ハッピーホリディ
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机の上にはパン、ワイン、ケーキや七面鳥など色々な食事が置かれている。一口だけ摘んでもアイツらにはバレないだろう。と思いポテトフライに手を伸ばそうとした瞬間
ドアノブが回る音がした。

「ジェームズ1、先駆けは駄目だぞ。」

マイケル2はやれやれと言う様な素振りを見せたあと、僕の向かいの席に腰を下ろした。
マイケルは心做しか少しだけ機嫌が悪く見える。
僕はマイケルに聞いてみる。

「それで?父さんと母さんはなんて?」

父さんと母さんは政府に働きに出ていってしまって会うのは一年に一回あれば良いぐらいだった。
クリスマスは家族揃って食卓を囲もう。と約束をしたのだがそう上手くいくという事はない。

「ダメだってさ、まぁ年明けは来るらしいけれど。」

マイケルは空のワイングラスをふらふらと揺らしながら答えた。

「そんな事より、クレア3とTJ4は?」

「外でゆきだるまでも作ってるんじゃないか?今頃庭がだるま畑だろうな。」

マイケルは再び席を立ち、クレアとTJを呼ぶ為に外へ出た。
僕一人のリビングはしんとしていて、なんとも寂しいものだった。
僕は暖炉の炎が弱まってきたのでさっき叩き割った薪を暖炉に勢いよくぶち込む。暖炉の底にぶつかって薪がからんと音を立てて燃え始めた。

外ではマイケルがクレアとTJのゆきだるま作りに参加している。
僕は呆れながらドアを開け、2人とアホを迎えに行こうと廊下にでた。
玄関は開けっ放しで冷たい空気が流れていた。

「アホ兄貴!クレアとTJを呼びに行ってなんで参加してんだよ!」

マイケルははっとした様な顔をした、どうやら自分の役目を思い出したようだ。少しの間の後マイケルはクレアとTJに呼びかけた。

「そうだった!部屋に戻ろう!」

クレアは大丈夫か?と言う様な視線をマイケルに送る。
流石僕の妹、どうやら僕と考えている事は一緒みたいだ。

ーー部屋に戻り、暖かい空気が全身を包む、クレアとTJは雪で冷えた手を擦りながら温めている。マイケルは隣でポテトフライの付け合せのトマトを摘んでいた。
クレアは期待を込めた目で僕に問い掛けてきた。

「ねぇ!パパとママは?」

「そういえばクレア、学校でクリスマスパーティをしたそうじゃないか、どうだった?」

マイケルが話を変えようと咄嗟に話題を出した。
クレアは待ってましたと言わんばかりに勢いよく話し出した。

「うん!楽しかったよ!あのね!クレアとね!TJでプレゼント交換をしたの!」

兄弟間で交換をしても意味無いんじゃないかと思ったがクレアが楽しそうに話している手前言うのは野暮だろう。と思い、黙って見ているだけにした。

「ねぇ、早く食べないの?冷めちゃうんじゃない?」

TJが僕達に問い掛けてきた。それを聞いたマイケルとクレアは席に再度座った。

「それじゃあ食べようか。」

ーークリスマスパーティが終わり、クレアとTJは歯磨きをして眠りについた。ここからが一番神経を使う、マイケルも少しうんざりとした様な顔で

「俺がTJの所に行くからお前はクレアの所に行ってくれ。その後お前早く寝ろよ。」

と言い、プレゼントを持ち、TJの部屋の方に向かった。
僕もクレアのプレゼントが入った箱を持ち、クレアの部屋へ向かった。
クレアを起こさないようにドアをそーっと開け、部屋を確認する。どうやら寝入っているようだ。
プレゼントを部屋の中に入れ、全神経を使い枕元にプレゼントを置く。置いたあと、窓際にあるクッキーとミルクを食べた後、部屋をそーっと出る。
毎年恒例だが、どんなイベントより気を使わないといけなくて、大した運動もしては居ないのに既に疲労していた。
マイケルもどうやらそうらしく、かなり疲れていた。

「お疲れ様、はい、これ。俺からのプレゼント。」

マイケルが赤い紙に包まれた何か分厚い物を差し出して来た。どうやら箱の様だ。
マイケルはバイトを増やして金を貯めていたらしい。
確かにマイケルはアホでノロマだが、こういう所があるから嫌いにはなれないのだ。
僕はその場で緑色のリボンを解き、包み紙を剥がした。
箱を開けると箱の中には僕が気になっていた本と万年筆が入っていた。
僕はマイケルに礼を告げ、部屋に戻った。
明日、朝起きた時にクレアとTJはどんな反応を見せるのか。少し楽しみにしてベットに潜った。
あぁ、ずっとこの生活が続けばーー

目覚め

ハッとなり目を覚ます。どうやら寝落ちしていたみたいだ。僕の左手には塗装が剥げた万年筆が自分の役目を忘れたかの様に握られていた。
カレンダーに目を向けると今日は12月25日、クリスマス。僕は急いで机の右側で充電していたスマホを手に取り、メッセージを打ち込んだ。

メリークリスマス、明日暇なら僕のオフィスに来るといい、パーティでもしよう。

そう打ち込んだ直後、数人の職員から返答が帰ってきた。
子供の何も考えず家族と過ごす生活に戻りたいと言えば戻りたいが、今の信頼してくれている部下がいる生活が悪い訳では決して無いのだ。
僕は明日の分の仕事をこなすべく、机に向かった。


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