scp-xxxx-jp -陽一と榊(呪い)

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彼女等に人生があったとして、一体誰がそれを認知する事が出来るでしょう。集めた記録上にしか存在しない人生を彼女等は歩んでいると、果たして言えるでしょうか。その人生は何もかもがが幻想に過ぎません。そして、存在する事すら許されない彼女等は、唯、語ることによってのみこの世に紡ぎ止められる哀れな偶像に他ならないのです。

アイテム番号: scp-xxxx-jp

オブジェクトクラス: keter

特別収容プロトコル: xxxx特別情報収集班は新たに報告・更新された全ての情報にscp-xxxx-jpが関与していないかを確認し、関与が認められた場合は可能な限りの情報の収集と分析をし、██████に従い当該データの編集或いは削除を加えた上でアノマリーの解明、追跡、確保を試みてください。必要に応じて、O5-9の管理の下xxxx特別情報収集班長にはあらゆる財団データベースの閲覧¹が許可されます。

事案xxxx-███以降新たに雇用されるDクラスを含む全ての職員には素性調査の際に本人含む[未定義]の名前に｢陽一｣・｢榊｣が無いかの確認が義務となりました。
[未定義]

説明: scp-xxxx-jpは2013年以降に発見・報告された財団データベース上に不定期に出現する二人の人物です。二人はそれぞれが｢陽一｣(scp-xxxx-jp-1に指定)、｢榊｣(scp-xxxx-jp-2に指定)と呼ばれており、scp-xxxx-jp-1の名字・scp-xxxx-jp-2の名前は不明或いは存在しないと推測されています。｢陽一｣、｢榊｣の容姿を含む身体的特徴は軽微な反ミーム的影響により正確に記録/記憶或いは伝播する事が不可能です。映像記録や記憶媒体には二人には[未定義]以上の“モヤ”がかかり、目撃者(以下scp001-jp-a)²は二人の身体的特徴を言語化する際具体的な供述が不可能となり、抽象的な表現を試みますが、結果として伝達された情報は[未定義]に留まり、対象者は軽微なストレス反応を示します。全てのscp001-jp-aは二人の事を共通して｢幼い｣｢白い｣｢仲の良い兄妹/姉妹｣と表現しています。

インタビュー記録xxxx-1

対象 : エージェント・ツキ
インタビュアー: 小野寺上級研究員
日付: [未定義]
補足: エージェント・ツキはscp-████確保の際scp-xxxx-jpと接触し、数[未定義]の会話を行った。

<記録開始>
小野寺研究員:
agt.ツキ:
小野寺研究員:
agt.ツキ:
小野寺研究員:
agt.ツキ:
小野寺研究員:
agt.ツキ:

小野寺研究員: それでは、当時の状況から説明してください。
agt.ツキ: はい、その時私はscp-████を確保する作戦に参加していました。イメージで言うと、町中に突然現れたライオンを捕獲する様な…とにかく、一般人への損害と混乱を最小限に抑えるために、迅速な対応がいつも以上に必要な現場でした。
小野寺研究員: その時に、二人に会ったのですね。
Agt.ツキ: はい、最初は…と言うかその時は親とはぐれてしまった可哀相な姉妹…と言う感じだったんですけど…その…(小声で)いや…。(5秒間の沈黙)
小野寺研究員: どうかしましたか？
Agt.ツキ: いえ…でもやっぱり、どうしてもはっきりと思い出せないのです。二人の事を。
小野寺研究員: そうですか。では、二人について覚えている事を教えてください。
Agt.ツキ: 全て、ですか？
小野寺研究員: ええ。出来れば。何か問題でもありますか？
Agt.ツキ: 私は…(3秒間の沈黙)あの作戦から(編集済み)の間、あのあやふやな幻について考えを巡らせる事がなかった日はありません。その考えの中には、もしかしたらこうではないのかと云った憶測や、妄想と言っても差し支えない物まで混じっています。ですから、彼女達から直接的に得られなかった、或いは欠損してしまった情報の穴に、私が都合の良いように情報を補完している可能性が十二分にあります。
小野寺研究員: それでも構いません。その前に、今の話にあった”都合の良い”とはどう言う事ですか？
Agt.ツキ: そうですね…それはーなんと言うか、私があの二人の事を補完しやすいように私の”姉妹”のイメージ二人に実際に当てはめる事ですかね。二人共幼くて、可愛くて、無邪気で、仲の良い…。
小野寺研究員:
Agt.ツキ:
小野寺研究員:
Agt.ツキ:
小野寺研究員:
Agt.ツキ:
小野寺研究員:
Agt.ツキ:
小野寺研究員:
Agt.ツキ:
小野寺研究員: