-4

　　　思い出してきた
　　　　　この"停まっている時間"こそが現実だったんだ
　
　　　　　　　　　　　　帰らなきゃ　
　
　
　
　
　
　　　　　この世界ゲームから脱出ログアウトしなきゃ

当文書が財団に発見されたことが公となった場合、ZK-クラス：現実不全シナリオ が発生する可能性が否定できない事から、上記事案記録および文書記録をレベル4機密情報とし、SCP-XXXX-JPのオブジェクトクラスはKeterに再分類されました。
当該文書の原本および当該記録を保存したサーバーXXXX-JPは、SCP-XXXX-JP-1による発見を防止するために、サイト-81██地下の水槽内に浮遊する形で建設された特設ユニット内に保存されます。
　
この画面が端末に表示されている時にSCP-XXXX-JPが発生した場合、SCP-XXXX-JP-1に視認される可能性があります。
閲覧後は速やかに本サーバーとの接続を切断してください。

Footnotes

1. 視認することでミーム汚染を引き起こすアノマリー

2. 攻撃性の高い大型生物のアノマリー

3. 調査No.3終了時に再出現したSCP-XXXX-JP-1の確保を担当したエージェント

4. 財団入職時およびその後の定期精神鑑定ではSCP-XXXX-JP-1に抑うつ症状や希死念慮の兆候はみられていません

付与予定タグ: scp jp keter 人間型 k-クラスシナリオ ゲーム

+ スポイラー: 

初投稿です。よろしくお願いします。

本SCPの投稿者脳内設定
シミュレーション仮説をテーマにしたSCPです。

　どうやらこの財団世界は、没入型バーチャルリアリティー(VR)ゲームの世界だったようです。人類や財団職員はいわゆる「MOB」ですが、自我がありこの世界がゲームの中だということに気付いていません。
　主人公であるSCP-XXXX-JP-1こと塚田真理研究員は「プレイヤー」としてこの世界にログインし、財団職員プレイを楽しんでいました（そのため当初は死ぬのが怖くなかった）が、記憶処理のためそのことを忘れ、自分はこの世界の一員だと思い込んでしまいました。
　親との約束？没入型VRゲームの規則？のため、ゲームは一日一時間と決まっており、約一時間たつとタイマーが作動して自動的にログアウトする設定になっています。しかし記憶を失っているため正常にログアウトできず、時間が止まったゲームの世界に置き去りにされてしまいました。
　現実世界での1時間がゲーム世界での1年に相当するため、1年ごとに23年間停止するサイクルとなっています。財団世界の人間であれば23年間の孤独には耐えられなかったでしょうが、もともと現実世界の住人であるSCP-XXXX-JP-1は時間の流れの感じ方が違うため、23年間孤独であったことへのストレスは特に感じていません。
　補遺で出てきたメモにある「声」は、ゲームの世界に閉じ込められてしまった主人公を心配した家族？友人？からの呼びかけが一部届いたもので、時間停止が終わるときのアナウンスはログインする時のシステムメッセージです。じわじわ思い出してきて補遺のメモを残したりしていますが、時間が動き出すと記憶処理薬の影響なのかその事をすっかり忘れてしまうため、財団は事なきを得ていました。
　財団はThaumielオブジェクトとして利用していましたが、記憶補強薬を使用してしまったことにより自分が「プレイヤー」であったことを思い出し、正常にログアウトしてゲーム世界から消失しました。
　この時点で「ZK-クラス：現実不全シナリオ」つまり財団世界の時間が永久に停止してしまう可能性がありましたが、SCP-XXXX-JP-1がプレイを再開してくれたのか、それともこのゲームはMMOのように複数のプレイヤーが同じサーバーに接続する形式だったのか、とにかく財団世界の時間は継続しています。
　財団は補遺のメモから絶望的な真実にうっすら気が付きました。もし「プレイヤー」達が、「財団が気付いている」ことに気付くことによってゲームを危険視し、プレイしなくなってしまうと「ZK-クラス：現実不全シナリオ」が起きてしまいます（プレイヤーから見れば、記憶処理によってプレイヤーを閉じ込めてしまうゲームはもはやSCPオブジェクトです）。財団はこの対策に奔走させられることとなりますが、果たして真に効果的な収容方法はあるのでしょうか。財団世界は、いえ、「このゲームのこのセーブデータ」はいつまで存続できるのでしょうか？

　なお、「プロジェクト-XXXX-JP【Descartes】」の由来は哲学者デカルトです。彼の残した名言「我思う、ゆえに我あり」は、「たとえこの世がシミュレーション仮説通りであったとしても、自我があるのであれば我々は完全なる虚構の世界の住人なのではなく、どこかに実体があるはずだ」と解釈できます。この言葉はこの世界の財団職員にとっての希望となるのか、はたまた…。

批評して頂きたい点
・本記事を読み考察することで、上記の設定にたどり着けるか
・谷村博士と塚田真理研究員（SCP-XXXX-JP）との淡い恋の予感を感じさせつつ、最後に盛大に裏切られるという効果を狙ったが、成立しているか
・そもそも読んでいて面白いか
・その他誤字脱字、そぐわない表現、記載の過不足などはあるか

以上です。長文・乱文失礼いたしました。忌憚なきご意見を、どうぞ宜しくお願い致します。

---

• • _
  批評コメント批評コメント

  
  コメント投稿フォームへ

  注意: 批評して欲しいポイントやスポイラー、改稿内容についてはコメントではなく下書き本文に直接書き入れて下さい。初めての下書きであっても投稿報告は不要です。批評内容に対する返答以外で自身の下書きにコメントしないようお願いします。

  批評コメントTopへ

  - hide block

ERROR

The TALTAL's portal does not exist.

エラー:	TALTALのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。

利用ガイド

[[div class="content"]]

1. portal:8466214 (17 Feb 2023 15:17)