「虎屋博士〜」
聞き覚えの無い声が背後から聞こえ、思わず振り返ると泣きそうな顔をしながらこちらに走ってくる一人の青年がいた。
彼は私の方にいきなり抱きついてくると
「虎屋博士助けてください。頼れる人があなたしかいないんですぅぅぅぅ」
泣き声混じりの大声でいきなり助けを求められた。この青年が誰なのかは知らないが助けを求められたからには無視するわけにもいかないし、なにせ周りの職員の目がキツイ。
「わかったから離れてくれないか」
そう言うと青年は離れ
「失礼しました。私はセキュリティクリアランス2の時山 一と申します。新人職員に向けた講習の際、異常性を有する職員の一例として虎屋博士のことを教えていただきました」
「わかった。それでなぜ助けを求めてきた」
「人が全員ひよこや鶏に見えるんですよ。多分認識災害に暴露したって言うんですよね。助けを求めようにも全員ひよこや鶏に見えるので困っていたら虎屋博士だけ唐揚げのままなんですよ。それで助けを求めたわけです」
「助けを求めるなら財団職員用の端末使えば良かったじゃないか。それに人に伝えるだけで広がる認識災害もあるから下手に人に伝えるのは良くないぞ」
「あっ」
よくそんなんで財団職員になれたものだ。
「とりあえずついて来てくれ。医療チームのところへ行くぞ」
「医療チームいるか」
「はい、虎屋博士何しにこちらにいらしたのですか。お菓子の試食なら断りますよ」
「いや違う。この青年が認識災害に暴露したらしくて、全員ひよこや鶏に見えるそうだ」
「えっ、そんなの初めて聞いたんですけど。とりあえず君名前は」
「はい、時山 一と申します」
「認識災害系のアノマリーに関わったことは」
「いや、無いです」
「いつから人が鶏に見えるようになった」
「1時間ぐらい前で迷路みたいなこのサイトをさまよってたら急に」
「原因もわかりそうに無いし。取り合えずセキュリティチームに連絡して、Aクラス記憶処理ブチこむか」
「検査とかは行わないんですか」
「面倒くさいからやんない。多分記憶処理やれば治るでしょ」
そんなんでいいのかよ。
記憶処理中
「お〜い大丈夫か時山くん」
「う〜〜ん。うわっ、唐揚げが喋ってくるいや虎屋博士か」
「記憶処理の効果はあるようだな。廊下で倒れてたから医療チームのところまで運んできたよ」
「そうなんですか。ありがとうございます。そういえば荷物を取りにこのサイトに来たのでこれで失礼します」
そう言うと彼は意気よいよくベッドから起き上がり走っていった。
「あれだけ元気なら大丈夫か。仕事に戻るか」
椅子から立ち上がり医務室を出て仕事に向かう。
「虎屋博士〜助けてください」
10分前と同じことがおきた。
「精密検査するからこっち来て」
検査中
「どうですか」
「異常ミームに暴露した形跡はなしってまじか」
「それはかなりまずいな。収容チームに連絡を入れる」
急いで端末を取り出し連絡を入れる。
「急いで来てくれないか未知の認識災害に暴露した研究員がいる」
「そういえば聞いてなかったけど君はどんなアノマリーに関わっているの」
「SCP-558-JPの収容の助手をしています」
「虎屋博士知ってますか」
「確か、ひよこが無限に出てくる異常空間だった気がする。あれEuclidだったはず、時山君は見た感じ新人だけどよく関わる許可出たよね」
「いや、3ヶ月前まではAnomalousの管理だったんですがSCP-558-JPの人手が足りないのと俺が調理師免許持っているからという理由でSCP-558-JPの配属になりました。ナンバリングされているアノマリーの管理って大変ですね。おかげで14連勤ですよ」
14連勤ってたまに聞くけどやばいな。
「君、ちょっと顔近づけて」
「こうですか」
医療チームが時山君の顔をじっと見つめる。
「虎屋博士。収容チームに出した連絡、間違いだったと伝えてください」
「なぜ」
「これは多分疲労からくる。幻覚だと思います。よく見ると目も充血しているし薄っすらだけど目の下に隈もできてるし。14連勤でずっとひよこ見てるわけでしょ、こんな幻覚見てもおかしく無いけどね。とりあえずサプリメント出すから3日間休んでそれでもこの幻覚が見えるならここに来て」
これだけ騒いでただの疲労だったとは思わず時山くんの方を見る。
「いや、あの、すみません」
「幻覚を見る前に休暇を取るようにして」
「有給が4連続で却下されたときはどうしたらいいですか」
医療チームが肩に手を乗せ。
「……頑張って」
サプリをもらうとお礼と謝罪を言い職員向けの居住スペースに向かっていった。
3日後
「時山君いるか」
「はい。虎屋博士、あのときはお世話になりました。あの幻覚もすっかり治って、今は元気です」
「良かったよ。君に渡す物があってね」
そう言い紙を渡す。
時山 一研究員へ
今回の件に関して認識災害に暴露している旨を他の職員に伝える・自身の健康管理ができていない・セキュリティチーム及び収容チームの業務に支障をきたしたとして6ヶ月の減俸処分と反省文の提出を言い渡す。反省文は翌日中に提出するように。
「虎屋博士、やっぱ治ってないです」
「諦めろ」
Dってなんぞや
財団がマッドサイエンティストなのは事実だろ
やっぱあってんじゃん
異常性持ってる職員がいるらしいがなんでこいつ収容しないんだよって職員いる?
誰かさんのせいで驚異度は上がったかもしれないが。
有給は降りないし、サービス残業は当たり前。休みは週2。(仕事多すぎてよく消える)
給料が高いのがせめてもの救い。(収入は秘密)
1. 財団に対する高い忠誠。
2. 財団の活動に理解がある。
3. 特筆すべき問題行動がない。
4. 主だった異常性が無い
の4つを最低でも満たしている必要がある。
4つ目はガバガバな気がするが。
これらを満たして財団職員になっても定期的に忠誠度テストがあるけどな。
特に異常性がなければ1~3週間で開放される。ヤベーSCIPに関わってない限りは。
収容室だって限られてるからね。
逆に協力しないと怖~いお兄さんたちが出てきて大変な目に遭うぞ。
一生青空を望めなくなるかもな。
誰か俺を助けてくれ。
長野県の軽井沢の異常空間の調査をしてたら閉じ込められた。
一人でくるんじゃなかった。
Σ( ゚Д゚≡( ノ)ノ マジ!?
唐突過ぎん。
なんで財団に連絡せず。ここに助け求めてるんだよ。
ファ!!
なんでこんなスレタイにしてるんだよ。急募助けが必要にすれば良かったんじゃないか。
これらの持ち物でいけるか。
持ち物リスト
・連絡用スマホ
・拳銃
・タバコ
・ライター
・職員カード←流失したら殺される。
たまーに変なとこ連れて行かれるよな
そうなのかー
質問の回答は本当です。
このレスを気に財団のことを見直してくれよ。助けが必要だったら呼んでくれよ、助けになるぞ。
最後に財団職員らしく
確保・収容・保護
規模が違うww
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任意A任意B任意C- portal:7856033 (24 Jan 2022 12:28)
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