EXJ

アイテム番号: SCP-XXX-JP-EX-J

オブジェクトクラス: Explained

特別収容プロトコル: 経過観察中につき未制定

説明: SCP-XXX-JPは自立稼働を可能とする自動人形です。主な素材は既知の木材と鉱石で、それらを加工したおよそ1300からなるパーツで構成されています。現在まで7機が存在を確認されており、最大で172cm、最小で106cmの個体が確認されています。多くは人型を模した2足歩行を目的とした形状をとっていますが、脚部がキャタピラ状になっているもの、4足歩行のものも存在しています。

SCP-XXX-JPは長野県木曽郡に位置する鉢盛山中に存在する村落を活動域としています。村落は最も近い生活区域から約30km離れており、唯一の交通路は自動車通行用に整備されていないため主要な交通手段は徒歩に限られます。この村落には5名の居住者が存在し、SCP-XXX-JPと共同生活を送っています。村落には明確な名称がなく、村民は単に「村」と呼称します。なお、通電線および電話線は配備されておらず生活における主燃料は薪です。

SCP-XXX-JPの重要な特徴の一つとして、極めて複雑かつ優秀な機能を有していることが挙げられます。一例として、コンピュータ類など電子回路を内蔵していないにも関わらず自身の姿勢制御やルーティーンワークの実行、各種センサの実装などを実現しています。破壊的な研究は実施されていないため詳細のほとんどは製作者のインタビュー頼りですが、以下のような挙動および性能を確認しています。

姿勢制御と二足歩行 構成する木材の比重差により重心を保ち、円筒内に複数の球体を格納した擬似加速度センサにより稼働させる四肢を切り替え歩行を可能とさせている
対物センサ 海綿状の高吸湿性を持つキノコの笠によって湿度を検知し噴き出される胞子量で対象までの距離を測っている
長時間稼働 弾性の高い竹製のゼンマイを全身にあしらい、部位毎にエネルギーを蓄積させることで必要に応じた残留応力の利用と機体の軽量化を行なっている

製作者はこれらの機能について設計時の想定通りに稼働していると認識しており、村民を含めSCP-XXX-JPが過剰な性能であるとは考えていません。それぞれ個別の呼称はなく、まとめて「からくり」と呼ばれています。

発見経緯: 財団日本支部において、即座に危険性はないと判断された多数のオブジェクトについて保管・管理を行うため、一般社会と隔絶した施設の建設先としていくつかの山地が候補にあがりました。現地調査の一環として視察に訪れたエージェント・駒場は山中にて想定外の村落を発見、程なくしてSCP-XXX-JP-1と接触しました。遭遇までのSCP-XXX-JP-1は単体で山菜を採取していましたが駒場を何らかのセンサーで認識した様子で村内へ移動し、駒場は追跡を行いました。村内では70代の男性2名が談笑しており、SCP-XXX-JP-1の接近をもって駒場の存在を認識しました。

駒場は国土調査員を装い友好的接触を計り、その結果、村民から村落・村民・SCP-XXX-JPについての情報を得ることに成功しました。情報収集を行った駒場は現場での判断を保留しサイトへと帰投、以上の経緯、情報を経て対策会議が発足され多角的な方面から議論されることになりました。

SCP-XXX-JP対策会議:

[参加者はサイト管理人・山添、超常機構部門員・永田、エネルギー部門員・光島、マテリアル部門員・井手、奇跡論部門員・内海、エージェント・駒場の6名]

山添: ……というわけで新たなアイテム——になるかも知れないこの現象についての対策会議を設けさせていただきました。

井手: 聞く限り明らかに異常だと思うんですけどなんでこんな遠回しなんです?

山添: 今月に入ってからちょっとしたやらかしがありましてね。

[山添は壁面の額縁に目をやる。額縁内には達筆で"SCP-002-JP-EXを忘れない"と書いてある]

[参加者は全員その額縁を視認し、憐れみの混じった目線を山添に向ける]

山添: 自我が芽生えているとか、そこまで行かなくても自発的に発声したとか、それくらいわかりやすければいいんですけど。

光島: まあ仕方ないですね……気を取り直して、資料読んだ上でとりあえずの質問なんですけど、これの異常性ってどこ由来が濃厚です?

内海: 材料なのか機構なのか技術なのか製作者なのかで全然カテゴリ違いますもんね。

駒場: まず製作者1なんですけど、異常に関して一切自覚がないです。これは信じてもらうしかないんですけど、少なくとも悪意を持って隠蔽している可能性はゼロです。

永田: ふむ、まあとりあえずそれは避けとくことにしましょうか。他には?

駒場: それがわからないんですよ。

永田: へ?

駒場: この目で見た限りは確実にオーバースペックなんですけど、どこから探っても異常性が見あたらなくて。それでご意見聞きたくて。

山添: せっかく各部門から専門の方に来ていただいているんで、多角的に考えていきましょうか。

光島: じゃあとりあえず何か気付いたところから教えて?

駒場: 背面についてる15cmくらいのねじを回すと動くんですけど、3周まわしたくらいで2時間くらい稼働できるんです。

永田: それはもうわかりやすく異常事態でしょ。そんな高効率のエネルギー蓄積機関なんてないから。回転エネルギーが何か異常なエネルギーに変換されてるってことですね。

駒場: 僕もそう思ったんですよ。でも違くて。

永田: 何が違うの?

駒場: 隙間から中が見れるんですけど、ゼンマイがちゃんと巻かれてそれが戻ってるだけなんですよ。

永田: ってことはエネルギー蓄積の部分じゃないのか。そのゼンマイがどうなるの?

駒場: ゼンマイが戻るのは少しづつなんですけど、それで色んな歯車がキリキリ動くんですよ。

光島: それならエネルギー変換の方やね。少ない動力から大量の運動エネルギーを作るような異常な変換が働いてるんだろうね。

駒場: でもよく見たらめちゃくちゃ小さい歯車がたくさん噛み合ってて回転数も計算通りなんですよ。

光島: ほな変換とも違うか。他には?

井手: だとしたら材質じゃない?そんな精密動作に耐えられる材料なんて最新の科学の範疇だし、材料が異常性を持ってるってことで決まり!

駒場: ですよねえ、僕もそれが怪しいと思ったんですけどね、全部その辺で取れる天然の物質なんですよ。竹だの花崗岩だの。

井手: だからそれが異常なんじゃないの?

駒場: 材質だけならってんで持って帰ってきましたけど、見ます?

井手: ありがとうございます。サンプルなんかいくつあってもいいからね……[ためつすがめつして]ぱっと見だけど非異常ですねぇ。

内海: それなら組み立てると異常性を持つってやつですかね。材料の時は非異常だけど、組み合わせや導線が呪術的回路を形成してしまうタイプの。最近だと自作パソコンを組み立てる時にたまたまヘパイストス式中級呪術連結回路が出来ちゃって暴発した例が上がってましたけど、これの厄介なのは作業者にまったく自覚がないとこなんですよね。本人の呪術的適正とも関係なく発動しますし、同じような性能の個体がたくさん制作されてるところから考えてもこのパターンが一番近いんじゃないですかね。今回もその製作者が無意識に呪術構造体を作っちゃったてことでしょう。

駒場: その線も考えたんですけど違うんですよ。

内海: なんでです?材料でも機構でも製作者でもなかったら技術しかないでしょう!

駒場: いや違うんです!!

内海: 何がですか!!

駒場: 携帯用のカント計数機で測定してもヒューム値は1だったんですよ。

内海: 先に言ってくださいよ!!私が長々語ってる間どう思ってたんですか!

駒場: 申し訳ないなあって。山添さんはどう見ます?

山添: 実はサメなんじゃない?

永田・光島・井手・内海・駒場: それはないわ。

to: O5-1
from: サイト管理人・山添
title: 異常性わからず


天才老人が作った規格外に高性能な機械、収容すべきですか?

to: サイト管理人・山添
from: O5-1
title: Re:異常性わからず


ついでに相対性理論の収容許可も出そうか?
P.S.奇跡論ってどれくらい一般的?

山添: マジでほんとにすごい山奥なんだね。

駒場: 秘密基地予定地でしたからねー。そこ足元注意です。

山添: うわっと!……あー、久々のハイキングは心躍るなあー!

駒場: すみませんわざわざ出張ってもらっちゃって。

山添: いいのよ、最近どこまでが異常なのかわからなくなってるから。現物見て納得したいし。

駒場: 方針としては?

山添: すごい技術ですね!世のため人のために役立ててください!

駒場: 収容したくないんですね?

山添: 微妙すぎるんだもの。

駒場: 見たことない高性能な電動車椅子を見かけたら乗ってる老人から奪うのか?とか言われてましたね。

山添: いやーガチの老人に言われると辛いわ。

駒場: とはいえ確保・収容・保護がうちのモットーですよ?

山添: 駒場くんが責任持って報告書書いてくれるなら何も言わない。

駒場: ダメですよ、直々に使命されたらしいじゃないですか。

山添: すごい技術ですね!すごい技術ですね!

マツ氏: これはまた、上司の方まで遠路はるばるご苦労様です。

駒場: いえいえ、これも仕事ですから!

山添: あはは、はぁ。それで、さっそくお手製のからくりを見せていただけますか?

マツ氏: ええ、かまいませんよ。おーい!

SCP-XXX-JP-9: はーい、ただいま!

山添: しゃべってんじゃーーーーーーん!!!

SCP-XXX-JPについての調査は続行中です。


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