クレジット
タイトル: SCP-XXXX-JP - タイトル
著者: ©︎
7snowrin
作成年: 2021
〇前半のオブジェクト説明、実験記録にわかりにくい箇所がないか
〇後半のストーリー性が必要十分か(もうひとひねり必要?)
〇類似記事の有無(オブジェクトが似ている、性質が似ている、ストーリーが似ている、など)
差別化の要否にかかわらず、勉強のためにご紹介頂けるとありがたいです
(例)SCP-3849: 浴槽内に宇宙が存在する。対象オブジェクトの差やストーリー性から見て、差別化はできていると考えます。
〇他に何か気づいた点や改善点等あれば教えていただけると嬉しいです。
アイテム番号: SCP-XXXX-JP
オブジェクトクラス: Safe
特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPは気密容器に封入された上で、サイト-8122の低危険度物品収容ロッカーに保管されます。SCP-XXXX-JPを用いた実験をおこなう場合、カバーストーリー「周辺海域の生態調査」を用いて、沖縄県水納島近海の基準点 -XXXX-JP(緯度26.65°, 経度127.75°)を中心に半径1km円内の海域を封鎖してください。また、大気圧の変動や潮汐力による偶発的な海水の流入を防ぐため、実験は圧力調整が可能な気密室にておこない、緊急時に液体の異常性を即座に消去できる設備の準備が強く推奨されます。詳細は実験計画ガイドライン: -XXXX-JP-EXG01を参照してください。
説明: SCP-XXXX-JPは、直径9.5cm、高さ17.6cmの円筒形の蓋付きプラスチック容器に入れられた青色の粉末です。容器形状とラベルは株式会社████████製のバスソルトと酷似していますが、ラベルの剥離、容器の摩耗、変色など、屋外に長期間晒された際に見られる外観の劣化が認められます。粉末の構成成分は、塩化ナトリウム、炭酸カルシウム、香料、着色料など、一般的に入浴剤に用いられている既知の成分です。ただし、塩化ナトリウムと炭酸カルシウムの含有量が多く、一般家庭の浴槽への使用には適していません。その他、容器および粉末に異常点はありません。
SCP-XXXX-JPの異常性は、粉末が180L以上の液体に濃度0.01~0.02%の範囲で溶解した際に発現します。粉末を溶解した液体は元の色や透明度に関わらず濃紺色の濁った液体に変化した後、速やかに透明度が高く青い液体(SCP-XXXX-JP-A)に変化します。同時に、SCP-XXXX-JP-Aが投入されている容器の外観に反して、内部には大量の水が広大な領域に満たされている様子が液面から視認できます。SCP-XXXX-JP-A内にはベラ、クマノミなど複数の熱帯性水棲生物と、場合によっては砂状の底面や岩石の存在が認められます。SCP-XXXX-JP-Aの容量が180L未満になるか、液体もしくはSCP-XXXX-JPの追加投入によって濃度が前述の範囲を逸脱すると、SCP-XXXX-JP-Aは初期状態の液体に戻り、異常性を失います。
実験記録 -XXXX-JP-01 - 日付2019/11/12
目的: SCP-XXXX-JP-Aの基本的な性質の調査
実験結果の概要: SCP-XXXX-JP-A内に投入されたGPSは、沖縄県水納島から西へ約5kmの位置を示しました。この位置は異常性発現のたびにおよそ1km程度の誤差を含みますが、異なる地域を測位する事例は確認されていません。また、SCP-XXXX-JP-A内で観察された水棲生物の生態や水質は、すべて当該海域周辺のものと一致しています。
実験記録 -XXXX-JP-02 - 日付2019/11/19
目的: 無線遠隔操作探査機によるSCP-XXXX-JP-A内の探索
付記: GPSが前回実験時と同じ位置を示したため、当該水域は閉鎖され、財団の巡視艇が待機していました。
実験結果の概要: SCP-XXXX-JP-A内は当該水域の海中と同じ様相を呈しています。SCP-XXXX-JP-A内では容器の表面形状に切り取られた空間が下方向からのみ視認でき、この空間を通り抜けることで探査機は実験室に帰還できます。さらに、探査機はSCP-XXXX-JP-A内から水面に浮上し、付近で待機していた巡視艇により問題無く回収されました。逆に巡視艇から探査機を再び海中へ潜水させ、前述の空間を通過させることで、実験室でも問題無く探査機を回収できました。SCP-XXXX-JP-Aの異常性が失われると、当該水域に生成された空間も消失することが確認されました。
以上の実験記録より、SCP-XXXX-JP-Aは当該水域の海中に接続される、空間転移ポータルとして機能すると結論づけられました。
発見経緯: 2019/11/9、東京都██区の民家から「浴槽の中にサメが泳いでいる」という通報があり、警察組織に潜入していたエージェントがこれを察知しました。エージェントが現場に到着した際、民家の浴室に設置された浴槽内にSCP-XXXX-JP-Aが出現していました。関係者への聴取の結果、通報元の民家に暮らす男子児童が浴槽内の水に当該オブジェクトを投入したことで、SCP-XXXX-JP-Aが生成されたと確認されました。民家に居住していた家族、および警察関係者にはクラスB記憶処理が施され、当該オブジェクトがSCP-XXXX-JPとして回収されました。
補遺1: SCP-XXXX-JPの出自を調査するため、通報元の民家に暮らしていた██ ██(以下、男子児童と記述)に、記憶処理前にインタビューが行われました。
インタビュアー: エージェント██ ███
付記: このインタビューは警察による事情聴取としておこなわれています。
<記録開始>
インタビューアー: それじゃあ、 お名前と、年齢を教えてくれるかな。
男子児童: ……██ ██、12歳。
インタビューアー: いい子ね、██くん。今日の夜、お家で何があったのかな。
男子児童: [しばらくの沈黙] ……お母さんに怒られちゃう。
インタビューアー: まさか。██くんは悪くないもの。お母さんにも、あなたを叱らないように私からお話するわ。ただ、私たちは何が起こったのかを知らなくちゃいけないの。
男子児童: [5秒ほど沈黙]
インタビューアー: 絶対に内緒にするから。ね、お願い。
[男子児童はさらに5秒ほど沈黙した後、俯いたまま話し始める]
男子児童: 海を見てたの。あの粉を入れると、海が見れるから。でも、お母さんとか、他の人には見せちゃダメって言われたから、隠れて見てた。今日はお母さん、帰るの遅くなるって言ってたのに。
インタビューアー: いつもはお母さんに見つからないようにしていたのね。
男子児童: お母さんが帰ってくる前に、お風呂の栓を抜いてた。本当はいけなんいことだって、分かってたから。でも、今日は海を見てたら眠たくなっちゃって、そしたらお母さんの叫び声で目が覚めて、それで……。
インタビューアー: 大丈夫、よくわかったわ。ところで、今までにあの粉を何回使ったかは覚えてる?
男子児童: [首を横に振る] 3回、もっとかも。ごめんなさい。
インタビューアー: 謝らなくていいのよ。あの粉は、誰にもらったの?
男子児童: かなこちゃん。たかはしかなこ。
インタビューアー: お友達?
男子児童: 友達……うん、学校の友達。今年転校してきた、同じクラスの子で、隣の席だったの。修学旅行も一緒に行って、仲良くなって、けど、また転校するって……それで、お別れだからってあの粉をくれたの。
インタビューアー: その子はどこへ転校したのかわかるかな?
男子児童: わかんない。けど、遠くに行くって言ってた。もしかしたら、もう会えないかもって。
<記録終了>
補遺2: 男子児童の証言から、エージェント・██ █による████地域の現地調査が実施されました。
調査レポート: XXXX-JP
調査地域: 沖縄県██市████近郊
担当者: 沖縄地方担当フィールドエージェント ██ █
報告日: 2019/12/15
目的: 対象地域の異常性調査、および「かなこ」を含む関係者の捜索
使用されたカバーストーリー: 警察組織による事件関係者と証拠品の捜索
結論:
- 対象地域近郊に異常性は認められなかった。
- SCP-XXXX-JPの出自を含め、関連する情報は得られなかった
対象地域の写真:

詳細:
当該地域は男子児童の証言通りの特徴を有していた。ただし、近隣まで観光地としての開発が進み、男子児童が「かなこ」と会っていたとされる地点へのアクセスは容易であった。外環境異常性調査手順に基づき、対象地域で得られたサンプルデータを用い、WATCHDOGおよびBinahパターン認識システムによる統括的な異常性調査を実施したが、異常性は示されなかった。今後、対象地域の異常性確認は月に一度、継続して実施される予定。
「かなこ」という名前を持つ人物は対象地域周辺には在住していない。住民基本台帳および転出履歴からも、男子児童の証言に一致する人物は発見できなかった。「かなこ」が霊的実体である可能性を考慮し、追加調査として改良版カーデック計数機を用いた霊的実体の捜索を実施したが、少なくとも対象地域周囲2kmの範囲では、クラスDを除く有意な霊的実体を検出することはできなかった。
補遺 -近隣住民の証言:
- 特筆すべき霊的現象、オカルト関係の都市伝説は当該地域には存在しない。
- 古くは土地を守るためのごく小規模な民間信仰が存在したが、現在はそのほとんどが失われている。
- 当該地域は2年ほど前まで人の手が入っていなかった一方、ごみのポイ捨てや大型家電の不法投棄が深刻な問題となっていた。
- 1年前、近郊に大型のリゾートホテルが開業し、それに合わせて近隣地域の遊歩道・駐車場としての整備が進んでいる。
██博士の付記: ここは良い意味で何も無い場所だ。近くには当然、入浴剤の工場も無いし、「かなこ」なる人物も住んでない。しかし、環境は男子児童の証言と一致しているので、子供の虚言とも考えにくい。最初から何も無かったのか、あるいは気付くのが遅すぎたのか。
(上席研究員・███の付箋)
海水、塩化ナトリウム77.9% サンゴ礁? 風化造礁サンゴ、炭酸カルシウム40%
補遺3 -日付2020/2/15:: 男子児童より押収した文書XXXX-JPの非異常性が確認されたため、文面の掲載が承認されました。この文書はSCP-XXXX-JPの存在について言及しているため、男子児童への返却は保留され、サイト-8122の非異常性書類収納庫に保管されています。筆跡照合が沖縄県██市の住民を中心に進められていますが、現時点での一致事例はありません。
██くんへ
今までいっしょに居てくれて、ありがとう。
もっといっしょに居たかったけど、決まったことだから、ごめんね。
この場所を██くんが忘れないように、海の粉をあげます。
(入れ物は近くで見つけたの。汚くてごめんなさい)
おふろに入れてみて。びっくりするけど、これを見て私を思い出してくれたら、うれしいです。
他の人には、絶対に見せちゃダメだよ。
██くんと仲良くなれて、うれしかったです。
最初はいやがってた学校や友達のお話も、今はたくさんしてくれるよね。
毎年会うたびに、持って来てくれる「楽しい」が増えるのが、うれしかったです。
中学校、高校、そして将来の夢を、胸を張って話せるようになって、よかったです。
きっと、██くんはもう大丈夫だと思います。
私がいなくても、たくさんのお友達が、██くんと仲良くしてくれるよ。
あと、私のことを好きって言ってくれて、ありがとう。
私はとても、しあわせです。
私も[黒く塗り潰されており解読不可]
私のこと、忘れないでね。
さよなら。
かなこ
注釈: 裏面に走り書き有り。表面とは異なる筆跡。
大丈夫なわけない
行かないで
補遺4 -日付2020/12/20: 株式会社████████の製造ライン監視および抜き打ち品質検査を継続していましたが、過去1年間のSCP-XXXX-JPの発見件数は0件でした。また、財団が傍受した通報内容のうち、SCP-XXXX-JP-A発生に関するものは国内外を問わず0件でした。2020/12/19に再実施されたリスク査定の結果、関係者の捜索と当該企業の製造ライン監視の打ち切りが決定されました。SCP-XXXX-JP-Aに関する通報が傍受された場合のみ、再度調査担当者が割り当てられます。
ERROR
The 7snowrin's portal does not exist.
エラー: |
7snowrinのportalページが存在しません。利用ガイドを参照し、portalページを作成してください。 |
利用ガイド
拝読しました。
最初にお詫びします。類似記事の有無の検索は私の苦手分野なのでそれ以外への批評とさせてください。
そちらについては他の方にお任せし、他の部分へのコメントとさせてください。
DMEENBさん、批評ありがとうございます。
まずは楽しめたと言って頂けてほっとしました。
おっしゃる通り、この手順が無いと異常性の暴露という意味では収容違反になり得ますし、プロトコルに併記するよう検討します。
炭酸ナトリウムおいしいですありがとうございます、おっしゃる通りです、修正します。
ここは私も迷っていたところです。やっぱり幼いですよね……。
また、たしかに体験内容から年齢がもっと低くても、というご意見も理解できます。
ただ、修学旅行が一般的には小学校六年生から始まるものなので、二人の体験を修学旅行に落とし込もうとするとこれ以上年齢を下げることはできません。
第一案としては、年齢相応の受け答えにする。他にも、年齢を引き下げて別の体験に置きかえる、男児が修学旅行に行ったというのは未来の話で実はまだ行っていない(?)などから、良い案が無いかアプローチしてみます。
これ以上に少女や製造元に言及すると、恐らくこの報告書のストーリーやフォーカスしている対象からどんどん外れていきそうな気がして、そうなるとこの段階で「あの少女は誰だったのだろう……」と終わらせるのが良いかと思いました。
下記で他の方からもご指摘を頂いていますが、ややストーリーがありきたりなこと、また最後が「捜査が進行中です」であっさりと締められていることから、宙に浮いた終わり方という印象になったのかもしれません。
暫定的に、最後の文面を少し往々しくしますが、全体の構成も含めて再度検討したいと思います。
改めて、批評ありがとうございました!
今後ともよろしくお願い致します。
お疲れ様です。締め方に関しては仰る通り主題がぼやける危惧はよくわかるのと、結末にこそ著者様の譲れない部分が詰まっていると思うので、私からは応援するのみです……!
なので、修学旅行の方で。もし年齢ではなく「校外に二人で行くイベント」という事でお考えなら代替案を私のアルバムから引っ張り出してピックアップしてまいりました。
拝読しました。
良いと感じた点
細部のクオリティが非常に高いと思いました。実験時の方針、資料の保管場所、発見経緯など、財団が実際にオブジェクトを収容しているかのようなリアリティが素晴らしいです。
改稿するなら
ストーリーが良くも悪くもありきたりなものであることが気になります。ただ、ストーリーの質自体が悪いわけではないので、魅せ方の問題かもしれません。こちらの、「構造」の部分を参考にしてみてください。また、写真を追加するのもいいかもしれないです。また、沖縄の海の画像などを実験記録の後に持ってきてもいいかもしれないですね。
細かい点
ちょっと状況が想像しにくいです。容器が拡張するのか、内部空間が拡張するのか、いずれにせよ記述が必要かと思われます。
このパラグラフは特別収容プロトコルに書いた方が良いかもしれません。
英語の発音的に、また通例的に「インタビュアー」の方が良いかもしれません。
誤字だと思われます。
最後に
一番最初に書いた下書きだとは思えないほど細部のクオリティが高いので、そこは全く心配しないで大丈夫です。よくなる可能性は十分にありますので、他の方からも批評をいただいて、特にストーリーに関する面を補強しましょう。こちらのページでは、個人的に批評を受け付けている方のリストが掲載されていますので、よろしければ参考にしてください。
それでは、健闘を祈ります。
Lobster-JPさん、ありがとうございます。
細部書き込み大好きマン(?)なので嬉しいです!
ストーリーに関して、おっしゃる通りありきたりだと思います。
というのも、このオブジェクト、「入浴剤入れたら海にならねーかなーーー」くらいの発想から始まり、ストーリーが後からノリで引っ付いてきているので、ご教示頂いた魅せ方・構造(とくに展開)を考慮できていないのだと私も感じます。
一度全体の内容を整理して、「何を感じさせたいのか?」も考慮しながら展開と構成を考え直してみます。
写真は、端的に浴槽の中に海が見えているものを追加しようと思っていました。沖縄の写真も(使えるものがあれば)いいかもしれません。検討してみます。
細かい点のご指摘はすべておっしゃる通りですので、修正致します。
他の方のご紹介もありがとうございます。個人で頼むのはまだハードルが高いですが、自分の中で落とし込んでいって煮詰まってきたら、ぜひ依頼を検討したいと思います。
改めて、批評ありがとうございました!
引き続き、どうぞよろしくお願い致します。