メモ: 蹴破られた扉

クレジット

タイトル: メモ: 蹴破られた扉
著者: Syutaro
作成年: 2023

　

別称: 鍵が破壊された扉、或いは憧れ。
　
概要: この前、財団のエージェントが蹴破っていた扉。
　
◎財団の言う"要注意団体"のアジトにあった扉。
◎何の躊躇もなく、綺麗なフォームで蹴っていた。
◎扉は一発で破れた。
　
注目点: めちゃくちゃカッコよかった。私もやってみたい。
　
結果: 足を負傷し、部屋の扉がちょっと凹んだ。

考察: エージェント達は日夜トレーニングに励んでいる。真似をしたいなら私も筋トレすべきだ。

◎既にジムへの入会手続きは済ませた。
◎最近のジムにはジャグジーがあるらしい。
◎一番高いコースにしたから、3日坊主にはならない筈だ。

障害: トレーナーさんに「扉を蹴破れるようになりたいから下半身だけ鍛えさせて」とは言えず、全身を満遍なく鍛えることになった。

◎食事制限が辛い。
◎一番高いコースなだけあって、管理がしっかりしており逃げ場がない。
◎サラダチキンはもう見たくない。

考え: しかし、これだけ頑張ればすぐに扉くらい蹴破れるようになるのではないか。数ヶ月後には、私は何者でもない一人のマッチョになっていることだろう。それまでは部屋の扉を相手にイメトレを重ねることとする。

結果: 筋肉のパワーが乗った蹴りを喰らわせても扉は破れず、8回目で足を突き指した。下の住人からは苦情が入った。

◎力に任せるだけではいけないのかもしれない。
◎キックの技術なんてどうやって身に付けたらいい？
◎数ヶ月の間お世話になっているトレーナーさんになら正直に相談してもいいかもしれない。

貰ったアドバイス
「ええ……じゃあまあ、キックが主体の格闘技とか習ったらいいんじゃないですか……？　……冗談じゃないんですよね？」

◎私達の信頼関係は終わりを迎えたらしい。
◎信頼を代償に、私はムエタイの教室に通うこととなった。
◎トレーナーの間で「野蛮人」という仇名が出回り始めたので、ジムは変えた。

ムエタイ教室の感想: ひたすらミドルキックとハイキックをやらされている。これなら扉を蹴破るだけのキックの技術が身に付きそうだ。

◎ジム通いのおかげか、体力はついているらしい。

◎ハイキックをやたらと褒められた。センスある？
◎ルールブックを見て戦慄した。肘打ちが認められている。とんでもない所に入ってしまった。

先生曰く、私がムエタイ選手になるためには一旦肥大した筋肉を小さく、機能的な状態にする必要があるらしい。またもサラダチキン生活だ。私はイヤホンでロッキーのテーマを流しながら、今朝も走り込みに出る……

メモ:ガン・サムラン

別称: 茨城のムエタイ・チャンプ、ミドルの鬼

概要: 現在31歳の男性。7年前に来日し、県で一番のムエタイ選手と名高い。

脅威: 小。私の敵ではない。ワンラウンドで終わらせてやる。

攻略方針: 奴の癖は掴んだ。ミドルが来た瞬間にハイを喰らわせ、接近して肘打ちを連打しTKOに持ち込む。テンカウントすら必要ない。

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