クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 神無月
著者: LRRF
作成年: 2022

アイテム番号: SCP-XXXX		オブジェクトクラス: Keter
Level 2 Clearance		脅威レベル: 橙 ●

特別収容プロトコル : SSCP-XXXX-JPは現在収容されていません。CP-XXXX-JPは終了されなければなりません。SCP-XXXX-JPの終了のため、財団の保有する資産は無制限に使用されます。SCP-XXXX-JPの終了は最優先事項です。SCP-XXX-JPの影響を受けたオブジェクトの報告書において、オブジェクトクラスは変更されません。

+ 10月7日改定済-旧特別収容プロトコル

説明 : SCP-XXXX-JPは全世界で不規則かつ点在的にオブジェクトの異常性が消失する現象です。異常性を失うオブジェクトに規則性は見られず、オブジェクトクラス、危険性、収容サイトのいずれにも関連はありません。
2200年10月1日のSCP-XXXX-JP発生以降、21日で財団の収容する92%が異常性を喪失しました。これに伴い、異常性を持つ職員も同様に変化しました。また、GoIの所蔵するオブジェクトについても同様の現象が見られています。

+ SCP-XXXX-JPの影響を受けた主要なオブジェクトのリスト

オブジェクト	影響の結果
SCP-096	平均的なセルビア人の死体へと変化した。死体は筋肉量・四肢の比率・皮膚の色素等あらゆる点で標準値を超えなかった。栄養失調による衰弱死であると分析された。
SCP-500	錠剤の外見はそのままに、成分と効能が市販されているビタミン剤と同様のものになった。
SCP-529	下半身にあたる部位が形成され、一般的な猫との違いを持たなくなった。チーズを好む傾向は変化しなかった。
SCP-682	平均的なコモドドラゴンへと変化した。戦闘能力、凶暴性、再生能力はいずれも特筆すべきものではなくなり、発話能力も失った。
SCP-999	2Lの普遍的な黄土色のスライムへと変化し、一切の活動を行わなくなった。これは接触した職員に特別な精神的影響をもたらさなかった。
SCP-1370	自律能力を失い、非異常性の美術品以上の性質を持たなくなった。もはや自らの意思で行動することは無い。

インタビュー記録
日付: 10月15日
インタビュー対象: アトラス研究員

ここ一週間の職員の勤務態度について、か。
上は相当お冠らしいな。欠勤率が300%を超え、出勤した職員の忠誠度にも低下が見られる、と。かく言う俺も随分スコアを下げたしな。まぁ、仕方がないんじゃないか？どうせ来ても仕事は無いし。
SCP-XXXX-JP発生した時、みんながこう思った。「もしかして、このままオブジェクトが無くなれば、幸せな生活に戻れるんじゃないか？」ってな。けれども使命感は忘れなかったんだ。これは更なる異常の前触れかもしれないとか、財団の責務を忘れてはならないとか、自分を騙しながらあれを止めようとしてた。
でもな、あの報告書、あの改定された特別収容プロトコルがダメだった。月並みな表現で言えば、あれを読んだ時俺たちは、どこか切れちまったんだよ。オブジェクトが無くなれば、財団が無くなる。財団が無くなれば、上は困る。あいつらにとって、もはやオブジェクトはなくてはならない存在になってるんだ。ついでに言えばオブジェクトクラスも滑稽だよな。上はあくまで、これを収容難度の高い普通のオブジェクトとしか思っちゃいないんだぜ。
俺はもう止める気は無い。暗闇を照らす光がすぐそこまで迫ってきているのに、なぜ止めなければならないんだ？

アクセス承認

CLASSIFIED

国際連合安全保障理事会通達

2200年10月23日

差出人:
国連事務総長: ゲティスバーグ
英語大統領: ウィリアム・アニエル
合衆国大統領: ボトムズ・ビューラー
中華人民共和国首席: 洪沐辰
連名

本文

一.1945年10月24日に規定された国際連合憲章第20条3項において定められたる財団による超法規的活動の許可について、我々はこれを停止する。
二.同条文第4項において定められたる安全保障理事会から捻出される財団義援金について我々はこれを廃止することを決議する。
三.我々は今後の財団による国際法及び各国法の定む領域を侵犯する行為について、これを強く非難する。
四.我々は今後の財団による非人道的行為について、これを強く非難する。
五.我々は、これまでの財団の倫理に背く行為について、これを全て追及する。
六.我々は、これまでの財団の国権を制限する行為について、これを全て追及する。
上記の決議は近年財団による活動の意義が問われつつあることを想起し、巨額の義援金の捻出における各国の負担を鑑み、近頃の財団の活動規模の縮小を考慮した結果当然のものである。