SCP-XXXX-JP 獣×3+爬虫類×1=?

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JP実体群はサイト-8169の大型生物収容ユニットにて収容されます。SCP-XXXX-JP-Bが対話を要求した際には、レベル2以上のセキュリティクリアランスを持つ職員の承認を得た後に応じて下さい。

説明: SCP-XXXX-JPは2体の動物型実体(以下SCP-XXXX-JP-1、SCP-XXXX-JP-2と記載)の総称です。SCP-XXXX-JP-1、2は共に自身を形而上の概念が具現化した実体の1種であると主張しており、日本語による会話を行う事が可能です。SCP-XXXX-JP-1、2の特徴は以下の通りです。

番号 特徴
SCP-XXXX-JP-1 ニホンザル(Macaca fuscata)と同様の外見を持つ実体。全身に多数の裂傷の跡が確認されている。また、脊髄損傷による下半身麻痺の症状を示し、歩行が困難になっている。
SCP-XXXX-JP-2 ホンドダヌキ(Nyctereutes procyonoides viverrinus)と同様の外見を持つ実体。背中の広範囲に火傷の跡を有している。二足歩行する事が可能であり、多くの場合SCP-XXXX-JP-1を抱きかかえて移動する。

SCP-XXXX-JP-1、2は任意で互いに融合し、SCP-XXXX-JP-1の頭部とSCP-XXXX-JP-2の身体を持つ実体(以下、SCP-XXXX-JP-Aと記載)に変身する能力を有しています。SCP-XXXX-JP-Aは自身の内部にSCP-XXXX-JP-1、2双方の人格が存在しており、肉体の主導権はSCP-XXXX-JP-1が握っていると証言しています。

SCP-XXXX-JP-1、2はサイト-8169周辺地域にて確認された「人面犬」の目撃情報を調査していたエージェントによって発見されました。発見当時SCP-XXXX-JP-1、2はSCP-XXXX-JP-Aに変化した状態で収容施設内への侵入を試みており、駆け付けた職員に対して日本語を用いて自身の収容を要求した為、異常存在として回収されました。

以下は収容直後に行われたインタビューです。

対象: SCP-XXXX-JP-1、SCP-XXXX-JP-2

インタビュアー: 源博士

<記録開始>

源博士: さて、何故貴方達があのような行動を取っていたのか、理由を説明して下さい。

SCP-XXXX-JP-1: それは勿論、収容してもらう為だよ。俺達の仲間も何人かはここに居るって言うし、じゃあ俺らも世話になろうって。

源博士: …左様ですか。その情報は誰から聞きましたか?

SCP-XXXX-JP-1: ああ、それはこいつ(SCP-XXXX-JP-2を指差す)が知り合いから聞いたとかで教えてくれたんだ。何もしなくても人間の方から認識してくれるし、忘れ去られる事も無い場所があるから一緒に行こうって。

源博士: それで自ら収容されに来た、と。

SCP-XXXX-JP-2: はい。ここに来れば少なくとも安心して過ごす事が出来ますから。

源博士: どういう事ですか?

SCP-XXXX-JP-1: [数秒沈黙]……1つ質問させてくれ。昔話に出てくる悪役って奴は最後には思いっきり成敗されるよな。そいつが思いっきり痛め付けられて苦しめばそれだけ物語は面白くなる、そうだろ?

源博士: まあ、確かにそうですね。

SCP-XXXX-JP-1: そんなイメージを背負わされた奴がどんな目に遭うか、お前は想像出来るか?

源博士: それは…[沈黙]

SCP-XXXX-JP-1: ああ、そんな顔をしなくても良いさ。別に恨んでる訳じゃないから。どんな形であれ、人間達が概念を用意してくれるならそれを受け入れるのが俺達の在るべき姿だしな。でも、俺にはそれが出来なかった。

源博士: …続けて下さい。

SCP-XXXX-JP-1: そして何もかも捨てて逃げ出して、今度は誰からも知ってもらえなくなって途方に暮れてたんだ。その時に偶然タヌキに出会って、ここに来たって訳だ。いやぁ、持つべき物は友って本当だよな。

源博士: 貴方達は知り合いだったのですか?

SCP-XXXX-JP-2: ええ、猿さんとはかなり長い付き合いですね。今はこんな感じですけど、あんなイメージを背負う前までは僕たちも結構有名だったんですよ?

SCP-XXXX-JP-1: あー、懐かしいなぁ。あの頃は誰も彼も俺達の事を信じ込んでたってのに。今じゃよく解んねぇ化け物扱いだもんなぁ。何だよ、人面犬って。

SCP-XXXX-JP-2: でもあんな姿じゃ間違われても仕方ないでしょうよ。やっぱり全員揃わないと迫力が足りないんですかねぇ。

源博士: あの、ちょっと待って下さい。あなた達には他にも仲間がいると?

SCP-XXXX-JP-1: ああ、昔はいつも4匹組で人間達を驚かして回ったもんさ。今はあいつらが何処に居るのかも解らなくなっちまったけどな。俺達と同じ目にだけは遭ってなきゃ良いんだが。

<録音終了>

SCP-XXXX-JP-1の発言やその異常性から、SCP-XXXX-JPは単一の近概念存在が何らかの要因で分離した後の姿であるとの仮説が立てられています。インタビュー内で言及された実体はSCP-XXXX-JPと同様の異常性を有していると推定されており、エージェントによる捜索が行われています20██/█/██にサイト-8169に収容された2体の動物型オブジェクトに対する聴収の結果、両実体が共通してSCP-XXXX-JPとの関連性を示唆する発言を行った為調査が行われ、その後正式にSCP-XXXX-JP-3、4に分類されました。SCP-XXXX-JP-3、4の特徴は以下の通りです。

番号 特徴
SCP-XXXX-JP-3 アムールトラ(Panthera tigris altaica)と同様の外見を持つ実体。任意でSCP-XXXX-JP-4と融合し、尾部をSCP-XXXX-JP-4と同一の物に変化させる異常性を持つ。
SCP-XXXX-JP-4 アオダイショウ(Elaphe climacophora)と同様の外見を持つ実体。SCP-XXXX-JP-3との融合時に肉体の主導権を獲得する事が判明している。

事案XXXX-JP: 20██/█/██、SCP-XXXX-JP-1が突如SCP-XXXX-JP-2~4と融合し、トラツグミ(Zoothera aurea)1に酷似した外見の実体(以下、SCP-XXXX-JP-Bと記載)に変化するインシデントが発生しました。変化後のSCP-XXXX-JP-Bは激しく落胆した様子を見せ、著しい精神状態の悪化が確認された為、事情聴取が行われました。

補遺: 事案XXXX-JPの12日後、SCP-XXXX-JP-Bが再度SCP-XXXX-JP-1~4に分離し、個体間で対話を行っているのが観測されました。以下は音声記録の抜粋です。

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