SCP 無用の長物

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クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - 無用の長物
著者: ©Aramine
作成年: 2022

アイテム番号: SCP-XXXX-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-XXXX-JPはサイト-81RAの低脅威度物品収容倉庫に収容されます。

説明: SCP-XXXX-JPは複数の異常性を有する縦1.0m×幅0.9m×奥行0.5mのプレハブ倉庫です。非活性状態においては、稀に少量の食塩水が壁面に出現する以外には一切の異常性を示しません。同メーカーから販売されている同型の製品には異常性は確認されていません。

SCP-XXXX-JP内部に8歳未満の人物1名(以下、対象)が存在する場合に限りSCP-XXXX-JPは活性状態に移行します。活性状態下においてSCP-XXXX-JP及び対象が示す異常性は以下の通りです。

• 強力な破壊耐性、ミーム汚染耐性、現実改変耐性、防音性
• 対象の体感気温が摂氏22度～25度、湿度は60%前後へ変化する¹
• 壁紙が青地に飛行機のイラストが描かれたものへ変化する
• 対象が有する怪我・病気・その他体調不良などによる苦痛の遮断
• 対象の視界に映像が流れる²
• 男児向けの玩具が出現する
• 対象が満腹感・充足感を抱く

SCP-XXXX-JPの扉を開くことでSCP-XXXX-JPは非活性状態に移行し、活性状態化で出現した物体等は即座に消失します。

実験終了後に行われたインタビューでは複数人から「後悔していた」「違うと言われた」などの証言を得ましたが、SCP-XXXX-JP内部で対話可能な存在の出現が観測された例は無く、現在も異常性に関する調査が進められています。

発見経緯: 2021/08/20、██県警に高宮氏宅から異臭がすると通報があり、警察による捜査の結果SCP-XXXX-JP内部に高宮氏の息子である██氏(当時8歳)の遺体が発見されました。その後財団エージェントによりSCP-XXXX-JPの異常性が発見され、収容に至りました。██氏の死因は全身打撲による外傷性ショック死であり、SCP-XXXX-JPとは無関係であると考えられています。

スポイラー

SCP-XXXX-JPが元々設置されていた家では子供が虐待されており、ここで反省してなさい！みたいなノリでSCP-XXXX-JP内に閉じ込められて放置されたりしていました。それをかわいそうに思ったのかなんやかんやでSCP-XXXX-JPは異常性を獲得し、日ごろから子供を楽しませるなり慰めるなりしていました。しかしSCP-XXXX-JPの異常性は"無い"を"有る"には、そしてその逆もできない（気温などは変えられない、怪我・病気を消すことはできない、満腹にすることはできないなど）ため、親の暴力が行き過ぎた日に子供が死ぬのは止められませんでした。

Footnotes

1. 実験により実際の内部気温・湿度は変化していないことが判明している。

2. 映像自体は地上波や映画など非異常のもの。恐竜・ロボットアニメが多い傾向にある。

付与予定タグ: scp jp safe 知性

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  Tutu-sh 06 Jul 2022 03:55

  拝読しました。現状NVです。

  要は不純物の少ない水でなければ効果を発揮できないということでしょうか（そのため塩の付着した状態では活性化できない？）。「とある異常性があるけれどその効果を発揮すると無意味になってしまう」という内容を主軸にするのであれば、Anomalousアイテムで十分、というよりもAnomalousアイテムでかなりやられてしまっている印象を受けます（例: 目に付けると眠れなくなるアイマスク）。SCP報告書としての面白さを追求する場合はやはり、無意味だと思っていたがさらなる真相や異常性があった……という展開にするのが無難ではないかと思います。

  人工の雨のみで活性化するという特性でもしかするとそのあたりを匂わせているのかもしれませんが、私には意図が読み取れませんでした。もし読者に考察を求めるタイプの記事であるならば、生理食塩水のくだりも含めてスポイラーに答えを書いていただけると幸いです。

  気温22度～25度

  間違いなくセルシウス度だとは思いますが、単位を℃とするか摂氏22度と表記する方が厳密で良いと思います。

  付与予定タグ: scp jp

  オブジェクトクラスタグとしてsafeを付与しましょう。

  以上です。執筆頑張ってください。

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  Tutu-sh

  Aramine 06 Jul 2022 10:07

  ご批評いただきありがとうございます。

  このオブジェクトは、使う人を喜ばせるために色々な異常性を持っているが、雨を止ませてしまうという余計なものまで持っているため普通に使われなくなった可哀想さをテーマとしていました。短い記事を書いてみたかったのですが、加減がわからず情報を絞りすぎてしまいました……。対象となる条件などを少し追加し、記事の下部にスポイラーを追加しました。

  気温22度～25度

  修正しました。

  オブジェクトクラスタグとしてsafeを付与しましょう。

  ご指摘ありがとうございます、失念していました。safeとアトリビュートタグを追加しました。

  貴重なご意見・ご感想、誠にありがとうございました。

  Tutu-sh 08 Jul 2022 14:37

  + ご返答ありがとうございます

  過去の版から加筆した点は粉砕機破損事故のくだりですね。SCP-XXXX-JPが廃棄された経歴を持つという点はこれで示されており、一つ情報が追加された形にはなったかと思います（粉砕機破損事故の原因はSCP-XXXX-JPの破壊耐性だったりするのでしょうか。現状では理由が直接的には示唆されていないため、その場合はその旨を書いた方が良いかと思います）。

  ただし、現状でもスポイラーの内容を読み取れるかと問われると厳しいのではないかと思います。私が最初の批評に際して内容を読み取れなかった理由は主に以下の3つではないかと考えています。
  

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  1. 論拠不足
  SCP-XXXX-JPが自我や意識を有する示唆が生理食塩水しかなく、設定が共有されていません。例えば傘つながりでSCP-548-JPを取り上げますと、歓声や罵声に応じてその音色を有意に変化させることから、自我や意識を持つことがほぼ自明と言えるほどに示されています。この点、SCP-XXXX-JPはそういった示唆がなく、生理食塩水だけでは根拠が不足して解釈に自信を持てない、ということが考えられるかと思います。

  2. 局所的な内容過剰
  SCP-XXXX-JPによる正の作用が具体的過ぎるように思いました。充足感や肯定的な感情であればそういうものなんだなと感じられますが、好意の向上や生殖能力の回復は特に具体的過ぎる情報であり、解釈の上でノイズになってしまっているように思います。この記述があったため、人工雨でのみ活性化するという条件と合わせ、私は初読の際に以下のように考察（と言えるか疑問ですが）していました。

  • SCP-XXXX-JPは純水・精製水あるいは人工的に調整が加えられた水でのみ活性化する。天然の雨水は炭酸イオンや硫酸イオン、そのほかの不純物が混入しているため人工水と区別される。
  • SCP-XXXX-JPは特に生殖能力の改善やつがいの構築をはじめとする繁殖の促進のためのオブジェクトである。
  • SCP-XXXX-JPの開発元は何らかの要因により繁殖能力や出生率の低下した世界であり、宇宙船など閉鎖環境にある。水はリサイクルされているため、傘はリサイクルされた人工水を想定して開発されており、天然の水を対象に取らない。

  ……とまあ私がSF好きに偏っていることもあってかなり突飛な内容になってしまいましたが、Aramineさんの想定解とこれほど離れた解釈も出来なくはありませんでした。もし何らかの特定の用途等を持たせず「使う人を喜ばせる」という内容にするのであれば、効果に関してはざっくりとした説明が良いかと思います。

  なお加えて、細かいですが生理食塩水もややノイズを含んでいるかもしれません。生理食塩水は体液との等張液というだけで、体液を構成する他の成分（例えば食塩のナトリウムNaと共に電位依存の代謝に参加するカリウムK、タンパク質のアルブミンやグロブリンなど）が含有されておらず、涙をはじめとする体液と全く同じ成分を含むわけではありません。なので生理食塩水と細かく指定すると、涙としての示唆が薄れてしまうことも考えられます。変更するとすれば、生理と指定せずに「食塩水」あるいは「食塩の結晶」とかでしょうか。

  3. 論理の穴
  作中の条件下でSCP-XXXX-JPが悲壮に暮れるとは限りません。これはアドラー心理学とも通じるところがあるのですが、人間の心というものは必ずしも過去の原因で形成されているわけではありません。例えば自転車で盛大に転倒したとして、それを理由に二度と自転車に乗らない人もいれば、研鑽を重ねて技能を習得する人もいます。このように人間の感情や気持ちは原因に拘束されません（心理学を掘り下げればもっと詳しい/厳密な話があるとは思いますが、私は専門ではないためこの程度に留めます）。

  同様のことがSCP-XXXX-JPにも言えると思います。SCP-XXXX-JPは廃棄されて財団に回収され、その後実験で人工水を使用されたことに気付いて涙を流し、異常性の発現をやめてしまいました。しかし、人工の水とはいえ、財団という組織は捨てられていたSCP-XXXX-JPを拾い上げ、実験という目的で使ってあげているわけです。この点で、SCP-XXXX-JPは悲壮に暮れる必要が無く、むしろ喜んで収容生活を送るという捉え方もできるわけです（実際私はそう考えており、SCP-XXXX-JPが財団のせいで悲しんでいるという発想には至りませんでした）。こうして他の捉え方ができる点で、ストーリーないし設定を明確に提示できていないと感じました。
  

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  この中では2と3、特に3が原因として大きい気がします。このあたりを解消し、他の解釈が出来ないように設計していくと読み取れるようになるのではないでしょうか。

  ただ、この設定を読み取ったとしてそれがUVに繋がるかというと、それも違うのではないかなと思いました。スポイラーを聞いて強く心に響いたかと問われると、そこまでSCP-XXXX-JPに同情したり可哀相に思ったりしたわけでもなく、物足りなさを覚えました。先に例に挙げたSCP-548-JPは情緒的なストーリーが展開されていますが、そこで愛着を持たせるための仕組み（罵声を浴びせると音質が劣化する、賞賛すると嬉しがったり喜んだりしつつさらに上達もする）があります。本作もSCP-548-JPに読者が感情移入するような描写があると、残る記事になるのではないかと思います。

  以上です。執筆のほど応援しております。

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  Tutu-sh

  最後の編集 08 Jul 2022 16:54 by Tutu-sh さらに表示

  Aramine 10 Aug 2022 10:05

  再度のご批評誠にありがとうございます。返信が遅れ大変申し訳ございません。

  スポイラーの内容が記事から読み取れないという以前に内容が心に響くものではない、感情移入がし辛いというご指摘を受け、確かに……と思ったため全体的な改稿を行いました。
  大元となる「オブジェクトがいい異常性を持っているが最終的にやるせない結果になる」という部分は残しつつ、オブジェクトと所有者の子供との関係を背景に入れて悲壮寄りの解釈に向きやすくする形にしました。論拠不足の点に関しましてはインタビューで補強できていればと思います。

  貴重なご意見・ご感想誠にありがとうございました。

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