(2作目)不完全な殲滅 結果:-17

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オブジェクトクラス: Safe

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SCP-3519-JP

特別収容プロトコル: SCP-3519-JP-1群は、標準的な培地を用いてサイト8122の3m立方の収容室に一株ずつ保存されます。SCP-3519-JP-1は現在一般的なウイルス、バクテリアに見られる増殖活動を行わないため、冷凍または乾燥による増殖防止の必要はありません。また、SCP-3519-JP-1を用いた実験には、サイト管理官及び倫理委員会の許可を通す必要があります。実験時を除き、SCP-3519-JPはサイト8104の中脅威度物品ロッカーに、トリガーを固定した状態で保管してください。

月に一度、収容室にて指定の職員3名による、SCP-3519-JP-1のインタビューを行なってください。週に一度、収容室にて指定の職員2名以上による、SCP-3519-JP-1のカウンセリングを行ってください。

説明: SCP-3519-JPは█████社製の消臭剤です。SCP-3519-JPはラベルの剝がされた█████社製の容器に入っており、容器自体に異常性は見られません。

SCP-3519-JPが接触した範囲にあるウイルスやバクテリアなどの、一般に菌として認知されるものは、その性質に関わらず99.9886~99.9927%が消失します。これは、█████社製商品全てに共通する「99.99%除菌」という売り文句に由来していると思われます。また、残存した菌(以下、SCP-3519-JP-1と呼称)はその種類にかかわらず自我と言語能力を保有しますが、原理は調査中です。SCP-3519-JP-1実体は例外なく破壊耐性を取得しており、殺菌剤の散布、焼却、冷凍、乾燥、放射線照射等あらゆる方法を用いても、異常性に加え、本来これらの処置によって死滅する菌の特性もが維持されています。

SCP-3519-JP-1は一般的な寝具や家具、衣類などに付着しているものと同様の性質を有しており、外観にも変化はないため、異常性を取得するにあたって破壊耐性を有する前の特性を全て受け継ぐと考えられています。過去に行った実験では、少なくとも53000株中5株、およそ0.01%のバクテリアがその特性を受け継いだまま異常性を取得し、反例は確認されませんでした1。実験によって発生したSCP-3519-JP-1群は全てサイト8122の収容室に、実験前の時点ですでに発生していた3株のバクテリア(以下、SCP-3519-JP-1,2,3と呼称)とは隔離して設置されました 。

SCP-3519-JP及びSCP-3519-JP-1,2,3は日本生類創研の支部襲撃の際に、小型の培養器と共に発見されました。各種調査を行なっていたところ、顕微鏡を用いた培養器の調査を行なっていた職員から「声が聞こえる」という主張があり、回収されたバクテリアが不明な原理で言語を発している事が確認されました。この時発見された3株のバクテリアは、それぞれSCP-3519-JP-1-1,2,3に指定されました。

以下のファイルはSCP-3519-JP-1-1,2,3に対してのインタビュー記録です。

対象: SCP-3519-JP-1-1,SCP-3519-JP-1-2,SCP-3519-JP-1-3
インタビュアー: 生田研究員
目的: SCP-3519-JP-1の知能、攻撃性、脱出に対しての意欲等プロトコル作成に有用な情報の収集。

〈録音開始〉

生田研究員: では、インタビューを開始します。まず話を円滑にするためにお聞きします。皆さんはそれぞれ、我々の存在についてはどのように認知していますか?

SCP-3519-JP-1-1: 「どのように」って言われてもな。お前たちは人間っていう種族で、俺たちを全滅させかけたクソッタレから、俺たちを回収したクソッタレだろう?

SCP-3519-JP-1-2: それとも、私たちを救いに来てくれたの?だとしたらここから出してもらえるとありがたいんだけど…

生田研究員: 私たちがあなた方にできる事は安全を保障することくらいです。しかし、ご希望があるのならばある程度は検討します。

SCP-3519-JP-1-3: 仲間に合わせてくれるってことですか!?

生田研究員: 残念ながらそれはできかねます。あなた方の仲間もおそらくはすべて消滅していて、回収は不可能です。

SCP-3519-JP-1-3: あ。そうですか…なら、たまにでいいんで、誰かここに会いに来てくれませんか?月一か、もしよければ週一で。何千何万といた友達が一気にゼロになったんで、さすがに孤独なんです。

生田研究員: 了解です。検討させて頂きます

SCP-3519-JP-1-1: お前アホか!?俺たちをこんな目に合わせたやつらだぞ!顔も見たくねぇ!どうせこいつらもあの二ホンなんとかってやつの仲間なんだろ!?

生田研究員: ではそれについて聞きましょうか。なぜあなた方は言語能力を…いえ、あなた方はいつごろからあの研究室にいたのですか?あなた方を全滅させかけたというのはどのようにですか?

SCP-3519-JP-1-2: いつごろって言ってもねぇ。私はあの大絶滅の中心にいたから、外に何があるのかよくわからなかったのよ。1と3はどう?

SCP-3519-JP-1-1: 瓶にはった番号で呼ぶなよ、俺たちの顔を忘れたのか?普通に目が悪いのか?

SCP-3519-JP-1-3: えっと、あ、すいません。僕と、たぶんそこの1の方は一部始終見てたんですけど、軽く説明してもいいですか?

生田研究員:2人ともお願いします

SCP-3519-JP-1-3: はい、えっと。僕たちは研究室っぽいところでそれぞれ別の瓶に入れられたんですけど、そこまでの記憶は一切ないんです。気づいたら周りにいた仲間がみんな死んじゃってて徐々に消滅していってたんです。で、そこから怒りとか喪失感とか湧き上がってきちゃって、記憶っぽいのも肌で感じて、最後は形容しがたいぐらい寂しくなったんですよ。その様子を見てた白衣の人たちが嬉しそうに話してるのが聞こえました、「大成功だ」って。

生田研究員:その「大成功」というのは?

SCP-3519-JP-1-1: ……あいつらはいろんな生き物に知能を植え付けてるんだ。牛、豚、魚、虫、どんどん小さいヤツに知能を与えてって、最後は俺たちってわけだ。何万体と仲間がいたのに、急に俺とそこの二体以外全滅だ。毒かなんかが入ったあの容器も、一番俺たちの駆…攻撃に向いてるんだと、豚や牛にやったのは飼料型の薬だったくせにふざけやがって…あそこまでの技術があるなら、最初から俺たちを10000体とかじゃなくて1,2体ごとに区分けできるだろ?俺たちを殺すのを楽しんでんだ。おかげさまで一気に孤独になった。価値観が違うんだろうが、許したくはない。できることならあの白衣のやつらを一目見たいもんだ。

生田研究員: 一応聞いておきます、あなた方はここを脱出して、日本生類創研に復讐に行きたいと?

SCP-3519-JP-1-1: そうは言ってない、俺たちはもともとこの瓶に入れられた時点で二ホンなんとかでも外に出れなかったんだ、こんなちょこーんとした部屋に保管されちまった時点でお手上げだ。

生田研究員: なるほど、それなら問題はなさそうですね。日本生類創研の計画については後日またお聞きします。今回はありがとうございました。ではインタビューを…

SCP-3519-JP-1-1: ちょっとまってくれよ、まだ納得いってない。こっちの質問にも答えてくれよ。このままじゃおとなしく隠居してらんねぇ。

生田研究員: …はぁ…どうぞ

SCP-3519-JP-1-1: お前たちに俺たちをどうにでもできるくらいの技術があるってのは理解したけどさ、まだまだ俺たちを殺して孤独から解放する事すら出来ないんだろ?なんでお前ら人間は不完全なままの力をこう不用意に見せつけるんだ?なんで俺たちを不必要に生かすんだ?なぜ100%には…いや、80%程度で満足できない?こんな…こんな寂しい目に合わないといけない?

生田研究員: まぁバクテリアやウイルスが意思を持つこと自体予想外だったと言えばそうなんですが…(5秒間沈黙)うーん、説明が難しいですね。理由は一つなんですけど…まぁ我々はそういう生き物なんです。シンプルに99%の方が80%よりも良い。1%は許せても、流石に20%は許せない。

SCP-3519-JP-1-2: 待ってよ、別に100体くらい残ってたって、私たちは人体に何の危害も加えないって…分かる?

SCP-3519-JP-1-3: そんな曖昧な事のために、いたずらに残されたヤツの気持ちも少しは考えてください。0.01%だって0%じゃないっていうのは、あなたたちが一番よく分かってるはずです…あなたたちは一体何なんですか!?

生田研究員: えーっと…そんなに聞かれても俺専門分野バクテリアなんだけどな…販促とかそういう事情はあんまり…(7秒沈黙)あ…すいません、時間がきてしまいました。インタビューを終わりにします、ありがとうございました。では。

SCP-3519-JP-1-1,2,3: ちょっと待っ

〈録音終了〉

SCP-3519-JP-1群は、通常の会話や倫理的な問題提起を可能とする予想外に高い知能や、脱出あるいは日本生類創研との接触に対する高い意欲を持っています。しかし、脱出の可能性が著しく低く、異常性に関しても、増殖せず破壊耐性を有していることを除けば一般的な菌と同一であるため、Safeクラスオブジェクトとしての管理及びプロトコルの作成を行います。また、異例ながら引き続きインタビューを行い、日本生類創研の計画について探っていきます-生田研究員

SCP-3519-JP-1群は現在、財団に対して敵対的かつ重度の精神疾患を患っており、カウンセリング及びインタビューの試行が難航しています2。特別収容プロトコルの改定とともに、生田研究員への減給処分を命じます-倫理委員会

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  1. portal:8275158 (10 Nov 2022 11:01)
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