とくえ
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注意

本作は怪談です。そういった物が苦手な方は読むのをお控えください。
本作がフィクション・ノンフィクションであるかの明言は当方では控えさせて頂きます。又、本作の内容が一般に公開された事実はありません。従って本作が読者に与える影響は未知数です。あくまで自己責任での閲覧をお願いします。
貴方は読者です。この物語には一切出てきませんし、登場する人物との関係が有るべきではありません。
本作では個人又は事件の特定を防ぐ為に作中に幾つかのぼかしや虚構が入っています。それらに関する質問、特に伏せ字と[編集済み]についての質問はご遠慮願います。
それでも何かに気付いた方がいらっしゃいましたら、どうか情報の提供をお願い致します。


01 けい愚

怖いもの見たさってあるじゃないですか。怖いなって思っているけどついつい見てしまうあれ。ええ、やはりありますか。本来怖いものなんて絶対に見たりしようとしないと思うんですよ。それが自分への害になると言うのは直感的に判る筈ですから。でも、それでもついつい見ちゃうってすごく不思議ですよね。え?………ああ。そうですね、安っぽい心霊番組とかを見ちゃうのが日常の中での分かりやすい例だと思いますよ。ええ、はは。やっぱり見ちゃいますよねぇ。如何にもな感じで分かりやすくて…陳腐で…見るハードルも低いですしね。………ええ。ええ。……確かにあれは〝怖いもの〟を象った偽物ですね。創作物、と言った方が良いかも知れません。どれだけ精巧に合成されていても直感的にも、本質的にもそれが創作物だと解ってしまうんです。ええ。意識的にも、無意識的にも。その前提を解っているから、それこそ〝怖いもの見たさ〟で見てしまうんだと思います。
それでね、これってホラー映画や怪談にも同じ事が言えると思うんですよ。どれだけ怖くても、それが創作物であると理解出来ているから見たり読んだりして楽しめると。要は娯楽ですね。日常を享受しながら安全な〝怖さ〟を楽しむ。尤も、楽しみの為の〝怖さ〟なんてそんな物、それこそ創作物であるかも知れませんけどね。………。いえ、何でもありません。
……え?…ああ、そうですね。そろそろ切っちゃってください。…いえ。構いませんよ…。
……。………ええ、…………ええ…はい。成る程。確かに あ、それは元の場所に戻してくだされば……助かります。
確かにこれ等は娯楽目的での〝ホラー〟に限定した話ですね。自身で怖いものを見たり読んだりする事を選んでいる以上、怖い物が来る事とそれの規模がある程度分かっている。だから、予期せず襲ってくる〝モノ〟に対する怖さは規模も影響も何もかもがそれとは本質的に異なっている、と。そう言いたい訳ですね。
確かに、そう考えるのが普通かも知れませんね。予期せず襲い来る恐怖、それは私たちの生存本能をさぞ刺激する事でしょう。いえ、その考えが間違っていると言いたいのではありません。間違っているべきは……………ア………。グ……グ………グブッツ……………………ゴクリ。…カッァ…スー…ハア……。いえ、何もなさらず。大丈夫ですから…どうぞ…座っていてください。…………ええ。大丈夫です。大丈夫です。流石に慣れましたから。


それでね、ホラーと言うものは大きく二つに分けられると思うんですよ。え?ああ、成る程。洋風と和風ですか。ええ。合ってますよ。ゾンビ等のモンスターか心霊等のオカルトか、ですね。〝実体と結び付いているか否か〟とも見て取れますね。それとは視点が少し変わりますが、その二つの一番の違いって、物語に出てくるモノへのちゃんとした理解が必要であるかどうかだと思うんですよ。その対象の何が怖いか、その対象はなぜ主人公達に襲いかかるか。

ゾンビとかは分かりやすいじゃないですか。人の形をしたモノ共が、原始的欲求に従って次々と襲ってくる。それが怖いんです。多少の違いはあれどジェイソンにしたってフレデイにしたって明確な容貌と殺意を持って襲って来るんですよ。そう言った映画で見せるべきはモンスターの背景や謎ではなく、ジャンプスケアや血、切断、グロ、死。つまり、洋風ホラーと言うのは肉体への暴力を中心に、〝死への恐怖〟を最大限利用しているんです。
一方和風ホラーはそう言った物を沢山見せず幽霊の正体に迫ろうと、つまり異常を理解しようとするんですよ。勿論、〝死への恐怖〟は利用していますよ。けどね、それの利用価値って他のジャンルの映画や小説と大して変わらないんですよ。ジャンルにもよりますけどね、此処にいては命がない、だから脱出する。敵を殺さなければ自分が殺される、だから殺す。と言う風な動機付けに使われることが多いんです。他にも、作品にリアリティや緊張感を加える為にも使ったりしますね。つまり、作中の〝死への恐怖〟に於ける割合のほとんどが観客のそれへの煽りにではなく、主人公達の動機付けと映画の演出によって占められているんです。
それでね、和風ホラーって、幽霊が人を襲ったり呪ったりするのが怖いんじゃなくて、そう言った存在の正体であったり人を呪う理由とかを理解して行ってしまう事が怖いと思うんですよ。
だから、物語の最初の内は小さな怪異や異常であったりする事が多いんです。少し気になっても放っておけば無…ガ……グ………。グブゥッ…グッ……グヴヴヴゥ…グ…グコッ……グ。………………………………ヴ…ゴクン。ぐッふう…スー。ハー…。…いえ、いつもの事ですから。お気になさらず。そのまま………。いえ、これ以上汚くする訳にはいきませんから。


それで、気にしなければ良い物にわざわざ首を突っ込んでいくんです。ええ。〝怖いもの見たさ〟ですね。そして物語が進んで行くに連れて、その話の中に出てくるモノの、知らなくても良い事まで知ってしまい、そして―…って言う、このプロセスが和風ホラーの特徴だと思うんです。様々な証拠や情報を集めた結果、一つの異常な存在を完全に認知してしまう。幽霊等の存在は観念的生体と限りなく近い性質を持っていて、それを知ると同時にそれも自分の存在を知ってしまうんです。互いに認知し合ったら最後。解き様の無い「縁」が結ばれてしまう。そうなれば、もう絶対に逃れられない。
そうと分かっている筈なのに、分かっていなくても、本能的に感じてしまう筈なのに、正体が、全く、分からない、異常な、怖い存在。それを、どうして、知ろうとするんですかね。
世に公開されている映画や小説は基本的には皆見たり読んだりしても安全なものです。実話に基づいていたとしても、うまい具合にぼかしを入れ虚構を織り交ぜ、禁忌に触れさせないようにしてくれている。█████もその一つでした。█████と言うのは以前[編集済み]。
でもね、人間と云うものはどうしても知ってしまいたいんです。見てしまいたいんです。
怖いモノを。異常なモノを。自分の理解が追い付かないモノを。
人間と云うものは無知ではいられないんです。だから知ろうとするんです。見ようとするんです。
怖いモノを。異常なモノを。自分の理解が追い付かないモノを。
人間と云うものはどう足掻こうと賢すぎるのです。だから知ってしまうんです。見てしまうんです。
怖いモノを。異常なモノを。自分の理解が追い付かないモノを。
……繋げてしまうことによって。
そして、その時に、本物の禁忌に、その存在に気づいた時に、その存在が自身をずっと覆っていたと気づいた時に、本当に〝怖い〟と感じるのです。だって、精神や観念、認知には物理的な距離がありませんから。だからもう、ずっと、ソレが私の目を覗き込んでいるんです。瞼を閉じようと、ソレには関係ありません。後悔しても、もう知ってしまったから、もう「縁」は結ばれてしまったから、今更遅いのです。絶対に逃げられないのです。
だから、無理にそう言った物の正体を知ろうとして、情報を集めたり、推論したり、繋げようとしてはいけないんです。そう言った行為は理解に繋がってしまうから。けどね、こっち側がどれだけソレを理解しても、ソレはこっち側を絶対に理解してはくれないんですよ。

所で⎯⎯⎯⎯⎯⎯⎯この話の意味、ちゃんと理解出来ましたか?
………………ええ、……ええ、ええ。そうですか。




















それは良かったです。


02 咽ぶ妻の事

以下、██████記より引用。明記箇所以外にも大幅な修正あり。

江戸時代の初め、冬の夜の厳しい寒さの中田舎道を足早に行く一人の男があった。男は妻を独り家に残し長年江戸に出稼ぎに行き、ようやくこの地に帰って来たのだ。男はやがてある家の前に立ち止まった。男の家だ。男は門を開き入り込み、もう一度立ち止まった。庭には雑草が生い茂り家には灯りも無く人が住んでいる気配もない。雑草が揺らいだと思うと、その次の瞬間には家の至る所が大きな音を立てて身震いをしていた。男は身震いこそしなかったが、その心の寂しさはこの上ない物だった。家に上がる。奥の寝室から誰か女が声を押し殺し泣く声が聞こえる。寝室へ入る。女が居た。男の妻だった。男は後ろからそっと妻を抱き抱えた。今までの私の身勝手な振る舞いを、不甲斐ない私をどうか許してくれ。これからはずっと一緒にここで暮らそう。と、長い間伝える事の出来なかった言葉をそのまま眠りに落ちるまで妻に投げかけた。妻はその間もずっと咽び泣いていた。朝になり、男は目を覚ます。部屋に分け入った日の光が部屋を薄暗らく照らしている。今までずっと抱き抱えていた妻を見る。骨と皮だけの死体がそこにある。泣き止んでいる他に昨晩との違いは何も無い。分かっていた事だ。男は骸を見つめる。骸となっても尚、男は妻を愛していた。妻への愛しさ故の感情が止めどなく溢れて来る。最早我慢は出来ない。途中、一度か二度何かが折れる音がしたが、男は妻の口を吸った⎯⎯が、その瞬間何か強烈な匂いがした為、男の妻に対する愛情は一瞬で冷めてしまった。










メモ: 9月20日時点___問題多すぎワロタ

変更・修正案

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