SCP-XXXX-JP - 注文の厳しいラーメン屋

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SCP-XXXX-JPの店外に設置された看板。削られた跡が残っており、罰則の内容は不明。

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Keter Archon

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの完全な収容の試みは実施されません。民間人の接触を最小限に抑えるため、SCP-XXXX-JPの周囲を常に監視してください。SCP-XXXX-JPに入店する可能性のある民間人に対してはプロトコル"珍しいタイプの客引き"を実行し、SCP-XXXX-JPに隣接する財団フロント企業"容保かたもり商店"の店舗への誘導を試みてください。SCP-XXXX-JPの営業時間中は常に1名以上の財団職員が客として入店している状態を維持し、店内の監視を行ってください。

説明: SCP-XXXX-JPは北海道札幌市中央区で"桐喜屋"として営業するラーメン店です。SCP-XXXX-JPの外装及び内装、提供されるメニューは全て一般的なものであり、異常性は確認されていません。SCP-XXXX-JPの異常性は、SCP-XXXX-JP内で客が店主の桐谷氏(SCP-XXXX-JP-1)によって制定された規則に違反した場合に発揮されます。規則違反が客によって行われた際、その客はそれに伴った一定の処罰を受けます。これによる処罰は多くの場合身体や精神に害を為す物ですが、処罰により客が死亡した事例や、重篤な負傷に至った事例は確認されていません。なお店外であっても、SCP-XXXX-JPへの明確な営業妨害が行われた場合、妨害者に対して処罰が下されます。SCP-XXXX-JPの見取り図には寝室等が確認されていませんが、SCP-XXXX-JP-1は営業時間外であってもSCP-XXXX-JP内に留まります。

 
以下の実験記録XXXX-JPは、SCP-XXXX-JPが現在の特別収容プロトコルに則って収容される以前の、調査段階での実験記録です。
 
実験記録XXXX-JP

収容法調査実験XXXX-JP-1
調査者 平鹿研究員
手順 厨房に侵入し、SCP-XXXX-JP-1に直接接触する。
結果 SCP-XXXX-JP-1に接触する直前で調査者は厨房の油分に足を滑らせて転倒した。調査者の身体は滑って厨房の外へと投げ出された。
備考 この後数回同じ試みが他の調査者によっても行われたが、全ての事例で直接の接触に失敗した。
収容法調査実験XXXX-JP-2
調査者 平鹿研究員
手順 カウンター越しにSCP-XXXX-JP-1へのインタビューを試みる。
結果 SCP-XXXX-JP-1は「ここはラーメンを食う店だ」と発言。調査者の座っていた丸椅子が回転を始めた。回転は20秒間継続した後、減速を経て停止した。
備考 映像記録から計測した結果、回転の最高速度は秒間11.1回転であり、調査者の身体が椅子から離れなかった事、調査者が負傷しなかった事も異常性によるものと結論づけられた。
収容法調査実験XXXX-JP-3
調査者 エージェント・熊野
手順 営業時間外にSCP-XXXX-JP内への侵入を試みる。
結果 SCP-XXXX-JPの戸に破壊用器具を接触させた瞬間、SCP-XXXX-JP-1が戸を開く。調査者はSCP-XXXX-JP-1によって厨房内に拉致された。調査者はその後2時間の間店内の雑務を強制された後に解放された。
備考 調査者は厨房内の様子を観察したが、調理器具等に異常性を持つ物品は確認できなかった。
収容法調査実験XXXX-JP-4
調査者 平鹿研究員他15名
手順 SCP-XXXX-JP周囲の道路を工事に偽装し封鎖する。
結果 調査者全員の頭上に熱湯が入った寸胴鍋が出現。調査者のうち10名が軽い火傷を負った。
備考 SCP-XXXX-JP-1はSCP-XXXX-JPの戸を開き、軟膏1をSCP-XXXX-JP外に投げていた。
収容法調査実験XXXX-JP-5
調査者 猪高研究員他2名
手順 ラーメン専門雑誌"ラーメンfighter in北海道"記者と偽り、事前のアポイントメントを取った上で営業時間外にインタビューを実施。
結果 インタビューに成功。インタビュー記録は以下を参照。

 
 

インタビュー記録XXXX-JP

対象: SCP-XXXX-JP-1(以下の記録内では桐谷氏)

インタビュアー: 猪高研究員

<録音開始>

<前略>

猪高研究員: なるほど、ありがとうございます。では次に、桐谷さんがこだわりと仰る「規則」についてお伺いしたいのですが……

桐谷氏: ああ。アレかい。別に、他の店でも最低限の決まりはあったりするだろ。

猪高研究員: ええ、はい。ただ、ここまで細かく規則と罰則を決めているお店はなかなかありませんから。しかも、かなり多いようですが……

桐谷氏: 一応壁には貼ってあるし、冊子を作ってるから頼まれれば見せるようにしてんだ2。ちょっと待ってな。

[桐谷氏が厨房の奥から20ページほどの冊子を持ってくる。冊子のページは全てラミネート加工されている。]

猪高研究員: ありがとうございます。写真を撮らせていただいても?

桐谷氏: おう。周知して貰った方が助かる。

猪高研究員: なるほど、面白いですね……あの、この第三百一項は一体……

桐谷氏: ああ、それか。普通のお客には関係ねえよ。俺の店をぶっ壊そうなんて奴らがいたんだよ、昔な。

猪高研究員: はあ、なるほど……ちなみに、それはいつ頃の事でしょうか。

桐谷氏: 覚えてねえな。もう詮索すんなよ。帰ってくれ。

<録音終了>

 
 
以下の資料"桐喜屋規則全書第八十二版"は、上記のインタビュー中にSCP-XXXX-JPによって提示された物です。規則はインタビュー時点で301項に渡り記載されていました。
 
資料"桐喜屋規則全書第八十二版"抜粋
 

規則第一項
規則 出されたラーメンはすぐに食え。伸びる前に食べるべし。スマホを弄るのは言語道断。
違反時の罰則 スマホを退店まで充電切れにする。出たら直るからさっさと食え。
備考 猫舌の奴が冷ますのはしょうがない。ただしスマホを弄るな。
規則第四項
規則 店主と世間話をしようとするな。「いただきます」と「ごちそうさま」以外は要らない。ラーメンを出す以外の仕事を俺にさせようとするな。
違反時の罰則 椅子が回転する。胃の中を空にして食え。
備考 ここは常連がデカい顔をする店ではない。食う事だけ考えろ。
規則第七十項
規則 店主は「ごゆっくり」とは言わない。食ったらさっさと帰れ。隣の奴と喋るな。休憩を始めるな。連れを待って居残るな。
違反時の罰則 椅子が下がっていく。居残るなら座り込む覚悟をしろ。
備考 ただし、15歳以下の子供を待つのは別だ。
規則第二百項
規則 日本国の法律を守れ。
違反時の罰則 寸胴を頭に落とす。
備考 店主にしか害が及ばないなら通報はしないでやる。帰って反省しろ。反省して食べに来い。刑務所で俺のラーメンは食えない。
規則第二百五十一項
規則 食えない量を注文して残すな。スープは残してもいいが、麺を残してはいけない。許し難い。
違反時の罰則 殴る。
備考 小学生であってもぶん殴ってやる。覚悟しておけ。
規則第三百項
規則 自治行為野郎はお呼びじゃない。少しでも駄目だ。お前が注意するまでもなく、規則に違反すれば罰則は下る。
違反時の罰則 椅子が発射される。少しの間空の旅を楽しめ。同じ奴が2回やったら倍の速さで打ち上がる。
備考 あまりに繰り返した場合には宇宙の旅になる。本当にやめろ。
規則第三百一項
規則 GOC職員お断り。
違反時の罰則 許されない。店に入れた上で拷問してやる。逃げられると思うなよ。
備考 もう堪忍袋の緒が切れた。絶対に許さない。覚悟しろよ。

 
 
発見経緯: 2022年1月20日11時頃に、「爆発音がした」との通報が相次いだ事から財団は札幌市中央区周辺の調査を開始しました。同時刻の21箇所の監視カメラの記録に札幌市上空を飛翔する物体が確認され、分析の結果飛翔体は丸椅子に座りながら箸を手に持っている成人男性だった事が判明しました。飛翔体はカメラに映っていた範囲では常に加速を続けており、全ての監視カメラから見切れた時点で地球の脱出速度を大きく超えていたと見積もられています。財団は丸椅子の形状からSCP-XXXX-JPを特定し、その異常性が明らかになりました。利用客へのインタビューの結果、彼等がこれ以前に通報や情報の拡散を行わなかった理由としては、「有名になって混んだら困るから」や「店主が逮捕されて店が潰れたら困るから」等の回答が殆どでした。

上記の発見経緯及び規則、実験の結果を踏まえた上で、SCP-XXXX-JP収容作戦が実施されました。

__SCP-XXXX-JP収容作戦記録 __

SCP-XXXX-JP収容作戦
目的:
SCP-XXXX-JPの完全な収容。
組織:
指揮  平鹿研究員
実行  エージェント2名(札幌市保健所に籍を置いている)
作戦手順:
実行者達は営業時間終了後にSCP-XXXX-JPの呼び鈴を鳴らし、札幌市保健所職員として厨房内部を隈なく調査する。調査後、実行者はSCP-XXXX-JP-1に対し、営業停止命令を言い渡す。
作戦結果:
SCP-XXXX-JP-1は実行者が札幌市保健所職員を名乗った際、「またお前等だな」と叫び、激昂。実行者2名は店内の椅子に不明な方法によって着座させられ、頭に寸胴鍋を被せられた。2名はその後熱湯や殴打による拷問を受けた。二名が装着していた録音器具には、「くたばれGOC」「GOCの馬鹿共の狙いは何だ」等のSCP-XXXX-JP-1による発言が記録されていた。事態を収拾させるため、平鹿研究員が入店。2名がGOC職員ではなくSCP財団の職員である事、財団はGOCとは違い、SCP-XXXX-JP-1が協力的な場合にはSCP-XXXX-JPの営業を認める事を主張した。

主張の後2名は解放されたが、SCP-XXXX-JP-1は「この店の営業方針を変える事は認められない」と述べ、平鹿研究員を含めた3名は強風により店外に出された。平鹿研究員により、作戦の失敗が報告された。


SCP-XXXX-JP収容作戦の翌日、店内の監視のため入店を試みた財団職員が全員強風により入店を阻まれる事案が発生しました。超小型ドローン"Qbit"による店内の探査の結果、"桐喜屋規則全書第八十二版"が八十三版と改められており、規則第三百二項が追加されている事が判明しました。

"桐喜屋規則全書第八十三版"より抜粋

規則第三百二項
規則 SCP財団職員お断り。
違反時の罰則 入店させない。
備考 これ以上関わるな。お前等の理念は理解したが、俺の店にだって理念がある。

19日後、SCP-XXXX-JPの完全な収容を行わない方針が決定され、オブジェクトクラス:Archonへ再分類されました。再分類事由は以下の通りです。

・SCP-XXXX-JPの異常性が発揮されるのは規則に違反した際のみであり、異常性の発現回数自体が少ないこと。
・異常性を目撃した民間人が積極的な情報の拡散を行わないこと。
・SCP-XXXX-JP-1が財団によるインタビュー以来、雑誌等の取材を全て拒否していること。
・収容プロトコルが営業妨害と見なされた場合、店外で異常性が発揮されること。
・SCP-XXXX-JPの所在地が通行人の多い繁華街であること。
 

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