このページの批評は終了しました。
アイテム番号: SCP-2798-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-2798-JPはその性質上移動が不可能であるため、現地にて収容体制が確立されています。SCP-2798-JPの周囲半径100mを一般人立入禁止区域とし、警備員が2名ずつ交代制で配置されます。一般人が意図的な侵入を試みた際にはクラスA記憶処理剤を適用し、侵入を防いでください。
説明: SCP-2798-JPは███県、████高原の中央部に存在する、外見上は██████社製のものと一致する釣竿です。SCP-2798-JPは異常な破壊耐性を保持しており、糸部分の切断も不可能です。
SCP-2798-JPの糸は途中から付近の地中に埋まっており、リールを回すことは不可能です。糸の先端は地中約████kmの深さに位置していると推測されており、常に原理不明の抗力が働いているためその場から引き抜くことができません。
SCP-2798-JPを手にした人物(以下、対象者と表記)は、所持している時間内においてSCP-2798-JP-aを視認します。
SCP-2798-JP-aは魚1を模した半透明の巨大な幻覚です。SCP-2798-JP-aは対象者の視界内において、遠方の上空を泳ぐ様に旋回し、時折対象者への接近を試みる様な動作を見せます。対象者がSCP-2798-JPを手放すと、SCP-2798-JP-aは即座に消失します。
発見経緯: 2022年1月頃、当該場所における「地面から生えた釣竿」「空飛ぶ魚の幽霊」の目撃情報がSNS等で話題となっており、財団の注意を惹く的となりました。SCP-2798-JPは2022年1月8日に派遣されたエージェントにより発見、上記の異常性が確認された後に確保されました。当時その場に居合わせた一般人及び周辺住民に記憶処理が施され、規定区域が財団の管轄下に置かれました。SCP-2798-JPの起源については現時点で不明であり、関連情報の収集が現在進行中です。
実験記録 2022/1/25: 以下はD-47500を用いた調査実験を記録した音声ログの書き起こしです。
実験目的: SCP-2798-JP-aの行動範囲についての追調査
対象者: D-47500
実験担当者: 井戸田博士
実験方法: 担当者の許可が降りるまで対象者にSCP-2798-JPを所持させ続け、SCP-2798-JP-aの観察を行わせる。対象者は無線による指示に従い、観察内容を口頭で伝える。内容は全て録音される。
<ログ開始>
(重要度が低いため途中省略)
D-47500: おい博士、アイツがこっち向いたぞ。近づいてきてる。
井戸田博士: 以前観察した時と何か相違点は見受けられますか?
D-47500: 特には。あー、いや、強いて言うなら……
井戸田博士: 何でしょうか?
D-47500: なんか、前見た時よりも真っ直ぐこっち向いてるっつーか、蛇行せずに一直線に近づいてくる感じがする、みたいな。
井戸田博士: 前回よりも速く向かって来ているのですか?
D-47500: そんな感じがする。遠すぎてよく分かんないけど。にしても、やっぱ不気味だアイツ……
(数秒間の沈黙)
D-47500: なぁ、少し目を休めても……
井戸田博士: 意図的に見ようとしない行為は許可されません。観察を続けてください。
D-47500: だよな。
(数分間の沈黙)
D-47500: おい、なぁ。
井戸田博士: どうしましたか?
D-47500: アイツ、あんなデカかったか?いや、近づいてきてるからか?にしてはデカすぎるような……
井戸田博士: 今見える大きさについて具体的に説明できますか?
D-47500: えーと、向こうにある山くらい、いや、それ以上かもしれない。距離感がつかめなくなってきた。
井戸田博士: 移動が加速しているのですか?
D-47500: よく分からない。とにかく、アイツは俺が予想してたよりもずっと大きい。それだけは確かだ。
井戸田博士: 分かりました。観察を続けてください。
(数十秒間の沈黙)
D-47500: どんどんこっちに来る、馬鹿でかい顔が。怖い。まるで隕石だ。
井戸田博士: どのくらい近づいていますか?おおよその目安でいいので伝えてください。
D-47500: 分かんねえよそんなの。怖くて手が震えてきた。
井戸田博士: 落ち着いて、深呼吸してください。絶対に手を離しては行けません。
D-47500: 分かったよ、分かった。
(呼吸音)
D-47500: クソ、駄目だ、落ち着けねぇ。握って立ってるだけで精一杯だ。見たくないはずなのに、今度は目を閉じるのが恐ろしくなってきた。閉じて開けた次の瞬間には、アイツがすぐ目の前にいる様な気がして……
井戸田博士: あなたが恐怖心に駆られていることはとても理解できます。しかしこれは単なる幻覚の一種です。現実にいるあなたに物理的な害を及ぼすことはありません。落ち着いて、呼吸を整えてください。
D-47500: 分かってる、分かってるんだよ。
(数十秒間の沈黙、D-47500の呼吸が荒くなっているのが確認できる)
D-47500: え?お、おい!おい博士!
井戸田博士: どうしましたか?
D-47500: あ、アイツが口を開けた。
井戸田博士: 口、ですか?
D-47500: 近づいてくる、来る、でかい、なんだ、なんなんだよコイツ……
井戸田博士: どのくらいの大きさ……
D-47500: (会話を遮る)見て測れるかそんなもん!クソでかいんだよ!つまんねぇ質問すんな!
井戸田博士: どうか落ち着いてください。せめてどのくらいの近さか説明してください。
D-47500: 遠い、まだ遠いんだよ!雲よりもずっと遠くだ、やっと分かった。アイツはデカいなんてもんじゃない。距離感がバグるくらい巨大だ。惑星ぐらいか?威圧的で怖くて仕方ない。アイツの口が向かってくる、怖いんだよ……
井戸田博士: 落ち着いて、あなたは絶対に安全です。私が保証します。どうか観察を続けてください。
D-47500: (小声で)クソ、クソが……すまない。これは幻なんだよな?そうだ、ただのリアルすぎる幻覚だ。棒を握って、幻覚を見せられるだけの簡単な仕事だ。
(数秒間の沈黙)
D-47500: 駄目だ、やっぱり怖い。大口がどんどん広がって……博士、すまない、目を瞑らせてくれ。たのむ。
井戸田博士: 中断は許可されません。深呼吸して、観察を……
D-47500: (会話を遮る)近い近い近い!急にスピードが増してるんだよ!食われちまう!なぁ、おい!空が見えねぇ!口しか……
井戸田博士: 落ち着いてくだ……
D-47500: (会話を遮る)嫌だ嫌だ嫌だ来るな来るな来るな来る……
(絶叫)
井戸田博士: D-47500?
(鈍い物音)
井戸田博士: D-47500!応答してください!
(数秒間の沈黙)
井戸田博士: 実験を中断します。
<ログ終了>
実験中断後に警備員数名が現地へ駆けつけ、気絶して倒れたとみられるD-47500を確保しました。D-47500に目立った外傷はなく、後に行われた精神診断においても異常は検出されませんでした。
追記: 上記の実験の後、同等内容の実験においてSCP-2798-JP-aの姿が一切確認されなくなりました。また、その実験の際に対象者は皆、「空が異様に薄暗く感じる。」といった旨を主張しました。これらの事象を鑑みて、後日D-47500に対し詳細な事情聴取が行われましたが、有益な情報は得られませんでした。
注記: 現在あなたが閲覧している報告書は旧版です。最新版を閲覧するにはこちらをクリックしてください。
付与予定タグ: jp scp Keter 移動不可能 感覚 視覚 触覚 動物 魚類 地球外 道具
ページコンソール
批評ステータス
カテゴリ
SCP-JP本投稿の際にscpタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にgoi-formatタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
本投稿の際にtaleタグを付与するJPでのオリジナル作品の下書きが該当します。
翻訳作品の下書きが該当します。
他のカテゴリタグのいずれにも当て嵌まらない下書きが該当します。
言語
EnglishРусский한국어中文FrançaisPolskiEspañolภาษาไทยDeutschItalianoУкраїнськаPortuguêsČesky繁體中文Việtその他日→外国語翻訳日本支部の記事を他言語版サイトに翻訳投稿する場合の下書きが該当します。
コンテンツマーカー
ジョーク本投稿の際にジョークタグを付与する下書きが該当します。
本投稿の際にアダルトタグを付与する下書きが該当します。
本投稿済みの下書きが該当します。
イベント参加予定の下書きが該当します。
フィーチャー
短編構文を除き数千字以下の短編・掌編の下書きが該当します。
短編にも長編にも満たない中編の下書きが該当します。
構文を除き数万字以上の長編の下書きが該当します。
特定の事前知識を求めない下書きが該当します。
SCPやGoIFなどのフォーマットが一定の記事種でフォーマットを崩している下書きが該当します。
シリーズ-JP所属
JPのカノンや連作に所属しているか、JPの特定記事の続編の下書きが該当します。
JPではないカノンや連作に所属しているか、JPではない特定記事の続編の下書きが該当します。
JPのGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
JPではないGoIやLoIなどの世界観用語が登場する下書きが該当します。
ジャンル
アクションSFオカルト/都市伝説感動系ギャグ/コミカルシリアスシュールダーク人間ドラマ/恋愛ホラー/サスペンスメタフィクション歴史任意
任意A任意B任意C- portal:8035948 (16 May 2022 13:27)
拝読しました。現状NVです。
特におかしな部分は見受けられませんでした。
問題は無さそうです。
スポイラーで示されたストーリーは面白いと思います。釣りに関するオブジェクトは少なく、また地球を餌とするというアイデアは目新しいと感じました。ただし、それらのストーリーは私には正しく伝わりませんでした。その結果として、地球が消化されるという盛り上がる場面(ページ遷移後)があまり面白いと感じられませんでした。
この部分がスポイラーの内容を最もよく示唆しているものと思われますが、私はこれだけでは真相にたどり着けませんでした。個人的にはもう少しヒントが欲しい所です。
特にありませんでした。
おそらく問題なさそうです。
ちょっとした疑問なのですが、SCP-XXXX-JP-aの餌はあくまで地球なので、対象を認識していようがしまいが、地球を摂食してくるのではないでしょうか。それとも、対象が接触していない=魚が餌を食べられる領域に置いていないため、摂食してこないということなのでしょうか。
拙い批評ですが、参考までに。
ご批評ありがとうございます。
アイデアに目新しさを感じていただけてとても嬉しく思います。
その解釈でおおよそ合ってます。オブジェクト自体のコンセプトが「釣り」なので、釣り人が竿を持って初めて地球が餌として認識される、といった意味合いを持たせたかったためそのような設定(本文では明言していませんが)の下で記事を書きました。
スポイラーの内容に気付きづらいとのご指摘についてですが、1ページ目においてもヒントを散りばめたつもりではありました(異常な程に巨大な魚による捕食、地中深く埋まった釣竿の先端部分、捕食後に見えなくなった魚等)。ただ、やはりそれだけではスポイラーの芯までもっていくのは難しいような気もしてきました。執筆中、オキアミを消化途中の状態にすれば少しはヒントになるかな、なんてことも考えてたりはしてたんですけどね……
ただ、あまりにも真相への道筋が大袈裟だと 筆者のわざとらしさを醸し出してしまうような気がしたため、さりげなくヒントを挿入したつもりで執筆しました。今後の批評コメントも考慮して、地球の危機をより上手く描写できるよう試行錯誤してみます。
貴重なご意見ありがとうございました。
読ませて頂きました。
まず主張したいのは、1ページ目は、「フリ」として非常に質が高いという事です。
この記事が1ページ目だけで、普通にDクラスが食われて終わっちゃったらただのよくある記事ですが、この1ページ目がフリとして、何か他に隠された真相があるという事だと、すごくワクワクします。
しかし、2ページ目の真相に関しては惜しいなと思います。
地球が餌であるというのは、これも非常に面白いんですが、消化されたせいで縮んでいるというのは納得できませんでした。
生物が何かを消化する場合、消化される物質は外側から段々形が崩れ、壊れ、溶けていきます。同じ形のままサイズだけが段々縮んでいくなんて事はありません。これでは消化と言うより、魔法にでもかけられたようです。そういう異常性だと言われたらそれまでですが、直観的では無く、不自然です。
また、地球が縮んでいるという事は太陽なんかは元のサイズのままな訳で、そこは財団世界の人も気付くと思います。
こういった、根本的な所が納得できないので、UVはできないです。
「見て頂きたい点」の中で言うと、「内容、アイデアの面白さ」は良いんですが、「本文ストーリー及びスポイラーにおける内容の矛盾」が気になってしまう、といったところです。
でも、面白いので、本サイトで完成したこの記事を見たいですね。応援しております。
ご批評ありがとうございます。
消化プロセスの描写についてですが、正直なところ執筆中かなり悩んでました。
釣竿大きくなる(ホントは消化されて地球縮んでる)→真相に気付けずに人類滅亡の危機、といった流れを作りたかったため地球表面のあちこちが崩壊を起こすような描写にはしませんでした。またこの場合、釣竿は相対的に巨大化しないため単なるKクラスシナリオで話が終わってしまいそうな気がしたという理由も少なからずあります……。ですがやはり、ご指摘を頂いた通り理屈が通っていない 或いは説明不十分だったなと反省点を感じています。
結論としては消化プロセスに関しては現在のままでいこうと思います。その代わりに、その根拠を暗示する存在として、2ページ目であっさり死んだ井戸田博士の直感的なメモ的な文書を残しておこうかなと考えております。そこに地球消化の未知のプロセス説明 及びスポイラーへの追加ヒントを足してみようと思います(あくまで予定ですが)。
これについても悩んでました。井戸田博士の残す文書にできる限り組み込んでみようと思います。
発狂するくらい嬉しいお言葉です。初投稿に向けて頑張ります。
貴重なご意見ありがとうございました。