itsuki_norisaki-2--6789

クレジット

タイトル: SCP-XXX-JP - (記事のメタタイトル)
著者: ©(あなたのWikidotID) does not match any existing user name
作成年: 2022年

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Euclid

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPは財団フロント企業によって買収し、営業を中止させています。SCP-XXX-JPには監視カメラと警備員を配備し、侵入者を警戒してください。侵入を試みる者を発見した場合拘束し、一般人の場合尋問の後に記憶処理して解放。要注意団体の構成員の場合、最寄りのサイトへ報告してください。実験は現在収容中のSCP-XXX-JP-1に変化が見られるまで、無期限に中止されています。

説明: SCP-XXX-JPは███県████市に存在する、かつてスパ・████として営業していた温浴施設です。SCP-XXX-JPの異常性は当施設内でととのう¹事で発現します。SCP-XXX-JPの異常性の影響を受けた対象はSCP-XXX-JP-1へと変化します。
SCP-XXX-JP-1へと変化した対象は、一時的にヒューム値が上昇し現実改変能力を獲得します。このヒューム値の上昇と持続時間には個人差があり、数秒から最大で[N/A］にまで及びます。
発生する現実改変として肉体及び周辺物品の異常な強度上昇、空間異常、重力異常などが挙げられます。

実験記録001 - 日付20██/12/25

対象: Dクラス職員

実施方法: サウナを用いた温冷交代浴。休憩は外気浴スペースで取らせる。

結果: ヒューム値の上昇を確認。当日の外気温は8℃であったにも関わらず、当該Dクラスの周囲の気温は23℃まで上昇。近隣の商店街から聞こえていたクリスマスソングメドレーが聞こえなくなる。

分析:気温を上げ、意識を逸らすものを遮る。ととのう為に環境を変化させたのでしょうか？次回は計測機器を増やして観測しましょう。─新屋敷博士

実験記録002 - 日付20██/12/30

対象: Dクラス職員

実施方法: サウナを用いた温冷交代浴。休憩は外気浴スペースで取らせる。

結果: ヒューム値の上昇を確認。温度の上昇も確認したが音の減衰は確認出来ず。計測機器の一部が浮かび上がる。

分析:そもそも今日は音楽が流れるなどの要因がありませんでしたから音は想定内です。ただサイコキネシスなのか機器の浮遊は前回と異なる点ですね。次回は原理の特定に当たります。ー新屋敷博士

実験記録003 - 日付20██/01/13

対象: Dクラス職員

実施方法: サウナを用いた温冷交代浴。休憩は外気浴スペースで取らせる。

結果: ヒューム値の上昇を確認。温度変化、計測機器の浮遊を確認。新たに設置した装置により浮遊原理が重力異常である事が新たに判明。

分析:実験後のDクラスが体が軽くなったような浮遊感を報告していましたが、まさか本当に言葉通りの現象が起きているとは……─新屋敷博士

実験記録006 - 日付20██/02/06

対象: Dクラス職員

実施方法: サウナを用いた温冷交代浴。休憩は外気浴スペースで取らせる。対象がととのい状態に移行したのを確認し次第別の指示を出す。

結果: 通信、肉声、筆記、肉体への接触のいずれも失敗。

分析:ととのう以外の行動を阻害する為に現実改変能力を用いる事からこの異常性の発見が遅れた、という経緯もありますからこの結果は予想出来ました。まだ判断は出来ませんがととのう以外の何かに利用出来るオブジェクトではないのかもしれません。─新屋敷博士

実験記録050 - 日付20██/12/25

対象: Dクラス職員

実施方法: サウナを用いた温冷交代浴。休憩は外気浴スペースで取らせる。外気浴スペースには騒音を発生させる為にスピーカーを配置。投光器で対象を照らす。

結果: ヒューム値の上昇を確認。空間、重力ともに異常を確認。

分析: 対象の現実改変時間、そのままととのっている時間とも言い換えられますが、その時間は次第に長くヒューム値の上昇幅も大きくなっています。先日対象の健康診断を行った所、彼は長年の喫煙及び飲酒にも関わらず全ての項目で財団エージェントとして雇用出来るほどの優良スコアを叩き出しました。ととのう為の現実改変が肉体にまで及んでいるのなら、最終的に彼は一体どんな改変を行うのでしょうか？─新屋敷博士

補遺: SCP-XXX-JPに関する実験はインシデントSCP-XXX-JPの発生によって無期限に凍結されます。合わせて収容プロトコルの一部を変更しました。
以下はインシデントの詳細です。

インシデントSCP-XXX-JPの映像記録：

担当者： 新屋敷博士

<記録開始>

新屋敷博士:彼はととのい状態に移行したか？
熱波研究員: はい。ヒューム値の上昇を確認。重力異常、発生しました。

[映像がが僅かに揺れる]

新屋敷博士: ……今日は一段と強いな。

熱波研究員:ええ、ヒューム値の最高記録を塗り替えていますよ。

対象の背後の光が歪み、波打つようなパターンを描く。

徐々に光は波長を強め、極彩色の波が対象の周囲を取り巻く。

熱波研究員:いつ見ても不思議な光景です。

新屋敷博士:あれがととのう事と何の関係があるのかは分からないが共通する感覚、イメージなのだろう。

対象の身体の輪郭が曖昧になり光に溶け出す。

対象の周囲の光が対象の背にむかって歪む。

空間が歪み周辺の光を飲み込む穴を発生させる。

新屋敷博士:おい、ヒューム値はどうなっている。

熱波研究員:な、これは……

映像が大きく揺れ、僅かに斜めに撮影される。

新屋敷博士:おい！D-XXXX！実験は中止だ！

新屋敷博士が外気浴スペースへ繋がる扉を開ける。

対象が目を開く。
光は対象の背後で渦巻き、円を描く。

D-XXXX:そうか……そうだったのか

対象の輪郭が光を帯びる。

映像と音声ににノイズが走り、不明瞭になる。

立ち上がったD-XXXXの帯びる光が強くなる。

D-XXXX:異常存在とは、この世界とは……

対象の帯びる光がさらに強くなり、シルエットでしか認識出来なくなる。

D-XXXX:[ノイズで判別出来ない音声］

音声ノイズが強くなり映像がホワイトアウトする。

D-XXXX:行かなくては

映像からノイズと光が消失。対象の消失した外気浴スペースに新屋敷博士が侵入する。

新屋敷博士:今のは……

映像終了。

Footnotes

1. アドレナリンが分泌された後、副交感神経優位のリラックス状態になる事

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