車内アナウンスパンデミック

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※SCPに番号が振ってありますが、これは削除対象にある記事の改稿案であるためです。本投稿の際に適宜差し替えます。

アイテム番号: SCP-1237-JP

オブジェクトクラス: Safe

特別収容プロトコル: SCP-1237-JPはすべてサイト-81██の低危険物収容庫に保管してください。収容している限りSCP-1237-JPが周辺環境に悪影響を及ぼすことはありませんが、SCP-1237-JPを用いた実験を行う際は田村博士の許可を取ってください。

説明1:SCP-1237-JPは東海道新幹線内を走行する新幹線車両に搭載されていた、車内アナウンス用のスピーカーです。このスピーカーを用いて録音されている車内アナウンスを放送した場合、本来入力したものとは異なるアナウンスが再生されます。例として「まもなく米原です」のアナウンスが「まもなく新富士です」のように、車掌が意図するものとは異なるアナウンスが流されます。この置き換わった後のサウンドは“SCP-1237-JP-sound”と分類されています。

SCP-1237-JP-soundは人間であれば知覚できますが、録音・映像には収録がされません。本来出力されるべきアナウンスが収録されます。その他、人間や周辺環境、機械装置に悪影響は一切及ぼしません。

202█年4月██日、SCP-1237-JP-soundの存在が初めて確認されました。当日のぞみ██号に乗車していた乗客から車掌への報告によりSCP-1237-JPによる音声の入れ替えが判明しました。該当列車の車掌は本来録音されているアナウンスの再生を試みましたが、機器類が復活することはなく、代わりに車掌本人による肉声での案内で対応が行われました。

当初は単なる故障として受け止められましたが、ビデオカメラなどに音声が録音されなかったことから異常性が判明。情報を察知したエージェント・草野1を通じてSCP-1237-JP-soundの存在が財団に通達されました。

該当編成はSCP-1237-JP-Aとして財団の管理下に入り、静岡県の浜松工場の臨時隔離スペースにて収容措置が取られました。この際、財団に無関係のJR東海及び工場職員にはカバーストーリー「車両故障」を頒布しています。

以下、SCP-1237-JP-Aを対象にした実験記録です。

実験記録001 - 日付202█/4/██

責任者: 田村博士

実施方法: SCP-1237-JP-A車内の車掌室からアナウンスを実施

結果: 車内アナウンスがSCP-1237-JP-soundに置き換わっていることを確認。取得された10回分のSCP-1237-JP-soundの内容を検証したところ、本来とは異なるアナウンスが出力された。

実験記録002 - 日付202█/4/██

責任者: 田村博士

実施方法: SCP-1237-JP-Aの8号車の車内スピーカーを交換。

結果: 8号車でのみ、車内アナウンスが本来のものに戻っていることを確認。

実験終了後、SCP-1237-JP-Aの残りの車内スピーカーの取り換えが行われました。外されたスピーカーは"SCP-1237-JP"としてサイト-81██に収容されました。無事に収容されたため、SCP-1237-JPはSafeに分類されました。

SCP-1237-JP-Aは試験走行の後、通常運用に復帰しています。
 


 
説明2:約1か月後の202█年5月██日に再びSCP-1237-JP-soundの発生が確認されました。

すぐさまJR東海に潜入している財団職員が当該編成を車庫に回送させ、SCP-1237-JPを収容しました。しかし、翌日にSCP-1237-JP-soundが発生する編成がさらに2本出現しました。これらSCP-1237-JP-soundを発生させる編成は「SCP-1237-JP-A群」とされ、202█年4月██日に発生したSCP-1237-JP-Aから順番に「SCP-1237-JP-A-1」「SCP-1237-JP-A-2」…とナンバリングされました。

以下、報告例です。

報告001 - 日付202█/5/██

責任者: 田村博士

報告: 東海道・山陽新幹線を走行する2編成にてSCP-1237-JP-soundの発生を確認。同2編成を浜松工場に収容。SCP-1237-JPの収容と通常のスピーカーへの取り換えが図られた。

報告002 - 日付202█/5/██

責任者: 広川研究員

報告: 東海道・山陽新幹線を走行する4編成にてSCP-1237-JP-soundの発生を確認。同4編成を大井車両基地に収容。SCP-1237-JPの収容と通常のスピーカーへの取り換えが図られた。

報告003 - 日付202█/5/██

責任者: 広川研究員

報告: 東海道・山陽新幹線を走行する8編成にてSCP-1237-JP-soundの発生を確認。これ以上車両を休車させると東海道新幹線の運行に重大な支障が発生すると判断。「システム故障」のカバーストーリーを乗務員・乗客に頒布のうえ「SCP-1237-JP-A群」を通常運行に使用した。乗客へのアナウンスは車掌が肉声で行うよう指示した。

報告004 - 日付202█/5/██

責任者: 田村博士

報告: 東海道・山陽新幹線を走行する17編成にてSCP-1237-JP-soundの発生を確認。「報告003」と同様の措置が取られた。また旧SCP-1237-JP-Aの内、3編成が再びSCP-1237-JP-A-soundを発現。前述の17編成合わせて計20編成がSCP-1237-JP-Aに分類された。「システム故障」のカバーストーリーは引き続き頒布。

報告005 - 日付202█/5/██

責任者: 田村博士

報告: 東海道・山陽新幹線を走行する35編成にてSCP-1237-JP-soundの発生を確認。「報告003」と同様の措置が取られた。また旧SCP-1237-JP-Aの内、7編成が再びSCP-1237-JP-A-soundを発現。前述の17編成合わせて計42編成がSCP-1237-JP-Aに分類された。「システム故障」のカバーストーリーは引き続き頒布。

SCP-1237-JP-Aに現実改変能力が存在する可能性も示唆されたため、カント計数機によるSCP-1237-JP-Aの車内点検が行われましたが、SCP-1237-JPを除き全てヒューム値に異常はありませんでした。また検測車両2を用いた線路設備の現実改変の検査が行われましたが、こちらも異常は特に示されませんでした。

以上のことからSCP-1237-JPの異常性は何等かの形で他のスピーカーに伝搬するものであり、同時に本体全ての回収は不可能であると判断されました。そのため、オブジェクト・クラスはSafeからEuclidに格上げされました。
 

以下、SCP-1237-JP-Aを対象にした実験記録です。

実験記録003 - 日付2021/5/██

責任者: 田村博士

実施方法: SCP-1237-JPに変化する前のスピーカー3をSCP-1237-JP-Aに起き、動作させる。電源は外部電源を用意。

結果:スピーカーがSCP-1237-JPに変化することはなかった。

SCP-1237-JPへの対処にかかる予算の増大と影響の長期化が懸念され、東海道新幹線の運行維持を行いながら、事態の収束に向けた作戦の立案が進められました。

以下、JR東海潜入エージェントと財団職員による会議の議事録です。

議事録 - 日付202█/5/██

田村博士: 「ああ、もうなんでこんなことに!」

草野(JR東海に出向中の財団職員): 「落ち着いてください」

田村博士: 「どうしたも何も無意味に時間と金が消えていくのよ。いやらしいSCiPですこと」

広川研究員: 「怒ったってなにも出ませんよ。人が死ぬわけではないんです。ゆっくりやりましょう」

田村博士: 「怒らなくても何も出ないわよ。でも、もっと深いところまで調べなきゃ。草野さん、東海道新幹線を丸一日止めることは出来ない?」

草野: 「不可能です。弊社の役員は丸一日止めるくらいなら記憶処理にお金をかけた方が安い、との判断です」

田村博士: 「変に人も死なないから財団も予算出さないのよね。財団とJR東海さんとの予算折半の交渉を考えると頭が痛い…」

広川研究員: 「(何か考え込む様子)」

田村博士: 「どうしたの広川くん?」

広川研究員: 「草野さん、SCP-1237-JP-Aの編成リストをもう一度見せてください」

草野: 「はい、こちらです」

広川研究員: 「(パラパラとリストを捲りながら)よく見たらこれ、16両編成の車両のみなんですね」

草野: 「そうですよ」

田村博士: 「あれ?そういえばそうね。新幹線って両数に違いがあるんだっけ?」

草野: 「はい、東海道・山陽・九州新幹線に使われる車両には16両、8両、6両の3タイプがありますが、その内東海道に入線するのは16両編成だけです」

広川研究員: 「(興奮した声で)草野さん!東海道新幹線の乗り放題パスって発行できますか!?」

草野: 「え…?財団活動のためなら許可が下りると思いますけど…?」

以下、SCP-1237-JP-Aを対象にした実験記録です。

実験記録004 - 日付2021/5/██

責任者: 広川研究員

実施方法: SCP-1237-JP-A-63の客室コンセントにカント計数機を繋げる。

結果: SCP-1237-JP-A-63の走行中に異常なヒューム値を検出。現実改変能力を持つことが判明した。ヒューム値の異常は██駅から██駅の区間4に偏って発生していた。

実験記録005 - 日付2021/5/██

責任者: 広川研究員

実施方法: 車内の客室コンセントでiPod nanoを充電する。車両は限定せず、ヒューム値異常検出区間である██駅から██駅の間を可能な限り何往復もする。

結果: 11往復目でiPod nanoからSCP-1237-JP-soundの発生を検出。iPod nanoはSCP-1237-JP'に分類。検査の後収容された。

以上のことから、SCP-1237-JPはSCP-1237-JP-Aが東海道新幹線の特定区間を走行することによって発生するものと判明しました。

ヒューム値が異常な値を示す区間の架線について、JR東海及び線路保全会社への聞き取り調査によるを実施したところ、ある一定のまとまった期間、架線5の取り換え工事が行われている箇所であると判明しました。

その後さらなる調査の結果、東海道新幹線内で使用された架線の一部に東弊重工製の銅が混入していたことが判明しました。この東弊重工製の銅の混入した架線はSCP-1237-JP-Bと分類されました。

以下、SCP-1237-JP-Bを用いた実験記録です。

実験記録006 - 日付202█/5/██

責任者: 広川研究員

実施方法: SCP-1237-JP-Bを導線に用いて██社製ラジカセを動作させる。再生するCDは「クラシック大全集」でしばらくはバッハベルの「カノン」をリピート再生させた。

結果: 電源を入れてしばらくはバッハベルの「カノン」が再生され続けた。しかし、電源を入れてから1時間が経過すると同じく「クラシック大全集」の中に記録されていたバッハの「G線上のアリア」が流れた。ラジカセに表示されたトラックナンバーはバッハベルの「カノン」のままだった。

トラックナンバーをバッハベルの「カノン」に合わせたまま、もう一度再生ボタンを押すとモーツァルトの「フィガロの結婚」が再生された。以後、バッハベルの「カノン」のトラックナンバーを指定しても、CD内の他の曲が流れていた。

SCP-1237-JP-Bの影響を受けたラジカセを、他の導線による電力で動作させても、CDを入れ替えても、同様の現象が発生した。実験に用いたCD「クラシック大全集」については異常性が確認されず、他のラジカセでも問題なく再生出来た。

以上の実験結果から、SCP-1237-JPはそれ自体が自発的に異常性を獲得したのではなく、SCP-1237-JP-Bから異常性を持った電力を供給されていたためであると突き止められました。

これを受けて財団は、202█年5月██日の深夜に保線作業に偽装してSCP-1237-JP-Bを回収。異常性のない通常の架線と取り換えました。同時にオブジェクトクラスもSafeに格下げされました。現在SCP-1237-JP-Bは全てサイト-81██の低危険物収容庫に収容されています。

以後、SCP-1237-JPの発生は全く確認されておらず、同時に収容を完了したため、事態は完全に収束したものと考えられています。SCP-1237-JP-Aもすべての編成にて異常性が消失したと認められたため、検査と試験走行の後、通常の運用に復帰しています。

補遺1:SCP-1237-JPと同時期に進められていた調査により、東弊重工内で「異常性を利用した銅」の開発が行われていたことが判明しました。その銅の本来の用途については現在も不明です。

SCP-1237-JP-Bは、本来この使用される銅が、何等かのミスにより新幹線架線の材料として紛れ込んで出来たものだと推測されています。

東弊重工の銅が新幹線の架線に紛れ込んだ経緯については引き続き調査が進められています。

補遺2:SCP-1237-JPの影響の長期化による社会の混乱を事前に防いだことを評価して、広川研究員には特別賞与が付与されました。彼曰く「鉄道廃品の購入」に使用するとのことです。


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