インタビュー記録 XXXX-JP-1
2015/6/11
インタビュアー: 江田宏一 研究員(以後江田研究員と表記)
対象: 花山 三葵みつき氏
前記: 花山氏は千葉県██市に住む、26歳の一般女性です。花山氏の勤務する株式会社█████の勤務環境が劣悪であることがストレッサーとなり、SCP-XXXX-JPが発生したと考えられます。
医師に変装した江田研究員が、対象にインタビューを行いました。
[記録開始]
江田研究員: こんにちは、花山さん。色々伺っていきたいと思いますが、大丈夫ですか?
花山氏: はい、大丈夫です。
江田研究員: では。まず、昏睡に陥るまでの行動を教えてください。
花山氏: あの日は雨だったので、傘を差して会社へ向かったんですけども、疲れが溜まってたのか一瞬クラっときて転びかけて、その後いきなり傘が漏り出しまして。雨でびちゃびちゃで嫌なんてすけど、なんだかいい匂いがするなと思いながら歩いていたら何だか意識が遠くなって、そのまま寝ちゃったんだと思います。
江田研究員: 成程、寝ていた時に何か変わったことはありましたか?
花山氏: ありました。夢を見たんですけど、なんだか内容をはっきり覚えてます。あの女の子どうしたんだろ。
江田研究員: どんな夢でしたか?
花山氏: 知らないアパートの一室にいきなり来て、最初はとっても怖かったんですけど、しばらくしたら女の子がやってきて、「元気?」って聞いてくれました。不思議に、会話してるとなんだか落ち着くんです。
江田研究員: その女の子はどんな子でしたか?
花山氏: 7歳くらいに見える可愛らしい女の子でした。名前はないって言ってて、付けようって言って「まお」って呼ばせてもらってました。
江田研究員: その子とはどんな会話を?
花山氏: 私が悩んでたのと、まおちゃんが聞きたいって言ってくれたので会社のこととか話してました。まおちゃんもずーっと聞いてくれて。なんだか勇気が出たなぁ。最後にプレゼント上げるって言っててるてる坊主をくれたんです。家にも飾ってあるからお揃いだねって言って2人で笑いました。そうだ、起きたら何でか持ってて、不思議だけど嬉しい気持ちの方が強かったです。
江田研究員: 起きたあとに何か変化はありましたか?
花山氏: なんだか勇気が湧いてきて、会社を辞める決心がつきました。またまおちゃんと会いたいな。お礼が言いたい。そうたそうだ、最後に「人生の雨は心の花に水をやってくれるんだ」って言ってくれて。これから座右の銘にしたいと思います。
江田研究員: 微笑ましいですね。ありがとうございました。会社を辞めるのは大変かもしれませんが、頑張って下さい。
花山氏: ありがとうございます。
江田研究員: 一応そのてるてる坊主を一旦預かっていいですか?後でお返しするので。
花山氏: 分かりました。どうぞ。
<録音終了>
[記録終了]
追記1: インタビューの後、花山氏の精神状態が回復していることが判明しました。これはSCP-XXXX-JPの影響だと思われます。
回収されたてるてる坊主に異常性は確認されなかったため、花山氏に返却されました。
彼女は良い影響を受けている。SCP-XXXX-JP-Aの目的は何なのだろうか?出現場所は何かしらの関係が或るのだろうか?少女にオネイロス型幽体としての自覚がないようならば、夢界は少女の潜在的意識に依るものだろう。SCP-XXXX-JP研究主任員 江田
インタビュー記録 XXXX-JP-2
2018/6/11
インタビュアー: 江田研究員
対象: 八田 蒼弥氏
前記: 八田氏は山形県██市に住む16歳の一般男性です。八田氏が通学している██市立██高校で八田氏に対するいじめが発生していた事が確認されています。いじめによるストレスが蓄積していたことがストレッサーとなりSCP-XXXX-JPが発生したと考えられます。
前回同様、医師に変装した江田研究員が、対象にインタビューを行いました。
[記録開始]
江田研究員: こんにちは、八田さん。色々伺っていきたいのですが、宜しいですかね?
八田氏: はい、大丈夫です。
江田研究員: では。まず、昏睡する前の出来事を教えてください。
八田氏: まず学校への登校中にいきなり傘が漏りだしまして。自分、雨の匂い嫌いだったのでほんと最悪でした。でも、なんだか雨からとってもいい匂いがして、こう、自然な香りって言うんですかね?
江田研究員: その香りに何か心当たるものはありますか?
八田氏: (暫く考えて)ないなぁ。とにかく自然な匂いでした。雨がこんな匂いだったら雨が好きになれるかもしれないって思いました。
江田研究員: 八田さんは2日ほど眠っていたようですが、その間夢を見ましたか?
八田氏: そうなんです。自分で体を動かせて、意識を保って会話ができる不思議な夢でした。
江田研究員: 夢の内容は覚えていますか?
八田氏: はっきり残ってますね。
江田研究員: どんな内容でしたか?
八田氏: いきなり知らない公園のベンチに座らされてて、寂しくてしょんぼりしてたら小さい女の子に声をかけられました。女の子は小学校低学年位の可愛い女の子でした。
江田研究員: 名前は聞きましたか?
八田氏: まおだって言ってました。まおちゃんって呼ばせてもらってました。
江田研究員: まおちゃんからはどのような印象を受けましたか?
八田氏: 優しくて、不思議で、癒しある子でした。 反応一つ取っても優しくて思いやりのある温かい子でした。
江田研究員: どんな内容の会話をしましたか?
八田氏: 色々学校の話を聞いてもらってました。今まで考えても分からなかった事に何だかだか納得がいって、これからも頑張りたくなれました。最後に「雨に打たれても、雨に唄えば、最高に幸せだよ!」って明るく言ってくれて、泣いちゃいそうでしたけどなんとか我慢しました。逆に嬉しくって笑っちゃって、笑顔を貰えました。
江田研究員: それは良かったです。最後にプレゼントを貰いましたか?
八田氏: そうそう。最後にプレゼントって言っててるてる坊主をくれたんです。ザ・小学生が作った!みたいな不格好だけど味があって懐かしい奴でした。起きたら手に握っててびっくりしましたよ。自分家にも飾ってあって2個になっちゃいましたね。(微笑む)
江田研究員: そのてるてる坊主こちらで暫く預かっていいですか?また後でお返しするので。
八田氏: え、はい。あの、出来たらでいいんですけど、まおちゃんに会ったら宜しく伝えておいてください。
江田研究員: 分かりました。今日はありがとうございました。
[記録終了]
追記1:
インタビューの後、八田氏の精神状態が回復していることが確認されました。これはSCP-XXXX-JPによる影響だと思われます。
回収されたてるてる坊主に異常性はなかったため、八田氏に返却されました。
SCP-XXXX-JPはカウンセリングを目的としているのか?大量に発生するわけでないからなかなかデータが取れない。少女にも生きていた頃が有った筈だ。その潜在的意識が今の少女の意識を作っている様に感じる。-SCP-XXXX-JP研究主任員 江田
インタビュー記録 XXXX-JP-3
2020/6/12
インタビュアー: 江田研究員
対象: 大橋洋子氏
前記: 大橋氏は大分県██市に住む36歳の女性です。大橋氏は株式会社███に勤務していますが、息子が死亡したことによる精神的ショックで、現在は通勤していません。息子の死亡がストレッサーとなり、SCP-XXXX-JPが発生したと考えられます。
前回同様、医師に変装した江田研究員が、対象にインタビューを行いました。
[記録開始]
江田研究員: こんにちは、大橋さん。色々伺っていきたいのですが、宜しいでしょうか?
大橋氏: えっ、あっ、はい。結構です。
江田研究員: では。まず、昏睡する前の暫くの行動について教えてください。
大橋氏: ずっとお家に引き籠ってばっかりでよくないと思って散歩をしていました。
江田研究員: 散歩中の詳しい出来事を教えてください。
大橋氏: その日は雨で、傘を差して散歩していたのですが、なんだかいい気分になれなくって。もう泣いちゃいそうになってたら傘が漏りだして、あんまりにも良いことなくて道端で泣き出しちゃって。でもいい匂いがして来て、そしたら子供のこと思い出しちゃって、余計に涙が止まらなくって。あの子雨の匂いが好きで傘じゃなくてカッパ着てたんですよ。██もこんな気持ちだったとか考えちゃって。
江田研究員: お子様を亡くされていらっしゃるんでしたね。
大橋氏: はい。1年前に交通事故で亡くしてしまいました。私がちゃんと見れていなかったからです。(涙を浮かべる)
江田研究員: 大丈夫ですか?問診を中断しますか?
大橋氏: いえ。大丈夫です。続けてください。
江田研究員: 分かりました。夢の内容は覚えていますか?
大橋氏: はい。覚えています。明晰夢ってやつなんでしょうか?不思議な内容でした。
江田研究員: その夢の内容を教えてください。
大橋氏: 場所は道端でした。何処かは分かりませんでしたけど、車も人もいなくて薄気味悪かったです。暫く周りを歩いてたら女の子に会いまして。年は7歳だと言っていました。名前はまおちゃんっていって、かわいい女の子で、笑顔が印象的です。泣いてたので目が腫れてたみたいでまおちゃんに心配されちゃいましたね。(少し笑う)
江田研究員: どんな内容の会話をしましたか?
大橋氏: お話を聞きたいって言ってくれて。██の事とかを。最初は乗り気になれなかったけど、私も辛い気持ちを吐き出したくって。途中でまおちゃんも悲しくなっちゃったのか泣いちゃって。2人して道端で泣きながら話してました。まおちゃんと██の姿が重なって見えちゃって。まおちゃんも雨が好きだと言ってくれました。雨の良いところを聞いたら笑って「だって!雨は最後に絶対に止むから」って言ってくれて。私も頑張らなきゃって思って。生きる希望ができたようでした。
江田研究員: 最後に何かプレゼントを貰いましたか?
大橋氏: 最後にプレゼント上げるって言っててるてる坊主をくれて。私の家にも息子のてるてる坊主があるよって言ったら「お揃い!」ってはしゃいでくれて。本当にいい子でした。お礼が言いたいです。
江田研究員: ありがとうございます。
大橋氏: いいえ。あっ、そうだ。起きてたらてるてる坊主を持ってました。これですこれ。
江田研究員: てるてる坊主を暫く預かって宜しいですか?直ぐに返却するので。
大橋氏: はい。どうぞ。
[記録終了]
追記1: インタビューの後、大橋氏の精神状態が回復していることが確認されました。これはSCP-XXXX-JPによる影響だと思われます。大橋氏は"子供を亡くした母の会"を立ち上げようとする等、前向きに活動しています。
回収されたてるてる坊主に異常性はなかったため、大橋氏に返却されました。
3件共の共通点を纏めておいた。これを満たすとSCP-XXXX-JP-Aに会えるかもしれない。少女の夢界への潜入は危険性が低いと思われる。少女の夢界への潜入を提言する。-SCP-XXXX-JP研究主任員 江田
批評ありがとうございます。
仰るとおりだと思います。まだSCPの日が浅いのが大きな要因になっているような気がするので、たくさん記事を読んで解決していきたいと思います。
仰るとおりだと思います。改稿していきたいと思います。
もう一度読み直して納得しました。異常性とストーリーに捻りを持たせてフックや意外性を持たせたいと思います。頑張ります。
異常性とストーリーの変更に加えて直していきたいと思います。音読は試したことが無かったのでやってみたいと思います。
どうしたら良いでしょうか?まだ構文初心者なため教えていただけると幸いです。
批評ありがとうございました。とても励みになりました。頑張って改稿していきたいと思います。