この子を育てて - SCP-JPサンドボックスⅢ

この子を育てて

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クレジット

タイトル: SCP-3745-JP - この子を育てて
著者: Katanarashi
作成年: 2023

お包みが徐々に乳児の身体を取り込んで大きくなっていくってのはどう？
アイテム番号: SCP-3745-JP

オブジェクトクラス: Keter

特別収容プロトコル: SCP-3745-JPはサイト-8141の低危険性物体保管ユニットに収容してください。収容違反を引き起こしたSCP-3745-JPが同サイト内の託児所に出現しなかった場合には機動部隊-い-3("白足猫")が出動し、SCP-3745-JPの捜索が行われます。

+ 旧SCP-3745-JP特別収容プロトコル

特別収容プロトコルの改正経緯については補遺2を参照してください。

説明: ◎SCP-3745-JPは知性を有する1m×1mの御包おくるみ¹です。SCP-3745-JPの構成要素は一般的な繊維と同様です。通常のSCP-3745-JPは非活性ですが、日本国内に0歳〜1歳の孤児が存在することで活性化します。活性化したSCP-3745-JPは、日本国内に存在する0歳〜1歳の孤児の下部に、孤児を包容する形で出現します。出現時のSCP-3745-JPの外見の多くは肌色であり、出現後のSCP-3745-JPは孤児の肌の色へと変色します。

外見変化後のSCP-3745-JPは、自身を構成する約30%の繊維の分離と結合プロセスを経て、約0.2cmの糸状実体(以下SCP-3745-JP-1)を形成します。SCP-3745-JPは、SCP-3745-JP-1の形成後も孤児の包容を継続します。SCP-3745-JP-1のうち約20%は孤児の啼泣²に反応を示し、孤児に対するスキンシップを継続します。SCP-3745-JP-1のうち約80%は、出現地点から最も近くに存在する人間(以下対象と呼称)に対して浮遊を伴う移動を開始します。この際、SCP-3745-JPによる孤児の包容の継続を妨げる移動を回避する傾向にあります。また、この移動による対象への影響は微弱であり、対象はこれを容易に制御することが可能ですが、SCP-3745-JP-1を脱離することは不可能です。

対象に到達したSCP-3745-JP-1は対象の身体に絡み付く形で接着し、孤児に対して浮遊を伴う移動を開始します。孤児に到達したSCP-3745-JP-1は、対象が孤児を認識することで対象から脱離します。その後、結合と分離プロセスを経て、孤児に対してスキンシップを継続していたSCP-3745-JP-1と共にSCP-3745-JPへと変化し、非活性化します。また、上記の一連の流れの完遂上著しい障害が発生した場合、SCP-3745-JPは非活性化します。

補遺1: SCP-3745-JPは2022年11月07日に東京都内の廃屋において、孤児遺体を包容したSCP-3745-JPおよび乳房に索条痕を有する女性遺体が発見されました。遺体の身元確認を行ったところ、女性は孤児の叔母に当たる人物であると判明しました。SCP-3745-JPの起源については現在も調査が進められています。

補遺2: 現特別収容プロトコル確立前である2022年12月26日に、収容違反を引き起こしたSCP-3745-JPがサイト-8141の託児所内に出現しました。以下はそのタイムログです。

収容違反記録3745-JP.1

[ログ開始]

[0:00] SCP-3745-JPがサイト-81██の標準小型収容ケースから消失する。消失と同時に、SCP-3745-JPがサイト-8141の託児所内の乳児を包容する形で出現する。

幼児が泣き始める

[00:10] SCP-3745-JPが分離し、SCP-3745-JP-1が形成され始める。

[01:51] SCP-3745-JP-1の20%が乳児にスキンシップを開始し、残りの80%が託児所の出入口に向けて移動を開始する。

幼児が泣き止む

[02:13] 職員が移動中のSCP-3745-JP-1を発見し、腕で攻撃しながら周囲を見渡す。攻撃を受けたSCP-3745-JP-1はSCP-3745-JPへと移動を開始する。

[02:15] SCP-3745-JP-1が幼児の首に絡み付く。

幼児が再び泣き始める

[02:16] 職員が泣いている幼児を発見し、走り出す。

[02:19] 職員が幼児の首に絡み付いたSCP-3745-JP-1を脱離させようと試みる。これに反応したSCP-3745-JP-1が幼児の首を強く締め始める。

幼児は泣き声を発さなくなり、顔周りが次第に赤くなっていく

[02:25] 20%のSCP-3745-JP-1がSCP-3745-JPに到達し、分離と結合プロセスを開始する。

[02:45] 職員がSCP-3745-JP-1から手を離す。

[02:53] SCP-3745-JP-1が幼児の首から脱離する。幼児の首元には索条痕が見られる。

[02:58] 脱離したSCP-3745-JP-1が分離と結合プロセスを開始する。

幼児の顔周りの色が次第に元に戻っていく

[03:34] 分離と結合プロセスを終えたSCP3745-JP-1がSCP-3745-JPへと完全に変化する。

[ログ終了]

本収容違反を受け、現在の特別収容プロトコルが確立されました。現在の特別収容プロトコルの確立を筆頭に、発見から難航していたSCP-3745-JPの異常性の解明が大幅に進捗しました。本稿作成時点でサイト-8141で保護した孤児の死亡者は17名です。SCP-3745-JPの特別収容プロトコルについては定期的に倫理委員会との協議が行われていますが、他の収容手段が存在しないことおよび日本の少子化により乳児の母体が減少傾向にあることから、特別収容プロトコル再確立の見通しは立っていません。

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