有人探査記録-02: 日付20██/07/15
目的: SCP-2745-JP-A内の"出入り口"の捜索
実施方法: 2名のDクラス職員（D-34745-JP・D-44237-JP）と機動部隊-R1("開拓者1号")を派遣した。彼らには前回と同装備のほか1週間分の野営装備を与え、機動部隊にはアサルトライフル(M4カービン)とコルト(M1911)・採取道具を装備させた。無人探査-01の事例を踏まえ、全員に革靴も与えている。
機動部隊-R1: 部隊長: T-2指揮官, 副隊長: バレット, 衛生兵: アルク, 生物担当:ビジー
[記録開始]
（水深70m まで省略）
司令部: 機動部隊-R1、応答せよ。
T-2指揮官: こちらR1部隊長T-2、聞こえました。司令部どうぞ。
司令部: 指揮官、もうじき君たちは"柱並木"へ到達するだろう。だが同地点は、前回の探査で肉食魚が出没している。対象は水中銃が満足に効かず、忌避剤の効果も疑わしい。細心の注意を払ってほしい。
D-34745-JP: それから動きも素早いです。まるで魚雷のようで……
ビジー: なるほどな。 そいつぁクレバーな野郎だな。
T-2指揮官: どういうことだビジー？
ビジー: 周りに隠れる場所がない。だから自身のスピードに自信のある野郎は、ここで襲ってきたんだ。それにな [ビジーが"柱並木"を指差す] あの水路は狭い。せいぜい幅10m かそこらだ。そこで襲えば獲物はほぼ間違いなく逃げられないのに、それをしなかった。なぜか分かるか隊長？
T-2指揮官: 魚が馬鹿だったから……って訳じゃなさそうだな。
バレット: ……分かったかも。相手の反撃を警戒したんだ。あそこは狭い。もしD-72901-JPが水中銃をあそこで撃ったなら、おそらく魚は顔面クリーンヒットで御陀仏だった。違うかなビジー?
ビジー: ご名答、さすがバレット。魚ってのは案外油断ならねぇもんだ。気を引き締めていこうや。
T-2指揮官: その通りだな。司令部、これより本部隊は"柱並木"へ進入する。
司令部: 聞こえているぞ指揮官。了解した。リールに沿いながら慎重に進んでくれ。それから道中、未だ発見されていない探査機「がま-02」と前回ロストしたD-72901-JPも捜索してほしい。後者は望み薄だがな。本命はSCP-2745-JP-B内の探査だ。
T-2指揮官: 了解した司令部。発見次第報告する。
[部隊が"柱並木"へ進入を開始。以降10分を省略]
アルク: あぁーこいつぁ酷でぇや。大方この仏さんがD-72901-JPかな？
[カメラが白骨化したD-72901-JPを映す。ライトに照らされた頭蓋骨には、三葉虫が群がっているのが確認できる。他には何本かの長骨とウェットスーツの切れ端が見られるものの、大半は消失している。どうやら吐き捨てられた成れの果てらしい]
T-2: たぶんそうだろうな。[手で三葉虫を払いながら] いくらDクラスとはいえ、この末路は流石に同情するよ。お前らも災難だったな。[Ｄクラス2名を指しながら]
ビジー: あいかわらず優しいな、うちの隊長は。
アルク: それが隊長の長所だ。何なら骨の1本でも持ち帰れば、弔うぐらいはできるが……
T-2指揮官: [首を横に振りながら] それは無理だ。行きは良くとも、帰りはサンプルを山ほど持ち帰ってくる。骨1本だってDクラスのものと未知の生物とじゃ、今後の展開も変わってくる。
D-34745-JP: ……お構いなく。我々はそういうものだって聞いています。
D-44237-JP: ケッ、世知辛い話だぜまったく。
司令部: D-72901-JPの死亡は確認できました。前進を再開してください指揮官。
[部隊は前進。探査機は今回も発見されず、そのままSCP-2745-JP-Bへ上陸する。クリアリング後、部隊はSCP-2745-JP-B内の方角・座標・大気組成・気温などを測定する。結果は前述の説明欄を参照]
ビジー: なんだこの出鱈目な方角は。コンパスの針が真逆を指してら。
アルク: 酸素濃度も地上よりやや高いですね。まず間違いなく元いたメキシコとは違う場所です。
T-2指揮官: 司令部聞こえるか？こちらR1指揮官T-2、大気の測定結果を今送った。確認できるか？
司令部: 確認できましたT-2指揮官。では、これよりSCP-2745-JP-B内の探索へと移ってください。ビジーは動植物の記録も忘れないように。
ビジー: 了解。
[部隊はGate-01を出発。周囲のジャングルへ分け入った。ジャングルは主にナンヨウスギと木生シダ類が主体となって構成されている。シダをかき分けて進む隊員の頭上を、複数の昆虫や有翼爬虫類が飛び回る。それら皆現存するものと大きく異なった外見をしており、とりわけ翼開長30cmの爬虫類は、絶滅した翼竜類と酷似している。それらは隊員に危害を加えようとする素振りさえ見せない]
ビジー: [飛翔生物を撮影する] 今のは……隊長、ちょっとコレをみてくれ。
[ビジーが写真を見せる。そこには翼手目のような皮膜を広げたカラス大の生物が映っている。嘴が生えた逆紡錘形の頭部、先端に菱形の飾りがついた細長い尻尾といった特徴が確認される。そこへ機動部隊員に混ざってD-34745-JPが口を開く]
D-34745-JP: これは……もしかして翼竜、ランフォリンクスですか？
D-44237-JP: なんじゃそりゃ、ゴジラの親戚か何かか？
ビジー: [感心したように笑みを浮かべ] D-34745-JP、よく分かったな。正確には"ランフォリンクス類と思しき飛翔生物"としか言えないが、それは問題じゃない。こいつは言うまでもなく絶滅した生物だ。それも億年単位でな。
T-2指揮官: なるほど。突入前に本部から聞かされた「ロストワールド」という推測は、どうも正しいかもしれないな。気を引き締めていくぞ。
[部隊はジャングルを30分間歩き続ける。無関係な会話を省略]
バレット: しっかし、こうも視界が悪いとアンブッシュが恐いな。
アルク: ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
ビジー: ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
アルク: ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
バレット: ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。
観測班: ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
D-44237-JP: ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
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SCP-2745-JPの開口部(Gate-07)
有人探査-02では機動部隊がここから脱出した
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[記録終了]
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