[3/25改稿]SCP-XXXX-JP - 私の欲望コレクション

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 欲望コレクション
著者: tera99
作成年: 2023

+ 批評して頂きたい点

この記事を見て頂きありがとうございます。
まだ模索段階なので、ダメ出しをどんどんしてくれると嬉しいです。

• 話の流れに不自然な箇所はないか。
• 文に不自然な箇所はないか。
• オチに納得出来たか。
• この話を全て総合して、面白かったか。

---

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81██にある青田研究員の机の鍵付き引き出しで保管されています。実験のためにオブジェクトを外部に持ち出す場合は、申告した後に監督者を1名つけなければなりません。

説明: SCP-XXXX-JPはA4サイズの白紙にマスが30個¹印刷され、四つ角に小石が付着している破壊耐性のあるスタンプカード(以下、SCP-XXXX-JP-1と呼称)と、ブラックダイヤモンドで装飾された何も掘られていない白色の判子(以下、SCP-XXXX-JP-2と呼称)で構成されています。

SCP-XXXX-JP-2をSCP-XXXX-JP-1のマスに押すと、押した人物(以下、対象と呼称)が持っている心理的欲求の名称が赤いインクで押印されます。対象が押印を再度した場合、1回目とは別の心理的欲求の名称が押印されます。対象が持っている心理的欲求の名称を全て押印した場合、これ以上文字が押印されることがなくなりますが、新たに心理的欲求を獲得した場合、また文字を押印することが可能になります。

SCP-XXXX-JP-1の四つ角にある小石は1.2cmで丸みがかかっており、紙から剥離することはありません。全てのマスを埋める事でどのような現象が起きるかは不明です。

押印作業にはSCP-XXXX-JP-2にインクを付着させる必要はありません。また、SCP-XXXX-JP-2はSCP-XXXX-JP-1のマス内以外では異常性を発揮しません。

実験記録データファイル: 以下は、青田研究員によって作成されたSCP-XXXX-JP-1を埋める実験の個人的な実験記録データファイルの内容です。個人的なデータ故、実験記録とは関係の無いことが記載されていることに留意してください。

4月23日

私に初めての担当SCPが出来た。私はこのオブジェクトの研究を絶対に成功させるという心構えでいる。というのも、私は研究員になってから間もないのだが、親しくなった先輩に新人だからといって舐められているのだ。そんなに露骨に馬鹿にしてくる訳では無いが、気に食わない。見返してやりたい、という訳だ。

早速実験に取り掛かろう。まずは何も考えずに左上から何個か押してみる。

押印された文字: 達成欲求、名誉欲求、獲得欲求、自己顕示欲求、承認欲求

5個押したところで、もうおせなくなってしまった。なるほど、私がしたいことを欲求として押印出来るのか。この実験を「達成」したい、達成させて「名誉」を「獲得」したい。そして先輩に「自己顕示」し、「承認」されたい。

色々な場面で押せばまた違った欲求も出てくるだろう。次から色んなところに行って押してみよう。

そしてさっきから気になっていた4つの小石だが、少しだけ色が暗くなった気がする。マスを埋めるにつれてなにか変化があるのだろうか？

今までに埋めたマス数: 5マス

5月3日

実験のために外にオブジェクトを持って行って良いか聞いてみたところ、「監視役を付けてもいいなら」と、許可を貰った。監視役は先輩の女性が担当するみたいだ。

そして今日はちょうど休みで天気も良いので、オブジェクトを持って、景色が綺麗な場所へ行ってみることにした。そこは山の中腹から街が見下ろせる場所で、湖まで見えるとても良い場所だ。1人で行きたかったが見てるだけということなので、気にしないようにしよう。オブジェクトを出す時に申告しないといけないが。

1人で景色を眺めているのが私の趣味だ。最近同僚や職場の人と一緒に生活している時間の方が長かったので、1人でいることの良さを再確認できてよい休日になった。

押印された文字: 感性欲求、好奇欲求、趣味欲求、孤立欲求

小石は前よりも黒くなっていることが分かる。このままどんどん黒くなっていくんだろうか。この石の結末を最後まで見る、というのも1つのモチベーションになる。

今までに埋めたマス数: 9マス

6月16日

自分の欲求が生むにはどうすれば良いんだろう、と考えた結果、「恋愛感情」を育てれば良いのではないかと考えた。これから人との関わりを増やして、運命の人を探してみよう。もしその人と上手く行けば、私が持つ欲求も増えるかもしれないし、そもそも私は彼女が欲しかったのだ。実践してみるしかない。

最近忙しくて実験に時間を割けていない。実験自体は判子を押すだけだが、欲求を作る時間が必要なのが厄介だ。

押印された文字: 親和欲求 、救護欲求、改善欲求

小石だが、横から見てみると、若干透明になってきたことが分かる。これはもしかして宝石になっているのか、と思って、判子の方に着いているブラックダイヤモンドと見比べてみたら、かなり似ていた。スタンプカードを全て埋めればブラックダイヤモンドが貰えるのかもしれない。

今までに埋めたマス数: 12マス

7月1日

色々あって職場環境が変わり、私の近くには良く話しかけてくる気さくな女性が居るようになった。彼女は髪が長く、優しい声をしている。どんなに小さなことでも何らかのリアクションを取り、話を盛り上げてくれる人だ。

実はこの人、この前私を監視してた人らしい。あの時はほぼ会話をしていなかったので、こんな明るい人だなんて知らなかった。

私は自分から人に話しかけるタイプではなかったため、女性と親交を深めるには丁度良いタイミングだ。この機会、逃す訳には行かない。

押印された文字: 自己表現欲求、自己成長欲求、他者認知欲求、挑戦欲求

小石はさらに黒く、透明になってきている。やっぱりこの石はブラックダイヤモンドということで良いだろう。

今までに埋めたマス数: 16マス

7月29日

あれから彼女と交流を深めて行き、彼女について色々なことがわかってきた。彼女もこのオブジェクトのことを知っていて、実験の結果が気になっていることを聞いたので、さらにやる気が出てきた。

私はオブジェクトの実験など関係なく彼女のことが好きになってきているかもしれない。おしゃべりしていて楽しく、いつまでも話していたい。また、彼女の明るく、楽しそうに生きているところが私と対照的で、そこに惹かれるものがあった。

彼女と出会ってから、私はこのオブジェクトを胸ポケットに入れて仕事をしている。彼女によってなにか新しい欲求が生まれるかもしれないから、欲求が消えないうちに判子を押そうと思っている。

押印された文字: 愛情欲求、愉楽欲求、構成欲求

小石は結構透明になってきている。せっかくブラックダイヤモンドが4つ貰えるんだから、その内のひとつは彼女に贈るのはどうだろうか。そうすれば、かなり距離が縮まるだろう。

今までに埋めたマス数: 19マス

8月15日

彼女は死んだ。私の職場であるサイト-81██はカオス・インサージェンシー工作員からの攻撃を受けたらしい。攻撃してきた工作員共が憎いが、それ以上に自宅で休んでいて助かったと思っている自分が憎い。

彼女とは更に話す機会が増えてきて、彼女のことがより好きになってきた矢先だった。おしゃべりを通していろんな意見を交わし、距離を縮めてきた。だが、これ以上仲が深まることはない。

このことを引き摺りながらでも実験を進めるしかない。私にはやらなければいけないことがあるのだ。

押印された文字: 反発欲求、内罰欲求、批判回避欲求

この小石を見ていると頑張ろう、という気持ちになれる。こいつをブラックダイヤモンドにするのは俺なんだから、頑張らなければいけない。

今までに埋めたマス数: 22マス

9月4日

新しいサイトに異動になり、周りは知らない人でいっぱいだった。前のサイトにいた人が全員死んだ訳では無いが、同じサイトに配属された人はいなかった。

前みたいに私に話しかけてくれる気さくな人はおらず、前まで慣れていたはずの静寂が私の心を締め付ける。もし彼女を完全に好きになっていたら、私は立ち直れなかっただろう。

喪失感を埋めるために、なにか肯定を得たい気持ちが出てきた。どうやって肯定を得られるか考えた時、1つの方法を思い出した。

実験を成功させなければ。

押印された文字: 不満解消欲求、持続欲求、証明欲求

小石だが、もう小石と言わずにブラックダイヤモンドと言った方が良い、というところまで来た。

今までに埋めたマス数: 25マス

10月15日

新しいサイトに異動になりやらないといけないことが増え、更にサイトに馴染めるようにならないといけない。最近は心身共に疲労を感じる。

このスタンプカードが私を肯定しているような気がしてきた。私の欲求を文字化してくれるこのオブジェクトが、私の心の中を見通して宥めてくれているかのようだ。そのせいで、心の安寧を求めて判子を押したくなる。

オブジェクトの研究を進めるためにオブジェクトに励ましてもらうなんて、変な事だ。

1回何も押印されなくても良いからと、マスに判子を押してみた。

押印された文字: 依存欲求

思わず笑ってしまった。確かにそうだ。私はこのスタンプカードに依存している。でも、この実験が成功すればこのオブジェクトは必要ない。人間関係も今より広がり、充実するだろう。

ブラックダイヤモンドは完成まで後少しだ。

今までに埋めたマス数: 26マス

11月19日

あと4マス、どのような欲求があるか考えたが、他人と競えば良いんじゃないか？と考えたので、「先輩を追い抜いて煽ってやろう」という目標を立てた。まあ関係を悪くしたい訳では無いので煽ったりはしないが、そのくらいの気持ちでいこう。

先輩を追い抜くには、知識と経験を積み上げるしかない。

押印された文字: 知識欲求、優位欲求

あと2マス。この実験を成功させるまで後少しだ。

ブラックダイヤモンドももうすぐ完全体になるのだろう。この宝石を贈る相手はいなくなってしまったが、彼女を忘れないためにひとつは保管しておこう。残りは売って、なにか欲しいものがあった時に使えるお金として置いておこう。

今までに埋めたマス数: 28マス

12月31日

もうすぐこの実験が成功して実力が認められる、人間関係の輪も広がる、そう考えていたら、「皆と関係を深めてもっと色んなことがやりたい」と思った。つまり、これは新たな欲求の現れだ。

押印された文字: 同調欲求

今年中にこの実験を終わらせることは出来なかったが、あと1つ埋めれば遂に私の晴れ舞台だ。今日は大晦日だし、同僚と一緒に飲んだりしよう。このサイトはお寺に近いから、除夜の鐘も聞こえてくるだろう。

新たな私の幕開けに、乾杯。

今までに埋めたマス数: 29マス

1月1日

どういうことだ。こんなことはありえない。

家に帰ってスタンプカードを見たら、押印された文字が全て無くなっていた。

ブラックダイヤモンドもただの小石になっているじゃないか！

私が半年以上かけて実験してきた成果はどこへ行ったんだ！？

私の晴れ舞台はどこへ行ったんだ…

補遺: SCP-XXXX-JP-1に押印された文字が消失した事案を調査した結果、「除夜の鐘が聞こえる範囲にSCP-XXXX-JP-1があると押印された文字が消える」という異常性が発見されました。

scp jp

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ページ情報

執筆者: tera99

文字数: 6432

リビジョン数: 19

批評コメント: 6

最終更新: 30 Mar 2023 10:48

最終コメント: 25 Mar 2023 14:04 by tera99

Footnotes

1. 縦3マス×横10マスになっている

付与予定タグ: scp jp

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  northfal72 25 Mar 2023 11:49

  SCPにどっぷりハマりだしてまだ日が浅い者ですが、自分が思った限りは書きました。参考になれば幸いです。

  +改善点

  ブラックダイヤモンドで装飾された何も掘られていない白色の判子(以下、SCP-XXXX-JP-2)と呼称で構成されています。

  SCP-XXXX-JP-2の後ろのかっこが誤字ってます。

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  小石というのはすこしざっくりしている印象を受けました。サイズ、岩石の種類、形状などを加えると、SCPならではの堅苦しさがでるのではないでしょうか。

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  小石がブラックダイヤモンドに変化している最中はどのような状態になっているのでしょうか。変化の仕方は、青木研究員の記録から「徐々に全体的に透明感が増し、色が黒っぽくなっていく」と(自分は)読み取りましたが、その小石の組成はどうなっているのでしょうか。これに関して、「現在調査中」とか「地球上には存在しない組成をしている」とか、何かしら言及すべきだと思いました。僕は気になったので、変化の仕方と合わせて説明内に記述すべきだと思います。

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  4月23日に、「そして4つのブラックダイヤモンドになる予定の小石だが」と述べられています。
  これに関して、青木研究員はなぜ小石がブラックダイヤモンドになる予定だと分かっているのでしょうか。
  彼がこのSCPの研究を引き継いだのであれば、既に判明している性質であると納得がいきますが、彼がこのSCPの初の担当なのであれば不自然に感じます。前者後者どちらなのかについて言及し、もし後者であれば、記録が進むにつれてブラックダイヤモンドっぽくなってきたと言うべきだと思います。

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  10月15日、「私の欲求を文字化して押してくれるこのオブジェクトが」とありますが、SCPはスタンプを押してはくれないので、「押して」は不要だと思います。

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  1月1日、スタンプカードは白紙になりましたが、小石(ブラックダイヤモンドなりかけ)はどうなったのでしょうか。スタンプカードと同様、小石に戻るのか否か書くべきだと思います。

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  全体を通して、スタンプを押す間隔が長い様に感じました。彼が忙しくしている描写があるとしても、同僚を見返してやろうとしているのに、実験の終了(?)に半年以上かかっているのは不自然です。僕は、彼がこのSCPに依存していることから、本当は終わるのが寂しかったという様に解釈しましたが、何かしら時間がかかったことに関する理由が欲しいです。もし理由があるとして、それを読者には隠す事はアリだと思いますが、現在の描写ではただ時間がかかったなあと思っている事しか示されていないので、彼の強い承認欲求からすると少し違和感を感じます。

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  最後に。話の流れはとても面白かったです。彼の心情の変遷、最後SCPの性質によって努力が水の泡になる点、一つの物語として読んでいて楽しかったです。欲求もうまく数が合うようになっているし、時間がかかりすぎと言いましたが、日が流れていくのも彼の心情の変化のためには重要な要素だと感じました。執筆の成功を願ってます。

  最後の編集 25 Mar 2023 11:59 by northfal72 さらに表示

  tera99 25 Mar 2023 12:00

  批評ありがとうございます。
  確かに「この研究員がなぜ知っているのか」という箇所がいくつかありましたので、修正したいと思います。
  また実験のバックグラウンドにも少々齟齬があったのも、読者に違和感のないように変えたいと思います。
  貴重なご意見ありがとうございます。

  Kabi533 25 Mar 2023 12:28

  執筆お疲れ様です。拝読いたしました。
  長めなので折り畳んであります。

  + 誤字、表現の指摘など

  SCP-XXXX-JPはA4サイズの白紙にマスがさわ個印刷され、

  30個ではないかと思われます。

  4つ角に小石のようなものが付着している

  ある程度決まった言い方ですので、四つ角の方が適切かと思いました。(個人の好みの範疇かもしれません)

  白色の判子(以下、SCP-XXXX-JP-2)と呼称で構成されています。

  括弧から出てしまっています。

  以下は、青木研究員によって作成された[後略]

  青田研究員ではないかと思われます。

  5個押したところで、もうおせなくなってしまった。

  変換漏れです。

  もしその人と上手く行けば、私が持つ欲求
  も増えるかもしれないし、

  改行が挟まっています。

  スタンプカードが全て埋まるまで関係を保ってられればの話だが。

  いられの方が適切です。(青田研究員のフランクさを優先するのであればそのままでも良いと思います。)

  新しいサイトに移動になり、

  異動の方が適切かと思われます。

  どうやって肯定を得れるか考えた時、

  得られるの方が適切です。(青田研究員のフランクさを優先するのであればそのままでも良いと思います。)

  先輩を追い抜くには、知識と経験を積み込むしかない。

  詰め込むもしくは積み上げるの方が適切かと感じました。

  この宝石を送る相手はいなくなってしまったが、

  贈るの方が適切かと思われます。

  + 内容について

  面白かったと感じました。これで投稿されていたらUVします。

  内容でいくつか気になった点としては、

  一般人の視認を制限することを明記する必要があるか

  財団のポリシー的に、当たり前なことのような気がしました。

  判子が消える性質を明記する必要があるか

  除夜の鐘で煩悩が払われたことは実験記録から既に読み取れましたので、補遺1は蛇足のように感じました。

  青田研究員の精神疲労を明記する必要があるか

  上と同じようなことですが、青田研究員の落胆は目に見えているので、実験記録で終わらせてしまった方が後味が残るかなと個人的には思いました。

  何日にも積み重なる実験記録でじわじわと期待を誘い、最後で全て持って行かれたので「やられた」感をかなり感じ、楽しめました。記事の完成を心待ちにしております。
  人生初批評ですので、至らない点などあるかと思いますが、批評のクオリティ向上のため、分かりにくい所などあれば遠慮なくご指摘いただければと思います。重ねて、執筆お疲れ様でした。

  tera99 25 Mar 2023 12:44

  批評ありがとうございます。
  確かに最後の方、歯切れが悪く思えてきたので改稿を施したいと思います。
  除夜の鐘関係はギリギリ分からない人もいると思ったんですが、まあ読者にはオチを考える時間が無限にあるという事で割り切りたいと思います。
  貴重なご意見ありがとうございます。
  批評に分かりにくい所はありませんでした！
  私が気にしてなかった所に着目してくれた(最後のオチの部分)のでとても有難いです。

  kashima8 25 Mar 2023 13:00

  +拝読しました

  現状では厳しいと感じましたので、それを以下述べさせていただきます。

  1.オブジェクトの外見等がイメージできなかった。
  軽く検索してみたのですが「さわ個印刷され」がよくわかりませんでした。
  縦3マス×横10マスというのも何の必要があるのか？と疑問になりました。
  また「4つ角に小石のようなものが付着しているスタンプカード」の部分も、財団ならその小石のようなものが何なのかも調べそうだと感じました。
  画像があればもう少し分かりやすいと感じましたし、説明文を整理すればイメージしやすくなるのではないかと思いました。

  2.矛盾？しているような部分

  対象が持っている心理的欲求の名称を全て押印した場合、これ以上文字が押印されることがなくなりますが、新たに心理的欲求を獲得した場合、また文字を押印することが可能になります。

  自分が持っている心理的欲求が全て出たと分かるものなのでしょうか。また、「新たに獲得」したというのも、どうやって分かるものなのかと疑問です。
  また、

  SCP-XXXX-JP-1の4つ角にある小石は、マスを埋めていく事に黒化して透明度が増し、ブラックダイヤモンドに近づいていきます。全てのマスを埋める事でどのような現象が起きるかは不明です。

  説明の部分で「ブラックダイヤモンドで装飾されている」とあるので、どの時点でブラックダイヤモンドになったのか分かりませんでした。1つしか見つかっていないのなら、時空列がバラバラになっている気がします。
  黒化して透明度が増すという部分も矛盾してないかと感じました。
  また、軽く調べたところブラックダイヤモンドは「黒い＝透明度が低い」みたいな情報を見かけたので、「透明度が増してブラックダイヤモンドに近づく」というのも違うのではないかと感じます（この点は無知なので間違っていたら大変申し訳ありません。）
  

  3.オブジェクトを研究員1人に持たせ自由に使わせることへの是非

  実験のため、青田研究員はSCP-XXXX-JPを外部に持ち出すことが許されていますが、民間人に当オブジェクトを見せることは禁止されています。

  これはありえないことだと思います。
  青田研究員がどれだけ厳重な状態でオブジェクトを持ち出したとしても万一の事態があるかもしれません。
  持ち出す＝財団の管理下から出す、という事だと受け取ったので、

  万が一民間人が当オブジェクトを視認した場合、Aクラス記憶処理剤を投与してください。

  そもそも持ち出さなければ万一のことがあったとしても記憶処理などしなくていいです。

  以下は、青木研究員によって作成されたSCP-XXXX-JP-1を埋める実験の個人的な実験記録データファイルの内容です。個人的なデータ故、実験記録とは関係の無いことが記載されていることに留意してください。

  個人的な実験を行うべきではないのでは？と思いました。記録も仕事で扱っている物なので個人的な事を書くべきではありません。
  記録も、

  親しくなった先輩に新人だからといって舐められているのだ。そんなに露骨に馬鹿にしてくる訳では無いが、気に食わない。見返してやりたい、という訳だ。

  仕事で扱っている物に対する文書なのですから、上司などの職場の人間に読まれることは大前提のはずです。
  青田研究員がなぜこの研究にのめりこんだのかという部分を描いていることは十分理解できますが、彼が周りの人間に思うところがあるならば余計に書くべきではないと思います。先輩も「これ俺の事だな。青田め」って察します。

  実験のために外にオブジェクトを持って行って良いか聞いてみたところ、「誰にも見せないんだったら」と、許可を貰った。

  そうはならないはずです。

  彼女と出会ってから、私はこのオブジェクトを胸ポケットに入れて仕事をしている。彼女によってなにか新しい欲求が生まれるかもしれないから、欲求が消えないうちに判子を押そうと思っている。

  それを「彼女」に見られるのは問題だと思います。おなじ財団の仲間でも「彼女」は同じ研究チームか何かなのか分かりませんでした。
  また「彼女」がSCP-XXXX-JPの事を知ったら「オブジェクトの研究のために私に近寄ったのね！ひどい！」と感じるのではないかという心配もあります。

  このスタンプカードが私を肯定しているような気がしてきた。私の欲求を文字化して押してくれるこのオブジェクトが、私の心の中を見通して宥めてくれているかのようだ。そのせいで、心の安寧を求めて判子を押したくなる。

  読んでいた時点でそういうことがあまり読み取れませんでした。自分が認識できていない欲求を知ることで精神がよい状況にいき、それを心地よく感じること自体は実際あることだと思うのですが、突然出てきたように感じました。

  家に帰ってスタンプカードを見たら、押印された文字が全て無くなっていた。

  私が半年以上かけて押してきた文字はどこに行ったんだ！？

  私の晴れ舞台はどこへ行ったんだ…

  言ってる場合ではないです、探してください。個人利用し1人で研究した挙句紛失するのは重い処罰を受けます。財団職員じゃなくてもノンキすぎて、彼の社会人としての資質があまりにもないです。

  SCP-XXXX-JPの担当研究員である青田研究員は、精神的な疲労を理由に当オブジェクトの実験を凍結しました。

  個人の都合で実験の凍結を決めることはないのではないかと思います。別の人間が受け継ぐべきです。
  またこの場合「精神的疲労」とありますが、「それより無くしたオブジェクトに対して何かないの？」と感じました。
  責任をとって処罰を受けて担当を外れる（実質左遷やクビだが「療養」という建前を使う）のではないでしょうか。

  4.青田研究員を好きになれない

  自分の欲求が生むにはどうすれば良いんだろう、と考えた結果、「恋愛感情」を育てれば良いのではないかと考えた。これから人との関わりを増やして、運命の人を探してみよう。

  その後運命の女性と出会い心から愛するようになりますが、この軽い気持ちで「実験のために恋人つくるか。」みたいなノリが、青田研究員への好感度を下げています。同感しずらく、彼女を失ったことに対して同情が薄れます。
  むしろ「好きな女性ができた→恋愛の欲求を自分は持っていたと自覚する」みたいな方が個人的には受け入れやすい気がします。
  個人的な意見ですが、「親和欲求を持っていると分かったから人と交流してみよう（成長）→人間関係の改善→気さくな女性と知り合って恋に落ちる→これは恋愛感情だったんだ！→ダイヤモンドを彼女にプレゼントしよう（だから実験を続けたい）」みたいな感じだと青田研究員を応援したくなるかもしれません。
  嫌な先輩がいた→職場環境が変わった→運命の女性との出会いだと、青田研究員が何かをしたわけでもなく、都合のいい方向に進んでいるように感じました。このままだと、彼の行く末を見守りたいという気持ちがあまり湧きません。

  前みたいに私に話しかけてくれる気さくな人はおらず、前まで慣れていたはずの静寂が私の心を締め付ける。もし彼女を完全に好きになっていたら、私は立ち直れなかっただろう。

  本当に好きになっていたのだと受け取って読んでいた読者が裏切られたように感じます。

  新たな私の幕開けに、乾杯。

  死んだ挙句「完全に好きじゃなかった」と言われた「気さくな彼女」を忘れて自分に酔っているように感じました。

  青田研究員の恋が大きなポイントだと感じたのですが、彼が「彼女」を好きになったのは「自分に近寄ってきたから」で、「自分から他の誰かに近寄る気がない」と感じられる態度が、あまりいいものに思えませんでした。
  「彼女」も「カオス・インタージェンシーの襲撃」も、全部都合のいい装置にように思えました。彼の心境が動くのなら、彼自身が行動を起こしていったほうが、読者もつよく関心を抱くはずです。
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  5.オチが弱い
  除夜の鐘に関する情報がいきなり出てきて「その近くにSCP-XXXX-JPの影響がある」とだけ出てきていて、そこにワクワク感を感じられませんでした。
  除夜の鐘が出たのは「煩悩が108を超えたから消えた」ということなのだと、何回か読み返して気が付きましたが、見事にキマっているオチとは言えない気がします。
  「欲求」と「煩悩」はまた別なものだと私は思っているため、余計にそう感じました。
  煩悩は消した方がいいですが、「承認欲求」「愛情欲求」などは人間に必要ななくすべき欲求ではないように感じます。
  また、除夜の鐘の聞こえる範囲にSCP-XXXX-JPがあるかもしれない（？）のなら、どこにあるか捜索するのではないかと思います。

  6.欲求名に違和感
  「趣味欲求」「孤立欲求」「挑戦欲求」「構成欲求」「依存欲求」など、意味がなかなか読み取れないものが多かったです。

  まとめますと、

  • 財団としての対応が甘く、納得できない
  • 主人公である青田研究員を好きになれない

  という部分が難点に感じました。

  
  的外れな部分があったら申し訳ありませんが、少しでも参考になれば幸いです。

  tera99 25 Mar 2023 14:04

  批評ありがとうございます。
  沢山の意見を書き出してくださり、とても有難いです。
  頂いた批評を元に改稿を施したいと思います。
  貴重なご意見ありがとうございます。

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