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アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Euclid
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP-A-5に装着されたGPS信号により、SCP-XXXX-JPの位置は常に監視されます。SCP-XXXX-JP周辺の半径2km範囲には、カバーストーリー"海荒れ"を適用し、一般人との接触を防いでください。SCP-XXXX-JP-Aは、研究用に雄型と雌型の2体(それぞれ、SCP-XXXX-JP-A-1およびSCP-XXXX-JP-A-2)をサイト-81██小動物収容水槽にて飼育しており、雄型の1体(SCP-XXXX-JP-A-7)の解剖標本を収蔵しています。実験に使用するDクラス職員を除き、SCP-XXXX-JPの影響範囲への接近は禁じられます。
説明: SCP-XXXX-JPは、全長が約50mほどの、異常なクラゲ型実体です。その形質はヤナギクラゲ属(Chrysaora)との類似が見られますが、遺伝子検査の結果はSCP-XXXX-JPが既存のどのクラゲとも一致しないことを示しました。SCP-XXXX-JPは太平洋の遠洋を浮遊し、主に大型の魚類などを刺胞毒によって捕食します。
SCP-XXXX-JPから半径200m付近に接近した人間(以後、被影響者と表記)は、SCP-XXXX-JPの方向に近づくことを促す強い精神影響を受けます。さらに接近すると、被影響者は段階を踏んで10cm程度の人型実体(SCP-XXXX-JP-Aと指定)に変異しSCP-XXXX-JPの傘内に留まります。
段階 | 外見上の変異 | 精神的な影響 |
---|---|---|
第1段階 | 特に変化は見られない。 | SCP-XXXX-JPに対して強い安心感(多くは、「母親のような安心感」と形容)を覚える。積極的にSCP-XXXX-JPに接近する。 |
第2段階 | 首筋に鰓状器官が発生。鰓呼吸が可能になると同時に、肺の萎縮により肺呼吸が不可能になる。 | 被影響者が衣服を脱ぎ始める。船舶などに搭乗していた場合、船舶から脱出し、海へ飛び込む。SCP-XXXX-JPを「母親」として認識する。 |
第3段階 | 手指の融合、頭部の萎縮。 | 知能及び語彙の大幅な減少。意思の疎通が不可能になる。 |
第4段階 | 身体全体の縮小、SCP-XXXX-JP-Aへの完全な変異。 | 情動反応の低下。(おそらく)知性の消失。 |
SCP-XXXX-JP-Aは、人間の身体をそのまま10cmまで縮小したような外見であり、現在、SCP-XXXX-JPの傘内には6 14 33体が生息しています。その外見的特徴より雄型と雌型に分けられています1。遺伝子検査では、一般的なヒト(Homo sapiens)との違いは見当たりませんでした。
SCP-XXXX-JP-Aは、SCP-XXXX-JPの触手の内側に生息し、SCP-XXXX-JPの毒性を利用して外敵から身を守ると共に、SCP-XXXX-JPの捕えた魚類等の食べ残しや動物遺体等を食料供給源とします。SCP-XXXX-JP-Aらが自発的にSCP-XXXX-JPから離れようとした事例は現在まで確認されていませんが、SCP-XXXX-JP-Aの遊泳能力や索餌能力は他の海生生物に比べ非常に低いため、SCP-XXXX-JP-AがSCP-XXXX-JPから離れた場合、海洋で生存するのは不可能であると見積もられています。
補遺:1発見時の記録
SCP-XXXX-JPは、太平洋上で海上パトロールを行っていたエージェント・惑原によって発見されました。発見当初、SCP-XXXX-JPはその傘内にすでに4体のSCP-XXXX-JP-Aを保有しており2、エージェント・惑原が程なくしてSCP-XXXX-JP-A-5へと変異しました。
以下は、エージェント・惑原がSCP-XXXX-JPを発見した際の探査記録です。
探査記録XXXX - 日付:2016/██/██
探索者: エージェント・惑原(以降、A.惑原と記す)
通信者: エージェント・春村(以降、A.春村と記す)
付記: A.春村は海上の船舶から遠隔でA.惑原に指示を行っている。この日の海上パトロールにおいて、SCP-XXXX-JP以外の異常実体は発見されていなかった。
<記録開始, 17:56,2016/██/██>
A.春村: では、今回の海洋捜査はこれで終了にしましょう。報告すべき事項がなければ回収に向かいます。
A.惑原: 了解。…ちょっと待って下さい。少し気になる事項がありまして…[A.惑原が一方向へと泳ぎ始める。後に、SCP-XXXX-JPの位置する方角と判明。]100mを超える実体…クラゲでしょうか。もう少し接近します。
A.春村: 映像確認しました。確かにクラゲですね。しかし、こりゃ大きいな…
A.惑原: それに、見ていると何だか心が穏やかになる感じですね。まるで母親のような…
A.春村: 母親?わからなくもないですが…[唸り声]あっ、クラゲの付近に何か泳いでいます3。何だかわかりますか?
A.惑原: もう少し接近してみますね。[A.惑原がさらにSCP-XXXX-JPに接近。徐に潜水装備を外し始める。]
A.春村: エージェント・惑原、潜水装備を外したのはどういうことですか?
A.惑原: 特に理由はありません。あと、先ほどのクラゲですが、やはり母親と見て間違いないようです。もう少しお母さんに近づきたいな。お母さん、お母さん…[その後も「お母さん」と連呼し続ける。]
A.春村: [困惑する]惑原さん、惑原さん?聞こえますでしょうか?どうか応答して下さい。
A.惑原: [A.春村には反応せず、その後も「お母さん」と連呼し続ける。録音、録画機器がA.惑原の手によって外され、海中に投げ出される。A.惑原の手は手指が融合しているように見える。]
A.春村: [探索本部連絡口へ向かって]…エージェント・惑原に異常発生。現場には精神影響を及ぼす実体がいると思われます。無人探査をお願いします。
[海中の録画機器がSCP-XXXX-JPの触手に絡まり、A.惑原の姿を捉える。急速にSCP-XXXX-JP-Aへと変異し、SCP-XXXX-JPの傘内へと遊泳する。傘内ではSCP-XXXX-JP-Aが合計で4体、元A.惑原を囲むように遊泳する。]
<記録終了, 18:05,2016/██/██>
Agt.惑原の変異を受け、SCP-XXXX-JPおよびSCP-XXXX-JP-Aの捜査が無人機にて行われる過程でSCP-XXXX-JP-A-1、SCP-XXXX-JP-A-2、SCP-XXXX-JP-A-5が回収され、またDクラス職員を利用したSCP-XXXX-JPの異常性の詳細な調査が行われました4。これらのSCP-XXXX-JP-Aを人間へと戻す試みは失敗しましたが、SCP-XXXX-JP-A-5の体内ではかつてエージェント・惑原がパトロール業務の一環で装備していた財団製の小型埋め込み式GPSが問題なく作動していました。これを利用しSCP-XXXX-JP-A-5をSCP-XXXX-JPの傘内に戻すことで、継続的な位置情報の取得を行い収容に繋げています。
補遺2:2018/██/██追記
2018/██/██の観測で、SCP-XXXX-JPの周辺にヒトの20週胎児と酷似した10cmほどの未知の実体が8体浮遊しているのが発見されました。財団無人機によって3体を回収、分析したところ、遺伝的にはヒトと同一であり、エージェント・惑原と親子関係にあることがわかりました。
その後実体を成長させた結果、3体全てがSCP-XXXX-JP-Aと変化し、またSCP-XXXX-JP傘内に存在した実体も5体全てがSCP-XXXX-JP-Aへと変化しました。このため実体それぞれをSCP-XXXX-JP-A-9〜SCP-XXXX-JP-A-16と指定し、まとめてSCP-XXXX-JP-A子世代と呼称します。特筆すべきこととして、飼育下のSCP-XXXX-JP-Aを繁殖させる試みは現在まで成功しておらず、SCP-XXXX-JP-Aの繁殖にも何らかの形でSCP-XXXX-JPが必須であると考えられています。
補遺3:2020/██/██追記
2020/██/██の観測で、SCP-XXXX-JPの周辺に新たなSCP-XXXX-JP-A幼体が19体確認されました。財団無人機によって4体を回収、分析したところ、遺伝的にはエージェント・惑原の孫にあたる関係にあることがわかりました。このことから、発生した幼体それぞれをSCP-XXXX-JP-A-17〜SCP-XXXX-JP-A-35と指定し、まとめてSCP-XXXX-JP-A孫世代と呼称します。また、SCP-XXXX-JP-A-5を含め、SCP-XXXX-JP-A親世代の行動が緩慢になっています。これは高齢による運動力の低下と考えられており、解剖的な側面においても、SCP-XXXX-JP-Aに変異した後の平均寿命は多くても4年程度だと見積もられています。
現在のところ、SCP-XXXX-JP-Aの子世代および孫世代も、SCP-XXXX-JP-Aの親世代同様生活サイクルのほぼ全てをSCP-XXXX-JPに依存しており、SCP-XXXX-JPの傘内から離れる素振りは見せていません。
付与予定タグ: scp jp euclid 精神影響 水棲 生命 無脊椎動物 xコン23 _イベント4
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ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:8062398 (04 Jun 2023 08:15)
変異の描写や探索記録もそれ自体気になるところはありませんでしたし、画像がなくても情景は容易に浮かんでくるので、(良いのがあれば別ですが)無くても良いのかなと思います。
全体的な感想としては、-Aが死ぬ描写がなくて(書かれている範囲では)無尽蔵に増えているのが気になりました。SCP-XXXX-JPの中で繁殖→死ぬのサイクルが廻っていて、サイクルにたまに巻き込まれる人がいるという方が個人的には好みです。
確かに彼らの死について言及する必要性を感じたので、補遺4にて親世代の老化と寿命について言及を加えました。
オブジェクトクラスをEuclidに変更しました。また、回収できそうということだったので、全長を50mに伸ばしました(体感、いくら軽くてもクジラの2倍くらいの大きさの実体を無人で回収するのは財団といえど無理があると思われます)
また、SCP-XXXX-JP-A-1〜4の起源予想をfootnoteとしてまとめ、SCP-XXXX-JPの実験にDクラス職員を使ったことも描写しました。
当該文を「遺伝的にはエージェント・惑原の孫にあたる関係にあることがわかりました。」と書き換えました。