オール・アンカー - SCP-JPサンドボックスⅢ

オール・アンカー

クレジット

タイトル: SCP-XXXX-JP - オール・アンカー
著者: melt apl
作成年: 2022

アイテム番号: SCP-XXX-JP

オブジェクトクラス: Keter Neutralized

特別収容プロトコル: SCP-XXX-JPの出現を防ぐために地球上に存在する種族が絶滅することを可能な限り阻止してください。SCP-XXX-JPが出現した場合には目撃者に適宜記憶処理を施してください。 SCP-XXX-JPの出現が停止しました。

説明: SCP-XXX-JPは材質不明の錨です。使用されている金属の種類の特定はその破壊耐性により失敗しています。またSCP-XXX-JPは原理不明の発話機能を有しています。

SCP-XXX-JPはその種において最後の1匹(以下"対象")となった生物の傍に出現し、生命活動が停止する瞬間に消滅します。対象とSCP-XXX-JPが5m以上離れた場合、SCP-XXX-JPは対象の傍に再出現します。対象がSCP-XXX-JPの存在を認知している様子はありません。以下はその例です。

出現事例XXX-JP-1

対象: ニホンオオカミ("Canis lupus hodophilax")

消失日時: 1892/6?¹

追記: SCP-XXX-JPの出現が蒐集院によって初めて正式に確認された事例です。消失の際に『絶滅おめでとう』と書かれた花火が打ち上がり、動物園の一部が焼失しました。

出現事例XXX-JP-13

対象: リョコウバト("Ectopistes migratorius")

消失日時: 1914/9/1

追記: 消失の際に『絶滅おめでとう』と書かれた花火が打ち上がり、動物園の大半が焼失しました。

出現事例XXX-JP-42

対象: ピンタゾウガメ("Chelonoidis abingdonii")

消失日時: 2012/6/24

追記: 消失の際に、『絶滅おめでとう』と近くの山に火で書かれました。消火活動により山火事には至りませんでした。徐々にではありますが、消失時の被害が拡大しています。

出現事例XXX-JP-1700003

対象: ドブネズミ(Rattus norvegicus)

消失日時: ████/█/█

追記: 消失の際に、████海底火山が噴火し、『絶滅おめでとう』と読むことが可能な火山島が発生ました。またSCP-XXX-JPの出現が停止したと推測されます。失敗だ。

以下はSCP-XXX-JPへのインタビューです。
音声記録XXX-JP - ████/█/█

インタビュアー: 束傑博士

<記録開始>

束傑博士: やぁ、SCP-XXX-JP？

SCP-XXX-JP: おう、また財団の奴らか。

束傑博士: うん。インタビューさせて貰ってもいいかな？

SCP-XXX-JP: いいぜ……っても雑談なんだろ？

束傑博士: ははっ、まぁそうだね。でさ、こいつ、可愛いだろ？

[束傑博士が毛皮を撫でる音がする。]

SCP-XXX-JP: あぁ、可愛いな。それに、可哀想だな。

束傑博士: 兄弟、いなくなっちゃったもんね。

SCP-XXX-JP: 全く、お前ら人間も酷いぜ。

束傑博士: 仕方ないだろ？このバトンを早く捨てる為なんだ。だからこそ、君には……。

SCP-XXX-JP: お前らには何回言ったんだ？アンカーがバトンを投げ捨てんなや。たとえいくら重圧がかかっても、いくら辛くても。これまでのアンカーのように走り切れよ。そんで、俺が盛大に送り火してやるのが一連の流れだろ？

束傑博士: [笑う]いやぁ、たまには居たっていいじゃない。もう、僕らは走りすぎて疲れすぎたんだ。

SCP-XXX-JP: このフニャチン童貞野郎が。先祖に申し訳ないだろ。

束傑博士: 童貞か。まぁ、遺伝子を残せていない僕にはちょうどいいあだ名だね。

SCP-XXX-JP: [ため息]どーしてこんなネガティブで消極的になっちまったんかなぁ？昔は俺を収容しようと躍起になってたのに。

束傑博士: 昔の、本当に昔の話だね。あ、そろそろ彼の心拍数が。

SCP-XXX-JP: お別れか。

束傑博士: 運が良ければ最期にでも。

SCP-XXX-JP: ケッ、せいぜいドデカいのかましてやるよ。こいつの祝福も兼ねて。

<記録終了>