猫の救済 Qコン 08/24改稿

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SCP-XXX-JPの使用するアイコンの1つ。対認識災害処理済。

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: 担当チームはSNSを監視しSCP-XXX-JPと思われるネット上の書き込みをすべて削除、投稿した人物の特定を行います。発見されたSCP-XXX-JP-1はインタビュー後にBクラス記憶処理を行い解放されます。

2025/03/04に改訂: SCP-XXX-JP、SCP-XXX-JP-1、SCP-XXX-JP-2の活動はすべて報告されます。SCP-XXX-JPが社会に与える影響の拡大への処置を決定する会議には、セキュリティクリアランスレベル4以上の職員3人以上が参加しなくてはなりません。

説明: SCP-XXX-JPは2022年2月22日2時22分にインターネットへ投稿された異常なミームを含んだ文章・画像・動画の総称です。発信源の追跡にはいまだ成功していません。以下は最初に財団が確認した投稿文書です。

西暦2222年2月22日2時22分、猫の天国が現れる。

備えよ、我らの幸福のために。

尽くせよ、我らの安寧のために。

すべてはすべての猫のために。

2022年3月2日時点では29のSCP-XXX-JP個体が確認されています。仔細は異なりますが「2222年2月22日2時22分に猫の天国が現れる。そのために準備しろ」という内容であることが共通しています。

これを目撃した人間(以下SCP-XXX-JP-1)に「猫の天国へ行かなければならない」「猫の天国を作らなければならない」「その2222年2月22日2時22分まで死んではいけない」と思うようになります。これらは漠然としたもので、どういった行動に移すかは個人差がありますが、全てのパターンにおいて猫に対して異様な愛情を持つという共通点が存在します。。SCP-XXX-JP由来の精神影響はBクラス記憶処理によって対処することが可能です。SCP-XXX-JP-1の肉体は、影響される前から変化はありません1
また、SCP-XXX-JPを複製・模倣した投稿には異常性がありません。

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SCP-XXX-JPの一例。対認識災害処理済

以下は影響を受ける人間の主な特徴です。

  • 猫を飼育していない。
  • 猫を飼育したいが確実性のある計画を立てていない。
  • 猫に対して相手が乳幼児であるかのような態度をとる
  • インターネットで猫の写真・動画を頻繁に視聴する。
  • 猫以外の動物を飼育していない。
  • いわゆる犬派でない。

財団は2022年8月現在カバーストーリー”猫クラスタの祭り”を適用し、異常性の小ささもあり現在も成功しています2

インタビューログ: 2022/07/17

対象: D-2828(SCP-XXX-JP-1)

インタビュアー: 犬養博士

付記: D-2828はかつて動物に対して嫌悪を抱き暴力的な行動が見られた。

<録音開始, 2022/7/17>

犬養博士: 昨日はずいぶんと嘆いていましたが、落ち着いたのですか?

D-2828: はい。おかげさまで。

犬養博士: ねこがねこがと言っていましたけど、動物の猫のことで間違いないでしょうか?

D-2828: そうです。あのふんわふんわでもっきゅもきゅでしゅるるりんな猫様です。

犬養博士: えと……ああ、D-2828、貴方は以前動物が嫌いで殺害したことがあったそうですが。

D-2828: あれは……まだおれが目覚めていなかった、愚かで馬鹿だったころのことです。呪わしくて、汚らわしい過去です。

犬養博士: 今は違うということですか。では、いつ変わったのでしょうか。

D-2828: それは、博士。あなたがあのタブレットの画面を見せてくれた瞬間です。あの、Twitterのアカウント3です。あれでおれは目が覚めた。それまでのおれを捨てなければ、許されなかった。

犬養博士: 許されないとは、自分をですか?

D-2828: おれ以前に、猫が。猫が許さないだろう、それが怖かったんだ。夜も眠れないくらい、、まぶたも閉じれないくらいに。

犬養博士: 猫?どの猫です?昔飼っていたペットですか?

D-2828: クロもだけど、クロだけじゃない。この世全ての猫にです。過去現在未来すべてに存在する猫に対して、いままでのおれはあまりにも野蛮で、なにもしらなくて、冒涜的だったんです。

犬養博士: そうですか。とにかく、D-2828、貴方は過去の自分とは違うと思っているのですね。

D-2828: とんでもないクソ野郎でした、おれは。猫は弱い存在で、だからいじめてもいいものだと思ってました。人間より小さくて頭も悪くて、だからペットとして人間に従えられるものなんだって。今思うと逆だった。弱いのはおれで、猫のほうが尊ばれるべき存在だったのに。

犬養博士: 猫に対してたいへん好意的になったんですね。

D-2828: 好意というと、なんというのか、おこがましいけど。それじゃまるでおれがえらいみたいに聞こえますね。当たり前なのに。

犬養博士: 当たり前というのは?

D-2828: 猫に対して、好意……いい感情を抱くのは、当たり前の事じゃないですか。世界のすべてより何より猫は尊いんだから。

犬養博士: 尊い……まあ、確かに、愛猫家は世界中にいますからね。

D-2828: 人間は猫を愛さずにはいられない。おれは30になってやっとそんな当たり前のことに気づいたんだ。おはずかしいです博士。

犬養博士: そうですか……。貴方と同じようにあのSNSの投稿を見た人は皆『猫の天国に行きたい』というような事を言うのですが、あなたもそういう考えがありますか?

D-2828: もちろん。おれは猫を殺すなんて言う大罪を犯した。けど、猫はそんなおれでも天国に来てほしいと言っている。応えなきゃ、おれは生きてる資格がない。

犬養博士: 来てほしい、とは。

D-2828: あのTwitterの文を……アイコンの肉球を見た瞬間に、頭の中に声がしたんです。私とともに来なさい、って。

犬養博士: 男性の声でしたか?それとも女性?

D-2828: わかりません……持ち主の性別とか年齢とかそういうのはまったく。でも聞こえたんだ。おれの名前を呼んでた。教えてもないのに。

犬養博士: 知らないはずの名前をですか。それはたしかに、奇妙ですね。

D-2828: あの声についていきたい。すべてに応えたい。それでおれは救われる。猫が救ってくださるのだから。

<録音終了, 2022/7/17>

終了報告書: SCP-XXX-JPの影響を受けた対象の精神影響について調査が続いていたが、今回のD-2828の変化がこれまでで一番大きなものだった。来る日まで健康に暮らし、犯した罪を償って待つという。嫌いだったはずの猫をここまで愛するようになろうとは。 犬養博士

追記: 2025/01/09: 以下は2022年から2024年末にかけて、SCP-XXX-JPが原因で起きたと思われる事象です。

2022/12/18: テレビ番組「アニマルらぶりーショット4」の番組内で「かわかわキャット特集」というコーナーが開始する。60分のうち20分を占める。

2023/04/12: Twitterにて、猫に関するハッシュタグが22週間連続でトレンド入りする。

2023/06/07: ██大学の███教授が「猫の知能に関する22の新事実」を執筆し10万部販売される。売り切れが続出し6月29日に29万部増刷。

2023/08/09: 宮城県内の猫カフェが合計129店舗へ。うち98店舗はビル全階層を使用したものだった。

2023/11/18: 北海道で「猫と人間の歴史・文化サミット」が開催し、計99国の識者が参加した。

事案報告: SCP-XXX-JP-1による襲撃
エージェント・ワンの自宅にSCP-XXX-JP-1が押し入る事件が発生しました。以下はそのインタビューです。

対象: エージェント・ワン

インタビュアー: 犬養博士

付記: エージェント・ワンは中国支部エージェント・ワンには「押し入った人間が要注意団体の人間ではないか」と伝えている。また、エージェント・ワンは生後4か月の猫を飼育している。

<録音開始,2024/02/25>

犬養博士: それでは、当日の事を説明してください。

エージェント・ワン: はい……。私はその日娘々コーポレーション5から帰宅しました。午後7時くらいでした。家に着いたのは。玄関の前に知らない男が20人ほどいたんです。

犬養博士: 彼らの様子はどうでしたか?

エージェント・ワン: なんというんでしょう。興奮していたように見えました。何か会話をしているみたいで、ざわざわ騒いでいました。私が彼らに気づいた時はまだよく聞こえませんでしたけど、せわしなく体を動かしていたのは確かです。

犬養博士: 彼らに近づいたときは?

エージェント・ワン: 怖かったですよ。知らない男がたくさん私の家に押しかけてきてるんですから。まさか私が潜入していることに気づかれたのか、敵対組織の人間か、と色々考えました。けど、それにしては隠れる様子もなかったんです。

犬養博士: それは不思議ですね。他に何か特筆すべき特徴はありましたか?

エージェント・ワン: ええと……なんというか、戦闘経験があるようには思えませんでした。衣服に武器を隠し持っているようにも見えません。それに彼らは大きなリュックサックやトートバックを持っていて、身動きがとれそうになかったです。

犬養博士: 貴女はその中身を見たんですね?

エージェント・ワン: はい。私にそれを押し付けてきましたから。爆弾か何かかと一瞬思ったのですが、全く違いました。猫用のおもちゃだったんです。

犬養博士: 猫用のおもちゃ、ですか。

エージェント・ワン: はい。色々ありました。ボールねこじゃらし、爪とぎ用のダンボール等がありました。他にもエサやおやつまで。何ででしょう?

犬養博士: 何でとはどういうことですか。

エージェント・ワン: 私、猫を飼っているなんて誰にも言ってません。娘々の職員はもちろん、財団の同僚にもです。しかも、マオ6の好きな色のボールでした。あ、これは偶然かもしれませんが。

犬養博士: その後彼らは貴女の家に押し入ってきたんですね?

エージェント・ワン: はい。彼らを帰そうと色々話してみたんですが、ダメで。警察を呼ぶといっても動きませんでした。しばらくコンビニかどこかで時間をつぶして待とうかとも思ったんですけど、家にはマオがいるからそれもできなくて。30分くらい経った時でしょうか、1人がハンマーで窓ガラスを割ったんです。

犬養博士: そこから侵入したのですね。彼らが何をしたのか教えていただけますか?

エージェント・ワン: 勝手にソファーを動かしてカーペットを剥がして、バッグから取り出したものを組み立て始めました。止めようと思って近づいたところ、それはキャットタワーでした。

犬養博士: キャットタワーですか。

エージェント・ワン: はい。他にはねこちぐらなんかも。

犬養博士: その後彼らはどうしました?

エージェント・ワン: その後は……帰っていきました。猫用のグッズをたくさん残して。

犬養博士: そうですか……。エージェント・ワン。怪我がないようで安心しました。

エージェント・ワン: いいえ。それにしても彼らはどうしてあんなことをしてくれたんでしょう。勝手に家に入られたのは嫌でしたが、実をいうとおもちゃをくれたのはありがたかったです。顔も知らないのになんで私が欲しいものを知っていたんでしょうね。

犬養博士: たしかにそれは不思議ですね。

エージェント・ワン: でも、もしかしたらおかしいことではなかったのかもしれない。

犬養博士: どういうことですか?

エージェント・ワン: 彼らの目指すものは「猫の天国」なのだから、私のかわいいマオに新設をしてくれてもおかしくはないと思うんです。

犬養博士: ………… SCP-XXX-JPを知っているんですか?

エージェント・ワン: へ?いいえ、私は博士の担当するオブジェクトに対して何も知りませんよ。私は中国支部の人間ですし博士の部門とは今まで接点もありませんでしたでしょう?

犬養博士: そう……ですね。いいえ、そのことは気にしないでください。最後にひとつ、質問させてください。

エージェント・ワン: はい。

犬養博士: 「猫の天国」という単語はいつ知りましたか?

エージェント・ワン: ああ、えっと。そうですね……。いつだったろう、確か……。すみません、思い出せませんでした。

犬養博士: ありがとうございます。これでインタビューを終了します。

<録音終了, 2024/02/25>

終了報告書: エージェント・ワンはSCP-XXX-JPに対する知識はなく7、SCP-XXX-JP-1でもないはずだ。しかしそれでも「猫の天国」というワードを知っているとは、SCP-XXX-JP-1との接触が原因だろうか?しかし「彼らから聞いた」とは言っていなかった。あの後心理診断などを行ったが、それでも思い出すことはなかった。これは、何が起きている? 犬養博士

この事件によりエージェント・ワンをSCP-XXX-JP-2に指定、他にも同様の影響者がいると推察され、SCP-XXX-JP-2実例の発見・追跡が検討されました。

会議記録:2024/03/15: SCP-XXX-JPの現状と懸念

プレゼンター: 犬養博士、獅戸研究員(助手)

<前略>

犬養博士: SCP-XXX-JPについての概要は以上です。先日のエージェント・ワン自宅襲撃事件から、SCP-XXX-JPを直接視認していなくとも異常性を受けた人間をSCP-XXX-JP-2と呼称します。現在SCP-XXX-JP-1との接触が原因だとい思われており、こちらも記憶処理で対処は可能です。しかしSCP-XXX-JP-1の観察だけではSCP-XXX-JPのまん延を防げない問題が残っています。それと……。

獅戸研究員: (参加者にレジュメを配布する。)

犬養博士: こちらはSCP-XXX-JPの発生前の日本のイエネコの総数です。ペット、野良、ショップで売られている総数をご覧ください。2022年の2月時点では895万頭でした。2年後の今はどうでしょう。899万頭。大きな変動はありません。しかし、それは奇妙な結果ではありませんか?

鵜鷺博士: つまり、これだけの猫ブームが起きているにも関わらず、猫の個数が大きく増えていないということでしょうか。

犬養博士: おっしゃるとおり。猫をモチーフにした雑貨はもちろん、飼い猫のエサやおもちゃの販売数、売上は2022年初頭の9倍にも登っています。普通ならばそれだけ飼い猫が増えるはず。しかし増えなかった。猫を飼っていなければ意味のない猫用品を所有する人間ばかり増えている。これが、SCP-XXX-JPのとくに奇妙な点です。

獅戸研究員: 猫に愛着を持つ人間が増えればそれだけペットにと望む人間が増えるはずです。この個数はブリーダー、保健所を含みます。

犬養博士: 現在の私の仮定となりますが、SCP-XXX-JPは人間の行動を操作しているのではないでしょうか?猫に利益を与えるように動いているのではないか、と。

(後略)

<録音終了, 2024/03/15>

追記: 2025/01/09: 以下は2024年から2026年末にかけて、SCP-XXX-JPが原因で起きたと思われる事象です。

2024/07/30: テレビ番組「アニマルらぶりーショット」の放送が週6回に変更される。

2024/12/04: 政府が日本の全ての放送局に対し、猫を主題にしたテレビ番組の制作・放送を義務付ける。同月21日には全ての放送局が義務を達成する。

2025/01/24: インターネットアプリケーション「バーチャルねこたん」サービスが始動。スマートフォン内で猫を飼育することができる事が大反響を呼ぶ。

2025/02/14: 政府の主導により「自殺防止プログラム」が開始し、自殺スポットに計猫6200匹が放たれた。

2025/03/08: 日本の8割のラジオ放送局にて、猫の鳴き声を放送する番組が放送を開始される。

2025/04/18: 「バーチャルねこたん」の累計ダウンロード件数が20億を突破する。前日、アメリカのセレブタレント████氏がSNSでアプリケーションのスクリーンショットを公開したことが影響を与えたと犬養博士は推測した。

2025/8/09: ███私立高校の科目に「イエネコの生態および活動」が追加。文部科学省の目に留まり全国の小中高への実施が検討される。

2026/10/07: ███大学にて「イエネコ科」の入学希望者の募集が開始、10月時点での志望率は29.9倍となった。

2026/12/18: Apple社が新型iphoneを発表し、コマーシャル内で「あのバーチャルねこたんを快適にプレイできる」と演者が発言。年末にかけて新型デスクトップパソコン、家庭用ゲーム機でも同様の謳い文句が使用された。

現在の状況から算出したところ、2030年には全世界のスマートフォン普及率が99パーセントになると思われます。さらに「バーチャルねこたん」のダウンロード率は99パーセントを達成すると想定されています。

付与予定タグ Scp Euclid オンライン k-クラスシナリオ 精神影響 ネコ ミーム


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