SCP-XXXX-JP - 置き砂利

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誤伝達部門より通達

現在、当報告書の編集、更新は無期限に放置されているため、以下の記載内容には旧情報及び誤情報が混在している可能性がある点に留意してください。

— エリ・フォークレイ、誤伝達部門主任


アイテム番号: SCP-2905-JP

オブジェクトクラス: Euclid Keter Kušum1

特別収容プロトコル: SCP-2905-JPはサイト-91██の低危険度物品収容ロッカー内にて収容されます。実験及び調査の為にSCP-2905-JPを持ち出す際には、担当職員2名以上の許可が必要となります。

SCP-2905-JPはサイト-91██の特別収容ユニット2(以下、U-240と表記)内にて収容されます。U-240への入出の際にはレベル3セキュリティクリアランスを保有する担当職員3名以上の許可が必要となります。出入者にはその後、SCP-2905-JPの異常性による影響の有無を調査するための経過観察が義務付けられます。影響を受けたとみられる人物、物品等が発見された場合、それらは即座に回収、分析、隔離、隠蔽及び場合によっては処分される必要があります。 最終的には放置されます。

U-240内に存在する人物、計測機器類及びその他の物品は全て放置された状態を維持しています。影響を受けたとみられる生物、物体、文書、概念的存在及び事象が確認された場合、それらは放置されます。

U-240は完全に封鎖された後に放置されています。入出は許可されません。

SCP-2905-JPの収容は無期限に放置されています。3当報告書の編集、更新は担当責任者のみに制限されています。

サイト-91██は放置されています。

説明: SCP-2905-JPは組成性質的、物理性質的には異常性をもたない、約80gの砂利です。1粒あたりの直径は平均して約1.3cm程度です。

SCP-2905-JPに直接的に何らかの形で関与した人物(以下、対象と表記)は一定の確率で周囲に存在するあらゆる人物から「放置」されます。この事象をSCP-2905-JP-aと呼称します。ここにおける「放置」はあらゆる状況下においても周囲からは普遍的、或いは合理的な事象であるとみなされます。SCP-2905-JP-aの発現は突発的かつ不可逆的なものであり、発現するタイミングに目立った規則性はないとされています。

SCP-2905-JPに直接的、或いは間接的に何らかの形で関与した人物、物品等(以下、対象と表記)は一定の確率で周囲に存在するあらゆる知的生命体から「放置」されます。この事象をSCP-2905-JP-aと呼称します。また、調査班による数回の実験により、SCP-2905-JP-aの詳細に関して以下のことが示唆されています。

  • SCP-2905-JP-aの影響下にある対象の存在そのものが周囲から無視、否定される訳ではない。
  • SCP-2905-JP-aが発現する確率は対象とSCP-2905-JPとの関与が直接的である場合、比較的高くなる傾向にある。ただ、ここにおける「直接的」「間接的」の明確な定義は未だ確立していない。
  • 非生物に比べ生物の方がSCP-2905-JP-aが発現しやすい傾向にある。
  • SCP-2905-JPについて記述した文書類もSCP-2905-JP-aの影響を部分的に受ける可能性が示唆されているが、明確な確証は現時点で得られていない。

調査班による追実験4により、以下のことが示唆されています。

  • 生物、非生物間において影響の発現率の明確な差異は存在しない。
  • 対象には概念的存在及び事象も含まれる。
  • 直接的な言及、記述は特に制限される必要がある。
  • これ以上の関与は推奨されない。
  • 全て放置されるべきである。5

発見経緯: 2018年4月23日、SCP-2905-JPは███県███市の砂川さがわ氏の自宅の庭にて放置されていたところを付近を巡回していたエージェントにより発見、回収され、後に行われた初期実験によりその異常性が明らかとなりました。特筆すべき点として、当時砂川氏は長男である砂川 良太(当時5歳)が死亡したことに関して重度の精神的不調を患っていました。

インタビュー記録: 以下はSCP-2905-JPの回収後、担当研究員によって行われた砂川氏へのインタビュー音声の書き起こしです。

インタビュアー: 岩野研究員
対象者: 砂川氏
付記: 当インタビューはサイト-91██の一室にて行われた。砂川氏には事前にこのインタビューは精神カウンセリングの一環であると伝えられており、岩野研究員はカウンセラーを装っている。


<ログ開始>

岩野研究員: では始めます。宜しいでしょうか?

砂川氏: はい……

岩野研究員: くれぐれも無理はなさらず、ゆっくり話していきましょう。話すのが辛い場合は一旦中断しても大丈夫ですよ。時間はまだまだありますので。

砂川氏: いえ、大丈夫です。

岩野研究員: では、続けさせていただきます。本当に無理な場合は遠慮せずに言ってくださいね。

砂川氏: はい、ありがとうございます。

岩野研究員: では早速、まずあの砂利に関してお聞きしたいのですが。

砂川氏: 砂利……アレのことですか。アレがカウンセリングと何か関係が?

岩野研究員: ええ。いきなり本題から逸れるようで申し訳ないのですが、これもカウンセリングの一環なので。

砂川氏: はぁ。

岩野研究員: あの砂利は元々御自宅にあったものですか?

砂川氏: いえ、違います。ええと、先々週ぐらいだったと思うんですが、その、息子が近所の空き地から持ち帰ってきたものなんです。

岩野研究員: 息子さんがですか。

砂川氏: ええ。持って帰ってきた時はなんか透明な瓶に入ってて、息子の話によるとその瓶に入った状態で空き地の隅の目立たない所に置いてあったそうです。どこの空き地かは詳しく聞いていなかったんですけどね。

岩野研究員: そうでしたか。息子さんは日頃からよくお外で遊ばれていたのですか?

砂川氏: はい、その日は幼稚園の友達と近場の公園で遊ぶ約束があったらしくて。まぁ、私と息子の2人暮らしでしたし、土日も家で仕事してる私的にも外で遊ぶ仲間がいるのは良いことだなって思って。それでよく外で遊ばせて、私は家に残って、それで……

(数秒間の沈黙)

岩野研究員: 大丈夫ですか?

砂川氏: あぁ、すいません。つい感傷的になってしまって。大丈夫です、話を続けます。息子は遊びから帰ってくる時はよく松ぼっくりとかペットボトルのキャップとか拾って持ち帰ってきて私に見せてたんですよ。帰り道とかで自分で見つけて拾ったものを自慢するのが好きだったんでしょうね。

岩野研究員: 何となく分かります。私も小さい頃はよく道端で色々拾ってましたよ。

砂川氏: そうでしたか、実は私も。いつの時代も子供のすることって同じですよね。で、話を戻しますが、その日はいつもに増して変わったものを拾ってきたんで、一応拾った理由を聞いてみたんですよ。そしたら息子は「気になったから、ほっとけなかったから」的なことしか言わなくて。今考えてみれば確かにアレが空き地なんかに無造作に置いてあったのって、なんとなく普通じゃない気がするんですよね。なんというか、アレは放置されるべきものではないというか。

岩野研究員: なるほど、確かにそうですね。ですが、あの砂利は御自宅のお庭に撒かれていましたよね。決して問い詰めるようなつもりは無いのですが、あなたが意図的にそこに放置したのですか?それとも息子さんが?

(数秒間の沈黙)

岩野研究員: 大丈夫ですよ、無理に答えていただく必要はありません。

砂川氏: だ、大丈夫です、話します。撒いたのは私です。ただその、意図的じゃないというか、その時は気が動転していたというか。なんというかその、一種の思い込みで衝動的にやってしまったんだと思います、多分。

岩野研究員: 錯乱状態だったという事でしょうか?

砂川氏: はい、多分そうです。当時はショックのあまり記憶が曖昧で、どうすればいいか分からないような感じでして。(深呼吸) 実はその日……いや、もっと早く気づくべきだったのに……

(数秒間の沈黙)

岩野研究員: それはつまり……

砂川氏: ……息子が亡くなった日です。息子があの砂利を拾ってきた次の日から変な予感はしていたんです。私の思い込みかもしれません。きっとそうです。でも、でもあの砂利……アレが家に来てからなんですよ。息子が、その……酷く痩せていったのは。

岩野研究員: その砂利が息子さんが亡くなったことに何か関係している気がすると、そういうことでしょうか?

砂川氏: そんな訳はないと思うでしょう。私だって馬鹿らしいこじつけだと思っています。でも息子は……ずっとあの砂利を手元に置いてたんです。朝も昼も眠る時も、ずっと大切そうに。

岩野研究員: そうだったのですか。

砂川氏: ましてや自分が拾ってきたものですし、大切にしたいと思うのも当然でしょう。だとしてもあそこまで執着するものなのでしょうか。もちろんアレを放ったらかしにしてた方が良いとか、そう言いたい訳ではないですよ。……いや、それは私がしたことと矛盾しますよね。先生、やっぱり私がおかしかったんです。

岩野研究員: そんなことはないですよ、砂川さん。ショックで身体が勝手に動いてしまうことは誰にでも起こり得ることです。決してあなたがおかしいなどという訳ではありませんよ。あなたはきっと……

砂川氏: (話を遮る) 息子がとんでもない何かを拾ってきて、あの砂利は人を狂わす異常な何かで、だから息子はあんなに手放さずにいたんだと、勝手な理屈を捏ねて投げ捨てたのは私なんです。息子は私に空腹を訴える時ですらアレをポケット入れ、片手に握って、肌身離さず持っていたんです。だから……だからそんな思い込みに縋るしかなかったんです。日に日に弱っていく息子を見ていることしかできなかった私は……ただ……

岩野研究員: 砂川さん……

砂川氏: 私、私は息子を、良太を、ただ……(嗚咽)

岩野研究員: 無理に思い出させてしまって申し訳ないです。良ければハンカチ、お使いください。

砂川氏: (鼻をすする音)……ありがとうございます。3年前に妻が他界してからずっと2人で生活していたので、私、私はこの先……(嗚咽)

岩野研究員: 砂川さん、どうかお顔を上げてください。息子さんが亡くなったのは決してあなたのせいなどではありません。感情のやり場を失い、それを投げ捨てたくなったお気持ちも十分に理解できます。本当に理不尽な出来事ですよ。でも息子さんだって、きっとあなたを置き去りにしたくはなかったはずですよ。

砂川氏: (嗚咽)……はい、ごめんなさい。少し自分を責めすぎました。ありがとうございます、先生。あなたのおかげで少し楽になった気がします。息子にとって大切なものに対してあんなことをしてしまったなんて、それについてもっと反省すべきでした。息子に何もできなかった自分を責めるよりも、今はもっとすべきことがあるように思えてきました。

(数秒間の沈黙)

砂川氏: あの、先生。例の砂利なんですけれども、アレは今どちらに?先生が家にいらっしゃった際に数人で拾われてましたよね。やっぱり、アレは私が持っておくべきものだと思うんです。

(数秒間の沈黙)

砂川氏: あの……

岩野研究員: あぁ、すみません。そろそろ次の仕事に行かなくては。

(席を立つ音)

(ドアの開閉音)

砂川氏: え、あの、次の仕事って何ですか?先生、あの砂利は……

(鍵が閉まる音)

(数秒間の沈黙)

(席を立つ音)

(数回のノック音)

砂川氏: (大声で)あのー、先生?

(数回のノック音)




付与予定タグ: scp jp esoteric-class 概念 精神影響 メタ 誤伝達部門


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