SCP-XXXX-JP 埋葬樹

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アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPの生息区域周辺の土地は財団フロント企業によって買収され、カウンセラー及び精神科医からなる監視員によって常時監視されます。また、SCP-XXXX-JPに関する情報は財団Webクローラにて発見次第削除し、発信者の身元を特定して記憶処理を行って下さい。

説明: SCP-XXXX-JPはイロハモミジ(Acer palmatum)の変種です。樹齢は推定███年であり、特徴として葉や花芽の形成に必要な器官が存在しません。また、枝先が人間の前腕部に類似した形状となっており、常に赤い燐光を帯びています。

SCP-XXXX-JPの根元には直径約0.7m程の空洞が空いており、内部には異常空間(以下、SCP-XXXX-JP-1と記載)が存在します。SCP-XXXX-JP-1内部は外部の気温に関わらず常に20~24℃に保たれており、完全な暗闇となっているため外部からの観測は不可能です。

SCP-XXXX-JP-1内部に人間及びその死体(以下、対象と記載)が侵入した場合、SCP-XXXX-JP-1の開口部は閉じ、外部からの侵入は不可能になります。対象が不明なプロセスを経て消失した後、SCP-XXXX-JP-1への侵入は再び可能になります。

SCP-XXXX-JPは発見された長野県██郡██山の付近の集落にて「とぶらぎ様」と呼称され信仰の対象となっており、発見当時SCP-XXXX-JP周囲に社が建設されていました。調査の結果、村民達はSCP-XXXX-JPの異常性を把握しており、葬儀に利用していた事が判明しています。

インタビュー記録XXXX-JP: 200█/9/21、SCP-XXXX-JP調査の一環としてSCP-XXXX-JPを祀る神社の神主である山田 惣一郎氏(56)に対してインタビューが行われました。以下はその記録の抜粋です。

ええ、本日はよろしくお願いします。しかし貴方も大変ですねえ、こんな辺鄙な所までわざわざ話を聞きに来にゃならないとは。

じゃあ、早速話していきましょうか。ええと、「とぶらぎ様」についてですよね。はい、はい。とぶらぎ様はですねえ、もうずっと昔…室町時代くらいだったかな、まあもっと前か後かわかりませんがまあとにかく長いことこの村で拝まれとったらしいんですわ。

それで何の神様かっちゅうと、まあ、自殺の神様として有名でね、とぶらぎ様に空いたあの穴に飛び込んで死ねばとぶらぎ様とひとつになって、永遠に美しく在り続けられるって信じられてまして。まあ、その頃は口減らしなんかもありましたし、それも兼ねていたんでしょうね。疫病が流行ったり、飢饉が起きたりした時には大勢があの穴に身投げしたっちゅうらしいですよ。

ああ、この風習が四百年も続いた理由ですか。当初は村の中だけでひっそりやっとった儀式らしいんですが、何かの弾みで外の奴らに知られたみたいでして。まあそんな噂が流れれば人も寄り付か無さそうなもんですが、とぶらぎ様目当てにやって来る旅人がちらほら居たらしくてですね。まあ生きて帰られても困るんで、そいつらもとぶらぎ様に身投げさせてやったりしてるうちにいつしか定着していったんでしょう。

もちろん、今はそんな事禁止されてますよ?でもとぶらぎ様は今でも信じられていましてね。どこから聞いたのかは分かりませんが今でもこの村にとぶらぎ様目当てでやって来る人達が結構いるんですわ。

まあ表向きには禁止されてますから彼等もそうだって言ったりはしないんですけどね。でもねえ、そういう人達って、言わなくても分かるんですよ。普通の人に比べて、まあ、何というか、暗くて、疲れきって、孤独に苛まれたような顔をしてる。そういう人達は決まって夜中なんかにこっそりとぶらぎ様の所へ行って穴に飛び込んどるんです。そんな彼等の遺してった物の後始末も私らの役目ですからね。

何故それを止めないのかって?まあ、確かに外地の人達から見たらこれは異常なんでしょう、死のうとしている人間は止めるべきなんでしょう。でもねえ、この村に暮らして、ずっととぶらぎ様を見ていると、とぶらぎ様とひとつになりたいっていう気持ちが段々分かって来るんですよ。

貴方もとぶらぎ様を見ましたよね。綺麗だったでしょう?死ねばあんなに美しいものになれるんですよ?それに、とぶらぎ様とひとつになれば、同じように死んでいった仲間達とも会えるんです。こんなに幸せな死に方は他には無いでしょう。とぶらぎ様のお陰で、この村の人々は最も素晴らしい方法で死ねるんです。

村の人達だけじゃない、ここにやって来る人達だってそうだ。彼等も独り寂しく死ぬのがいやだった、だからここに来てとぶらぎ様とひとつになる事を選んだ。たったそれだけの事を何の権利があって止めろと言うんです?…最近はこの村も高齢化が進んでましてねえ、もう多くの村民がとぶらぎ様とひとつになっているんですわ。いやあ、羨ましい。私も早くあの穴に入りたいもんですなあ。

インタビュー後、山田氏に対して検査が行われましたが、精神影響の痕跡は見られませんでした。調査後、関係者全員に記憶処理が行われました。

探査ログXXXX-JP: 以下はSCP-XXXX-JP発見当時に行われたSCP-XXXX-JP-1内部調査記録の抜粋です。

対象: SCP-XXXX-JP-1

探索者: D-10070。調査に辺り、録音機器、通信機器、GPS装置、ヘッドライトを装着しており、担当職員の秋葉研究員に音声を中継させていた。

オペレーター: 秋葉研究員

<録音開始,200█/9/23>

秋葉研究員: それでは、内部の様子を説明して下さい、D-10070。

D-10070: 了解。うーん…なんか生暖かいし、地面も濡れているわ。あと、かなり広いわね、ここ。ライト付けてるけど先の方は全然見えないもの。

秋葉研究員: わかりました。そのまま奥へ進んで下さい。

D-10070: 了解。何かあったら報告すれば良[D-10070が沈黙する。]

秋葉研究員: どうかしましたか。

D-10070: …人の声がしたのよ、それも何人かの。あなたも聞いたでしょ?

秋葉研究員: …いえ、こちらには何も聞こえていませんが。

D-10070: ええ?確かに聞こえたのよ。何だか優しそうな感じだったわ。

秋葉研究員: …わかりました。では、改めて調査を続行して、何か変化があったら報告して下さい。

D-10070: わかったわ。

[探索から20分が経過する。]

D-10070: 結構進んだけど、何も無いわね。でも声は段々はっきり聞こえるようになってきたわ。ほら、あたしの名前を呼んでる。

秋葉研究員: 失礼ですが、こちらにはあなた以外の人間の声は聞こえていませんよ、D-10070。

D-10070: 本当?あんなにはっきり呼んでるのに?でも気味が悪いとか、そういう感じじゃないわね。何だか心が安らぐっていうか…あら?

秋葉研究員: 何かありましたか。

D-10070: 人が大勢いるわ。こっちに向かって手を振ってる。みんな笑ってて、すごく優しそうね。

秋葉研究員: では、一度話しかけてみて下さい。

D-10070: 了解。あの、すみませーん!ここはどういった場所なんでしょうかー!……駄目だわ、答えてくれない。聞こえてないのかしらね?もう少し近づいてみるわ。

秋葉研究員: 指示に無い行動をとらないで下さい、D-10070。

D-10070: 大丈夫よ。別に怖そうには見えないし、あんなに優しそうなんだもの。すみません、ここは一体…[物体の落下音。D-10070が録音機器を落としたと推定される。]

秋葉研究員: どうしましたか、D-10070?応答して下さい。

[D-10070の悲鳴が流れ、直後に不明な唸り声が発生する。]

秋葉研究員: D-10070、応答して下さい。D-10070!

[D-10070の叫び声と引き摺る音が13秒流れる。その後、数分間にわたる咀嚼音が記録された。]

<録音終了,>

終了報告書: この調査後、D-10070が所持していた機材が著しく破損した状態でSCP-XXXX-JP-1内部から放出されました。これらの物体には大量の血液が付着しており、検査の結果███人分のDNAが検出されました。


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