幼い頃から、芸術というものが分からなかった。映画、絵画、音楽、ダンス、芸術には様々な様式に様々な主張が込められていて、それに対して様々な反応がある。
私は芸術に愛されていなかったらしい。どんな芸術を見ても、聞いても、何の感想も抱けなかった。深読みできない。心に響いてこない。表面上の姿しか得られない。私には芸術を受け取る才能がない。そのことに気づくのに時間はかからなかった。
「ねぇ、博士。アートってなんだと思います?」
「それはまた、哲学的な問いですね。それを考えさせて私の同情を誘おうとでも思っているんですか?」
丁辻ヶ原博士は冷たい声で答える。彼の目の前に座り、問いを投げかけてきた男はAre We Cool Yet?に属していたのだ、芸術に関することには特に注意を払わねばならない。
「いや、そんなんじゃないですよ。俺は仲良くなった人にはこの質問をすることにしてるんです。」
「私は仲良くなったつもりなどありませんが。」
「ハハッ。こりゃ手厳しいなぁ。でも、何回もこうやってインタビューされてるんです、こっちとしては勝手に仲良くなった気分になるんですよ。」
確かにこの男のインタビューという名の尋問は丁辻ヶ原博士の担当で、既に5回行われている。6回目にもなると、目新しい情報が得られるはずもなく、半分雑談のようになっているのも事実だ。
「……まぁ、確かにインタビューも6回目ですからね。そろそろインタビューを終了しま 」
「ちょっと、人が質問したってのに無視はちょっと酷いですよー。答えだけ聞かせてください。ね。」
「はぁ……。分かりました。私はそれに対する答えを持ち合わせていません。これが問いに対する答えです。以上でインタビューを終了します。」
丁辻ヶ原博士は早足で部屋を後にした。ちょっと、という声が後ろから聞こえた気がするが気にも留めず、扉を閉めて事後処理に向かった。
男が財団に捕縛されたのは3か月ほど前。いわゆる異常芸術に分類されるオブジェクトの作者、の友人としてリストに挙げられ、そのまま捕縛された。
その時、既に男はAre We Cool Yet?との繋がりを絶っており、特に異常な作品を作り出しているわけではなかった。真面目に働き、休日に子供向け絵画教室を開いている一般人だった。
『俺はアレをアートだと思えなくなったんですよ。』
Are We Cool Yet?から抜けた理由を聞いた時、男はそんなことを言っていた。
同じ芸術作品というカテゴリーで創作をしているのに違いなんてあるのだろうか、と博士は不思議に思った。だが、元より
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